ソードアート・オンライン〜白夜の剣士〜   作:今井綾菜

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だいぶお待たせしてしまったでしょうか?
気づけば約二ヶ月ということになってしまっているわけですが、このSS覚えていてくれる方はいるのでしょうか?

今回の話はキリト君のキャラ崩壊が含まれます。
それでもOKって方は先に進んでください。


再開と衝突

あれから1ヶ月後、この第一階層のボス部屋が発見されたとの報告がプレイヤーの耳に入った。

茅場がいるにも関わらず何故ここまで時間がかかったのか不思議に思ったが、今回彼は戦う意思のないほぼ全てのプレイヤーと戦う意思のあるプレイヤー達を纏めあげるのに相当の時間を要していたという。

 

そして、俺たち4人は攻略会議が開かれるという小さな町の広場に訪れていた。

40名を超えるプレイヤーの中には前の世界で見知った奴らの顔ばかりで、その中には勿論キリトやアスナの顔も見える

 

そして、会議が開かれるという午後13時、青髪の男性が広場の真ん中に立ち、声を上げる

 

「はーい。それじゃあ攻略会議を始めたいと思います」

 

そこに立っていたのは奇しくも前回と同じディアベルという男性だった。彼が口にしたのは前回とほぼ同じような事だったのだが、前回と違ったのはβテスターが云々っていう下りがなかった事くらいだろうか。ボスの行動パターンなどが書かれた《鼠》の攻略本を元に作戦が練られていくという至極まっとうなものだった

 

 

さて、現在の俺のパーティーは何故か俺をパーティーリーダーとした俺、アリス、ユージオ、ベルクーリ……+キリト、アスナと言うものだった。

 

「で、ソラは如何してあのときあの選択をしたのか……聞かせてくれないか?」

 

なんと、前回の記憶持ちという馬鹿げた状態のキリト&アスナに俺はとても困惑しており、取り敢えずみんなに言った通りの答えを出す

 

「ぶっちゃけて言えばアリスの為……それとユージオの為でもあるかな。あの後、2人が笑いあえて生きていけるならそれでいいと思ってた。どうせ2人もあの神様にあったんでしょう?なら、最後に俺の言った言葉の意味が理解できたはずだけど?」

 

「『この世界の人間じゃない』だったよな。あの時、俺はアンダーワールドだけの話かと思ってた。けど、それは違ったんだな。俺たちのいた世界、そもそもそこの住人ですらなかった訳か」

 

「そういう事、キリトはさ《平行世界》っていう概念は知ってるよね。俺はさ、そのこことは違う別の世界である事件に巻き込まれ、1人の子供をかばって死んだ……らしいんだけど。それを哀れに思ったあの神様が別の世界、つまり君たちの世界に転生させてくれたんだ」

 

俺は少し言葉を止めて魔眼を発動させる

 

「万物の死を見るこの眼と一度見た剣術を自分のものにできる能力、そして、投影魔術というものを貰ってね。結果としてそれらは最後のあの戦いでしか使わなかったし宝の持ち腐れではあった訳だけどね」

 

「ソラくんって実はチートな人間だったのね……」

 

「まぁね。アスナが持ってた『ランベントライト』だって複製できるよ?」

 

「こんな風にね」とランベントライトを軽く投影してアスナに見せる

 

「ソラくん、チート、これは確定ね」

 

「止めてくれよ。滅多に使うものじゃないんだから」

 

ランベントライトを消しながらそう言って笑う

 

「まぁ、あの時はアリスにも言ったけどそれしか頭にはなかったよ。後はまぁ、俺がいなくなる事で元々居なかった人間が1人消える。ただそれだけだよ」

 

そこまで言ったところでものすごい勢いでキリトに殴られる

 

「ッ!」

 

「お前……本当にそんなこと思って言ったのか」

 

その声にはとてつもない怒気が含まれているのがわかる。今にも爆発してしまいそうな。そんなものだと理解できる

 

「勿論、そう思うに決まってるじゃないか。本来、俺はあそこにいるべき人間ではなかった。SAOではソラなんてプレイヤーはいなくて刀二刀流は見知らぬ誰かが扱い。攻略組にいただろう。ALOではお前とリーファ2人で世界樹を目指し、最終的にはユイと2人でアスナと再開し、須郷を打ち倒したはずだ。GGOでも同じく君はシノンと出会い。2人で協力して死銃を打ち負かして来ただろう。その後のこともこれと同じだ全てにおいて俺という存在がなかった未来、それこそが君たちにとっては「やめろよ!」……」

 

「なんで、そんな悲しいこと言えるんだよ。確かにお前が居なくてもなんとかなったことはあったかもしれない。だけど、そんなことよりお前がいてくれたことで助かった人たちがいる。救われた心がある。そして、俺たちの友人だった事実がある!それは……お前にとっては何も価値がなかったって言うのか」

 

「……そんなこと、ある訳ないだろ。みんなとの思い出は俺にとっての宝だ。けど、それと同時に俺がいてもいいのか?と思うことが何度もあった。本来存在しないはずのない人間がいちゃならない場所に存在している。そんな矛盾に俺は悩まされた。だから、最後は《死》という方法になったがみんなの前から消えたって事になる」

 

「誰が……誰がお前が存在しない人間だって言った!お前がいちゃならないって言った!皆はお前がいるだけで明るくなれた!お前がいたから楽しく過ごせた!誰か1人が欠けるだけでもダメだって……なんで気がつかないんだよ」

 

俺の胸ぐらをつかんで怒鳴るように叫ぶキリトだが、最後の方は涙を流しながら弱々しく声をあげていた

 

「悪かったな……でも、俺がお前達に引け目を感じてたのは本当の事だ。だからあんな行動に出た。許してくれとは言わないよ。ただ、すまなかったな」

 

「今は許さない。お前が俺たちにその引け目を感じなくなった日が来たなら、許してやる」

 

「そっか……このゲームをまたクリアできるときまでにそう出来ることを心がけるよ」

 

そこで、その話は終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば、2人の子供ってどんな子だったの?」

 

「ん?気になる」

 

「すっごく気になる」

 

この後、明日がボス戦にも関わらずひたすらキリトとアスナから娘自慢を聞かされ続けた

 




あと、ソラのユニークスキルについての変更のお知らせ。
ユニークスキルに《鎖剣》と記載されていたものを『 』に変更しました。スキルの意味は時期わかると思うのでご了承ください

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