火竜の遷悠   作:通りすがりの熾天龍

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前回までは土曜までかかっちゃってたから日曜に上げてたけど今回は木曜で終わったから金曜に上げる。
個人的には土曜午前零時がベストだと思ってたり。


師は偉大

ミストガンの魔法で眠らされ、使役する悪霊を全て浄化されて失ったアリス。

彼女は夢の中で知る。

己がしてきたことがどれだけおぞましいことだったのかを。

そう、《虚法陣・恐鏡夢(おそれうつし)》は夢の世界で己と向き合わせる魔法である。

今回のアリスのようにそもそも自分を見つめるために必要な知識が不足している場合はミストガンの知識と思考で補う。

だからこそ、アリスは初めて自分の行為を理解したのだ。

 

「・・・・・・ごめんなさい」

 

ここはガルナ村からある程度離れた場所。

漸く夢の世界から帰ってきたアリスは泣いていた。

 

「怖がらせてごめんなさい。殺してしまってごめんなさい。無理やり従わせてごめんなさい。なのに勝手に貴方たちが自分から友達になってくれたなんて言ってごめんなさい。ホントは私と一緒に居たくなんてなかったのに一緒に居たがってるって勝手に決めつけてごめんなさい。苦しんでいるのに無理やり縛りつけてごめんなさい。皆の力で人を傷つけさせてごめんなさい。友達にするためなんて言って怖いもので傷つけてごめんなさい。この村の人たちを殺そうとしてごめんなさい。消えてとか死んでとか言ってごめんなさい。今まで、いっぱい、グスッ・・・たくさんの人に、うぅ・・・いっぱい酷いことして・・・本当に、っ・・・本当に・・・ごめんなさい!」

「大丈夫だ」

 

地面に座り込んで泣きながら謝り続けるアリスをミストガンは優しく抱きしめる。

 

「君は優しい子だ。誰かのために泣くことができる、本当に優しい子だ。だからこそ、君はまだやり直せる。今まで間違ったことをしてしまったならば、その分だけ誰かを助けるために行動すればいい。今まで人を苦しめてきたのなら、その分だけ、人を笑顔にすればいい。君が心からそれを望めば、君の魔法は君の力になってくれる」

 

アリスはミストガンの腕の中から、彼を見上げた。

 

「でも・・・私、私・・・・・・」

「大丈夫だ」

 

罪に苦しむアリスの頭に、ミストガンの大きな手が置かれた。

 

「たとえ君が自分を許せなくても、私は君を許そう。君は罪を償える。だから私は君を許す。それでもまだ苦しいのなら、胸が痛いのなら。今は思う存分泣けばいい。そうすれば、君はまたきっと立ち上がれる。望むなら、私の胸を借りればいいさ」

 

「っ・・・グスッ・・・うぅ、うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁん!」

 

ミストガンの腕の中でアリスは泣いた。

その小さな頭を、大きな手が優しくなで続ける。

 

「大丈夫。君はもう、大丈夫だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜になった。

紫色じゃない正常な色の月が出た。

そして、それは突然起こった。

 

強い悪魔の気配。

 

それが意味することはこの状況ではただ一つ。

 

「まさか、デリオラが復活した!?」

「ふふ・・・仕掛けは上手くいったようね」

「仕掛けだと・・・?」

 

俺の疑問にザルティは笑みを浮かべながら答える。

ちなみに、変身が解けた後名前を聞いた。

 

「えぇ、3年前からの月の光の凝縮照射。私が介入したのは途中からだけど、そのころから少しずつ、《月の雫(ムーンドリップ)》の照射できない余剰分を貰っていたのよ。それを液体化した」

 

ザルティが見せてきたのは小瓶に入った液体。

 

「私の予知で今日、誰かの介入があるということはわかっていたわ。それによって今日の儀式ができないであろうことは十分予想できる。だから、月が出た後に液体化した《月の雫(ムーンドリップ)》をデリオラの上から落とすような仕掛けを作っておいたのよ」

「クソッ!」

 

即座に遺跡に戻ろうとしたが、それは幾つもの水晶玉によって妨げられる。

 

「行かせないわよ。最初は時間稼ぎに付き合うだけのつもりだったけれど、貴方が滅悪魔法の使い手だとわかった以上、行かれては困るのよ。せっかく復活させたデリオラだもの。貴方に倒されたら今までの時間が無駄になってしまうわ」

 

何とかして遺跡に向かわねば。

ハッピーの状況は既に終わった後だと信じ、拡声魔法を使って叫ぶ。

 

「ハッピィィィィィィィィィィィィィ!!」

「あぁいさああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

即座に答えが返ってきた。

俺は飛んできた水晶玉を爆炎で吹き飛ばし、大きく真上に跳ぶ。

その背中を最速で飛んできたハッピーが掴んだ。

 

「全速で遺跡に飛べ!」

「あいさー!」

 

俺達はデリオラを倒すべく遺跡に向かった。

 

「っ、逃げられたわね。・・・それにしても何なのよあの速度。速過ぎじゃない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リオンを制したグレイは予想外の状況に愕然としていた。

デリオラの上に何かが落ちてきたかと思うと封印の氷が砕け、デリオラが復活したからだ。

 

「なんでっ! なんでこうなるんだよ!」

 

グレイは叫んだ。

己に課した誓いを守れなかった自身を責めるように。

 

「・・・《月の雫(ムーンドリップ)》の液体だ」

「リオン?」

 

リオンが上体を起こしながら言う。

 

「月の光を収束して照射することで、あらゆる魔法を解除することができる古代ベリア由来の魔法だ。そして収束した月の力を液体化することもできる。今落ちてきたのはその液体を納めた容器だろう。だからデリオラの氷が解けた」

「お前が仕掛けた、わけじゃなさそうだな」

「・・・恐らくだが、ザルティ、《火竜(サラマンダー)》と戦っていたあのジジィの仕業だろう。俺たちの目的が復活したデリオラの打倒なのに対して、途中から加わったあいつの目的だけは全く分からなかった。得体のしれない男だ」

 

グレイはその言葉を噛み締め、徐々に自由になっていくデリオラを見上げた。

 

「一応聞くがリオン、こんな状況でまだこいつを自分が倒すなんて思ってないよな?」

 

リオンは少しの間沈黙し、やがて口を開く。

 

「当然だ、と言いたいところだが無理だ。この満身創痍で叶う相手じゃないし、何より、動き出した奴を見てようやく理解できた。たとえ俺が万全の状態だろうが、あれには傷一つつけられない。結局俺は、自らの力を過信し、災厄をわざわざ世に解き放った愚か者、というわけだ」

「リオン・・・」

「逃げろグレイ。俺のせいでこんなところでくたばるのは、俺一人で十分だ」

 

グレイは動かない。

 

「グレイ! 何をしている! 早く逃げろ!」

「――――アイスメイク《凍機王(ブリザードカイザー)》!」

 

現れたのは氷でできた巨大な機械兵。

その大きさはデリオラの半分ほど。

 

「グレイ! 馬鹿なことはよせ! 勝てるわけがない!」

「わかってる! ただの時間稼ぎだ! お前は先に逃げてろ!」

 

デリオラを覆う氷が完全に砕けた。

そのまま巨大な悪魔は体に見合った巨大な拳を振るい、《凍機王(ブリザードカイザー)》へと殴り掛かる。

そして、氷の機械兵の体にデリオラの拳が襲い掛かり――――――

 

 

 

 

 

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「「はっ!?」」

 

驚愕のあまり変な声を出す二人の前でデリオラの巨体は崩れていく。

そしてデリオラは、塵となって消えた。

 

「「・・・・・・」」

 

そこでようやく二人は気付いた。

《災厄の悪魔》デリオラは、()()()()()()()()

彼らの師たるウルが10年の月日をかけ、強大な悪魔を殺しきったのだ。

 

「・・・・・・はは・・・全く、ウルの座は遠いな・・・」

「・・・・・・師匠、ありがとうございます」

 

 

 

「何だ、俺の出番はなしか」

 

二人が振り返ると、そこにはへとへとになったハッピーを抱えたナツが居た。

 

「ま、結果オーライってところか。二人とも無事で何よりだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デリオラの封印は解かれたが、それによってデリオラの死亡が確認できた。

まぁ、それは結果論でしかないけど。

 

ザルティはどこかに行ってしまった。

まぁ、奴の目的はそもそも最初から達成不可能だった可能性が高いし、それが判明した以上ここにいる意味はない。

つまり、帰ったのだろう。この場においては放置でいい。

 

リオン達を村の外で待機させ、俺達は村の中へ。

ちなみに、ミストガンは悪霊使いのアリスを無力化した後、村から離れていたようだ。

村に入る前に、リオン達にアリスを預けた。

アリスは渋ったが、彼女は村人達から敵としか思われていないので仕方ない。

 

「――――――というわけで原因は取り除きました。紫の月の悪影響はもうありません」

 

何故か縛られていた村長に報告を終える。

 

「しかし、我々の異形化は解けておりませんが? それは時間が解決するということでよろしいですかな。ほが」

 

・・・・・・ん?

 

「集合――――――!」

 

俺の号令で円陣を組む。

 

「どういうことだミストガン。お前が原因を破壊したはずだよな?」

「あぁ、間違いない。それに、その時点でナツへの悪影響も解消したんだろう?」

「結局どういうことなのさ? 常時悪影響を与えているならもう解けてるはずじゃ?」

「でもナツは記憶まで歪んでないし、村の人たちは長期間悪影響を受けてるし・・・」

「つまり長期間蓄積したものが解消されたわけじゃない、と?」

「結論:まだ悪影響残ってる?」

 

「「「「「「「・・・・・・」」」」」」」

 

「ミストガン、解呪」

「任せろ」

 

ミストガンがサクッと解呪してくれました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いろいろと世話になったな」

 

彼らを代表してリオンが言う。

 

「これからどうするつもりだ?」

「それはこれから考えるさ。俺達は指名手配されてるわけじゃないから、時間はいくらでもある」

 

グレイにそう返し、リオンは俺に向き直る。

 

「今回はいろいろとすまなかった。ザルティが何を企んでいたかはわからないが、奴を止めてくれたこと、礼を言う」

「あれを止めたって言えるのかどうかは怪しいけどな」

 

俺としては、苦笑しながらそう返すしかないわけだが。

そんな俺に、意外なことにリゼリクが話しかけてきた。

 

「《火竜(サラマンダー)》。お前は対悪魔特化の魔法を使えるそうだな。それを余に、いや、俺に教えてくれないだろうか」

「あ~、悪ぃ。教えるのは不可能なんだわ。こいつを習得した状況が異常極まりなくてな。他人に教える方法が俺には全く分からん」

「そう、か」

 

落ち込むリゼリクにエルフマンが声をかける。

 

「気にするな、滅悪魔法を習得できずとも、お前は漢だ。これから強くなっていけばいい」

「抜かせ。今回は余・・・俺の敗北だが、次こそは勝つ」

「それでこそ漢だ。俺もまたその時を楽しみにしているぞ」

 

新たにライバルとなった二人は拳をぶつけ合わせた。

 

「俺達はギルドに戻ろうと思う」

 

トビーが言った。

 

「そういやあんたら3人は元正規ギルドの人間だっけ?」

 

カナの言葉にユウカ、トビー、シェリーの3人が頷く。

 

「《蛇姫の鱗(ラミアスケイル)》だ。あの頃は荒れていたとはいえ、大勢の人に迷惑をかけてしまった」

「たとえ土下座することになろうがマスターに回されようが、恥をかくことになってでもケジメをつけるつもりですわ。それが私達が示せる愛ですもの」

「リオン達は誘わないの?」

 

ルーシィの疑問にシェリーが答える。

 

「現在保留中、ですわ。考える時間は十分ありますし、焦る必要はありませんとも」

「そっか。何か困ったことがあったら連絡してね。いつでも力になるから」

「記憶にだけ留めておくことにしますわ」

 

シェリーの答えにルーシィが苦笑する。

 

「私は、フィオーレ全土を回ろうと思います」

 

アリスは口調も完全に変わり、もはや別人だ。

表情も生き生きとしている。

 

「今まで傷つけてしまった人達や、無理やり悪霊にしちゃった人達、その家族や友人の方々に、きちんと謝っていこうと思います。それから、その人たちのために私ができることをして、きちんと償っていくつもりです」

「そうか。しかし、お前もずいぶん変わったな」

 

リオンの言葉に、アリスは今まで一度もしなかったであろう自然な笑顔を見せる。

 

「全部ミストガンさんのおかげです。ミストガンさんが教えてくれなければ、私は自分がしたことの意味も知らずに、もっと多くの人を苦しめてしまっていたと思います。それに、ミストガンさんはまだやり直せると言ってくれました。だから私は、誰かのために私ができることをしたいです」

 

以前は考えられなかったであろう饒舌っぷりに以前のアリスを知るリオン達は苦笑する。

 

「本来ならアリスの更生は俺達の役目であるべきだったな。だが俺はそれを放棄するどころか、この子の無知と純粋さを悪用しようとした。今まで本当にすまなかった、アリス。そして俺からもお前に礼を言おう、ミストガン」

「何、私は私ができることをしたまでさ。この子は俺が思った以上に頭はよかったからな」

 

こうしているとさっきまで敵同士だったとは思えないな。

彼らも話せばわかる人間だったということか。

 

「アリスのことは俺達からマスターに相談してみようと思う。アリスはまだこの年だ。裏の人間や復讐しようとする人に傷つけられるのは俺達も望まない」

「マスターの人脈ならアリスを助けられる奴も見つけられるはずだ。こいつのためにも、やるべきことはしっかりとやるさ」

「ありがとうございます。ユウカさん、トビーさん」

 

アリスは《蛇姫の鱗(ラミアスケイル)》のマスターに相談すると言ってくれた二人に頭を下げた。

 

「もちろん、私からも頭を下げてお願いするつもりですわ。それが私ができる愛ですもの」

「はい。シェリーさんも、ありがとうございます」

 

シェリーにも礼を言い、アリスはミストガンに向き直る。

 

「私は誰かのために優しくできる人になりたいです。何年かかっても、必ずそんな人になって見せます。そしたら、《妖精の尻尾(フェアリーテイル)》の皆さんやミストガンさんに改めて会いに行きます。その時は、ミストガンさん――――――」

 

ここでアリスは大きく息を吸い、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私をお嫁さんにしてください!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!?」←ミストガン停止

「「ファッ!?」」←ユウカ、トビー驚愕

「「「えっ!?」」」←女子3人、唖然

「あい――――!?」←ハッピー愕然

「・・・」←エルフマン、顔が引きつる

「「「ぶっふぉ」」」←俺&氷造形組、吹き出す

「? どうしたのだ?」←リゼリク、疑問符

 

 

 

 

 

「ミストガンwwおまwwwおまっwwww」

 

笑いが止まらない。

それはリオンとグレイも同様である。

 

「あのアリスが、ブフッ、今日あったばかりの男に、フハッ、求婚っwwだとwww」

「ミストガンお前ww幼女にガチで、クフッ、惚れられてんのかwww」

 

そんな俺達3人と、驚愕のあまり停止している他全員を見て、リゼリクは言う。

 

「3人はなぜ笑っている? 他の皆はなぜ驚いている?」

 

どうやら元王族の常識では理解できないらしい。

 

「ミストガン・・・貴方、ロリコンだったの・・・?」

「ぶほっ」

 

ルーシィが混乱の末に吐いた台詞にカナの腹筋が犠牲になった。

 

「ハッ!? ま、待てルーシィ! なぜそうなるんだ!? 俺にそういう趣味はないぞ!」

 

ルーシィのロリコン発言にようやくミストガンが再起動した模様。

なお、それによりアリスは若干涙目である。

 

「ご、ごめんなさい。嫌、ですよね。私となんて・・・」

「うぐ・・・・・・」

 

哀れミストガン。何も悪いことしてないのに追いつめられるとは。

流石に可哀想になってきたのでちょいと手助けを。

 

「ククッ、まぁ、10年後とかにまた会ってから考えろ。今考えたって無駄だ」

 

主にアリスの年齢の問題でな。

 

「というわけでアリスも大人になってからまた告白しなおせ。その方がいいと思うぞ」

「わかりました、ナツさん! その時までにミストガンさんを振り向かせられる素敵な女性になって見せます! その時になってからお返事を聞きに行きますので!」

 

アリスも元気を取り戻したようで何より。

 

「それじゃあ、俺達はそろそろ行くとしよう。またいつか会おう、《妖精の尻尾(フェアリーテイル)》」

「おうよ、またな」

 

俺とリオンは固く握手をし、その後リオンはグレイとも握手をする。

 

「俺はもっと強くなって見せる。そして、いつかウルを超えて見せる。お前も励めよ、グレイ」

「そっちこそ、な。まずは俺に追い付いて見せろよ」

「ふ、そうだな。そっちが先だな」

 

リオン達は彼らが自前で用意していた船に乗り、ガルナ島を出発した。

 

「しっかりやれよ、リオン!」

「またいつか会おうぜ!」

「もし仕事で一緒になったらよろしく頼むよ!」

「うおおおおぉぉぉぉぉぉ! 漢――――――――!」

「今度《蛇姫の鱗(ラミアスケイル)》に遊びに行くからねー!」

「いい大人になるんだぞ、アリス!」

「あい! みんな―――! 元気でね――――――――!」

 

船が見えなくなった。

俺達は再び村へ向かう。

 

「さて、今夜は飲むよ!」

「ほどほどにしておけよ。船上で吐くのはナツだけでいい」

「・・・反論の余地もねぇ」

「どんなお魚が出るのか、オイラ楽しみだよ!」

「当然、ミストガンも参加するよな」

「そうだな。こういう場は久しぶりだ」

「バルゴにも参加してもらおうかなぁ。労わってあげなくちゃ」

 

事態を解決し、直感でそれを察したボボも帰ってきた。

今夜は村を挙げての祝いの席だ。

俺達も参加してくれと言われた以上、拒否するのももったいない。

リオン達は辞退したがな。

現時刻21時。そろそろ準備が終わっている頃だろう。

ほら、明かりが見えてきた!

香ばしい匂いや酒の匂いも漂ってくる。

村の入り口で何人かが俺達を出迎えてくれている。

 

 

 

 

 

 

 

「よっしゃぁ! 宴だあああぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 




『《虚法陣・恐鏡夢(おそれうつし)》』

睡眠学習をホラー化したようなもの、と言えなくもない。
アリスは数十分の夢の中で体感時間数年を過ごした模様。
それだけ罪と向き合わされ続ければ性格も変わる。





『ウルティア = ザルティ』

正体はバレたけどナツには偽名を名乗った模様。
ウルティアの名前出したら評議会とかグレイとか身バレ要素多いし、仕方ないね。





『予知』

時のアークの副作用で極稀に予知夢を見る、というオリジナル設定。
予知の精度は高いが予知自体がめったに見れない。





『ザルティ'sトラップ』

月の光が当たると固定していたロープが外れ、小さな台が傾く簡単な仕掛け。
台の上に乗せた小瓶がちょうどデリオラの上に落ちてくる。
本当に簡単すぎる仕掛けなのでナツの鼻でも見抜けなかった。





『グレイの時間稼ぎ』

すなわちナツの滅悪魔法頼り。
なお、グレイはナツが魔法を使えない状態だったことを忘れていた模様。
その時にはナツは正常に戻っていたが屋内のグレイが空が割れたことに気付くはずもなし。





『「集合――――――!」』

この小説を始めたころ、ガルナ島編ではこれがやりたかった。
実際に書いてみたら、あれ? 大して書けない?
書いてみるとなんか違うのってよくあるよね!





『アリス、ミストガンへ逆プロポーズ』

今回の冒頭でわかる、アリスがミストガンに惚れた瞬間。
実はナツも人のことは言えなかったりする。

某貴族の娘「将来の夢ですか? もちろん、ナツ様のお嫁さんになることです!」

なお、ナツはこのことに全く気付いていない。
娘の方も、告白の類は今のところ一切していない。

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