火竜の遷悠   作:通りすがりの熾天龍

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なんか今話って量が多いわりに内容が薄い気がする。
これも俺の描写力のせいなんだ!(自傷)

オリジナル回でござる


夏だ! キャンプだ! 海水浴だ!

まずはテント! 10人くらいは余裕で寝れる超ビッグサイズ!

次に寝袋! 大人用二つ、子供用一つ、ハッピー用一つ!

タオルケットに毛布も追加で!

テント内の明かりに魔導式ランタン!

外で使う明かりに懐中電灯ならぬ懐中魔導灯!

テント内の掃除に箒と塵取り!

折り畳みテーブルと椅子のセット!

バーベキューコンロと火打石と燃やすための炭!

肉や野菜などの食材は調味料と一緒にクーラーボックスへ!

包丁は子供用と大人用を両方用意だ、調理器具一式!

食器を洗うためのスポンジと布巾、それに乾燥用収納箱!

タオルやハンカチは多めに用意!

救急箱に自作の虫除けアミュレット!

多機能ナイフにサバイバルナイフ!

カメラと双眼鏡を人数分!

五右衛門風呂を作るためのドラム缶、石ブロック、薪!

釣り道具一式、うち一つは子供用!

夏の夜空に天体望遠鏡!

虫取り網に虫かご、魚にも虫にも使えるアクリル水槽!

夜の遊びに花火も忘れるな!

俺の水着、人数分のダイバースーツ、シュノーケル、フィン!

上着と着替えに時計に水筒!

以下省略ッ!

 

「それらを全部オイラの倉庫へ! 代わりに兵器は置いていく!」

「荷物は揃った! いざ行かん!」

「あい! 初の3泊4日!」

 

ドン!

 

「遊び倒すぞおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

「あいさあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

俺と人間形態のハッピーが並んで叫ぶ。

 

「これ! テーブルから足をどけんか!」

「「ごめんなさい!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところで、これ依頼だって聞いたけど遊ぶの?」

 

朝から騒がしいナツ達を見ながらカウンターでルーシィが呟く。

その疑問にはミラが笑顔で答えた。

 

「一年ほど前にね、ナツが貴族のご令嬢の命を助けたことがあったのよ。それ以来、ナツはその子に懐かれちゃってね。ちょくちょく会っては一緒に遊んだり、魔法を教えたりしているの」

「へぇー」

「今までは泊まることはあっても1泊だったからね。3日以上遊ぶのは初めてだからナツも張り切ってるのよ。きっと」

 

そしてナツとハッピーが出発する。

 

「行ってらっしゃーい。楽しんできてねー」

「おぅ! お土産楽しみにしとけよー!」

「あい! 美味しいお魚持ってくるよー!」

 

ミラの笑顔と見送りの言葉にナツとハッピーが答え、二人はギルドを出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やってきましたキャンプ場!

まずはテントを準備する。

 

「ナツー! お魚とってきたよ!」

「おい待て! いくら何でも早すぎだろ!」

 

そんなハッピーはバーベキューセットの組み立てに回す。

とってきた魚は一時的に水槽の中へ。

その後、10分ほどでテントの準備が完了。

慣れればもっと早いんだろうけど。

 

「バーベキューの用意完了! ナツー、こっちも終わったよー!」

「おー、んじゃあ後は二人が来るのを待つだけ・・・っと、ちょうどいいタイミングだな」

 

このキャンプ場へと至る登山ルートから、二人の人間がやってくる。

 

その片方が俺達を見つけるなり、大きく手を振りながら駆け寄ってきた。

駆け足の勢いのままダイブしてきた彼女を受け止め、地面に下ろす。

 

「よぉ、3週間ぶりだな。元気してたか? ヒスイ」

「はい! お久しぶりです、ナツ様!」

 

名前と同じ色の髪を陽光に煌めかせ、彼女は笑顔で挨拶してきた。

 

「久しぶりだな、二人とも。今日は姫をよろしく頼むぞ」

「あい! アルカディオスも楽しんで行ってね!」

 

ヒスイの護衛であるアルカディオスも一緒だ。

 

「こっちの用意はできてるぞ。とはいえ昼までまだ時間があるし、それまで川釣りでもするか」

「魚とりならオイラの出番だね!」

「水着はちゃんと持ってきましたよ」

「おっと、それは午後にしようぜ。釣り具は人数分用意してきてるぞ」

「色々と任せきりですまないな。こちらでもある程度用意すべきなのだろうが私も姫もあまり遊びの知識はないからな」

「気にしなくていいよー。こういうのは準備も楽しいんだから」

「ナツ様達ばっかりずるいです! 私だって、期待に胸を弾ませながら遊びの準備したいのに」

「ははは、ま、それはいずれな」

 

釣り具を用意してキャンプ場の近くの川へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハッピーは魚釣りがかなり上手い。

釣りに限らず手掴みも相当な腕前である。

で、俺は下手くそ。

ヒスイはまだ慣れていないがこの時点で僅かに俺より上である。

アルカディオスは俺と同レベル。

 

「5匹目釣れましたよ!」

 

どうやらヒスイはまたレベルアップした模様。悔しい。

 

「私はまだ1匹だ」

「・・・ゼロ」

「ナツ、今日調子悪いの?」

「えぇっ!? ナツ様不調なのですか!? こ、こうしてはいられません。今すぐお薬を―――」

「「違う、そうじゃない」」

 

慌てるヒスイを宥めたら、顔を真っ赤にして釣りに戻った。

流石に今のは恥ずかしかったのだろう。しゃーない。

 

っとお!?

 

「え、ちょ、待って、引いてる!? これ、デカいって!」

「いや待て、ここはそんなに深くないはずだろう? そんな大物がいるわけ・・・」

「違う! 針が川底に引っかかったんじゃない! これマジで引いてきてる!」

「私も手伝います、ナツ様!」

「オイラちょっと見てくるよ」

 

必要ないのにヒスイが手伝おうとし、ハッピーは飛んで様子を見に行く。

ハッピーが水面の釣り糸の上に差し掛かった瞬間、

 

ザッパァァァァァン!

 

「うぱああああぁぁぁぁぁぁ!?」

 

そいつがハッピーめがけてと言わんばかりの勢いで飛び出した来た。

 

「ブモオオオオオォォォォォォ!」

 

そいつは全長約30メートル。

顔だけ牛の、魚型の()()()()である。

釣竿を足元に置く。

 

「そんなデカい海洋魔物がこんな浅い川に居るんじゃねええぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

「ブギョオオオオオォォォォォォ!?」

 

跳躍して殴り飛ばした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼はバーベキューである。

ちなみにさっきの魔物の身は高級な牛肉同然なのだ。

 

「トーラギョス焼けたぞー」

「二枚ほど貰おうか」

「私にも一枚お願いします」

「オイラも一枚貰うねー」

 

俺も二枚貰い、丁度よく焼けた玉ねぎとピーマンも皿にとる。

椎茸は生焼けなのでもう少し焼く。

キノコ類は生で食べると生涯の食生活に関わってくるからな。

 

「お、ホタテか」

「今朝早くアルカディオスに買ってきて貰いました」

「そうなのか。サンキューな、アルカディオス」

「おかげで旨いものが食べられるんだ。大した苦労ではない。それと、エビとイカも買ってある」

「やったー! ありがとねー」

 

余った食材は夜に食べるため、クーラーボックスへ。

この後デザートに焼きリンゴを作って食べた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食事の後は一休みして再び川へ。

全員水着着用である。

 

「どうですか、ナツ様?」

 

そういってヒスイが見せてきたのはホルターネックのツーピース水着。

エメラルドグリーンの本体に赤いリボンの飾りがついている。

トップスの紐部分も赤色だ。

 

「結構派手なの選んだな。でもよく似合ってるぞ」

「あい! すっごい可愛いよ!」

「ありがとうございます。ナツ様、ハッピーさん」

 

ちなみに俺は紺の地に赤と青のラインが入ってるやつ。

アルカディオスは黒一色である。

ハッピー(人間形態)のは水色の地に黄色のでギルドマークのアクセントが入ってる。

 

そんな感じで俺達はしばらく水遊びをし、

 

「ウホホ―――ッ! 女――――!」

「獣風情が姫に手を出すなあああぁぁぁぁぁ!」

「ウボ――――――ッ!?」

 

乱入してきたバルカンをアルカディオスが殴り飛ばした。

おいここらの治安どうなってるんだ。

此処って正式なキャンプ場だろ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

というわけで現在午後4時頃。

水遊びを中断し水着から普段着に着替える。

チームを3つに分けて周辺の調査である。

魔物が連続で出てきちゃ俺達も満足に遊べないしキャンプ場の不利益にもなるからだ。

俺とヒスイでペアを組み、アルカディオスは別行動。

ハッピーは上空からの捜索である。

ついでに魔物どもにはヒスイの経験値になってもらおうか。

そんなこんなで役2時間。魔物を全て片付けて、纏めて経営陣に報告。

報酬はギルドに話を付けてくれ。今この場で受け取る気はない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうだ、アイスを作ろう。

 

「アイス? 今からですか?」

「簡易冷凍庫でも持ってきているのか?」

 

使うのでは冷凍庫ではないのだ。

ハッピー!

 

「あい! 材料はもちら!」

 

牛乳、生クリーム、卵、砂糖。

 

「こちらを金属の容器に入れます」

「で、ここに専用の球状容器を用意しておいた」

 

もちろん自作である。

欲を言えば金属の造形魔導士が居ればよかったのだが。

 

「最初からやるつもりだったな?」

「当然だろう?」

「流石ナツ様。用意がいいですね」

 

材料を容器に入れて蓋を閉め、更に上からガムテープ。

それを暫くシャカシャカ。

シェイクした容器を氷で冷やすわけだがそれに使用するのがグレイ謹製の氷。

半球殻状になっている二つの氷の内側はデコボコになっている。

その隙間に塩を詰め、半球殻の氷二つで容器を挟むように閉じ込め、固定。

出来上がった氷球を上からアルミの球殻で、その上から更にゴムで包む。

アルミ製球殻やゴム球殻は予め半球殻状の物を二つ用意しておいた。

容器を覆ったゴムの継ぎ目を接着剤で固定し、上からガムテープで更に固定。

 

「こいつでボール遊びをするぞ!」

「あいさー!」

「「えっ!?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10分ほど軽めにサッカーもどきをやった後、ボールを振ってみる。

途中からボールの重心がおかしくなってたのはご愛敬。

水の音は聞こえるが容器の内側から音はない。できてるな。

ゴムを裂き、アルミを割り、中から氷球を取り出す。

氷球を割ると中から塩水が溢れてきた。

中から容器を取り出し、両側面のロックを外して縦に開く。

皿に出した中身は紛れもなくアイスクリームである。

 

「すごいですね。遊んでたら本当にできちゃいました」

「しかし、これでどうやって・・・」

 

説明しよう!

 

「氷って溶けて水になるときに周囲から熱を奪うんだ。で、塩が水に溶けるときも同じく熱を奪う。この二つでアイスができるくらいに中身を冷やせるってことだ」

「あ、じゃあボールで遊んだのは水と塩を混ぜて溶かすためですか?」

「「大正解!」」

「なるほど、面白いな」

 

ヒスイってかなり頭が回るんだよな。

前世の俺って13歳頃って何してたっけか?

ところで、このアイスの作り方、前世では一度もやったことなかったりする。

こっちでは何度かハッピーと一緒に作ってたけどな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

晩飯は焼肉。

昼のバーベキューの具材の余りそのまんまである。

バーベキューと焼肉の違い? 知らんな。

強いて言うなら屋内外の差だと思ってるが。

その見方で言えばこれはバーベキューってことになるが。

まぁ焼肉ってことにしておけ。OK?

 

「それでいいんでしょうか・・・?」

「姫、こういうのを気にしたら負けと言うのでしょう」

「そそ、気にしない気にしない。あ、ナツー、それ取って」

「あいよ。鮭の切り身」

 

焼肉に魚? 気にするな。

と、そうこうしているうちに全員食べ終わった。

 

「さて、食後のデザートはさっき作ったアイスだ」

「クーラーボックスに入れたうえでオイラの倉庫に保存しておいたよ」

 

全員にアイスが行き渡り、揃って食べ始める。

 

「冷たくておいしいですね。自分達で作ったからよりおいしい気がします」

「ふむ、どちらかと言えばシャーベットに近い感じか。しかし素人の手作りとは思えん旨さだ」

「夏場のアイスはやっぱりおいしいねー」

「だな。それに、ちゃんとできるまで色々と試行錯誤したからな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食後はのんびり花火である。

川の水をバケツに汲んできておいた。

火元として焚火も用意。

ちなみに焚火の火は俺の炎。

そして俺達の服装は浴衣である。

全員分の浴衣の用意は俺とハッピーがした。

 

お揃いの紺の地にそれぞれ違う柄である。

俺は赤とオレンジの鳳凰。

ハッピーは白い蝶。

ヒスイは色とりどりの花。

アルカディオスは白いライン模様。

 

「綺麗な服ですね。ありがとうございます、ナツ様」

「確か東方の服装だったか? 私がこのようなものを着る日が来るとはな」

「お祭りの時に着るやつだったよね」

「そうだったはずだ。あ、明日も使うから汚さないようにな」

 

その後は花火を楽しみ、後片付けをして就寝。

なのだが、ヒスイは遊び疲れたのか、横になったとたんに眠ってしまった。

寝袋にはまだ入ってない。

アルカディオスがヒスイを寝袋に入れ、俺達も就寝。

 

「んじゃ、明日もよろしくな、アルカディオス」

「あぁ、よろしく頼むぞ、ナツ」

 

一言だけ交わして寝た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二日目到来!

朝食はパンと目玉焼きとベーコンだ。

こっちではハムエッグと言うべきだろうが元日本人の俺は目玉焼きがしっくりくる。

食べたら後片付け。

全員で協力して綺麗にする。

大きな荷物はハッピーの倉庫に入れてキャンプ場を退去。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バードウォッチング。

読んで字のごとく鳥の観察である。

双眼鏡とカメラを用意。

服装は地味な色を、帽子も地味な色を。

大声を出したりして騒ぐのは厳禁。

ちなみに今日は移動があるため時間はそんなにない。

 

「ところでヒスイ、写真の腕前はどうだ?」

「はい。まだまだナツ様には及びませんが上達してきていると思います。お父様やアルカディオスにも同じ評価を貰いました」

 

ちなみに俺が写真を撮るのは器具開発の際の分析目的が始まりである。

ヒスイがパシャリと一枚。

 

「今のも上手く撮れたと思います。どうでしょうか?」

 

魔水晶(ラクリマ)のモニターに映し出されたのは赤みがかった小さな鳥。

写真自体は手ブレもなく鮮明に写っている。

 

「いい感じだな。その調子だぞ」

「はい! いい写真いっぱい撮りますね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午前9時半。

バードウォッチングを終了し、下山。

ここから歩きと電車で向かう先は和風施設と()()()()が有名な大神村。

・・・・・・ぅぷ

 

「だから想像しただけで酔うのやめようよ」

「あ、あの、大丈夫ですかナツ様?」

「すまない。我々、と言うか私が移動の荷物になってしまっていてすまない」

「大丈夫。火属性魔水晶(酔い覚まし)あるから」

 

今日の日程は各駅停車でそれぞれの町でゆっくりしていくものである。

最寄りの駅に到着。

 

「ナツ様、私、酔い止めの護符を作ってきました」

「おぅ。サンキューな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一駅進んで下車して休憩。

ヒスイの護符? 効かなかったよ(瀕死)

 

「おうっぷ・・・・・・」

「すみませんナツ様。私の護符、全然効果なくて・・・」

「ヒスイが気にすることないよ。だってナツの乗り物酔いって酔い止め全然効果ないし」

 

薬も魔法も一切効果なしだからなぁ。

この効かなさっぷりは俺の干渉系無効体質とは別物だと思う。

だって俺、普通の薬は効果あるし。

とりあえず魔水晶(ラクリマ)バリボリして復活。

この駅周辺で軽く遊んだ後、次の駅で昼食である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

要するにキングクリムゾンな!

日が沈み、夜になった。

丁度よく大神村に到着だ。

和風の旅館で浴衣に着替え、外出。

この近くの渓流が鑑賞ポイントとなる。

 

「何を見に行くのですか?」

「ま、見てからのお楽しみな。と、ちょっと目を瞑っていてくれ」

「は、はい。わかりました」

 

俺に背負われているヒスイは少々困惑気味に目を瞑る。

 

「私は目を開けていていいのか?」

「じゃあ、アルカディオスはオイラが運んでいくよ」

「わかった。頼むぞ」

「あい!」

 

そうして目を閉じた二人を連れて渓流へ到着。

丁度よく始まったようだ。

俺がヒスイを、ハッピーがアルカディオスを地面に下ろす。

 

「よーし。二人共、もういいぞ」

 

今まで目を閉じていた二人が目を開けた。

 

「うわぁ・・・・!」

「ほぉ、これは・・・」

 

辺り一面に飛び交うのはホタル。

フィオーレでも夏のここでしか見れない景観だ。

観光地故に、俺達以外にもホタルに見入ってる人たちがいる。

 

「すごい綺麗ですね・・・・・・」

「そうだな、素晴らしいな。これがホタルか・・・」

「ホタルは大神村周辺にしか居ないんだ。これが見れるのは夏の間だけだぞ」

 

ちなみに、大神村の始まりはある東洋人が訪れたことだとか。

今から150年程前と聞く。歴史は結構長い。

 

「そういえば東方と言えば温泉と聞くが・・・」

「・・・残念だが、ここに温泉はない」

 

魔法を活用したスーパー銭湯はあるがな。

温泉目当てなら鳳仙花村に行くべし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三日目キタ――――――――!

早速電車に乗って移動である。

オボロロロロロロロロ

 

「ナツー! しっかりー!」

「な、ナツ様、やっぱり無理はしない方がいいのでは・・・」

「すまない・・・お荷物で本当にすまない・・・」

 

向かう先は海辺のリゾートシティ、アカネである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バリボリバリボリバリボリバリボリ・・・・・・ふぅ。

着いたぞアカネに。

というわけで海水浴である。

 

「ナツ様! 準備できました!」

 

よし、遊ぶか!

 

 

 

 

 

昼飯は海の家で済ませた。

そのあと少々ビーチバレーを。

そして水着からダイバースーツへと着替える。

もちろん俺の炎の加護により保温はばっちりだ。

 

「んっ・・・ナツ様の・・・あったかいです・・・・・・」

「ちょ、待ってください姫。その言い方は色々とマズい」

「え?」

 

字面だけ見るとR-18に見えかねん問題。

何がどうマズいのかを教えるわけにはいかないという大人の問題である。

 

「ナツ、今のは何がマズいの?」

「い・・・いずれわかるさ、いずれな」

 

6歳のハッピーにも教えるわけにはいかないんだ。

猫の成人は1歳?

いや、ハッピーの精神構造って人間に近いし・・・・。

 

「ところで、これから何をするんだ?」

「シュノーケリングだ」

 

というわけでビーチから少し離れた場所へ移動である。

移動しながら全員分の水中ゴーグル、シュノーケル、フィンを用意。

 

「これを使って水面から海中の観察をするのがシュノーケリング」

「ちょっと潜るのもあるけど今回は水面だけで行くよ」

 

というわけでシュノーケリング開始。

サンゴ礁とかがあればなおよかったんだがあいにくフィオーレにサンゴはない。

なので鑑賞するのは魚の群れ、岩や砂に生えた海藻とそこに潜むエビなどである。

ちなみにここらの水の透明度は高いので結構遠くまで見渡せる。

3時間ほど楽しんだ後、着替えてホテルで一休み。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕飯を済ませた後はカジノ・・・と行きたかったが流石にヒスイが居るので断念。

ちなみにアルカディオスはカジノが好きではないらしい。

理由は賭け事での運が悪すぎるからとのこと。・・・うん、ドンマイ。

 

「というわけでナイトツアーを行う!」

「わーパチパチ」

「ナイトツアー、ですか?」

「このホテル、そんなツアーがあったのか?」

「うんにゃ、企画・実行は俺とハッピー」

「あい! オイラの猫竜形態(ドラゴライズ)と借りたボート1台で夜の海へ行くよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

というわけでやってきました夜の海!

ここはアカネから300キロほど場所である。

予め転移用の目印を置いてあるため転移魔法でひとっ飛びだったが。

ホテルから借りたボートにヒスイとアルカディオスを乗せ、俺は竜化したハッピーに乗る。

ボートの上から水中を見るために箱眼鏡を渡しておいた。

ハッピーも竜化した顔に専用の箱眼鏡を装着済み。

箱眼鏡にはライトがついている。

 

「昼とは全然違いますね」

「昼夜でここまで変わるとはな」

 

本当なら夜光虫とかウミホタルとか見たかったが残念ながらフィオーレにはいないのだ。

なお、俺は前世でもどちらも見たことがない。

アカネって水綺麗だからウミホタルは居てほしかった。

そもそもこの世界に存在しない可能性はあるっちゃあるけども。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナイトツアーを終え、ホテルに戻ってきた俺達。

ホテルの大浴場でゆっくりと。

なお、このホテルの大浴場は混浴しかない。

それでいいのか経営。

 

「ナツ様。お隣、失礼しますね」

「おー」

 

並んで湯船につかる俺とヒスイ。

 

「うぱぁ~」

 

その近くではハッピーがぷかぷか浮かんでいる。

 

「温泉ではないが、疲れが取れるな」

 

アルカディオスは俺達とは少し離れてご満悦。

 

「三日間本当に楽しかったです」

「そうか。なら色々考えたかいはあったな」

「オイラも頑張ったよー」

「そうだな。私もナツ達には本当に感謝している。不謹慎かもしれんが、1年前の事件がなければ私も姫もこのような時間を過ごすことはなかっただろう」

 

確かに不謹慎かもしれないな。

 

「まぁ、そのおかげであの出会いがあって、今までいろいろと楽しくやってこれたんだ。それには俺だって感謝してる。あの時のことは、ある意味では運命だって言えるかもしれないな」

「運命、ですか・・・・・・えへへ・・・」

 

ヒスイが少し嬉しそうに笑った。

俺はそんなヒスイの頭を軽くなでる。

 

「フフッ、えいっ」

「おっと」

 

胸に飛び込んできたヒスイを受け止める。

 

「風呂ん中であんまりくっつくとのぼせるぞ」

「それでもいいです。ん・・・ギュッてしてください」

「りょーかい」

 

ヒスイの要望通り、彼女を抱きしめる。

 

「ん、はぁ・・・ナツ様の匂い・・・・・・」

 

ハッピーは湯に浮かびながら脱力しきっており、アルカディオスは微笑ましそうに俺達を見ている。

俺は苦笑しながらも再びヒスイの頭を撫でた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バリボリバリボリ・・・・・・ふぅ。

 

「終わっちまったなー」

「あい! 楽しかったね、ナツ」

 

翌朝、電車で移動し、ヒスイとアルカディオスは途中の駅で別れた。

俺達はそのままマグノリアまで電車と徒歩で帰る。

マグノリアに着き、まずは自宅へ直行して荷物を置く。

そしてお土産だけをもってギルドへ向かう。

 

グギュルルルル・・・・

 

俺の腹が鳴った。

 

「そろそろお昼だね」

「昼はギルドで食べるか。土産配ったり写真見せたりしながら」

「さんせー!」

 

と、そんな話をしながら歩いているうちに気が付く。

何かがおかしい。

 

「ハッピー、気づいたか?」

「うん。街の人たちの様子がなんか変だね」

 

少し早足になりつつギルドへ向かう。

そして、ギルド(俺達のホーム)が見えて・・・

 

「・・・・・・は?」

「え? え?」

 

視界に入った()()に俺達は走り出す。

そして辿り着いた場所にあったものは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひ、酷い・・・酷いよ・・・っ! 何で、何でこんなことに・・・!」

「おい・・・嘘、だろ・・・!? 俺達の・・・俺達のギルドが!」

 

瓦礫の山に成り果てたギルドの建物だった・・・

 




『時系列問題』

今話は7月上旬の設定。
アニメ版の桜の回の冒頭でルーシィがギルド入りしてからもうすぐ1年と明言されている。
そこから考えてルーシィ参入~ララバイ編が4月~5月、遅くても6月の出来事。
原作の描写からララバイ編の数日後にガルナ編。ここはこの作品でも同じ。
原作ではガルナからの帰還直後にファントム編だが、この作品では時間を空けている。
そして、海の描写があることから楽園の塔は7~8月、遅くて9月上旬。
ギルドの建て直しが1か月強で終わることになるがそこは魔法と言う便利な言い訳を使います。





『ドン!』

ナツとハッピー(人間モード)が揃ってテーブルに足を乗っけた音。
当然怒られるよね。是非もないよネ。





『ヒスイの年齢』

この作品では現時点で13歳、天狼島編では14歳になる設定。
改めて彼女の設定を確認すると、原作ではルーシィの父親の友人とある。
しかし、それを基準に考えると現時点で30代もしくは40代。
7年後の大魔闘演武編では下手すれば50代もしくはもっと上の可能性が。
更にそうなると現国王の年齢はマカロフと同じくらいの可能性も・・・。
ナツと絡ませるため、ヒスイの年齢を大きく変更しました。
7年後、大魔闘演武編では21歳になるということで。

ちなみにミストガンに懐いたアリスの年齢は10歳未満を想定。





『アルカディオス』

ヒスイの専属護衛と言う設定にしました。
それによってナツ達との交流が生まれた模様。





『釣りの腕前』

ナツとアルカディオスは下手と言っても数時間やって最低2~3匹は釣れる。
ハッピーは本気出せば同じ時間で数百匹は余裕。
ヒスイはそろそろ10匹釣れるくらいには上達している。





『海洋魔物トーラギョス』

Q1:なぜナツは魔物の臭いに気付かなかったのですか?
Q2:なぜ体の大きな魔物が浅い川に隠れられていたのですか?
A :どちらもギャグ補正です。

オリジナル魔物です。
トーラギョスという名前の由来は「トーラス(牛)」+「(ギョ)
魚なのに身は高級牛肉である。食べたい





『水着』

ヒスイの水着のイメージはFGOの夏イベアルトリアの色違い。
エメラルドグリーンに赤いアクセントの組み合わせが合うのかはよくわからん。
もっといい組み合わせがあったら誰か教えてください。





『ヒスイの経験値と化す魔物たち』

ナツが炎で動きを止めてヒスイが攻撃。
ヒスイの魔法は宝石魔法である。
ちなみに、この時点でヒスイはナツ達に「ヒスイ・エメラルド」と名乗っている。





『アイスづくり』

ネットで調べた。
しっかりボール遊びができるように魔法で専用道具を作らせました。
なお、ゴム球殻とアルミ球殻は使い捨て。





『浴衣』

ナツの前世は日本人だし、こういうのは好きだろうね、と。
女の子の浴衣姿っていいよね。
柄は適当だったりする。





『二日目』

午前中バードウォッチング。
昼前~午後はぶらり列車の旅。
夜は和風旅館でホタル来い。





『酔い止めの護符』

ヒスイが頑張って作りました。
材料はもちろん宝石。
なお、この作品ではナツ含め滅竜魔導士に酔い止めは全く効かない設定。
ちなみに、今回ナツは何度も列車に乗っているためかなりの回数吐いている。





『大神村』

今話限定のオリジナル地域。
場合によっては今後ちょろっと出すかもしれないけど。
鳳仙花村はマグノリアに近い設定なのと暑さでホタルが住めなさそうだから今回登場せず。
ホタルを出したかったんだからしょうがないね。
こちらの名前も適当。
ちなみに、作者はホタルを生で見たことはありません。





『ダイバースーツ』

作者は着たことありません。
シュノーケリングとかスキューバダイビングとかやってみたい。





『ウミホタル、夜光虫』

一回それらを出そうとしてたけどやめた。
なんかいろいろとおかしくなってしまったので。
作者はどちらも生で見たことはありません。





『お風呂、お風呂』

ヒスイがナツに抱き着いているけどエロ要素はない。いいね?
彼女がナツの匂いに感じているのは興奮ではなく安心感。
ナツの股間も全く反応してないのでノープロブレム。OK?
まぁ、ヒスイが4,5年ほど成長すればお互いに色々意識しちゃいそうだけど。
なお、この時点でヒスイは完全にナツに惚れている。
彼女が恋愛やエロを意識するのはまだ先だろうけどネ。





『ギルド崩壊』

次回、幽鬼の支配者編突入!
ガジルとかジュビアとか出るよ!
オリキャラも貰いましたので出したい。

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