ソードアート・オンライン〜白夜の剣士〜   作:今井綾菜

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お久しぶりでございます。
小説自体かなり久々の更新となりますが取り敢えずはSAOから投稿していきたいと思います。
しばらくはSAO編完結までSAOメインの投稿になって行くと思います。
久しぶりの更新でクオリティが上がっていることはありませんが本編をどうぞ


風見鶏亭

「なんであんなこと言うのかなぁ」

 

シリカに引っ張られるまま入ったのはもともと行こうとしていた『風見鶏亭』と呼ばれるNPC経営の宿だった。

3人で席に座り、食事を注文したところで彼女は口を開いた

 

「シリカはさVRMMOはこれが初めて?」

 

「はい、今までは年齢制限とかでプレイできなくて」

 

そう答えた彼女は「それがどうかしたんですか?」みたいな顔で答えた

 

「そっか、MMOゲームではそれぞれが個性あるキャラクターを作り、そのキャラクターのイメージに沿ったプレイをする人が多い。時には正義の騎士として、時には盗賊として、時にはギルドマスターとして、時には暗殺者として、それが普通のゲームの在り方だ。だけど、こんな状況になってしまった以上、普通のプレイスタイルじゃダメなんだよ。この世界(ここ)で死ねば現実(向こう)でも命が失われる。そんな状況下で人殺しを楽しむ奴は正直腐ってると思うよ」

俺の言葉を2人は静かに聞いていた

 

「ここで殺人をする人間の過半数が『ここで死んでも向こうで死ぬ確証がない』『もしかしたらリアルで目が醒めるかもしれない』なんて希望的観測で殺しをする奴が多い。それは初期の頃に自殺する奴が多かったのもこれが原因だ……なんて、悪いね。話がズレたよ」

 

「いえ、いいんです。ソラさんの言うことは私にもわかりますから」

 

「ありがとう。話を戻すと、『なんでああ言うことを言うか』って言う質問にはいくつかの回答が出来るよ。1つ目は『嫉妬』理由としては中層でのシリカの人気の高さやフェザーリドラの使い魔がいた事だね。思い当たる節がいくつかあったと思うよ?」

 

「……確かに、言われてみれば」

 

何かを思い出したのか彼女は頷いた

そして俺は2つ目の指を立てて口を開く

 

「2つ目はシリカを『孤立』させる事。これに関しては1つ目の派生になるんだけど君の人気の高さは中層ではかなりのものだ。パーティーに悩むこともなかったと思う。だけど、その代わり少なからずパーティーに参加できる人が減ったと言うのがあるね。何か1つでも君の弱みを握れればそれを言いふらすなりすれば少なからず悪評は立つ、例えば『ダンジョンでいきなりパーティーを抜けた』とかね」

 

その言葉を言い終えると彼女は明らかに落ち込み、下を向いてしまった

 

「ソラ……それ以上は」

 

アリスに止められたのでとりあえずはこの辺でいいかと勝手に考える

 

「取り敢えず、彼女がなんであんなことを言ったのかって質問には主に今の2つが考えられるんじゃないのかな?」

 

本当の理由はそうでないんだろうけど

 

「原因は……ソラさんの言うとおり私にもあったんですね。それも、ピナを失って初めて気付くなんて……バカですよね」

 

目に見えて落ち込む彼女をアリスが優しく抱きしめる

 

「でも、そのことに気がつけた貴女はこれからそんな慢心はしないでしょう?」

 

その言葉にシリカは小さく頷いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから俺たちは運ばれてきた食事をとり、シリカのオススメのチーズケーキをデザートに食べた。確かに彼女の言うとおりめちゃくちゃ美味かった

 

 

 

 

 

 

 

Side シリカ

 

ソラさんとアリスさんと別れてから(隣の部屋にいる)私は今日2人に頂いた装備を一通り見て唖然としていた。

そのどれもが私たち中層のプレイヤーからすれば激レアドロップ級のステータスを誇り、森から脱出する際にソラさんが言っていた『7〜8レベルは底上げできるはずだよ』と言うのは確かに間違っていなかった

 

「本当にこんなすごい装備貰っちゃっていいのかな……?」

 

どちらにせよ、改めてこの装備のお礼をしようと私は持ってる中で一番可愛い服を着て2人の部屋へ向かった

 

 

 

 

Side ソラ

 

「そういえば、今回の依頼。どのくらいで片が付き添うか目処はついていますか?」

 

部屋に入って紅茶を入れた途端、アリスはそんなことを言い始めた

 

「ん?ああ、あの依頼ね。それは」

 

言葉を続けようとした瞬間、ドアからノックの音が聞こえた。ティーポットを一度置き、ドアの前まで向かう

 

『シリカです。装備のお礼と明日のことを聞いておきたくて』

 

聞こえてきたシリカの声を聞いてアリスの方を見ると彼女は静かに頷いた。それを見た俺は扉をあけてシリカを迎え入れる

 

「すみません、さっき別れたばかりなのに」

 

「構わないよ。どちらにせよ明日47層のことは話そうと思ってたからそれが早くなっただけだから。取り敢えず適当に座ってくれ」

 

「はい」

 

部屋に入ったシリカはアリスの隣の椅子に座り、それを見た俺はティーカップをもう1つ出し、シリカにも紅茶を渡す

 

「取り敢えずこれでも飲みながら話そうか」

 

「ありがとうございます」

 

紅茶を受け取ったシリカを見て俺も椅子に座り、攻略会議などでよく使うあるアイテムを取り出し、それを起動させる

 

「……綺麗」

 

映し出されたのは47層のダンジョン『思い出の丘』の立体地図だった

 

「これは『ミラージュスフィア』って言ってね。一度行ったことのあるダンジョンの地図を立体投影できるアイテムなんだ。それで今回行くダンジョンは『思い出の丘』って場所で、植物系モンスターが大量に湧くダンジョンなんだけど……」

 

そこからしばらく俺とアリスで解説して行く。

地形や、トラップ、モンスターの行動パターンや最大で何匹同時に湧くなど説明して行くとシリカはそれを真剣に聞き、わからないことは質問するなど俺たちは少しばかりかかなり感心していた。そんなこんなで解説から1時間が経ち、俺は視線を扉へ向ける

 

「どうかしたんですか?」

 

不思議に思ったのか問いかけてきたシリカに俺はなんでもないと答える。『扉の前にいた誰か』は既にこの宿から出て行ったようだった

 

「さて、今日はこのくらいにしようか。朝は朝食を食べずにこの部屋においで、朝食をご馳走するよ」

 

その言葉を聞いてシリカは驚いた顔をしたがすぐに笑顔になり元気な声で返事をしてくれた

 

「それじゃあ、おやすみなさい。ソラさん、アリスさん」

 

「ああ、おやすみ。シリカ」

 

「おやすみなさい。シリカ」

 

彼女が隣の部屋に入って行くのを確認して俺たちは部屋へ戻り、アリスが椅子に座ったのを確認して、俺は再び紅茶を淹れながらアリスにさっきの続きを告げた

 

「今回の依頼。明日でケリがつくよ」

 

その言葉を聞いてアリスはたった一言「わかりました」とだけ口にして紅茶を口に含んだ

 

 

 

 

 

 




活動報告に今後の投稿のことについて記載しましたのでよければご覧ください。

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