永久なるかな ─Towa Naru Kana─ 作:風鈴@夢幻の残響
祐達が『写しの世界』にてテムオリン達と戦っているその頃。
『理想幹』に残ったメンバーのうち望は、ナル化マナに侵食されて異形と化したエデガを倒す再に本当の姿……『叢雲』の剣へと戻ったままのナルカナを携え、『ログ領域』へと入った。
かつての光の奔流に満ちた様相は一変し、黒く澱んだ光が満ち溢れる場所へと変わったログ領域。禍々しくも神秘的なその光景は、望の心に言いようの無い不安を与える。
『ログ領域』を進むたびに、澱んだ空気がまとわり付き、ナルカナ……『叢雲』を携えていなければ、下手をすればそれに飲み込まれていたかもしれない。そんな想いを抱かせる世界。
そこで彼は一人の人物と対峙していた。
彼等が助け出さんとする人物、斑鳩沙月。その肉体を乗っ取り、操るもの。彼女の前世、セフィリカ・イルンと。
ここを出ようとするセフィリカと、それを押し止め、沙月を取り戻そうとする望。
ならば押し通るまで。そう言い放ち、望へと剣を向けるセフィリカ。その時望は、彼女の中──その更に奥から、沙月の存在を感じた。
故に望もまた、剣を取る。沙月を取り戻すために。
激しくも気高く、哀しくも美しい二人の剣舞は、しかして望の勝利に終わる。
さもありなん。一方は所有者でもなく力を借りているだけとは言え一位神剣を携え、片やその身体を満足に掌握することすらできていないのだから。
だが。
望はセフィリカへと『叢雲』と共に握っていた『黎明』を突きつけたところで、動く事が出来なかった。
無論、彼女を殺す──その身体を傷つける事は出来ない。それは沙月の身体でもあるのだから。
だが、それが理由じゃない。彼は、そう、ただ、哀しかったのだ。
剣を打ち合わせる度に、彼女の心に満ちた悲しみが、苦しみが、憎悪が、あらゆる感情が伝わってきた。
そして、己の内からも。
セフィリカの想いを感じる度に、ジルオルからの強い苦しみと、悲しみと、そして──慈愛に満ちた想いが、伝わってきたから。
“彼”の瞳から、一筋の雫が流れる。
それは果たして、どちらが流したものであるのか。
ジルオルの、そしてセフィリカの想いを感じ、望は知った。セフィリカがジルオルにとって、どれほどの恩人であるのかと言う事を。
かつてこの時間樹を創造するための根源的なエネルギーとされたジルオル。彼はその後、この時間樹の奥深くにて保管されていた。
徐々に弱りながら過ごす悠久の時。セフィリカはそんな彼のバックアップとして外部からこの時間樹に連れてこられた存在であり、弱り続けていくジルオルに寄り添い、語りかけ、献身的に力を与え続けていたものであった。
そして、それを見る“彼女”の瞳からも、また。
『ログ領域』は情報の世界だ。ここに入ったものはその肉体を、魂を、情報へと変換されて存在する事になる。
それゆえにセフィリカは気付かなかった。目の前に居る人物が、己が愛した者の生まれ変わりだと。それも仕方なかろうか。ここに入った時点で、“魂”だけのジルオルよりも“肉体と魂”を持つ望の方が前面に出てしまっていたから。だが、それも今までの事。彼女もまた、剣を合わせるうちに気付いてしまった。目の前の彼が、ジルオルの転生体であるということ。そして、その彼の中に、ジルオルが居るということに。
「そう……ジルオル……貴方だったのね……」
──……セフィリカ……。
──世刻望、我にして我に在らざる者よ。
望は、己が内より聞こえて来た声に一瞬驚き、すぐにその存在を認識する。
そしてそれに答えるように、己の精神を心の内へと向けると、再びジルオルの声が聞こえて来た。
──……望よ。汝に頼む。セフィリカを──殺して【救って】やってくれ。
それはきっと、かつての──望が彼の存在を自覚し始めた頃からすれば、考えられない言葉だっただろう。
これまでのジルオルであれば、恐らくは望の精神に働きかけて干渉し、無理矢理に己の思うように行動させようとしたのではないだろうか。だが、ここに来てジルオルは、望に対してはっきりと「頼んだ」。
我は汝で汝は我。望に対しそう言ってきたジルオルが、はっきりと、望を『望』として呼んだのだ。そう、まるで、以前望がジルオルを否定せず、『ジルオル』と言う個として肯定した時の様に。
だから……望は、しっかりと声に出し、答えた。
「ああ、任せろ」
そう言ってセフィリカへと向き直った望と視線を合わせたセフィリカは、穏やかな微笑みを浮かべた。先程まで剣を交えていた相手と同一人物とは思えないほどの、柔らかな笑みを。
彼女は言う。憎しみに支配されて、全てが憎くて、悔しくて、恨めしかった。けど、もういい、と。
自分の苦しみを、辛さを、哀しさを、全ての人間に味わわせてやろうと思っていたけれど、もう、いいのだと。
──何故、急に?
そう問いかけた望へ、彼女は言う。もう逢えないと思っていた貴方に……ジルオルに逢えたから、と。
だから──
「……ジルオル、貴方の手にかかるのなら、私はそれを受け入れる。貴方が送ってくれるのならば──」
解った。そう一言返して、望はその剣を振り上げ、静かに浄戒の力を高めていった。
◇◆◇
テムオリン達を撃退した翌日の夜。住宅街とは言え街中にある神社だ。星なんてのは然程見えるものでもないけれど、雲は無く、月が白々と輝いて、綺麗に見えている、静かな夜。
何となく、そう、本当に何となく一人神社の境内に座り、夜空を眺めていた時だった。
じゃりっと言う、玉砂利を踏む音に視線を下げると、暗闇の中、誰かがこちらに歩いて来る。
「こんばんは。良い月夜ですね?」
掛けられたのは、そんな取り止めの無い挨拶。
透き通るような声音の中、カランと小さく、鈴の音がした。
幾度も聞いたその音。
「……鈴鳴」
俺の呼びかけに、月の光に照らされて、少女はふわりと微笑む。
「今夜はお誘いにあがりました」
「お誘い?」
不思議と警戒する気が起きなく、変わらず座ったまま一体何をと問い返す俺に対して、彼女はその笑みを絶やす事無く小さくこくりと頷いた。
「はい……私と貴方で彩る、最後の戦いの舞台への」
俺と戦うのも次が最後と、そうはっきりと口にした鈴鳴は、その微笑みをどこか寂しそうなものへと変えて、言葉を続ける。
「貴方と戦ったのは二度。そのどちらも、『世界』を掛けての戦いでしたね。最初は『精霊の世界』を掛けて。その次は『魔法の世界』と、それに連なる世界を掛けて。ですから最後は……この『時間樹』を掛けましょうか。
この世界を基準にして今日より七日後、私達はこの時間樹の深奥……『根源』へと
「わたし」と「わたし」。何となく感じる言葉のニュアンスに首を傾げつつ、「君の望みって?」と訊いて見る。
「
そう言った彼女は、「ああそうだ」と何かを思い出したかのように呟くと、クスクスと楽しげに笑いながら、一歩こちらに踏み出した。
「私としたことが、『根源』へ来いと招待したというのに、それに至る道を教えて差し上げていませんでしたね」
そう言いながらもう一歩。
どう言う事だ? と訊く間も無く、余りに無防備で、余りに自然なその動作に、気が付けばすぐ目の前に歩み寄ってきていた。警戒を促すような敵意も、気配も何も無い、本当に自然に。
すっと伸ばされた両手が、俺の頬を包み込んだ。
「ふふっ……行きますよ?」
「何──むぐっ!?」
「ん、ちゅ」
夜の神社の風景を追い出して、俺の視界を鈴鳴の顔が占領して、唇に柔らかな感触と、口中に彼女の舌が這入ってくるのを感じて、一瞬自分の状況が理解できなく──次の瞬間、触れた唇と舌を通して、彼女から俺に『何か』が送り込まれるのが感じられて──
…
……
………
「……少し夢中になっていまいました」
突然の行為を終えた俺から離れた鈴鳴が、そう言って微苦笑を浮かべた。
おいおいと思いつつも、されるがままだった俺が言えたことじゃないので黙っておく。
どうやら今のは『根源』の座標を教えてくれたらしく、脳裏にソレが在るのが解るんだが……それを認識していると、鈴鳴はちらりと俺を見て、「それにしても」と言葉を紡ぐ。
「私が言うのもなんですが、一切拒絶しないのはどうかと思いますよ?」
そんな事を少し呆れ気味に言われてしまった。
……そう言われてもなぁ。
「ん……本来敵であるお前に言うことじゃないんだろうけどさ」
そこで一端区切って彼女の顔を見ると、「何ですか?」と小首を傾げて続きを促してくる。
「あー……うん、何て言うかな。多分俺は、お前の事はそんなに嫌いでは無いんだと思う」
そう、時に敵対し、戦って、けど助けられて、何だかんだで長く関わってきた相手。
厳密に言えば敵なんだろうけど、憎みきれない相手。
「ミゥ達に聞かれたら怒られそうだけどな」と続けると、くすくすと笑う鈴鳴。そして一言、「ありがとうございます」と。
その直後、鈴鳴の後ろに夜の闇の中においても尚はっきりと解る黒い“穴”……“門”が現れた。
「さて……名残惜しいですが、私はここでお暇させていただきますね」
そう言って少し寂しそうに微笑んだ鈴鳴は──おもむろに俺に近づくと、再び、今度は軽く触れる唇。
「なっ」
「また、逢いましょう」
不意打ちに俺が何かを言う間も無く、そんな言葉を残して“門”の中へ鈴鳴は消え──“門”もまた、溶ける様に消えていった。
はぁ、と息を吐く。
いやまいった。最後の少し照れた様子の鈴鳴の姿が目に浮かぶ……一度軽く頭を振って意識を切り替える。うん、だいじょうぶ。よし。
恐らくものべーがこの世界に戻ってくるのは、早くても明後日だろう。戦う場が『根源』である以上、相手は鈴鳴……スールードとイャガだけってわけには行かないだろう。そう──この時間樹の創造神にして最高神たるエト・カ・リファ。そしてその手足たるエターナル『絶対なる戒』と『激烈なる力』とも戦う事になるかもしれない。
後ろの二者はともかく、エト・カ・リファと関わる以上は……はぁ。ナルカナにもどうするか訊いておかないとだめだろうなぁ。確か彼女とエト・カ・リファは、この時間樹にナルカナが封印されるまで親友だったはず。いやまぁ、この時間樹に閉じ込められているナルカナが今現在どう思っているかは解らないけど。
……いや、そんな理由が有ろうが無かろうが、一言も無しに置いて行ったらきっと暴れるな。そうなると可哀想なのはとばっちりを受ける出雲の巫女さん達だし。
どちらにしろ、これが最後の戦いになるのは明白だろう。……何とも、大変な展開になったもんだが……ま、最後まで頑張りますか。
とりあえずザックリと思考を纏めたところで、ジャリッと砂利を踏む足音と共に気配を感じてそちらに視線を向けると、そこにはナナシとレーメを肩に乗せたフィアと、その隣に並ぶアネリスの姿。
「あー……見られちゃったか」
「見ちゃいました」
そんなやり取りの後に、ナナシとレーメがふわりと俺の両肩に移り、「失礼しますね」とフィアが俺の右、アネリスが左へ腰掛ける。
俺が座っていたのは神社の拝殿の裏手にあった小さな階段の一番上。流石に三人並ぶと手狭だな。とは言え、深夜に近かったために少々肌寒かったから、二人に触れる両肩のぬくもりが心地良くはあるのだけど。
「それにしても、良くここが解ったな?」
前述の通り、俺が居るのは拝殿の裏手。態々ぐるりと回りこまねば見つけられないような場所。俺自身ここに来たのは何の意味も無く、本当に何となくだっただけに感心する……と思ったら、
「私達が居ますから」
と、耳元にナナシの言葉を聞いて、なるほど、と納得する。
「して、祐。どうするかの?」
そのまましばしぼうっとしていると、不意にアネリスが訊ねてきたので、「そうだな」と前置きしつつ、先程の自分の考えを話してみる。即ち、とりあえずエト・カ・リファの親友……であるはずのナルカナには話して──。
「……なるほど。ユウが悩んでいるのは、他の者には話すべきか否か、と言うことか」
レーメの言葉にこくりと頷いて返す。
今回鈴鳴に挑戦を叩きつけられたのは、あくまで俺。である以上、出来るなら俺一人で片を付けるのが一番なんだろう。
それに向かうのが『根源区域』である以上、敵は『根源区域』を護る『絶対なる戒』、『激烈なる力』のエターナルと、エターナルアバター達。下手をすればエト・カ・リファ自身とも戦う事になるかもしれないし、スールードとイャガは確定だ。つまりはっきり言ってしまうと、エターナルアバターを除けばエターナルではない『旅団』の皆には少々荷が重い相手ばかりなのだ。俺とてアネリスと契約していなければ全力で遠慮したい。
「ですが、きっと……いえ、間違いなくユーフォリアやミゥ達は止めても着いて行くと思いますが」
……そうなのかなぁ……そうなんだろうなぁ……と、ナナシの言葉に小さく溜息が。
いや、別にそれが迷惑って訳ではない。むしろ有り難いことこの上もない。それじゃあ今の溜息は何だって? 決まっている。自分自身に対して、だ。
俺一人で片を付けるのが一番、なんて言っておきながら、心のどこかで誰かを頼りにしている、そんな自分。
そんな風に思ったのを見計らったように、「ご主人様」とフィアがそっと手を取って言葉を紡ぐ。
「幾らエターナルになったとはいえ、ご主人様一人で出来ることには限りがあるのは変わりません。一人で行うには難しい、そんな物事に対して“誰か”を頼るのは決して恥ずかしいことじゃないです。……むしろ、一人で出来ると意地を張って、結果失敗して“誰か”に迷惑をかけることの方が、余程恥ずかしいことだと思いますよ?」
諭すように言われて、ははっと、思わず笑みが漏れた。
うん、そうだな──誰かを頼りにして、そして出来る事なら誰かに頼られて。“俺”と言う人間はそれでいいのだろう。そう──
「全てを一人で背負う必要も、背負える道理もない、か」
「その通りじゃ、主様。もっと我等を、そして皆を頼るがよい」
にこりと、月明かりに映える笑みを浮かべたアネリスへ、「ああ、そうするよ」と自分のやるべき事を確りと定めて頷いた。
…
……
………
鈴鳴に会った夜の翌日、『出雲』にてその事をユーフィー達に話すと、何故その時直ぐに呼ばないのかとそれはもう怒られた。
ちなみに、最後の“座標の受け渡し”に際しての一連のやり取りについては言っていない。っていうか言えない。……どうせすぐにバレるんだからって? 言うな。無駄な抵抗なのは解ってるんだ。
それはともかく。
俺の話を聞いていたユーフィーとミゥ達へ、恐らく『根源区域』にはスールードやイャガだけではなく、この『時間樹』の創造神が、そしてその配下たる存在が居るであろうこと。この戦いは今までで一番厳しいものになるのは確定しているようなものだと告げたところ、「祐」と一言ルゥに呼ばれ、彼女はゆっくりと頭を振った。
「例え何が居ようと、何が有ろうと私たちはきみと一緒に行く」
はっきりと、強い意志の篭った声で言われて、それに続いてユーフィーやミゥ達には「当然ですっ」と力強く頷かれてしまった。
昨夜のナナシの予想の通りの返事。けれど、それが凄く嬉しくて。
「うん。頼りにしてる」
だからはっきりと、彼女達へ自分の想いを口にする。
話の流れから止められると思っていたのか、少し驚いた顔をしたユーフィーの頭を撫でると、「任せてください!」と花の様な笑顔を浮かべた。
「出来れば、私も一緒に行きたいのですけど……」
そんな折、俺達の様子を見ていた時深さんがぽつりと言った。
とは言え彼女の顔色は傍目に見て解る程にすこぶる悪い。……無理もないよな。何しろ俺達が来るまで、この世界を護るためにテムオリン達をたった一人で相手していたのだから。相当消耗が激しいのは誰が見ても明白だった。
実際、綺羅も時深の事を凄く心配そうな顔で見ている。
「時深さん、無理しないでください。あと数日で回復するような調子じゃないでしょう?」
そう言ってもうやはり素直には頷けないのか、「……ですが……」となおも言い募る。
……まったく、幾ら何でも今の時深さんを戦いの場へ借り出すような真似を出来るわけが無いだろうに。
「……時深さん、確かに時深さんが一緒に来てくれたら、心強いし嬉しいです。けど、その為に無理をしてほしくないし、させたくもないんです。だから……まぁ、頼りないとは思いますが、俺を……俺達を信じて、待っていてもらえませんか?」
そう言うと、俺の言葉を吟味するように、こちらをじっと見てくる時深さん。そしてふぅっと小さく息を吐いて、「……解りました」とこくりと頷いてくれた。納得してくれたのか、それとも我慢してくれたのかは解らないが。
それから「その代わり、必ず皆さん無事で帰ってきてくださいね?」と続けた彼女へ、それぞれがしっかりと頷いて答えた。
もしかすると、“全て”が“終わった”時点でこの時間樹から出る事になるかな、なんて思っていたけれど、これで一度はここに戻らなければいけなくなったようだ。
やれやれと息を吐いたところで、不意に時深さんが俺の手を包みこむように握ってきた。
いきなり何だと、ちょっとドキッとしながら「どうしました?」と声を掛けると、彼女はその頬を少し赤くして──何だこの展開は。
「あ、祐さん。私は……その、貴方のことを頼りないなんて思いませんよ? そう、少なくともあの時──私を助けに来てくださったあの時の貴方の姿は、とても頼もしかったですから」
微笑みを浮かべて、そんな事を言ってくださる。
その笑顔に思わず見惚れて固まってしまったところで、横から環さんの「あらあら」何て楽しそうな声が聴こえてくると、時深さんが「あっ」と慌てた様子で俺の手を離した。
次いで綺羅が時深さんの横にすっと進み出てくる。
「あの、祐様……その、皆様の無事を、時深様と一緒に祈っております」
そう言ってペコリと頭を下げた綺羅。
そんな彼女の下げられた頭を「ありがとう」と言いつつ撫でてやる。少しくすぐったそうにしながらも、気持ち良さそうに目を細め……ふと彼女の尻尾がぱたぱたと小さく揺れているのが目に入った。
俺の視線に気が付いたのか、「だ、だめですよ?」と尻尾を隠すように抑えた彼女の姿がまたなんとも可愛い。
「何このロリハーレム」
「うおお!?」
そんな癒しの時間は無常にも儚いものである。
おもむろに後ろから声を掛けられて、思わず飛び上がりそうになった自分を抑えつつ振り替えると、呆れ顔のナルカナ以下世刻達が居た。
……お早いお帰りですね。