東方全能旅   作:焼鰯

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短いですが宜しければどうぞ。

明けましておめでとうございます。


二十一旅:天界で少し暴れた気がする

前回の続き

 

鬼の進軍を止めたあと、紫たちのところまで戻った。

 

 

「おーい、紫。」

 

「暁、鬼の進軍を止め終わったのね。」

 

「ああ、あんなもん楽勝楽勝。あれ?封はどうしたんだ。見当たらないけど。」

 

「封だったら、軍を率いて別の鬼の進軍を止めに行ったわ。」

 

「じゃあ俺も行ってくる。」

 

「行ってらっしゃい。」

 

「おう。」

 

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「瞬間移動してきたが封はどこにいるんだ。」

 

辺りを見ても気絶している鬼か天狗くらいだ。倒れている天狗に封の居場所を聞いてみよう。

 

「封の居場所知らないか。」

 

「天魔様ならあちらの方向へ……行きま…した。」

 

「おい起きろ、起きろよ。」

 

へ、返事をしない天狗がただの屍になった。(生きてる)

 

「たく、どこまで行ったんだ。」

 

十分後・・・

 

 

「あいつ本当にどこいった。能力は使いたくないが、千里眼!!」

 

千里眼で視ると、まあまあ苦戦しているようだ。文もはたてもいるな。助けに行くか。

 

「おい封、助太刀に来たぜ。」

 

「おお、ありがたい。」

 

「文もはたても久し振りだな。」

 

「あやや、久し振りですね。仮面さん後で、取材させてください。」

 

「考えとく。」

 

「何であんたが助けに来るのよ。」

 

「悪いか?」

 

「悪くはないけど何か嫌。」

 

「理不尽すぎる。」

 

「暁、喋ってないで早く助けてほしいのだが。」

 

「お前は天魔のくせにダメだな。」

 

「我は天魔であるが、こんなに鬼がいると苦戦するからな。」

 

「はいはいそうか。封たち、少し下がってくれないか。」

 

「わかった。文とはたてよ下がるんだ。全軍退避せよ!!」

 

「昨日も言ったが早いな。」

 

「そうだろ。」

 

「よし、天狗たちは後ろにいるな。いくぞ「森羅万象斬」!!」

 

霜月が放った斬撃は、鬼を次々となぎ倒していく。

大丈夫だ。力加減してるし、峰でやってるから血も出ないし地震が起こる程度だ。

 

「ふぅ~終わった。帰るぞ封。」

 

「わかった。皆、戦いは終わりだ。撤収するぞ。」

 

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瞬間移動してきて帰ってきた。

 

「紫ー!!封とその軍を連れて帰ってきたぞ。」

 

「封の方も終わらせたのね。」

 

「ああ、暁の斬撃ですぐに終わったぞ。」

 

「鬼と戦うの飽きてきたからな。」

 

「貴方が飽きたからって瞬殺される鬼が可哀想だわ。」

 

「俺を満足させなかったあいつらが悪い。」

 

「暁が鬼だな。」

 

「いや悪魔よ。」

 

「俺が悪魔……?違う、俺は仙人だ。」

 

「「「ハハハハハハ。」」」

 

「ハハハ、はぁ~。終わってしまった俺の暇潰しが。」

 

「だったら最近出来た天界に行けばいいわよ。」

 

「天界?なんだそりゃ?」

 

「天人が住んでいる場所よ。」

 

「で、天人と言うのは?」

 

「天人と言うのはね、仙人のさらに上でね。幻想郷の場合は、幻想郷の災害を担っている「名居」と言う一族がいてね。それで幻想郷での功績が神霊に認められた人たちよ。あと仙人のことを天人もどきとか言って馬鹿にして」

 

「そうなんだ。」

 

「あまり驚かないわね。嘘じゃないわよ。」

 

「ああ、わかってる。驚かなくて逆にウズウズしてる。」

 

「あらそう。」

 

「で、その天界ってのはどこにあるんだ。」

 

無言で紫は上に指差している。無言じゃ困るんだけど。

 

「えーと、屋敷の二階?」

 

「違うわよ。」

 

「この妖怪の山のさらに上にあるぞ暁。」

 

「そうか、じゃあ行ってくる。」

 

「あやや、仮面さんは行ってしまいましたか?」

 

「行ったわよ。」

 

「はぁ~今回は良いネタになりそうだったのに。」

 

「残念だったな文よ。」

 

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しかし、飛んでも飛んでも天界らしきところが見当たらない。

 

「何で見つからないんだよ。(方向音痴)能力を使って瞬間移動するか。」

 

能力を使って探ると仙力が溢れている場所があった。

 

「おお、見つけた見つけた。さて、瞬間移動しよう。」

 

瞬間移動をすると高台にいた。辺りを見ると、でかい屋敷や村などがあるが遠くから見てもそんなに人はいなかった。

 

「広いと思ったがそんな広くはないんだな。」

 

天界の森の中を歩くと少女たちの声が聞こえた。隠れて様子を見よう。

 

「総領娘様何やってるんですか!」

 

「へへ、これ良いでしょ。緋想の剣よ。」

 

「早く返した方がいいのではないでしょか?」

 

「そんなこと気にしない気にしない。私達子どもだから許しくれるよ。」

 

「何でそんなに余裕があるんですか。」

 

「子どもだから?」

 

「はぁ~もういいです。」

 

「衣玖ったら心配性何だから。……ねぇ、誰かいるんでしょう。」

 

総領娘様とか言われている少女が隠れて見えない俺に指差した。

 

「出てこないと緋想の剣で切るよ。」

 

「しょうがない出てやるよ。」

 

「出てきたわね。」

 

「総領娘様この人は?」

 

「何者かは知らないけど、貴方仙人ね。」

 

「なぜわかった。」

 

「この緋想の剣のお陰よ。」

 

「その剣が?」

 

「そうよ。衣玖こいつどうする。」

 

「天界から出せばよいのではないでしょか?」

 

「そうね。貴方大人しく捕まりなさい。今回だけは見逃してあげるわ。」

 

「無断で天界に入ったのに大人しく…………捕まれば……、俺を………見逃して……くれるのか。」

 

「ええ……、見逃してあげるわよ。」

 

「だが断る!」

 

「何でよ!?良い案じゃない。」

 

「何で俺がガキの言いなりにならなければいけないんだ。それも天人、仙人を天人もどきと言って馬鹿にするやつらにだ。」

 

「ありがたく思いなさいよ。天人が見逃してあげるのよ。」

 

「嫌だね。」

 

「天界に関係者以外が入ると、重罪なんだからね。」

 

「それがどうした。重罪なんだかんだ言われても俺は出ない。天界で暴れてやるよ。」

 

「あっそ、じゃあ呼んであげるよ。衣玖緋想の剣に発信器付いてるよね。」

 

「はい付いてます。盗聴器も付いてます。」

 

おいおいまさかさっきの事を聴かれたんじゃ。千里眼で遠くを視ると天人たちが来てるのがわかった。

 

「本当のようだな。」

 

「どうする。逃げるのは今のうちだよ。」

 

「逃げる?とんでもない、返り討ちにしてやるよ。」

 

遠くから飛んでくる天人たちを地爆天星で封じた。

 

「あらら、天人がいなくなっちゃたよ。」

 

「ふ、ふ、ふ、そんな嘘にはひっかからないよ。………え、嘘、いなくなってる。」

 

「ほらほらどうする。今この場で戦えるのは、君たちだよ。かかってこいや。」

 

「貴方に大人として子どもに手加減ということが出来ないの!!大人げないわよ。」

 

「何度でも言いやがれ。アッハッハッハ。」

 

後ろから妖怪探知センサーが反応している。誰だ。

 

「暁、何やってるの。」

 

「あっ、紫か。どうした。」

 

「どうしたじゃないわよ。遅いから迎えに来たのよ。」

 

「え、もうそんな時間なの?」

 

「そうよ。早く帰るわよ。」

 

「お前は俺の母親か。」

 

「それを言うと殺すわよ。」

 

「すまん。」

 

「ちょっと話についていけないけど、どこいくの?」

 

「なんだガキ。そんなにかまってほしいのか。」

 

「違うわよ。どこいくのって聞いてるのよ。」

 

「どこいくのって帰るんだよ。」

 

「そう帰るのね。帰るんだったら最後くらい名前教えてよ。絶対いつか仕返ししてやるんだから。」

 

「仮面さんだ。」

 

「仮面さんか、変な名前ね。仙人にはピッタリね。」

 

「お前の名前は?」

 

「比那名居天子(ひなないてんし)よ。」

 

「比那名居天子ね。隣の君は?」

 

「永江衣玖(ながえいく)と申します。竜宮の使いです。」

 

「珍しいな。そんじゃあな。あと、飛んでいた天人たちを解放したからな。たっぷり叱ってもらえ。」

 

紫のスキマに入り妖怪の山へ戻っていった。

 

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「いやー疲れたな。昨日も今日も。」

 

「また外の世界に行くの?」

 

「ああ、そのつもりだ。封と紫、元気でな。」

 

「お前もな。」

 

「貴方もね。」

 

「その前に記憶を弄らなければ。」

 

能力でまた天狗たちの記憶を弄って俺がいたことを忘れさせた。

 

「そろそろそれやめたら。」

 

「嫌だね。気楽に旅を続けたいんだ。それじゃあまたな。」

 

俺は紫のスキマに入り元の世界に戻っていった。




読んでいただきありがとうございました。
大晦日何を観ましたか?僕はガキ使いを観ました。

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