アインズは、今現在シャルティアに説教しているアルベドから離れてムササビの所に来ている。
やはり《
アルベドに似て可愛らしい顔の一部は白骨化してこり、時折見せる顎のラインは自分にソックリだとアインズは思っていた。
「いないいない...ばぁ~!」
「きゃっきゃっ!」
人間種でなくとも見ればトラウマ間違いなしの、いないいないばぁ、を見てもムササビを動じさせることはない。この程度、ムササビからしたらちょっと頑張るお父さんにしか見えないのだ。
自分のギャグが受けた事に、アインズは小躍りをしてから再び繰り返す。そして笑う息子を撫でてやるのだ。
愛らしくて仕方がない。ただただ可愛くて、生きていてくれるだけで価値がある存在に思いを馳せる。
アインズは、ムササビを抱くと同時に、《
『アルベド、私はムササビと散歩に出掛けてくる』
『ならば私も!』
『いや、私は子供と二人で行きたいのだ。今度お前と二人でいくし、お前もムササビと二人で外出するといい。それが済めば今度は三人で行こう』
『...畏まりました。素晴らしいです...!』
向こうから歓喜の声が聞こえる事に、アインズは再び小さくガッツポーズを取ると《
そして我が子と共に以前行った草原の真ん中に立つ。
夜風がアインズとムササビを撫で、星が二人を優しく照らす。草のざわめきは一層増し、冬になった草原には一部霜が降っている。
そんな世界の中でアインズは《
「よーし、ムササビー。たかいたかいだ!」
そう言うとアインズは遥か高くに物凄いスピードで上昇していく。
ひんやりした空気が、アインズとムササビの肌を責め(アインズに肌はないが)アインズのローブからは風に煽られて悲鳴の音が鳴る。
「きゃきゃきゃ!」
愉快そうに、とても愉快そうにその、たかいたかいを楽しめる我が子に(とんでもねえ度胸だ)と感心しながら感動を覚える。
我が子のこれからの将来が楽しみで楽しみで仕方がない。そんなアインズは、息子の指に指輪を嵌める。
指輪はその小さくぷにぷにの指に合わせて小さく縮こまった。
一度だけ即座に蘇生される指輪を持たせたアインズは、安心して《
いつかこの子にも好きな女ができて、そして孫を見るのかもしれないな。
そんな思考に浸りながら、再びゆりかごにムササビを寝かしつけるのであった。
これから増えるかな、この話。