天翔ける龍の伝記   作:瀧龍騎

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今回から舞台はインド。戦国ものを楽しみにしている方々は少々お付き合い下さいませ。


第八十話 いざ天竺へ!

「俺が.....嫌いだからだと!?」

 

 

良晴は天龍の言葉に驚愕しざるを得なかった。

 

 

「本気で..........言ってるのか?」

 

「あぁ」

 

「!!!」

 

 

良晴は天龍の胸ぐらを掴む。

 

 

「やめろよ。破けるだろ」

 

「そんな事の為に!!!

そんな下らない理由で!!

今まで数多くの人間を不幸にしてきたのか!!」

 

「下らない?...........貴様がこの俺に何をしたか.....何も分かっていないのか?」

 

「はぁ!?」

 

 

天龍は良晴の右腕を掴む。

 

 

「うぐっ.....!?」

 

 

ミシミシと骨が鳴る。速さならともかくとして、力で人狼は吸血鬼に敵わない。

 

 

「教えてやろうか?」

 

「何っ.....!?」

 

「十兵衛だよ」

 

「っ.....!?」

 

「お前...........十兵衛に何を言った?」

 

「..........」

 

「十兵衛に何を言った!!!!」

 

「..........真実だ」

 

「真実だとう?」

 

 

右腕を掴む手にさらに圧力がかかる。

 

 

「がぐっ!?」

 

「お前が言う真実は.....『天竜が最低な奴だから、奴のものから俺のものになれ』という事か?」

 

「ちっ、違う!!俺はそんな事.....」

 

「同じだ!!どちらにせよ、あいつは思い出してしまった。昔愛した男への思いをな!!」

 

「そんな!?俺は!!」

 

「なら何故一度捨てたんだ!!」

 

「捨てたって.....俺は.....」

 

「俺と出会うまで十兵衛は貴様一筋だった。いや、俺と出会った以降もそうだったんだ。だが逆に俺はあいつに光の面影を重ねて.....ずっと俺は十兵衛ではなく、彼女の奥の死んだ光に恋をしていた。

だが、光は生きていた。

それにだ。記憶を取り戻して初めて気づいたが、俺は光をこの世に呼び寄せた張本人だった!呼び寄せたどころではない。一緒に時空の壁を渡って来たんだ!そこで俺はドラキュラとして、あいつはその妻"吸血鬼カーミラ"として100年も一緒にいたんだ。

それを知って、俺はもう一度光を愛してしまった。明智左馬助光春を愛してしまった。だがそれは、十兵衛から気持ちが離れる事にも繋がる」

 

 

今の天龍はまさしく"天竜"だった。

 

 

「今のあんたは十兵衛ちゃんを愛せてないのか?」

 

「愛している.....と思う。思いたい。これが偽りであるという事は信じたくない。だが、俺はあいつを愛していると言い切れない。

たとえあいつが俺の子を孕んでもだ」

 

「えっ?」

 

「十兵衛が孕んだ。正真正銘俺の子だ。

俺は愛してやるべきだ。

拾を産んだ小五郎と同様に.....

だが気づいてしまった。

俺の十兵衛に対する愛が"偽り"だった事に。

今の俺からすれば、十兵衛は孫市や嘉隆と同じ側室程度の想いしか持てていない」

 

「お前がそんなんだから!!!

..........今の手前ぇに十兵衛ちゃん相応しくない。

十兵衛ちゃんは俺が!.....」

 

「それが許されないと言ってるんだ」

 

「何っ!?」

 

「そうでなくとも十兵衛は俺の"所有物"だ。

俺のものは俺のもの!

貴様如きにくれてやるものか!

貴様にくれてやるぐらいなら殺した方がましだ!」

 

 

良晴はたまらず、天龍の顔面を殴る。

その衝撃は凄まじく、彼の顎部を粉砕した。

 

 

「死ぬべきは手前ぇだ天龍.....

自身の都合で世を惑わす化物め!!」

 

「それは貴様も同じ事だろう!!」

 

「!?」

 

 

瞬時に顎を再生させ、今度は回し蹴りで良晴の頭蓋骨側頭部にヒビを入れた。

 

 

「がぐっ.....!?」

 

 

「人狼も吸血鬼も元は同じ一族。だから、霊力回復の為には血液から霊力を摂取する必要がある。だが、もう一つ回復の方法はある。

それが『性行為』さ。

性行為によって得られる精力は人間の血肉から得られる霊力に等しい。食人を嫌うお前はむしろそちらの方法を多用した。だがそれは無理があった。信奈1人との性行為で得られる精力には限界があったからだ。

だから貴様は信奈以外の多くの女子と関係を持った。生きる為、本能赴くままに女子を貪り食した。これが化物でなくて何なのだ?」

 

「違う!!..........いや、俺は確かに化物さ。

でも人の心は無くしていない!

俺はただ誰も殺したくないだけで.....」

 

「最近の姫武将が元気無いのが何故か知っているか?」

 

「なっ!!?」

 

「精力とは魂の一部を指す。貴様が食ったのは姫武将達の魂さ。貴様は血を飲まん分、数多くの姫武将を犯す必要がある。

貴様は知らず知らずに多くの人間の命を食っている。多くの人間に不幸を与えて、幸せを吸っている。全ては生きる為だ。俺と何が違うのだ?

いつか死人も出よう。

果てさて、貴様に命を投げ出す女子が何人出ようか?」

 

 

今の天龍は冷酷さ滲み出た"朧"だ。

 

 

「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れぇぇぇ!!!」

 

「そうだ!面白いものを見せてみよう!」

 

 

そう言うと、天龍は人差し指を良晴の首筋に突き刺す。

 

 

「あぐぅっ.....!!?」

 

「今から送る記憶は真実さ。俺も正直忘れていた記憶だ。融合して初めて思い出したんだ」

 

「何を.........................なっ!!?」

 

 

良晴は脳内で何かの映像を見た。

そして、次の瞬間には意気消沈していた。

 

 

「そんな.....そんな馬鹿な.....」

 

「全て真実だ」

 

「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だぁぁぁぁ!!!!」

 

「ふっくっくっくっくっく.....

精々嘆け。そして俺への恨み辛みを溜めるこった」

 

 

そう言い、天龍は姿を消す。

 

 

「うわああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

「※うっ.....よっ、良晴!」

 

 

子供のように泣き叫ぶ良晴。側室となった義久は初めて見る彼のそんな姿を前に、何もできずにいる。そんな時。

 

 

 

 

「良晴!!」

 

 

 

 

正室の信奈が現れた。良晴の戦勝を聞きつけ、わざわざ大坂城から単騎で駆けつけたのだ。大坂城には妊娠した十兵衛を送り届けに行っていたのだ。

 

 

「どうしたの良晴!?あんたが泣くなんて!」

 

 

笑った良晴。困った良晴。怒った良晴。

数多くの良晴の顔を見てきた彼女も、彼が泣いた所を見たのは初めてだった。夢を見て静かに涙を流していた事は何度かあった(未来に残してきた母親に関する事で)。だが、このように子供の如く大泣きするのは見た事がない。

 

 

「※.....あう.....」

 

「あんたが島津義久ね。新しい側室の」

 

「※えっ!?」

 

「驚かなくても知ってるわ。皮肉にもあの"天竜"に教えられてね。それから"猿"の妖怪になってる事もね。それが原因で色んな女の子と浮気してる事も(怒).....」

 

「※猿じゃなくて狼じゃ.....」

 

「あん?」

 

「※ひぃぃ!!ごめんなさい!!」

 

 

恐妻で知られる信奈。勝手に側室になった事に微かに後ろめたさを感じて、信奈にビビる義久。

普段ならこんな事はないのだが、良晴がこんな状況になってしまい、彼女も混乱しているのだ。

 

 

「いや、謝られても.....

それが薩摩語なの?何言ってるか全然分からないわ。

南蛮語とほとんど一緒ね」

 

「※..........」

 

 

信奈が気にしていたのはそちらの方だった。

薩摩弁も一応、日本語である。

 

 

「...............れた」

 

「「!?」」

 

 

良晴が小声で呟く。

 

 

「良晴、どうしたの!?」

 

「.....殺された」

 

 

放心状態で返答する。

 

 

「一体誰が.....誰に殺されたの!?」

 

「俺は.....もう帰る場所も無くしちまった」

 

「※良晴!」

 

「もう一度ちゃんと教えなさい!

一体誰が誰に殺されたのかを!」

 

「..........」

 

 

良晴は答える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「父さんと母さんが...............天龍に殺された」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからして。天龍は勝ち取った豊前国を黒田官兵衛に、朧から受け継いだ常陸国を竹中半兵衛に与えた。

 

 

「何故あの二国を彼女らに?」

 

 

三成が聞いてくる。

 

 

「良晴から離す為さ。九州と関東じゃあ、そう簡単には2人を頼れんだろう?」

 

「ですが何故?」

 

「良晴は両兵衛に頼りすぎる節がある。

あいつには、軍師なしでも俺を倒せるぐらいに強くなってもらう必要がある。良晴軍の強さはあの軍師達によるものだと言っても過言じゃない。

お前も九州ではよく分かったろ」

 

「.....はい」

 

 

三成自身、九州では天龍不参加という事もあり、いつも通りの実力が発揮できず、いくつもの失敗を繰り返してしまった。それを全て両兵衛がカバーしたのだ。

大谷吉継は三成の補佐の役に留まった為、九州は実質両兵衛によって制圧されたようなものだった。

 

 

「特に半兵衛だ。復活してからは昔以上に冴えている。ほとんど化物さ。俺自身、奴と向かい合うのはなるべく避けたい。

官兵衛もだ。半兵衛程の実力はなくとも、常人ならざる才能の持ち主。潜在能力も高い。将来は半兵衛以上の化物になるかもしれん」

 

「そっ、そんなに!?」

 

「だってさ、官兵衛の作った『おーとまた8号』を見たけど、完全にガン●ンクだぞ!?

あんなのが100機も量産されてみろ!

国がひとつ滅ぶぜあれは。

いつかガン●ムくらい作るなあれは。

半兵衛は半兵衛で、陰陽術を完全に開花させてる。俺のとは相性が悪いから、本気でぶつかったら殺されるかもしれん」

 

「はぁ.....」

 

 

逆にどんどん自信を無くす三成。

 

 

「まぁいいや。俺、明日から天竺行くから後よろしくな」

 

「天下統一されて間も無いのに、もう天竺に行かれるのですか!?」

 

「別に戦争しに行くわけじゃねぇよ。ただの挨拶さ。向こうの連中だって、日本が統一されて豊臣秀長っていう人物が治めているなんて知るよしもない。そういう点においても日本はまだまだ弱小国だよ。今回はただ顔を覚えて貰うだけさ」

 

「そんな!天龍様はこの世界で最も偉大な国王です!」

 

「一応、天皇の代理って立場なんだけな.....

まぁいいさ。俺が行ってる間の代わりをお前に務めて貰いたいわけよ。良晴に任せる気なんてさらさらないし。名目上は金吾にさせっから」

 

「秀秋様に?」

 

「うん。俺の後継ぎ。でもまだまだ未熟だから補佐しちくり」

 

「そういえば、何故秀秋様は突然小早川への養妹を受け入れられたのでしょう?ああも嫌がっておられたのに、九州でも急に初陣に行かれ、いきなり島津家久の首も取られて.....」

 

 

 

 

「あぁ、俺があいつとの義兄妹の関係切って、

"結婚した"からさ」

 

 

 

 

「....................は?」

 

「あいつからしたら、俺との関係が第一だったみたいでさ。義妹も捨てがたかったようだけれども、結婚しようって言ったら、直ぐ様了承したぜ?

とりあえず通い妻って事にして、中国に送ったさ。これでとりあえず小早川もとい毛利とは安泰だな。今後とも毛利の力は重要になってくるしな」

 

「.....はい」

 

「いやはや。ずっと妹として可愛がってきたが、嫁になった途端、女としての魅力が滲み出てきて、美味しそうだ♡」

 

「....................そんなんだったら、私も嫁に貰ってくれてもいいのに」

 

 

三成がボソリと呟く。

 

 

「そんな事言ったって、お前とまで結婚しちまったら、勝猛のやつに殺されちまうよ」

 

「聞こえてらしたんですか!!?

そこは『え?なんだって?』でしょう!?」

 

「吸血鬼の聴力なめんな」

 

「それに何故左近が出てくるんですか!?」

 

 

島左近勝猛は三成の右腕の猛将だ。

 

 

「付き合ってんだろお前ら?」

 

「付き合ってません!!

..........まぁ左近は忠実ですし、名の通り猛々しいですし、いざという時には命懸けで守ってくれますし、時より見せる優しさがなんとも.....」

 

「へいへい。御馳走様」

 

「だから違いますって!!」

 

「それは置いとくとしてだ」

 

「置かないで捨てて下さい!!」

 

「向こうへの付き添いはレオとベルにするからな」

 

「..........むぅ」

 

「不満か?」

 

「不満です!蒲生氏郷も大友宗麟も元は敵対していた耶蘇!それが最近になって急に味方になって、我が物顔で天龍様の側近に付いて!

昔から天龍様の側近は私なのに!!」

 

「そう言うな。お前にはお前の、あいつらにはあいつらの仕事があるんだ。お前だけが頼りなんだよ」

 

「ですが.....」

 

「しょうがない」

 

 

天龍は三成に口付けする。

 

 

「むんん!!?」

 

「頼むよ佐吉。俺の為に」

 

「わっ.....わきゃりましゅた❣」

 

「よっしゃ!」

 

「うぅぅ.....どうせそうやって多くの女性をてごめにしてきたのでしょう?」

 

「否定はしない」

 

「(~_~;)」

 

「半分女だけあって、女の扱いにだけは自信があるのさ」

 

「へ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日。飛行船『ワイヴァーン(名付け親は天龍)』に乗りこんだ天龍一行は日本を発ち、目指す天竺ことインドへ向かった。海路を使わなかったのは、敵対中の明がそこら一帯の海を取り囲んでいる為だった。だからこそ、安全な空路を選んだのだ。

 

 

「ふい〜。着いた着いた」

 

「そういえば、我らが出向く事は伝えられたのですか?」

 

 

氏郷が尋ねる。

 

 

「うん。一昨日ぐらいに言って来た」

 

「言って来た!?」

 

「あぁ『ラホール城』に忍び込んで、皇帝の寝室にこっそり手紙置いてきた。ちゃんとペルシア語でな。オシャレに薔薇の花を添えてな」

 

「それじゃあ不法入国と変わらないじゃない!!」

 

 

あまりの出来事に、氏郷も敬語を忘れる。

 

 

「いいんだよ。本来ならあっちから挨拶するべき所を、こっちがわざわざ出向いてやってんだ。不法なんざ知ったことか」

 

「顔を覚えて貰う為の下向きな挨拶じゃないの!?」

 

「なんでこの俺様が天竺如きにヘコヘコ頭下げなきゃならんのだ?いずれは俺の支配下に堕ちる国なのに」

 

「はぁ...........貴方はそんな人間だったわね。忘れてたわ」

 

「そう言うなよレオちゃ〜ん」

 

「ちょっ.....抱きつかないで!!」

 

 

ムガル帝国。当時のインドを治めていた帝国。

この時点での皇帝はアクバル。

 

 

「アクバルとはどのような人物なのですか?」

 

「知らん」

 

「そんなんでよく挨拶する気になったわね」

 

「お前が聞いたのはアクバルの人間性じゃなかったのか?アクバルの詳細なら分かるぞ?

ジャラールッディーン・ムハンマド・アクバル。

ムガル帝国の3代目君主だ。

西暦1556年に13歳で皇位に就いて、それから半世紀かけてムガル帝国を巨大帝国に育て上げた"大帝"だ。亜細亜じゃ明に次いで大国。欧州も目をつけるものの、植民地支配に手こずる程だ」

 

「おおふ.....」

 

「んまぁ、ムガル帝国も200年後には英国に滅ぼされんだけどね」

 

「嘘っ!?」

 

「マジだよマジ。ぶっちゃけると欧州で英国は最大の勢力国になる」

 

「そんな!?ポルトガルは!?イスパニアは!?」

 

「そんなん英国との戦争で負けて、後は衰退の一途さ。対立国の神聖ローマ帝国やオスマン帝国も滅び、フランスも勢力を落とし、世界のトップに躍り出るんだ」

 

「そんなに.....」

 

 

とはいえ米国の出現により、その座を譲り渡す事になるのだが.....

 

 

『そろそろLanding(着陸)致します!』

 

 

宗麟が艦内放送で伝える。操縦者は宗麟だった。

 

 

「宗麟殿もよくこんな鉄の塊を飛ばせるわね」

 

「あいつは元々要領がいいんだよ。車の運転だってすぐ覚えたし。今後の操縦担当は宗麟だな。戦艦や戦闘機も簡単に使いこなしそうだ」

 

「あっ!」

 

「ん?」

 

「敬語使うの忘れてた」

 

「いいよタメ口で。むしろ無理に敬語使われる方がなんか気持ち悪いし」

 

「すみません.....」

 

 

そうして飛行船ワイヴァーンはラホール城前に着陸した。

 

 

「あり?」

 

「あり?じゃないわよ.....」

 

 

氏郷が怒るのもそのはず。着陸して早々、ムガル帝国の兵達に囲まれ、鉄砲を向けられているのだ。

 

 

「 مهاجران غیر قانونی من چه کسی!」

 

「あーあ。不法入国者と勘違いされたみたい」

 

「事実そうじゃない!」

「まぁいいや.....

ما رسولان از امپراتوری ژاپن. من به خوش آمد می گوید امپراتور. خواهید شما را از طریق اجازه.

(私達は大日本帝国からの使者である。皇帝に挨拶に来た。通してもらおう!)」

 

「 آیا به اعلیحضرت بچه های مشکوک که دوست دارند و اختلاف از! بدون انجام و یا حتی به سند ناشناس مربوط به زمانی که آن را روز قبل از دیروز رسیده است. توقیف

ضربه!

( 誰が貴様らの様な怪しい連中を陛下に会わすか!一昨日届いた怪文書にも関係があるやもしれぬ。引っ捕らえよ!)」

 

「怪文書とか言われてるわよ?貴方の手紙」

 

「あるぇ〜?(・3・)」

 

 

新しい天龍は妙な所で爪が甘かった。

 

 

「まぁよかろう。立ちはだかるなら"排除"するのみ」

 

「貴方、最初からそのつもりだったでしょ?」

 

「そういう人間ですよ。彼は」

 

 

操縦席から出てきた宗麟が言う。

 

 

「旧式の火縄銃がたったの20丁か。話にならん。俺が出るまでもない。ベル、さっさと片付けろ」

 

「はいはい。残虐外道魔太閤様」

 

「なんだその酷い言われよう」

 

「自覚しなさいよ」

 

「してるよん♪(*´ω`*)」

 

「(´・ω・`)」

 

 

 

 

その後、宗麟の『ウィング・ザ・リッパー(天龍命名)』によって兵達は駆逐され、ほとんど無理矢理ラホール城に入る事が許されたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※以降、全て翻訳済み

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「朕こそがムガル帝国皇帝!

ヌールッディーン・ムハンマド・サリームであるぞ!」

 

「あり?」

 

 

色々と暴れた結果、なんとか皇帝に会う事はできた。しかし出てきたのアクバル皇帝ではなく幼女。名前からアクバルの娘?である事は分かったのだが、何故か皇帝を名乗っている。

ヌールッディーン・ムハンマド・サリーム。

後の4代皇帝ジャハーンギールだ。

愚帝として有名であり、イギリス東インド会社設立を許可した事から、インドが英国の植民地になった最初の原因とも言われる。

 

 

「あの.....アクバル帝はいずこに?」

 

「ふんっ!愚かな父は呑気に遠征中だ。

だからこそ皇帝に最も相応しい朕がここにいる!」

 

 

つまりクーデター中だという事だ。

 

 

「まぁこの際サリーちゃんでもいいさ」

 

「誰がサリーちゃんだ!!」

 

「怒った顔も可愛いよサリーちゃん♪」

 

「(# ゚Д゚) ムッカー」

 

「皇帝を口説こうとしないで!」

 

 

氏郷に釘を刺される。

 

 

「冗談はさておきだ。サリーヌよ!」

 

「!?」

 

 

 

「大日本帝国宰相として其方に伝えよう!

我が国と同盟を組め!

そして、"支那"を討つ手助けをせよ!」

 

 

 

 




急展開の八十話でした。
もうぶっちゃけ「信奈の野望」ほとんど関係ありません。
果てさて。ムガル帝国をどう調略するのか!
次回予告
幼女皇帝
〜卑しい大臣から少女を守れ!〜

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