感想も返してないことにもごめんなさい。
現時点ではこのまま続投していいのか少し迷っています。
今回は短くなってしまいました。
ドアをノックする。
「はーい。あ、ナツ。どうしたの?」
出てきたルーシィに手に持った紙を見せる。
「仕事のお誘いだ。今のルーシィにも出来そうなやつで報酬も高いぜ」
内容はシロツメにあるエバルー公爵の屋敷から特定の本を持ってくること。
なのに報酬が20万
裏はありそうだが俺やハッピーも一緒に行く。
厄介な部分は引き受ければいい。
まぁ、その屋敷に本が大量にあって探すのが大変ってだけかもしれないが。
「あ、そうそう。今回の依頼では依頼者の家まで言って詳細を口頭で説明してもらうことになってるんだ。場所はシロツメから少し離れた場所にある別荘らしい」
「へぇ。やっぱりハッピーの
「
「あい、基本は徒歩だよ。緊急じゃないけど急ぎたいときは列車」
考えてもみろ、絶滅したと認識されている
「今回は徒歩だ。シロツメには駅が無い」
「・・・どれくらいかかるの?」
「丸一日」
あ、ルーシィの目が死んだ。
「大丈夫だよ。疲れたらオイラが
「それじゃ、行こうぜ」
丸一日と言ったな。
あれは嘘だ・・・じゃなくて走らなかった場合の話だ。
ルーシィがバテた辺りでハッピーがルーシィを運ぶ。
その時点から俺は全速ダッシュ。
ハッピーは余裕で着いてこれる速度だが。
というわけで半日で到着。
馬車を使った場合とほぼ同じだぜ・・・うぷ。
「だから想像しただけで酔うの止めなよ」
「止めようとして止められるもんじゃねぇんだよなぁ」
「ナツも大変ね・・・」
そんなこんなで依頼者と面談。
カービィ? 真ん丸ピンクの大食い生物のことじゃないの?
そんな事より報酬が10倍の200万
「おや、知らずにおいででしたか」
「報酬上げたの何時だよ」
「5,6時間ほど前ですが?」
「俺らが依頼受けた後の移動中じゃねぇか」
「・・・失礼しました」
それはさておき、だ。
依頼内容が本の“奪取”ではなく“破棄”と来た。
どういうことだってばよ。
「どうしても・・・私はあの本の存在が許せない」
「ハッピー、ルーシィ。報酬無しは覚悟した方がいいかもしれないぞ」
「えっ!?」
「あの家は借り物だ。本人達にあれほどの大金を払う余裕はないだろうな」
「何でわかるの?」
「匂いが違うんだよ。ね、ナツ」
「ああ、俺は五感が人より鋭い。特に嗅覚が飛びぬけているんだ」
所変わってエバルー公爵邸前。
ルーシィがメイドとして数日間雇ってもらおうという作戦だ。
で、内側から窓を開けてもらって俺とハッピーが侵入、と。
・・・駄菓子菓子。
「吾輩のような偉い男には美しい娘しか似合わんのだよ」
エバルーの背後に控えるメイドはゴリラのような体格に、潰れていると見間違えそうな顔。
・・・これはもはや美醜逆転の極致と言ってもいいのではないだろうか?
こんな酷いのと比べてブス呼ばわりされたルーシィは泣いていい。
・・・さて、気を取り直してレッツゴー。
「忍びなれども忍ばない!」
「あい!」
「いや忍びなさいよ!」
現在俺達はエバルー邸の中。
屋敷の上から窓を破って侵入した。
ダイナミックお邪魔しますじゃなくて炎で溶かしてだ。
廊下に出たら超不細工メイドが襲撃してきたから返り討ち。
適当な部屋に入ってみる。
目の前には大量の本棚。
「レビィが喜びそうだな」
「ルーシィの目もキラキラしてるよ?」
ハッピーの言う通り、ルーシィが目を輝かせている。
女の子同士、かつ本好き。
二人は仲良くできそうだな。
と、何故か魔力の匂いのする本があった。
その本を手に取ってみる。
「うわ、この本金色だ」
「何か凄く豪華だね」
「気になるのは色よりも魔力の匂いがするってことなんだけどな・・・」
つ【DAY BREAK】
「開幕発見」
「まだ一冊目だよ?」
「いくらなんでも速過ぎないかしら?」
「なるほどなるほど・・・」
俺達の誰でもない四人目の声が聞こえてきた。
「貴様らの狙いは“日の出”だったか」
エバルー自身が床を突き破って現れた。
さっきのメイドと言い公爵自身と言い自分の屋敷を穴だらけにでもするつもりか?
それはさておき、
「ドーモ。エバルー=サン。ナツ・ドラグニルです」
「アイエエエ!?」
ハッピーには俺が仕込んだ。
「な、何だそれは?」
「「挨拶」」
それはさておき、
「探し物のために吾輩に雇ってもらおうとしてたのか? しかし、その探し物がそのくだらん本だったとは・・・」
「じゃあ俺達が貰ってもいいか?」
「それは許さん。どんなに下らなくても吾輩の物は吾輩の物」
ケチな奴である。
「じゃあ、ここで読んでもいいかしら?」
ルーシィが魔道具らしき眼鏡を掛けながら言った。
「ほう、“風読みの眼鏡”か。お主もなかなかの読書家と見た。だが、それも断る。例え読書家であろうとも吾輩の蔵書を勝手に読むなど許さん」
「でも、ナツはこの本から魔力を感じるって言ってたわよ?」
「なぬっ!?」
というわけで調べなければ。
「開け、時計座の扉《ホロロギウム》!」
ルーシィはホロロギウムの中で読み始めた。
ホロロギウムがダッシュで離脱する。何気に速い。
「ハッピー、ルーシィのフォローは任せた」
「あいさー!」
ハッピーがその後を追った。
「ぬぅ、ならば・・・来い、バニッシュブラザーズ!」
本棚が開いて二人の男が現れた。
どうやら隠し扉になっていたようだ。
「吾輩は小娘を追う! その小僧は任せるぞ!」
エバルーは床に潜った。
だから屋敷がボロボロになるだろって。
「先手必勝、《火竜の咆哮》!」
「ぬっ!?」
炎が口から出てきたことに驚いたようだが即座に対応してのけた。
一人がもう一人を庇う形で前に出て、手に持ったフライパンでガード。
「口から出てきたことには驚いたが我らに対して火の魔法を使うなど愚策!」
炎が跳ね返ってきた。
「自らの魔法に焼かれて朽ち果てるがいい!」
「いや、無駄だから」
「「!?」」
自分の炎は流石に食えないが効かないことには変わりない。
「馬鹿な!? 何故だ!?」
「俺にはあらゆる炎が効かない。自分の炎だって例外じゃないんだ」
と、いうわけでさっさと終わらせよう。
「《火竜の劍角》!」
一撃で沈めた。
【DAY BREAK】
作者ケム・レオザン。
しかしそれはエバルーの目を欺くためのフェイクだった。
ケム・レオザンとはペンネームで、その本名が“ゼクア・メロン”。
この本の魔法は一度限り。
ゼクアの息子であるカービィ・メロンの手に渡った瞬間に発動し、真の姿を現す。
そして、この本の真のタイトルは【DEAR KABY】。
この本は、息子へ宛てた手紙だったのだ。
後、俺の予想通り、依頼人夫婦は金を持っていなかった。
流石に報酬を受け取ったせいで依頼人の人生を潰したなんてのは洒落にならない。
「すまねぇな。初めての仕事が報酬無しで」
「別の依頼を選んだ方がよかったね」
「いいのよ。報酬は無しになったけど代わりにこれを手に入れたし」
ルーシィが俺達に見せてきたのは金色の鍵。
十二門の鍵だ。
「それは誰が持ってたんだ?」
「エバルーよ。あいつのメイドの一人が実は星霊だったのよ」
「あい! ピンクの髪のがそうだったよ!」
「あれが・・・来たのか・・・」
俺が戦慄を覚えたのも仕方ない。
それくらい関わりたくない容貌なのだから。
いずれ顔合わせがあるのだろうか?
その時が恐ろしい。
しかし、俺の予感では近いうちに顔合わせがやってくる。
『カービィ?』
カービィ・メロンという名を聞いて
ナツ「星の○ービィ」
ハッピー「おいしそうな名前!」
ルーシィ「メロン・・・どこかで聞いたような・・・?」
この時点でルーシィは予感していたのかもしれない。
『忍びなれども(ry』
ハッピーはナツに教わっているネタ。
即座に返せるのはそのため。
ルーシィが即座に返せたのはツッコミの才能によるもの。
『魔力の匂いがする本』
原作では色で見つけたがここでは匂いで見つけた模様。
いくら大量の本があるとはいえ、魔力を宿す本なんてそうそう無い。
『アイエエエ』
ナツ「(ネタを)仕込むのは俺なんでね!」
当然ながらこの世界には存在しないネタ。
ハッピーには教えている。
『ホロロギウムのダッシュ』
ルーシィは慣れている為、揺れる中で本を読んでも平気。
元々乗り物に強かった可能性も大いにあるが。
『あれが・・・来たのか・・・』
現時点ではバルゴが姿を変えられることを誰も知らない。
ルーシィが星霊を呼べばその星霊が教えてくれたかもしれないが、バルゴを倒したのはハッピー。
下水に突き落とした模様。ある意味エグイ。