ならばいっそのこと9話と繋げちまえ!
てなわけで9話を一端削除。
結合して新たな9話目として投稿いたす!
サブタイも変える。後書きも書き加える。
ほんと遅くなっても゛う゛し゛わ゛け゛ね゛ぇ゛・・・!
目を覚ましたら、そこはカードの中。
カナが心配そうに覗き込んでいるのがわかる。
異常なほど強烈な頭痛は全く感じない。
「・・・どれくらい気絶していた?」
「ほんの数秒。様子を見る限り大丈夫そうだね」
「それでもかなり体力を持っていかれた。悪いが寝かせてくれ」
そして俺はカードの中で眠りについた。
「・・・・・・ねぇ、ナツに何があったの?」
静寂の中、ルーシィが全員に尋ねた。
グレイたち3人はハッピーとミストガンを見る。
「十中八九、悪魔関係だな」
「・・・オイラ、村を散歩してくる」
ハッピーが席を外す。
「ナツは、月の光が歪めるのは記憶の方だと言っていた。村の人達、そしてナツが影響を受けたのはその光が悪魔に影響を及ぼすものだからと考えたほうが良い」
「ちょ、ちょっと待って! その言い方じゃあまるでナツが・・・」
悪魔みたいに、という言葉をルーシィは飲み込んだ。
ミストガンがグレイ達に視線を向ける。
3人は揃って首を横に振った。
その後で、グレイが付け加える。
「だけど、ナツが滅悪魔法を使っているところは見ている」
「・・・そうか」
「ねぇ、何の話をしているの・・・?」
ルーシィの問いに、ミストガンは数秒ほど瞑目した。
「・・・これからする話は、ギルドのほぼ全員がハッピーを通して聞いている。当事者は俺とハッピー。ただ、俺の口から語るのはこれが初めてだ」
「何の・・・話・・・?」
「ナツが滅悪魔法を習得するに至る原因となった、ある事件の話だ」
事件が起きたのは今から大体一年半ほど前のことだ。
その数ヶ月ほど前から、ナツはある魔法を創ろうとしていてな。
滅竜魔法の弱点を補う為の魔法だ。
自分の属性以外を無理矢理口にした場合、大きく弱体化してしまうという弱点があるんだ。
主に、別の属性が混じっているものを口にする場合が多い。
その弱点を補う為の魔法を、ナツは開発していたんだ。
その魔法の名前は――――《
全ての魔法を食べることができ、かつ滅竜魔導士に影響がでないようにする魔法だ。
更に、食べた魔法のエネルギーを自分に取り込むことが出来る。
それ以外にも同時進行で合計7つの魔法の開発をしていた。
詳細は知らないが、いずれも
その中で、最初に完成したのが
そこで、丁度よさそうなS級クエストがあったので、その依頼で試験運用をしようとした。
・・・そのクエストに、俺が同行したんだ。
依頼内容は、見たことのない魔物の討伐。
S級だったのは、その魔物がかなりの強さを誇り、幾度も魔導士を返り討ちにしたから。
2体一組で行動し、それぞれ炎の魔法と水の魔法を使う奴だった。
といっても、出会い頭にいろいろあって、そいつらは魔物じゃなくて悪魔だとわかったんだが。
・・・当然ながら、ゼレフの悪魔だ。
事件が起こったのは、その悪魔達との戦闘中、ナツが
理論通りにナツの体のところどころが真紅に変色し始め、魔法の発動は成功した。
確かに試験運用は成功し、ナツは水の魔法、いや、呪法を食べることができた。
だが次の瞬間、ナツの様子が急変したんだ。
いや、呪法を食べる直前から様子がおかしかったんだ。
水の攻撃を食べた直後に獣のような唸り声を上げた。
更に、変色した場所とは無関係に、ナツの体のあちこちから昆虫のような羽根が生えてきたんだ。
そんな状態になってしまったナツの出した声が、人間どころかこの世のものではないかと思うほどにおぞましく変わり果てていてな。
そのままナツは、あっという間に2体の悪魔を喰い殺した。
骨も、肉の一片すらも残さずにな。
その直後、いきなり倒れてもがき苦しみ始めた。
ナツの体に、黒い文様が浮かんできた。
そうだ。ナツが滅悪魔法を使うときに浮かぶ、あの文様だ。
俺には文様と羽がナツの体を奪い合っているようにも見えた。
暫くして文様も羽も、赤い変色も消えて、ナツはそのまま気を失った。
すぐさま調べたところ、ナツの体が異常な状態になっていたんだ。
理論上では、
だが、実際は食べた物の性質を全て同化吸収してしまう性質になっていた。
・・・そうだ。
このせいで、ナツは悪魔と同然の存在になってしまったんだ。
そしてもう一つ、起こったことがある。
その悪魔共がナツに喰われてもなお自我を持ち続けていたんだ。
ナツは自分の中のそいつらを完全に殺し、その際に悪魔に対する抗体として得たのが滅悪魔法。
・・・ナツはそうやって滅悪魔法を習得した。
当然、
開発中だったらしき他の6つもだ。
その後、ナツは入院することになった。
2,3週間ほどで退院はできたが、異常は残り続けて仕事はできない。
喰らった悪魔の意識と戦い続けていたからだ。
そいつらを喰らい潰すのに約3ヶ月。
そのために体力、精神共に磨耗してしまってな。
復帰するまでに4、5ヶ月ほどもかかってしまったんだ。
ナツが悪魔を最も警戒しているのも、それが理由だ。
俺達も、それを知っているから悪魔という単語につい過剰反応してしまう。
今回俺が同行したのも同じ理由だ。
・・・それと、ナツはその事件以来呪法を使えるようになったんだ。
呪法というのは、悪魔が魔法の代わりに使用する、魔法に似て非なる何かだ。
いや、待てよ・・・? もしかすると――――
朝になり、俺は目を覚ました。
起きた時には既にカードの外だ。
「調子はどうだ?」
「・・・少し体が重いのと、魔力の流れが悪い」
さっきからルーシィが無言で俯いている。
昨日、ミストガンが“事件”の事を話したと聞いた。
そしてその間席を外して散歩をしていたハッピーが村人から話を聞いた。
俺が影響を受けた時のような頭痛の事は誰も知らなかった。
更にハッピーは上空から遺跡らしきものを発見したという。
昨日一番の大手柄はハッピーのものだろう。
そして・・・
「ナツ。試したい事がある」
「何だ?」
「“呪力”を開放してみてくれ」
「・・・何故だ?」
「昨日思いついたんだ。呪力でナツへの影響を中和できないか? とな」
ミストガンの注文通りに行動する。
自分の内側に意識を集中させ、奥底に眠る“それ”を取り出す。
「――――呪力開放」
禍々しいエネルギー、“呪力”が俺の体から溢れ出す。
同時に、全身に滅悪魔法使用時と同じ、黒い紋様が浮かび上がる。
そして、なぜか体が軽くなった。
ミストガンの推測は正しかったようだ。
事が解決するまでは、魔法ではなく呪法を使う事になるだろう。
そして俺達は遺跡へ向かう。
遺跡まであと3分の1の距離まで来たとき、
「ヂュッヂュヂューのヂュー」
変な鳴き声の巨大なネズミが現れた。
「で、でかー!?」
「どうせ図体だけだろ」
「まぁ、サクッと狩ってとっとと先へ行こうzギエアアァァァァ!?」
「おいナツ!? 急にどうしt臭ええぇぇぇぇ!?」
「ナツが死んだ! もがっ」
「この人でなし! うべっ」
「言ってる場合か! ぬぐっ」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛」
「ハッピーがなんか凄い声出してる!?」
大☆惨☆事
「死ぬ・・・死ぬぅ・・・」
「ナツ、大丈夫か?」
「無理・・・ゴフッ」
「オイラも無理・・・ゴフッ」
巨大ネズミの口臭があまりにも臭かったせいで俺とハッピーがダウン中。
ハッピーはギルド内で俺の次に嗅覚が鋭い。
更に第三位は意外にもラクサスなわけだが。
ルーシィがホロロギウムに避難したが、そのホロロギウムも気絶した。
・・・う゛ぇ
え? ネズミはどうしたのかって?
グレイが氷の床でダウンさせて俺とハッピー以外の皆でフルボッコ。
何気にホロロギウムも参加してた。
っていうか半ギレしたミストガンなんて初めて見たぜ・・・。
そんなわけで俺とハッピーは担がれての移動中。
俺はエルフマンが、ハッピーはルーシィが。
ついでにルーシィがハッピーをモフっているのはご愛嬌。
とか何とかやってて見つけた遺跡に入ったら入口で床が崩れるという出オチだよ!
何でや! 普通に最近の足跡とかあったやろ!
足跡があるということは人の出入りがあるというわけだが。
それはさておき、自由落下。
床への激突はミストガンによって阻止された。
重力制御である。
安全に着地した俺は、ある臭いを捉えた。
「・・・
「「「「「「!」」」」」」
悪魔の臭いだ。
「どこからだ?」
「っと・・・こっちだ!」
辿り着いた場所にあったのは、凍りついた巨体。
悪魔の臭いは、こいつから漂ってきている。
「――――嘘だろ・・・・・・!?」
不意にそんな言葉が聞こえた。
声の主は、グレイ。
「グレイ・・・? どうかしたのか?」
そうミストガンが声もかけるも、グレイには聞こえていないようだ。
「ありえねぇ・・・! 何でこいつが・・・ここにあるんだ・・・!?」
その口調は、既知からの驚愕。
言葉が指し示すのは、紛れもなくこの悪魔。
「おい! しっかりしろ、グレイ! この悪魔を知っているのか!?」
エルフマンの言葉にグレイがようやく現実に戻ってくる。
そして、微かに震える声で、言った。
「こいつは、こいつの名前は、『デリオラ』。10年前にイスバンを荒らしまわった、通称『厄災の悪魔』だ。俺の両親もこいつに殺された。そして、俺の師匠、ウルが『
そう考えていた俺達だが、ミストガンだけは反応が違った。
「
その反応を疑問に思う俺達。
構わずグレイが続ける。
「そうだ。デリオラを封じているこの氷は・・・
『ナツとミストガンの昇格時期』
ミストガンのS級認定時期を改変してミラ,ナツ,ミストガンが同時に合格した設定。
ナツとミストガンがよく一緒に行くのは同期だからという理由もある。
ミストガンはミラと一緒に仕事をしたことは無い。
その理由はミストガンのみぞ知る。
(作者が考えてないだけ)
『
開発者:ナツ
元ネタが七つの大罪である魔法の一つ。
開発協力者はマスターのマカロフ。
滅竜魔道士の特性(自属性の経口摂取能力)をあらゆる属性に対応させる為の魔法。
食べた魔法(または呪法)を自分のエネルギーに変換できる。
但し、そのエネルギーは魔力としての活用はできない。
この魔法の発動中は皮膚の一部(複数個所)が赤く変色する。
(赤である理由は『暴食』のイメージカラー)
発動のためには詠唱が必要。
暴走した本当の理由はナツがENDであったこと。
元ネタが七つの大罪だったが故に悪魔とは相性が良すぎた。
しかし、誰もそれに気付かず、魔法そのものが危険なものだと考えられた。
人間が発動すれば暴走はしない。
『暴食』に限って言えばナツ以外のスレイヤー系魔導士ならより安定して扱える。
ナツの体から生えてきた昆虫の羽根はハエのそれ。
もちろん七つの大罪において暴食を象徴する生き物。
羽根の大きさは様々。
大きい物では20センチほど、小さい物では小バエサイズ。
作中では『暴食』で悪魔を喰ったせいで悪魔同然の存在になったと思われているが、実際は元から悪魔だったためであり、同化吸収の性質に変化した事も嘘。
しかし、そのことに気付くものは誰も居ない。
結論を言えば魔法は正常に作動。
問題があったのは使用者のほうだったという話。
もちろん、そうだとわかる人はナツ含めて皆無だが。
同時に開発していた魔法は以下の6つ。
実は上記の6つの魔法は全て完成している。
そのことを知っているのは開発者であるナツ自身のみ。
各魔法の効果については省略。
『滅悪魔法の習得』
ナツが『
それに対抗して2体の悪魔を完全に殺しきるため、ナツが独力で悪魔殺しの炎を創造。
ナツの復帰後、その炎と滅竜魔法をベースに魔法として完成させたのが滅悪魔法。
なお、ナツ自身には滅悪魔法によるダメージを含む悪影響は皆無。
『時系列』
ナツがS級に昇格した半年後に『
事件の後遺症による魔法使用禁止の療養期間が約半年。
ナツが完治し、復帰を許される数日前にリサーナの事件。
そこから約1ヵ月後に『貴族の娘』との初邂逅。
『呪力』
ナツは本来悪魔なので原作でも呪法使えるんじゃないかと。
ガルナ島編ではナツは呪法一筋で通します。
少なくとも島を覆う幕を壊すまでは魔法使用禁止。
『ヂュッヂュヂューのヂュー』
どっかでこんなのを見たか聞いたかしたはずなんだけど全然思い出せない。
たしかネズミの鳴き声として出ていたはず。多分。
『ネズミフルボッコ』
フルボッコに参加したホロロギウムと半ギレしたミストガンは想像で補完してくだしあ。
半ギレするミストガンとか今までなかったと思うんだ。
『デリオラ』
まぁ概ね原作どおりですな。
なお、ここのナツは滅悪魔法が使える。
今回は使わないけどね!