天翔ける龍の伝記   作:瀧龍騎

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新章です。
今回から、それまでは出番の少なかった
良晴の出番が増え始めます!


二章 関白豊臣良晴秀吉
第六十七話 主人公豊臣良晴


天竜が発足した『サタン教』。

これは今まで、豊臣とは馬が合わなかったキリシタン達には快挙であった。

ほんの少しの妥協で、

信教が国から許されるのだ。

だがだからといって、

いきなり大勢が参加する事はなかった。

『その妥協さえも、神への冒涜』

『これは魔太閤の罠』

などの理由を付けて.....

結局は皆、怖かったのだ。

 

サタン教に入るという事は、

バテレンを正面から敵にする事だったからだ。

 

 

 

 

だが、その不安を断ち切った者がいる。

 

それが日本最大のキリシタン大名、大友宗麟。

新洗礼名はベルフェゴール。

彼女が率先してサタン教に入った事で、

一気にその信用度が増したのだ。

 

次に驚かれたのが、

関白良晴が軍師、

黒田官兵衛のサタン教参加だった。

それが決定打にもなったかもしれない。

 

次々にキリシタンが今の信仰を捨てて、

サタン教信仰を始めたのだ。

 

 

始めは豊臣や織田家臣のキリシタンの高山右近や小西ジョウチン、小西行長などから、内から外にかけて多くのキリシタンがサタン教に入ったのだ。

 

他にも古田織部が参加。まぁ彼女は信仰心よりは、天竜が作ったものという事での参加である。彼女はむしろ思想がアンチ寄りでもあるのだ。

織部が天竜より受けた洗礼名は、

『ベルゼバブ』

 

本来は天竜の敵であった梵天丸も、

サタン教という響きに感化され、

中二病目的で参加。

洗礼名は『アスモデウス』

実は色欲を司る悪魔であるが、

天竜に騙されてしまっている梵天丸。

本人は『リヴァイアサン』がいいとせがんだが、受け入れてもらえなかったようだ。

 

 

とはいえ、不参加者はちゃんといた。

以前までの信仰を捨てられない者、

バテレンに心底入れ込んでいる者、

天竜がそもそも信用できない者、

天竜と敵対している者等である。

それは、蒲生氏郷や千利休などだ。その為、その者らの立場はどんどん狭くなっている。

 

さらに仏教徒との関係。

元々からキリスト教と仏教は対立していた。

お互い同士が異教徒だと蔑んでいたのだ。

だがキリスト教がサタン教になり、

サタン教も仏教も日本神道の派生、

つまり兄弟のような関係になったのだ。

さらにだ。

サタン教の代表は天竜。

仏教の代表は宗派が多くあれど、

最も位が高いのはけんにょ。

本猫寺戦以来の仲良しなのだ。

おまけに親戚同士。

対立しようにも、

トップクラスで手を取り合っている以上、

下の者らは従わなければならない。

 

よって均衡が取れているのだ。

 

サタン教の成立が平和を樹立したのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だがこれは、親日派であったフロイス達を傷つける結果となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある日。

 

 

「久しいなフロイス」

 

「天竜さん..........いえ、太閤様」

 

「天竜でいいよ。

あんたはこの国の人間じゃねぇんだから」

 

「.....ですが」

 

「いいんだ。

あんたはもう宣教師ですらねぇんだ」

 

 

サタン教の成立と共に、

多くのバテレンは宣教活動に絶望を抱き、

この国を去って行った。

キリスト教が浸透したのではない、

逆に利用されてしまったのだ。

サタン教信者が敬うのは、

宣教師でも西洋神でもなく、

豊臣秀長と正親町天皇なのだ。

宣教計画は完全に失敗である。

 

とはいえ、日本の植民地化の方法は宣教に限らず、その気になれば遠征軍を送り込むという方法だってあるのだ。

南蛮人側からすれば、

日本占領策の1つを潰されたに過ぎない。

とはいえ、多くの南蛮人が日本の占領を不可能であると実感して帰って行った。

 

 

「もう私も用済みのようですね」

 

「そのようだな」

 

「でも悔いはありません。

この素晴らしい国日本で、

数え切れない大切な事を学びました。

とても楽しかったです。

皆さんと決別してしまったのは、

とても辛い事ではありましたが、

日本の方々が引き続きイエス様の教えを学んでいるのは喜ばしい事です。

ですが.....

イエス様がサタンだと言うのは

流石に横暴ですよ?」

 

「しゃーねーだろ。

本当の事なんだから」

 

「またまた」

 

「いや..........ガチなんだよ」

 

 

天竜自身、ツクヨミが正確に何者であるのか分かっていない。

 

 

「この後どうすんだ?」

 

「マカオに戻る予定です。

この国にとって私はもう、

不要な存在のようですから」

 

「!?」

 

 

フロイスは一筋の涙を流した。

 

 

「ったく、俺も女にゃあとことん甘い。

泣かれたりなんかすれば尚更だ」

 

「天竜さん?」

 

「フロイス.....

駐日大使にならないか?」

 

「駐日大使!?」

 

「今ポルトガルはスペインと統合されてるだっけか?じゃあスペインの駐日大使だ。

スペインとはこれからも良い関係を結びたいからな。お前さんがその橋渡しになっちゃくれないか?

勿論、オルガンティノやヴァリニャーノも一緒で構わんぞ?」

 

「私が.....橋渡しに.....」

 

「それとだ。

きちんと規則を守ってくれるのなら、

引き続き宣教しても構わない。

ただしサタン教をな。

学校であんたの教育を受けるのを楽しみにしている子供らも多くいるからな」

 

「.....いいのですか?」

 

「別にいいよん?

サタン教は作ったものの、

俺もよく理解してないだわさ。

そこはプロにお頼みしたい所がある。スペイン大使館だって作ってやる」

 

「天竜さんはそのようなものを作るのは嫌いだったのではないですか?

伊勢イスパニア島のように.....」

 

「大丈夫大丈夫。

俺もスペインに日本大使館作るし」

 

「えっ!?」

 

「いざとなれば、

フェリペ2世を脅してでも作るさ。

『作らなきゃスペインを滅ぼす』ってな」

 

「それは.....」

 

 

この人ならやりかねない。

 

 

「それにだ。

君程美しい女性を手放すのも惜しい」

 

「お世辞を言われても.....」

 

「お世辞じゃあないさ。

俺は最近、人ものも欲しくなりだしてな。

良晴の愛人であるお前が欲しいのだ」

 

「なっ!?」

 

 

天竜は懐より例の写真を取り出す。

 

 

「南蛮寺の裏でのひと時♡」

 

「ひどいです!

隠れて見てたんですか!?」

 

「弟を監視してたら偶然撮れてしまった。

ただの事故だよ(嘘)」

 

「私を.....脅す気ですか?」

 

「?..........しないしない!

こんなの公表したら、せっかく築き上げたキリシタンとの関係もオシャカになってまうからな。

ただ、良晴なんかより俺と付き合う方が

効率的だと言ってるんだ」

 

「良晴さんは素敵な方です!」

 

「言うと思ったよ。

でも良晴はかなりのヤリチンだ。

お前はその内の1人だ」

 

「うぅ.....」

 

「まぁ俺も対して変わらんがね」

 

 

天竜はフロイスを抱き寄せた。

 

 

「ちょっと!天竜さん!?」

 

「いい匂いだ。西洋人は東洋人とは別の美しさがあるから嫌いになれん」

 

「ちょっ.....駄目っ.....いやっ!」

 

 

フロイスは天竜にそのまま押し倒される。

 

 

「大丈夫だ。

何も考えなくていい」

 

「そうじゃなくて!」

 

「俺はお前を失いたくない。

ずっと日本にいてほしい。

そばにいてくれ」

 

「!?」

 

「そのためならば、

俺は何だってするさ。

お前を抱いてでもな!」

 

「..........くすっ」

 

「!?..........何が可笑しい!?」

 

「わざわざそんなお芝居しなくても、

その提案はお受けしますよ?」

 

「本当か!」

 

「やっぱりお芝居だったんですね.....

私も貴方の政策には賛成なんです。

昔から貴方に助けられた事が多くありました。

多くの同僚が貴方をドラキュラと非難しますが、私は貴方の内面を評価しているので、決して貴方を否定するつもりはありません」

 

「フロイス.....」

 

 

天竜はフロイスの両手を握る。

 

 

「ありがとう!本当に嬉しい!」

 

「うふふ.....」

 

 

天竜は母性フェロモンに弱いらしく、

母性の塊であるフロイスに天竜は弱い。

 

 

「やばい.....余計に抱きたくなった」

 

「えっ!?」

 

「我慢できん。抱かせてくれ!」

 

 

天竜はフロイスの服を脱がせる。

 

 

「ちょっ.....!?

本当に駄目ですって!!」

 

「やーだ♡

1度決めた事は最後までやり通す主義なんで!」

 

「立派ですけど!」

 

 

フロイスの豊満な胸を揉みしだく。

 

 

「うむっ!

豊満な胸も嫌いじゃない!」

 

「やんっ.....激し.....」

 

 

フロイスもその気になり出す。

 

 

「そこまでだゲス野郎!」

 

 

良晴が拳銃片手に乱入してきた。

 

 

「また邪魔するのか偽善者左翼ザルめ!」

 

 

酷い言われようだ。

 

 

「お前が誰を抱こうが関係ないが、

俺の情事まで邪魔するたぁ!

許されたものではないぞ!!」

 

「うるせぇよヤリチン野郎!

なんだかんだで側室以外にもあちこちで手ぇ出してんじゃねぇか!!」

 

「黙れヤリチン小僧!

女性は男にとっての共有財産だ。

俺の女は俺の女!

お前の女も俺の女!」

 

 

最低なジャイアニスト。

 

 

「今日という今日はもう許さねぇ!

この糞野郎はぶっ殺す!!」

 

「返り討ちしてくれるぞハゲネズミ!」

 

「ちょっとやめて下さい!!」

 

 

フロイスが叫ぶ。

 

 

「どうしたのですか良晴さん。

以前はとても仲のいいご兄弟だったのに!」

 

「知らねぇよ!

最近のこいつはとことんムカつくんだ!」

 

 

天竜の良晴への挑発行為は日に日に激しくなっている。

 

 

「勿論、お前を怒らせる為だ!」

 

「何でだよ!」

 

「ふっくくくくくくく.....お前を限界まで怒らせればどうなるか 楽しみに待っているからな!」

 

 

何を考えている!?

 

 

「もういい!

俺はお前との縁を切る!」

 

「いいだろう!その代わりに、

10万の兵やるから島津を攻めてこい!」

 

「だから何で!?」

 

 

会話が成立していない。

 

 

「太閤命令だ。

さっさと行ってこい偽善者左翼ザル」

 

「うるせぇよ!行くよ!!

ふざけやがって右翼吸血鬼が!!」

 

 

涙目で出て行ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうしてあんな事を?」

 

 

フロイスが尋ねる。

 

 

「勿論、奴に俺を殺させる為だ」

 

「!?」

 

「だからこそあいつを3年かけて育ててきた。

勉学も剣術も射撃も.....

教えられるもんは何でも教えた。

俺の分身を作り上げた。

そしていつか俺を超えてもらう。

俺が本気で任せていいと思う男になってもらう。

俺が作った世を任せられるのは、

本気の俺を倒した奴だけだ」

 

「その為に挑発を.....」

 

「良晴は現代日本が生んだ、

悲劇のような平和ボケ糞ガキの1人だからな。

あいつは怒れば怒る程強くなる。

殺気が篭った奴の眼力は俺も身震いがする。

奴の本気とぶつかってみたい!

俺に匹敵する霊力を隠し持った奴に!

どうすれば奴を覚醒させられるか.....

いっそ吸血鬼にしてしまおうか?

くくくくくく.....」

 

「貴方は.....自分を殺してくれる人を探しておらられるのですか」

 

「間違っているか?」

 

「答えかねます。

私のような小さな器では、

支え切れぬ程大きすぎる問題です。

私はただ祈る事しかできない」

 

「ふっくくくくくくく.....

奴が覗いてる事を承知であえて襲ってみたが、

お前であるからこそ、

今日の挑発も成功したようなもんだ」

 

「それも芝居だったんですね.....」

 

「おうよ!

しかし、お前を抱く価値は限りなく高い。

お前は心身共に美し過ぎる。

男に抱かれた以降も汚れを知らぬ。

むしろ抱かれて余計に色気が出た。

全く汚れていないからこそ、

自分の色で汚してみたいという、

俺の邪悪な心が疼いて騒ぐ」

 

 

天竜はフロイスを引き寄せる。

 

 

「国際問題にならない程度のお付き合いをば」

 

「分かりました」

 

 

フロイスは天竜の口づけに応じる。

 

 

「さてだ。

九州戦は良晴に預けてだ。

これからちっと忙しいぞ!」

 

「何をなされるので?」

 

「くっくっく.....」

 

 

天竜は不敵に微笑する。

 

 

「蒲生氏郷を調略する!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

筑前にて。良晴一行。

 

 

「あ〜!!!糞ムカつく!!

ぶっ殺してやりてぇよあいつ!」

 

「言葉遣い酷いですよ。くすんくすん」

 

 

半兵衛になだめられる。

 

 

「だって.....」

 

「なんだか最近良晴さんがどんどん凶暴化しているようで、私は恐ろしいです」

 

「そうか?」

 

「そうです。貴方は心身共に強くなった代わりに、大事なものを失い始めている気がするのです」

 

「大事なものを.....」

 

 

良晴は考察する。

だが、出てこない。

 

 

「ところでだ。

何でお前がいる!?」

 

 

半兵衛の他にもう1人。

 

 

「仕方ないだろう。

信奈に協力せよと頼まれたのだ」

 

 

彼はガブリエル・クロウ・アンダーソン。

 

 

「どうでもいいけど、人のカミさん呼び捨てにすんのはやめてくれ」

 

 

神父ガブリエル。

ドラキュラを倒した過去を持つ男。

 

 

「でもクロウ.....

お前って、異能力者相手にしか力を発揮できないんじゃなかったっけ?」

 

「あぁ、そうだが?」

 

「ただの役立たずじゃねぇか!」

 

「まぁまぁ。島津方に異能力者がいれば私に任せてほしい」

 

「うぅ.....」

 

 

宗麟の例があるから、

島津方にもいそうだな.....

 

 

「島津義久ってどんな奴なんだろ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

豊後、臼杵城。

大友軍より奪い取ったこの城に、

島津軍大将はいた。

 

 

「大友が本格的に豊臣と手を組んだ。

これより豊臣とのいっさになるでごわす」

 

 

島津義弘が言う。

 

 

「姉上からもどんぞ!」

 

 

弟に言われ、大将島津義久が口を開く。

赤紫色の髪に褐色の肌の美女だ。

 

 

「وقد انخفض المعدة. أريد أن أكل البطاطا」

 

「「「..........」」」

 

 

何語!?

 

 

「姫!もう一度ご報告をば!」

 

「البطاطا الحلوة هي جيدة. أريد أن أكل البطاطا المخبوزة الساخنة من الفرن!」

 

 

もうわけが分からない。

なまり(?)が酷過ぎる。

 

 

「姉上はこう言うておられる」

 

 

どうやら義弘が翻訳してくれるようだ。

 

 

「『お腹が減ったから、今日の晩御飯は焼き芋がいい』とのこっと」

 

 

全然関係ねぇ!!

家臣らは心の中で叫ぶ。

 

 

「لديهم ما يقولونه إلى السادة من.....

(諸君らに言いたい事がある)」

 

 

だが義久は続ける。

 

 

「جيش تايكو والجيش شيمازو لدينا، هناك فرق في قوة سلحفاة حول لينة قصفت والقمر

(我ら島津軍と太閤の軍では、

月とすっぽんぐらいの戦力差がある)

لقول ذلك، والرجل لا يذهب إلى رجل مغرور تايكو بعد كل شيء، لعدم السماح الحكم على اليابان أكثر

(だからと言って、奴は所詮成り上がりの太閤。これ以上奴に日の本を治めさせるわけにはいかない)

القول فرص الفوز لأن أدنى مستوى ممكن، فإنه لا يستطيع أن الاعتراف بالهزيمة فشلا ذريعا. أقاتل بكل فخر والجيل ال من شيمادزو. أنا أستطيع أن تثبت أن تغلب تايكو!

(勝つ見込みが限りなく低いからと言って、

無様に負けを認めるわけにはいかない。

島津の16代目当主として、

太閤と誇りを持って戦う!)

أنا أستطيع أن تثبت للفوز على تايكو!

(太閤を倒してみせる!)」

 

 

力強く宣言してみせた義久。

 

 

「「「.....???」」」

 

 

だが、家臣らに言語は通じない。

 

 

「義弘様!姫は何と言いとっと!?」

 

 

姉の翻訳をできるのは弟だけだ。

 

 

「???」

 

「義弘様〜!?」

 

 

弟も理解できていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

話は良晴らに戻る。

 

 

「あっ!サルなのだ!」

 

「よぉ元親!」

 

 

長宗我部元親。四国戦にて天竜に敗北して4つ持っていた国のうち3つを没収され、天竜の側室となるをえなくなった悲劇の少女。

とはいえ十兵衛の妹分という事で、

そこそこの地位を保っている。

 

 

「今唐突に思ったけど、

お前って土佐弁じゃないのな。

口癖も『ぜよ』じゃなくて『なのだ』だし」

 

「それは作者の誤植(ミス)なのだ」

 

「作者!?」

 

「どうでもいいのだ!!」

 

「痛ってててて!!!」

 

 

尻尾を引っ張られる良晴。

(お忘れだろうが良晴は尻尾付き)

 

 

「久しぶりですね関白良晴」

 

「隆景?」

 

 

小早川隆景。中国大名毛利輝元の後見人。

高い知力を持って、

今九州戦においての軍師役である。

 

 

「正月以来だな。輝元は元気か?」

 

「うむ.....」

 

 

だが、姉の吉川元春の姿はない。

 

 

「隆景様!お久しぶりです!」

 

「秀家!今戦ではよろしくな!」

 

 

宇喜多秀家。直家死後、天竜や良晴に管理されていた備前・美作を正式に受け継いだ、宇喜多家の新頭首。幼馴染の小西行長共々良晴の家臣である。

天竜が太閤に就任した事で、

中国における歪み合いが消滅し、

官兵衛含め皆仲良くなったのだ。

 

 

「その.....なんか存在しててすみません」

 

「宗治さん!?」

 

 

備中大名、高松城主。

4年程前の高松城水攻めの際、

天竜の側室となる事で命を助けられた。

天竜と隆景の関係回復の橋渡しとなった。

だが、自分の命可愛さに元主君を裏切ってしまった罪の意識が今更になって生まれ始め、卑屈になり、加害妄想キャラとなってしまった。

 

 

「太閤様側室として無駄な権力持っててごめんなさい。

生まれてきてごめんなさい」

 

「..........」

 

 

とにかくだ。良晴側の勢力が盛大でである事が実感できた。

 

 

「よしっ!豊後を取り返すぞ!」

 

 

良晴軍10万が出陣した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くひひひひひひひ.....」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが彼は、島津軍に潜む悪魔の存在に気づく事ができなかった。

 

 

島津軍。

 

 

「鬼と称されたわしが本物の鬼を雇う羽目になろたぁ」

 

 

義弘が言う。

 

 

「げひひひひ.....

利用できんもうなら利用せな!」

 

 

義久や義弘の弟、家久が言う。

 

 

「親っ父、下品じゃき」

 

 

家久の娘、豊久が言う。

年齢は上から、28、27、24、10。

これが島津四人衆。

 

 

「ولكن إذا كان هذا شيطان، وأسنان ماي الوقوف الخ الحديث عن تويوتومي.

(だがあの鬼なら、

豊臣といえど歯が立つまい)」

 

「「「???」」」

 

 

家族の誰にも言葉を理解されない義弘。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

急に良晴軍の進行が止まった。

 

 

「どうした!?」

 

「はっ!敵に強力な武将が出ぎぇしたようで、

わぎゃぎゅんがおちゃはちめておりましゅ!」

 

 

小六こと蜂須賀五右衛門が報告する。

 

 

「強力な武将!?一体誰が!?」

 

「現在鹿之介殿が応ちゃいを!」

 

 

山中鹿之介は良晴軍の最強武将。

その鹿之介でさえ、

防御に徹するのがやっとだとか。

 

 

「一体誰が!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁはぁはぁ.....

こんなにも強い者が相手なんて、

なんたる幸運!

はぁはぁはぁ!!」

 

 

かえって興奮している。

 

 

「気持ち悪っ.....

こんなのがいるんだ☆」

 

 

その相手は、武将というよりは幻術師のような格好をした人物。五芒星を瞳に浮かび上がらせた謎の人物。だが、その瞳は鬼の象徴と言ってもいい程紅く輝いていて.....

 

 

「貴様は何者だ!はぁはぁ.....

名を名乗れ!!」

 

 

鹿之介の問いに、奴は答える。

 

 

 

 

 

 

「僕の名前は松山主水。

天竜くんとは同族の鬼だよん☆」

 




ここに来て松山主水の再登場。
だいぶ前に性別を暴露してからずっと影を潜めていた
松山主水。
今になって何故突然敵方に!?
天竜不在の豊臣軍は、
果たしてあの鬼を倒せるのか!?
次回予告
豊後奪還戦争
〜初めて動く、異国の神父〜

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