東方全能旅   作:焼鰯

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下手ですけど宜しければどうぞ。


四旅:月の移住計画

今、俺は見張りの方に綿月依姫と言う軍の中で偉い人の所まで案内されている。綿月依姫は姉がいて、姉がサボると1日に三回説教するようだ。

 

「ここが依姫様がいる訓練所です。では私は見張り番があるので戻りますね。」

 

「案内ありがとうございます。とっ…頑固者とかそういう人じゃなければいいんだが。朝から道場で剣を振っているって…ここまで来て怖気付くのは駄目駄目だ。頼も!」

 

道場の扉を思いっきり開くと真剣を振っている女性がいた。彼女が綿月依姫なのだろう。見ても分かる、彼女の周りに神力を僅かながら感じる。

 

「んっ?頼もとは道場破りですか?ここ軍事施設なのですが…というか貴方は誰ですか?」

 

「永琳さんから連絡来てると思いますが暁佑全って言います。それにしても剣を振ってる時、まるで明鏡止水のような落ち着いた振りですね。」

 

「あぁ、永琳様から聞いてますよ。山奥から来た旅人で矢を放ったら矢を掴んだ人って永琳様が言いふらしてましたね」

 

 

依姫はそう言いながら刀を鞘にしまう。刀とかの知識とかない俺でもこの刀が業物だと思ってしまうくらいに刃紋が綺麗に波打っていた。

 

 

「言いふらしてたんですか?目立つの嫌いだからやめとくように言わなきゃな。」

 

「あーのすいませんがこの後やる事ってありますか?」

 

「この後は依姫さんのお姉さんに挨拶と軍の入隊手続きにしに行く予定ですが?」

 

「でしたら私が手続きしておくのでのんびりしてください。あと豊姫姉さんなら昼ぐらいじゃないと起きませんよ?」

 

 

昼に起きるって軍の中では上だろ?なのにまだ寝てるって大丈夫なのだろうか。依姫の目元を見れば僅かに隈が薄く見えた。グスッ、お姉さんに苦労してるんだね。

 

 

「なんかすいません。」

 

「いえいえお構いなく。それと暇になるのでしたら少し稽古に付き合ってくれませんか?」

 

 

思い返せば素手とかの稽古は地獄のようにやってきたが刀などの武器を扱った修行はしたことが無いな?ちょっと付き合って学ぼうとしよう。

 

 

「いいんですか。自分こういったものには初心者なんですが?」

 

「大丈夫ですよ。私が教えながらやりますから。永琳様の矢を素手で掴む人なんですからすぐに慣れますよ。」

 

 

そう言うと依姫は道場にしまってある木刀を取り出し渡してきた。木刀を握って振ってみると木の棒のように振れた。仙人になってから思うことがあるがあれだな…力加減が分からんな。依姫の方を見るとマジマジと見ていた。

 

 

「どうしたんですか?マジマジ見られるとちょっと恥ずかしいんですが…」

 

「あっいえ、これは失礼。このまま続けてください。」

 

 

変なところはなかったのだろうか?何も言われないなら続けるが力加減がまだまだ修行が足りないと分かったので今後の課題だな。少し集中して内なる霊力と独特な呼吸で気力を作る。それを体から腕へ、腕から手へと移しそこから木刀へと纏わす。筋力がおかしいから霊力と気力だけで木刀を振る。さっき依姫が真剣を振っていたようなに振ってみたが少し様になったような気がした。

 

 

「暁さんは何かの種族なんですか?」

 

「いやまぁ、人間ではないんですけどただ少し硬くて筋力がおかしいくらいですかね。」

 

 

霊力は鍛えて増やしたんですがね。

 

 

「霊力を木刀に纏わすのはここの人達にも出来ますが霊力の他に何か纏わしてますね。妖力でも無い何かを。」

 

「霊力を簡単に練って纏わしてる…感じですかね」

 

 

簡単とは言っているが誰でも出来るとは言っていない。依姫くらいなら毎日鍛錬はしてるからできるとは思うが。

 

 

「練る…ですか。こんな感じですか?」

 

 

依姫の木刀を見ると霊力の他に気力が纏わる。

 

 

「そんな感じですね。それを使いこなせば筋力を使わなくてもさっきのように振れますよ」

 

「にしても暁さんは刀の才能がありますね。少し妬いちゃいそうでしたよ。」

 

「そうですか?そう言われると修行したかいがありましたよ」

 

「では始めましょうか、稽古を。」

 

「少しは手加減してくださいよ?」

 

 

互角の張り合いだったが経験の差でコテンパンにされました。

ーーーーーー

 

百年の月日が流れた。僕は依姫さんの稽古を何年も何日も稽古や修行などをやって最初は警備兵の仕事を行い今では依姫や豊姫のように上官をやっている。あと永琳さんの家には泊まっていない。ちゃんと自分の家を持つようになったからだ。

ある時会議にいった。

 

「君たちを呼んだのはもうすぐ出来るからだ。」

 

 

急に呼び出されてもうすぐ出来るとはなんなんだ?

 

 

「出来るって何がですか。」

 

「貴方は知らないんでしたっけ。ロケットですよ。」

 

 

ロケット。あると思ったけどなかったね。それでどうするつもりなんだ?

 

 

「ロケットですか?それはどういったものなんですか?」

 

「ロケットは私たちを月に届ける飛行船のようなものだよ。それを使って月に移住する計画をやっていたのです」

 

「ロケットが出来たら三日後には移動するのよ」

 

永琳が言うからには三日間内に終わりそうだな。誰かの走る足音がする。

 

「ツクヨミ様大変です!」

 

「依姫どうしたのです?」

 

「部下たちがある森の奥で妖怪が集まっている情報を聞き調査しに行ったんですが、二日後に都市に攻め入ると言う情報がきたんです。」

 

「それはやばいな。」

 

「非常事態ですね。永琳さんはロケットの完成を急いでください」

 

「わかりました」

 

さてどうしたものか。多分月の移住計画をどこが聞いたのだろう。ロケットを破壊する気だ。だがそれを止める手段がない。依姫や豊姫、永琳だって強いが女性だ。ここは俺が出るしかない。能力は中途半端だがやるしかない。

 

ーーーーーー

 

妖怪はロケットが出来た頃に攻めてきた。アナウンスが聞こえてきた。

 

「皆様妖怪が攻めてきました。ロケットにお乗りください!」

 

アナウンスを聞いた人たちは焦らずロケットに乗っていく。さて危険だが止めるしかない。

 

「どこに行こうとしてるの。」

 

「ちょっとトイレ。永琳は先に乗ってて良いよ。」

 

「ロケットにもトイレはあるわ。妖怪の所に行こうとしている気?」

 

「そうだが?それがどうした。誰かが止めなきゃロケットもおろか乗っている人は食われるだろうよ」

 

「行くのは止めなさい。上司の命令よ」

 

「だったら軍も助手もやめるよ。今までありがとな。」

 

「ちょっと待って!だったら約束しなさい。生きて帰ってくるのよ」

 

「あぁ、約束するよ。それまでに生きてろよ」

 

「………え、ええ、わかったわ。絶対よ?」

 

「まあ、任せとけ」

 

霊力と気力も準備万端。せめて止めるだけでも頑張りますか!

 

ーーーーーー

 

多いな。ざっと1万かな?意識を集中させて能力を使えるようにする。妖怪の中には能力を使うやつもいる。用心に越したことはない。

 

「あそこに逃げ遅れた人間がいるぞぉ?」

 

「ヒヤヒャッヒャッヒャ!まずは1人目だ!」

 

 

正直これは生き残れるか心配してきました。

 

ーーーーーー

 

 

「永琳様、都市の人たちが全員乗りました。永琳様も早くお乗りください。」

 

「わかったわ………死ぬんじゃないよ」

 

ーーーーーー

 

「なんだよあの人間。他の奴らがどんどん殺られてく!」

 

「人間ではないんだが仙人だ。生き残ったなら覚えてくれよ。」

 

「俺らが言うのもなんだが化け物だな」

 

「お互い化け物同士、仲良くしようや!」

 

人差し指を妖怪に向ける。人差し指に霊力を集め小さな光りが集まりどんどん大きくなっていった。

 

「霊丸っ!」

 

巨大な霊力の弾は妖怪たちを巻き込み千人以上倒した。一発の霊丸で大量の霊力を消費してしまった。

 

「まだ慣れないな。もっと霊力増やしとくべきだったか?」

 

「よくも仲間をやりやがったな!おまえら行くぞぉ!」

 

「試しときたい能力があったんだ!一回きりだが実験体になってもらうぞ!」

 

「全てのスタンドを操る程度の能力」俺はあるスタンドを呼び起こした。

 

暁「ザ・ワールド・オーバーヘブン」

 

スタンドを使い数百人の妖怪を殴り念じた。スタンドを呼び起こしただけでも辛いのに能力を使っちゃえば全能力は使用できなくなるかな??

 

「殴られた妖怪は仲間割れとなる真実に上書きする」

 

すると殴られた妖怪たちは仲間だったはずの妖怪に襲いかかっていった。

 

「これで少しは楽にはなるがやばいのが都市から発動したな。」

 

遠くから爆発音が聞こえてくる。ツクヨミが時限爆弾なる物を使うとかなんとか言っていたっけな。

 

「あの爆発力に巻き込まれれば恐らく死ぬな。もう少しの辛抱だ。能力で結界を張ってくれ!」

 

結界を張ると同時に爆発に巻き込まれた。微力だが僅かに神力を感じた

 

「ツクヨミお手製神力核爆弾ってか。ハハ笑えねぇわ…」

 

 

いつかツクヨミに会ったら覚えてろよ。この時は死ぬかと思ったわ。


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