暁と合流前
紫side
「封は大丈夫かな~。」
「萃香は心配性ね。封は大丈夫に決まっているわ。」
「そうだといいね~。」
「紫様これからどうしましょう。」
「まず出口を見つけるわ。安全の確保が優先よ。その後に月の技術の資料を見つけるわ。」
「慎重に行かないとね。」
「そうよ萃香。」
しばらく慎重に移動していたら奇妙な扉で立ち止まった。
「何かしらこの奇妙な構造は?」
「紫様どいてください。妖力で破壊します。幸い妖力で辺りの霊力や気配を探りましたが敵は居ませんでした。」
「そう、わかったわ藍。」
「では…いきますよ。」
カンッっと音をたてて、藍の妖力弾を跳ね返してもビクともしてないわ!
「っ?!全力ではないのですが私の妖力弾を跳ね返したうえビクともしてないとは。結構な硬さがありますね。」
「どきな藍ちゃん、私がやるよ。こういうのは鬼に任せた方がいいんだよ。」
「わかりました。」
「頑丈ということがわかったからやるよ。せーー…「ちょっと待って萃香手加減を」のっ!」
「………あっ。」
「あっ。」
「あっ……はぁ~。手加減を覚えなさい萃香。逃げるわよ。」
萃香が殴った扉の向こうには月の軍人たちが会議していた。
「脱走者よ。捕まえなさい!」
「「「はぁ!!」」」
私たちを見て、金髪の女性は扇子で差し部下に言い放った。どうやらあの子が指揮官のようね。
「走りなさい藍、萃香。」
「は、はい。」
「ハッハッハ、面白いね。」
次を曲がった瞬間、スキマを開く。
「急いでっ!!」
「わわわわわぁ。」
「やっほぉーー。」
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「だけど扉が開かないから豪快になぐって破壊するってどんなやり方よ。敵に居場所を教えているようなものだわ。」
「破壊するつもりは無かったけど力加減の配分を間違えちゃって。」
「はぁ~~…しかしここは迷路ね。出口がわからないわ、おまけに萃香が馬鹿をやらかして軍人に見つかるし散々だわ。」
「紫の境界がなければ今頃まだ追いかけられてたね。」
「萃香あなたは反省しなさい。」
「まあまあ落ち着いてください。」
「藍は集中して妖力で敵の霊力を探ってなさい。」
「すいません。だけど何で妖力で相手の霊力を探ったのにいることがわからなかったんでしょうか?」
「多分あの扉に遮断されてたんでしょう。相手は会議をしていたのに声が聞こえなかったし。」
「そうですか。…凄いですね月の技術と言うのは。」
そう藍が感心しているところを見ていると、膨大な霊力を感じた。
「この……霊力は………まさかっ!!?」
「倒れる前にスキマを開いて良かったわ。どうやら暁が助けに来てくれたわ。」
「あら、あの仮面を着けた妖怪はあなたたちの仲間でしたか。」
「誰!?」
奥の曲がったところからさっきの金髪の女性が出てきた。
何で居場所がわかったの!さっきの場所から離れているのに。
「あなたたちの仲間のせいで、最前線にいた我が軍が全滅寸前だわ。」
「その前に何故私たちの居場所がわかったの?」
「ここは敵の本拠地よ。自分がいる場所ぐらい把握していて当然よ。……だけど、ホントはそれのお陰でわかったんだけどね。」
扇子で口元を隠しながら天井に指を差した。
「何だろうこれ~。」
「萃香っ!!近づいちゃダメ。何なのかわからないのに。」
「大丈夫よ大丈夫。それは何も放たないしここら辺を監視しているだけだから。」
「監視をしているの?この小さい機械が?」
「あら、機械をしているなんてもう地球の技術は進んでいるのね。」
「地球の機械はこんなにコンパクトじゃないわ。」
「そうなの?まあ、こんなに話をしてもなんだしもう捕まえてもいいかしら。」
「紫様逃げてください。私が食い止めている間に。」
「無駄よ藍。あの金髪の子が一人で来るわけがないわ。近くに部下がいるわよ。」
「いいやいないわよ。私一人だけで来たもの。」
「本当かしら。」
「本当よほ・ん・と・う。大人しく捕まってついてきたら仲間のところまで連れてってあげる。」
「……言うことを聞いた方が良いかもね。藍!萃香!行くわよ。」
「わかりました。」
「はいよぉ~。」
私たちは金髪の女性についていったのだった。
読んでいただきありがとうございました。
この頃忙しいので誤字があったりおかしかったら言ってください。