火竜の遷悠   作:通りすがりの熾天龍

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お待たせしました。
卒研とかまだ終わってないですけど投稿します。





今回からガルナ島編がスタートです。
それでは第7話、どうぞ。


SPECIAL CLASS QUEST

「疲れた・・・」

「お、おぅ。お疲れ」

 

エルザがテーブルに突っ伏して溜息をついた。

 

「ナツ、すまないが兵装実験への協力はまた今度にしてくれないか?」

「いや、あれはもうチャラにしちゃっていいよ。エルザも大変な目にあったことだしさ」

「すまない、感謝する」

「ゆっくり休んでいいからな」

「あぁ、何だか眠気がな・・・」

 

 

 

 

 

クローバーの街ごとララバイを破壊して逃げた日の翌日から話そう。

俺は昼までぐっすり寝た後、日帰りの護衛依頼に出発。

護衛対象は俺によく懐いてる貴族の娘。

まぁ、護衛と言うよりは一緒に遊んでいるわけだが。

危険な魔物や盗賊連中に出くわした場合は俺ともう一人が即撃退。

 

そんな依頼の流れはこちら。

俺個人宛に依頼書が届き、そこに日時と待ち合わせ場所、目的地が指定される。

そして通信魔水晶で連絡を取り、調整。

今回の場合は俺の仮眠後に朝早く連絡を入れ、急遽昼からにして貰った。

当日、指定時間に待ち合わせ場所にハッピーと一緒に向かう。

待ち合わせ場所にはその娘が護衛の男と一緒に待っている。

いつもの二人だ。

目的地は森や山、海岸などの自然がきれいな場所。

風景を堪能したり、草木などを使う遊びを教えたり、魔法の練習を見てあげたり。

そんなことをして一日を過ごし、偶にはテントを張ってキャンプしたり。

一年ほど前から大体週一でやっている。

後は、偶にマグノリアの俺の家やギルドに遊びに来たり。

 

俺にとっての恒例行事が終わり、その次の日の昼近くにエルザとバトル。

とはいっても、兵装実験の為なのだが。

今回作った兵装のモデルは某狩りゲーのチャージアックス。

エルザが開発実験に協力する場合はいつも試合形式の実戦試験なのだ。

 

いざ、試合開始――――と、始めようとしたとき。

評議員が乱入してエルザがタイーホされてしまった。

罪状は二日前のテロ事件での器物損壊他。

あれはゴルゴムもといララバイの仕業なんだ!

エルザが帰ってきたのはその翌日。

結局、逮捕は形だけだったとのこと。

その割にエルザが疲労困憊だったわけだが。

どっちかってーと身体的ってよりは精神的疲労?

エルザがそうなった理由は不明である。

 

んで冒頭に戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

というわけで2階に上がって仕事探しだ。

2階の掲示板はS級専用である。

 

 

と、階段を上がりきったところで一人の男が目に入った。

俺と同じS級で、雷の魔法を使う魔道士。

彼はソファに深く腰掛けていた。

 

「ラクサス。帰ってきてたんだな。フリード達は?」

「おー、ナツか。あいつらはそれぞれ自分の家で寝てるぞ。流石に疲れたんだろ」

 

ラクサス率いるチーム雷神衆。

フリード、エバーグリーン、ビックスローがメンバーだ。

確か今回は4人でクエストに行ってたはず。

 

「依頼は?」

「完遂だ」

「流石ラクサス。10年クエストお疲れ様。でもフリード達にはきつかったんじゃないか?」

「あんがとよ。まぁソロで向かっていい内容じゃなかったからな。そっちはゼレフ書の悪魔を討伐してきたらしいじゃねぇか。依頼でもないのにお疲れ様だったな」

「書物じゃなくて笛だったけどな」

「んで、また街を壊したと」

「それを言ってはいけないッ」

 

ラクサスと駄弁りながら俺は掲示板を物色。

報酬の欄に珍しい単語を見つけたので、その依頼書を手に取る。

 

「っ――――!?」

「ナツ? どうかしたのか?」

 

その依頼内容を見た俺は声にならない声を漏らし、それに気づいたラクサスが上体を起こす。

 

「・・・見ろ」

「何だよ・・・・・・んなっ!? これは!」

 

ラクサスも俺の持つ依頼書、その中の俺が指差した部分を読んで目を見開く。

次の瞬間、

 

 

 

 

 

ゴトン・・・

 

 

 

 

 

突如下でそんな音が響いた。

俺とラクサスは反射的に音の聞こえた方向を向く。

同じ音が何度も響く。

手すりから身を乗り出して下を見ると、ギルド内に居た人がほぼ全員寝ていた。

今この建物内で起きているのはたったの3人。

マスターであるじっちゃん。

そのじっちゃんの孫で、ギルドでもトップクラスの強者であるラクサス。

そして、干渉系の魔法や呪いが一切効かない特殊体質の俺。

とは言え、慌てる必要はない。

ここではまれによくある光景だからだ。

この光景を作りだした下手人が入ってくる。

 

目元以外の全身をマントやマスクなどで覆い隠した異質な男。

唯一隠れていない目元から僅かに青い髪が見える。

そして背中には大きな杖が複数本。

俺やエルザ、ラクサスと同じS級魔導士の一人、ミストガンだ。

ミストガンは2階の俺とラクサスに気付くと、片手を挙げるだけの簡単な挨拶をする。

ラクサスは眠そうに、俺はいつも通りに返した。

眠そうなじっちゃんがミストガンの依頼完遂を確認し、ミストガンが2階に上がってきた。

 

「ミストガンも10年クエストだったよな。仕事お疲れ」

「あぁ。それにしても、相変わらずナツは平然としているな。ラクサスは眠気で口を開くのも億劫になっているというのに。俺も魔法の腕を磨いているはずなんだがな」

「俺がそういうの効かないってのは俺以外ではお前が一番よく知ってるだろ?」

「ふ・・・そうだったな。さて、皆を眠らせたまま長居するのもまずいだろう。俺はそろそろ仕事を選んで行くとしよう」

「それなんだが、ちょっと待った」

「?」

 

俺は表情を引き締めて仕事を選びに掲示板へ向かおうとするミストガンを呼び止める。

疑問符を浮かべるミストガンに手の中の依頼書を突き出した。

 

「内容は『島内の村を救え』、場所は『ガルナ島』・・・噂の『呪われた島』か。報酬は物品プラス700万J(ジュエル)。少なめだな」

「問題はそこじゃねぇ。備考部分を見てみろ」

「備考? ・・・っ!? 島民の『悪魔化』だと!?」

 

無言で頷いた後に続ける。

 

「お前が帰ってきたのが今で丁度よかった。俺もついさっき見つけたばかりの依頼だからまだ本人達の了承は貰っていないが、誰を連れて行くかは大体決めてある」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前も来い、ミストガン」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・いいだろう」

「助かる。出発は明日の朝を予定したいがまだ詳細は決められない。この魔水晶を預けておく。詳細が決まり次第それに連絡を入れさせてもらうから。後、エルザはメンバーから外しておく」

「わかった」

「頼むぞ」

 

手すりを飛び越えて下へ降りる。

そしていつの間にか完全覚醒していたじっちゃんに依頼書を見せた。

 

「じっちゃん、話は聞いてたよな?」

「依頼を受理する前に聞いておきたい。誰を連れて行くんじゃ?」

「確定してから申告する」

「では依頼書はわしが預かっておく。受理するのはメンバーが決定してからじゃ」

「あぁ」

 

その話の間にミストガンは階段を下りてギルドの出口へ向かう。

 

「ミストガン! 出ていく前に眠りの魔法を解かんか!」

「う、すまない。・・・伍、四、参、弐、壱」

 

零を言わずに行ってしまったミストガン。

それでも魔法は解け、皆が起きる。

俺はもう一度跳躍して2階へ上がり、ラクサスに話しかける。

 

「ラクサス、お前にも頼みたい」

「悪ぃがパスだ。既に明日の仕事の予約を入れてある」

「・・・そうか」

 

その後ソファに横になり眠るラクサス。

俺は手すりから下を見下ろし、大声で喧騒を鎮めようとする。

 

「皆ちょっと聞いてくれ!」

 

ミストガンの話で盛り上がっていた全員が静かになり、俺を見上げた。

 

「明日の朝、S級に出発するつもりだ。ハッピーは勿論だが、ミストガンもメンバーに加えた。同行者を指名したいから今から呼んだ奴は予定が大丈夫かどうか聞かせてくれ!」

 

ミストガンがメンバーにいるという事実に驚愕する面々。

まぁ、その驚愕も当然だろう。

ミストガンは殆ど同行者を付けずにクエストへ行くのだから。

 

「グレイ、カナ、エルフマン、ルーシィ。以上だ。用事とかで行けないなら教えてくれ」

 

数秒の沈黙。

 

「俺は行くぜ」

「漢たるもの、行くしかあるまい!」

「あたしも行くわよ」

 

グレイ、エフルマン、カナが同行を表明する。

 

「え、あ、あたしは・・・えっと・・・」

 

一方、ルーシィは迷ってるというよりは混乱しているようだ。

 

「報酬に黄道十二門の鍵があるぞ」

「行く!」

 

変わり身は早かった。




『貴族の娘』

少なくともナツは彼女が貴族家系だと聞いている。
そしてナツは彼女のファミリーネームを知らない。
()()()()()()()()
いずれ正式に登場する予定。
初邂逅はこの時点から数えて約一年前。
原作内での時期的にはリサーナが居なくなって少し経ったあたり。





『チャージアックス』

ビンの代わりにナツ特製の魔水晶を使用。
ナツが炎属性しか扱えないため属性は炎一択。
試作品なので素材は溶かしたガラクタ。
この世界のモンスター素材は殆どがこれを下回るほど悪性能。
いや、逆に考えろ。モンハン世界がおかしいんだ。





『ゴルゴムもといララバイの仕業なんだ!』

??「それも私だ」
??「ゆ゛る゛さ゛ん゛!」
??「だが私は謝らない」
??「全て乾巧って奴の仕業なんだ」
??「おのれディケイド!」
??「ユグドラシル絶対に許さねぇ!」
??「紘汰さん、全部あなたのせいだ!」
??「全部私のせいだ! ハハハハハッ!」
ナツ「出てくる作品違うだろあんたら!」




『ラクサス』

現時点においては暴力的でも高圧的でもない。
ギルドメンバーとの仲は割と良好。
というのは少し違っていて、単に溜め込んでいるだけ。
いずれ爆発して原作と同じになる。





『報酬欄の珍しい単語』

言わずもがな、金の鍵。





『ミストガン』

皆さんご存じ不審者枠。
もうちょっと詳細な説明は次回を待て。
??「瑠璃!!」
??「(無言の腹パン)」
彼らは関係ござらん。
実はナツが滅悪魔法を使えるようになった原因の事件に居合わせていた。
この事件を目撃したのは彼とハッピーのみ。
もうちょっと詳細な説明は次回を待て。





『ナツの特殊体質』

本当ならナツは“最強の”悪魔だから元から効かないと思うの。
なのになぜ原作では効いているのだろうか。
ポケモンで言えば以下の通り。
・毒    有効
・猛毒   有効
・麻痺   有効
・火傷   無効
・凍り   有効
・眠り   無効
・混乱   無効
・滅びの歌 無効
・ヤドリギ 無効
他は省く
ドラクエで言えば以下の通り。
・毒     有効
・麻痺    有効
・メダパニ  無効
・ラリホー  無効
・マホトーン 無効
・マヌーサ  無効
・魅了    無効
・呪い    無効
FFで言えば以下の通り。
・毒    有効
・石化   無効
・暗闇   有効
・凍結   有効
・ゾンビ  無効
・睡眠   無効
・麻痺   有効
・混乱   無効
・忘却   無効
・死の宣告 無効
・呪い   無効
他の物はこんな感じ。
・幻覚   無効
・精神干渉 無効
・スタン  有効
・呪殺   無効
・物理拘束 有効
・金縛り  無効
とまぁ、大体こんな感じかな?
チート過ぎるってば。
当然ミストガンの睡眠魔法も無効化。
ナツはマカロフ以外でメストの存在を覚えている唯一のメンバー。





『ガルナ島クエのメンバー』

ナツ、ハッピー、ミストガン、グレイ、エルフマン、カナ、ルーシィ。
総勢7人。内2人がS級。
人数増えたけど敵キャラどうしよう・・・。













よろしい、ならばアンケートだ!
というわけで活動報告にアンケート置いときますね。

次回投稿は未定。
出来れば来週には上げたいです。

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