天翔ける龍の伝記   作:瀧龍騎

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誠に申し訳ありません。
バグったせいで、
中途半端な状態の駄文を披露してしまいました。
こちらが修正版です。


第六十三話 兄弟和気藹々

第六十三話

 

大坂、とある無人の広場にて。

 

 

「セカンド」

 

「おう.....」

 

「クラッチ踏め」

 

「おう.....」

 

「ロー」

 

「うん.....」

 

「そりゃサードだ」

 

「うわっと!?」

 

「ブレーキ踏め、ブレーキ!」

 

「踏んでるよ!」

 

「それはクラッチだ!」

 

「あれぇ?」

 

「ほら!今度はアクセル!」

 

「えっ!?動かなくなったぞ!?」

 

「それはエンストしたんだ。

エンジンかけ直せ」

 

「うぅ.....」

 

 

この広場にて、良晴は天竜に車の運転を習っていた。天竜は助手席にもブレーキが付いている教習車を召喚し、それで勉強させていた。

 

 

「マニュアル難しい!

天竜、オートマ車のやり方教えて!」

 

「駄目だ。今時オートマしか乗れない奴なんて何処の仕事場も雇ってくれないぞ?」

 

「俺、関白なんだけど.....」

 

「それに、マニュアルにさえ慣れちまえば、オートマなんて簡単過ぎて笑えてくるぞ?まぁ、オートマはオートマで別のコツがあったりするんだがな.....」

 

「早く上手くなりてぇなぁ」

 

「完璧に乗り熟せるようになったら好きな車をやるよ。なんか希望はあるか?」

 

「えぇ〜と.....フェラーリとかポルシェ?」

 

「お前.....知ってる車名言っただけだろ」

 

「バレたか」

 

「初心者は車体と窓が大きめのがいいな。

多分何回か事故るだろうから、

丈夫な奴がいい」

 

「事故るの前提かよ」

 

「俺のオススメはバンかBOX系だ。

いや、プリウスっていうのもある。

取り敢えずレガシィあたりだな」

 

「えっ?えっ?えっ?」

 

 

聞きなれない単語に混乱する良晴。

 

 

「本当に無知だな。

男のくせに車の趣味もないのか?」

 

「悪かったな。日本史の趣味しかなくて」

 

「悪かねぇよ。ただ、最近の若者の趣味にはちょっと疎くてな」

 

「そんな、年寄りじゃないんだから」

 

「実年齢ならもう三十路だよ」

 

「それでも若いだろ。

最近の若者かぁ.....

といっても、俺も5年前までの知識しかないんだけどなぁ。流行なんて1年でだいぶ変わるだろ?」

 

「5年前のでもいいから教えてくれ」

 

「そうさなぁ.....

やっぱオシャレとかじゃね?」

 

「オシャレ?」

 

「うん。格好いい服とか来たり、

髪型を特殊な形にしたりな」

 

「そういやトイレとか行く度に、

何分間もかけて髪いじってた奴いたな」

 

「そうそう。ワックスで固めてな」

 

「でもあれって、頭の悪いチャラ男がモテたいが為に、己の醜い外見を無理矢理偽る行為だろ?」

 

「全国のチャラ男を敵に回すな!」

 

「ふんっ!あんな奴らなど所詮草食動物。

群れなければただの雑魚だ」

 

「チャラ男になんか恨みでもあるのか?」

 

「昔、カツアゲされた」

 

「...........」

 

「ああいうタイプは本当にクズだ!」

 

「まぁ、カツアゲされれば誰でも腹立つな」

 

「ああいうのは、群れないと個々では貧弱の糞虫ばかり!そしてターゲットはいつも自分より格下の大人しそうな奴ばかりだ」

 

「?」

 

「奴らの視点からは、

俺は格下であると判断された!

それに限りない程の憤りを感じた!!」

 

「そっちかい!」

 

「確かに俺の見た目は、巨人な清原やアントニーオ猪木のように強そうな感じではない」

 

「何故その2人を.....」

 

「だからって俺の身体もそれなりにガッチリはしてる!

細マッチョだ!」

 

「身体じゃなくて.....顔じゃね?」

 

「分かってるさ!

俺は女顔でナヨナヨしてそうだよ!」

 

「ん〜...........

んで、そのチャラ男らはどうしたんだよ」

 

「3人で同時に襲ってきたんだが、

これには正当防衛で対応したよ」

 

「へぇ〜。護身術とか?」

 

「顔が3倍ぐらいに腫れるまで殴って、

あのウザい髪をバリカンで剃って、

3人のペニスを接着剤で接合して、

全裸で電柱に結び付けてやった」

 

「それは過剰防衛だ!!」

 

 

この人怒らせると本当に怖い。

ライオンかよ!

 

 

「そんなわけでチャラ男は嫌いだ」

 

「チャラ男というか、チンピラな」

 

 

舐められた恨みを他のチンピラに回すな!しかもチンピラとチャラ男を一色端にしてる。

太閤権限で『チャラ男一掃化計画』なんてものを発動されてからでは遅い。

 

 

「もしかして松田がゴールデンウィーク明けに急に坊主の素直な青年になったのって.....」

 

「特別合宿をして更生させた」

 

 

松田は良晴のクラスのちょいチンピラだった男だ。校則をオール無視し、金髪にピアスに喫煙で、問題児だった。だが、天竜が彼をいい子ちゃんに変えてしまい、その後は勉強大好きな好青年になってしまったのだ。

その功績により天竜は大人気教師になった。

 

GW中に何があったかは、

聞かない事にする。

多分体罰ギリギリの事してるだろうし.....

 

 

「男も女もスッピンが1番だ!」

 

「天竜はそれでいいだろうさ。

素が完璧なんだから」

 

 

若い頃は美少年。20代後半になってもそのイケメンさをキープさせられる遺伝子。

 

 

「天竜って吸血鬼なんだよな?

それでその外見なんじゃねぇの?

老ける要素も全くなさそうだし」

 

「そうなのか!?」

 

「前になんかの本で見たよ。

吸血鬼は何百年も老けない。

しかも、異性を魅きつける.....

ちゃーむ?だとかがあるって」

 

「つまり俺がモテるのは、皆俺じゃなくて吸血鬼の方に魅かれてるのであって、俺自身は何の魅力もないという事か」

 

「ちっ.....違うよ!?」

 

 

やばい。怒ってる。

 

 

「とにかく!運転の練習続けようぜ!」

 

「むぅ.....」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからも毎日良晴の教習は続き、

1ヶ月程で上手に乗りこなすようになった。

 

 

「まぁ、合格だな」

 

「よっしゃ!」

 

「でも未来に帰ったら、

改めて教習所行けよ?

今のお前は無免許運転者なんだからな」

 

「分かってるさ。

...........といっても、帰れないしな」

 

「お前は驚く程帰る方法を探さないな」

 

「う〜ん。まずなんでこの時代に飛ばされたのかっていうのかが全く分かんないんだよなぁ。

だから帰る方法も探しようがないんだ。

それに帰るに帰れないぐらい、

幸せなんだよなぁ」

 

「綺麗な嫁さん貰ったもんな」

 

「まぁな」

 

「その他に愛人が12人もいれば、

帰りたくもなくなるわな」

 

「それは言わない約束だろ!!

それに愛人じゃねぇよ!」

 

「でもセックスはしたんだろ?」

 

「酔ったなれゆきで.....」

 

「それで何人と?」

 

「7人.....」

 

「それ以外の5人が愛人なのな。

羨ましいねぇ」

 

「あんたに言われると本当に腹立つ」

 

「取り敢えずは前の写真で撮った女子で全員みたいだな。何人か被ってる子もいるが.....」

 

「はぁ?」

 

「ほら、池田恒興とか佐々成政とか。

あの子らとなら俺もやったぜ?」

 

「なんですと!?」

 

「あの子らっていつも一緒で、

セックスも一緒だから、

やる時はいつも3Pなんだよなぁ」

 

「.....むぅ」

 

「今度4Pでもやるか?」

 

「ふざけんなっ!」

 

「かかか。冗談だ冗談」

 

 

ここ最近、天竜の中身がオヤジ臭くなった気がする。

 

 

「しかし以前見かけたが、

なんだか大喧嘩してたぞ?

『テン派・ヨシ派』とか」

 

「絶対俺達だよなぁ!?それって!!」

 

「聞けば、

『テンは優しそうな外見とは裏腹に、

激しい情事をしてくれる』

『ヨシは野生的が外見と裏腹に、

情事はとても優しい』とか」

 

「聞いちゃったのかよ!

プライドないんかあんたは!!」

 

「腐女子にBLネタにされるよかいいだろ」

 

「いや.....まぁ、そうだけど」

 

「それと勝家とやった事もあるぜ?」

 

「あんた.....愛人は全員側室にするんじゃなかったっけ?」

 

「セフレだからまだいい」

 

「...........」

 

 

こいつもこいつだな.....

 

 

「あんた貧乳好きじゃなかったっけ?」

 

「苺が好物だからといって、メロンは絶対に食べないなんて事はないだろう?」

 

 

分かりやすい例えだが、

最低な例え方だ。

 

 

「戦の鬼も、ベットの上じゃ乙女だ。

普段馬に乗る事が多い彼女は、

やはり騎乗位が1番好きらしい

お前も彼女とする時はいつも騎乗位だろ?」

 

「勘弁して下さい!」

 

 

完全に天竜のペースにされてる。

 

 

「まぁ、冗談はここまでにしとくか」

 

「絶対故意で嫌がらせしてるだろ!」

 

「かかか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2人は一度教習車を降り、

教習車を消滅させる。

 

 

「さて、姫路城までドライブでもするか」

 

「播磨行くのか?」

 

「あぁ、九州戦の打ち合わせにな。

どれ、お前の車を出してやる」

 

 

天竜は良晴用の車を召喚する。

車種はレガシィ。

 

 

「改めて、その技って便利だよなぁ」

 

「教えてやろうか?」

 

「俺でもできんの!?」

 

「それ程複雑ではない。

場合によっては半兵衛や官兵衛にも使える。

しかし、彼女らが知っている.....

見たことがあるものに限られるがな」

 

「場合?」

 

「パスワードだよ。術師にはそのお家によってアドレスのようなものがあってな。

勘解由小路の暦道、

土御門の天文道、てな具合にな。

パスワードってのは、その家に伝わる記録とも知識とも違う、コツのようなものだよ。だからそのコツが他家に流れる事は禁忌中の禁忌だ。

案の定、そのコツが土御門に流れたが為に勘解由小路は没落した」

 

「へぇ〜」

 

「だからそのコツさえ分かれば、

術師である者はどんな術だって使える。

己の霊力に見合った範囲内でね」

 

「ちょっと待ってくれ!

俺は術師じゃないぞ!?」

 

「そんな事はないだろう。

前に使った事はないか?」

 

「あっ.....」

 

 

良晴は思い出す。4年程前、宇喜多直家に捕らえられた官兵衛を救う為、良晴は前鬼よりにわか仕込みに教わった術を使い、気配を消して門番をやり過ごした事があった。

 

 

「前鬼に教わったんだ」

 

「むっ?...........清明がか?.....珍しい」

 

 

途中ゴニョゴニョ言っていて、

良晴には聞こえなかった。

 

 

「才能0の奴にはいくら教えたって、

術の1つも使えないさ。

大事なのは『蛇口』があるかどうか」

 

「蛇口?」

 

「人間には大小に関係なく必ず霊力が存在する。これを1つのポンプとして考えろ。

大きかろうが小さかろうが、蛇口が無ければその霊力を出す事は絶対にできない。

その蛇口が生まれつきあるのが、

勘解由小路や土御門などの術家。

もしくは蛇口を植えられた、

半兵衛や官兵衛のような存在。

あとは妖怪や鬼とかだ。

あとは異例中の異例で、

一般人にまで蛇口があったりする。

お前みたいにな」

 

「...........」

 

「その前鬼が教えたのは蛇口の捻り方だ」

 

「捻り方?」

 

「蛇口は捻らなければ、

着いてないのと同じだからな。

それから、ポンプや蛇口の大きさによって術者の格も変わってくる。

ポンプが小さければ小技しか出ない。

蛇口が小さければ少しずつしか出ない」

 

「ふ〜ん」

 

「勿論俺はどちらも特大だ。

まぁ、少なくとも蛇口は修行次第でいくらでも大きくなるがな」

 

「じゃあ俺は?」

 

「ハッキリ言えば、

お前の蛇口は赤ん坊のチンコの如く極小だ」

 

「へいへい、俺は極小ですよ!」

 

「だが.....」

 

「?」

 

「お前はポンプが驚く程でかい」

 

「そうなのか?」

 

「あぁ、一般人がそれだけの霊力を持てば、すぐにパンクしてしまうはずなのに.....」

 

 

天竜はマジマジと良晴を観察する。

 

 

「なんか信じられねぇなぁ」

 

「もしかして、何か特別な一族の家系なのかもしれないないぞ?」

 

「相良家が?」

 

「さぁな。相良は教科書に乗りはするが、他家と比べてかなり地味だからな。特別な事件も起さねぇ、つまらない奴らだ。

相楽ならともかく相良はな」

 

「一族を全否定すんな!

全国の相良さんに謝れ!」

 

「そういえば、この物語の作者さんの住んでいるアパートの隣りの部屋も相良らしくてな。

そいつがニートの引きこもりらしくて、

毎日漂ってくる異臭に迷惑してるそうだ」

 

「本当に何の話だ!?」

 

 

全国の相良さんごめんなさい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、天竜は自身の愛車を召喚する。

 

 

「おっ!デロリアンだ!」

 

 

急に良晴のテンションが上がる。

 

 

「知ってたか『DMC-12』のMT車だよ」

 

「うん。『Back to the Futuer』好きだもん」

 

「趣味が合ったな。

あれは英語の教科書にも出るぐらい有名な映画だからな」

 

「あぁ、マイケルJフォックス?」

 

「そっ。噂じゃ2015年にⅣが出るとの事だったが、もしそれが本当だったら、見てからタイムスリップしたかったな。完全に同じ境遇だし」

 

「だよなぁ」

 

「子供の頃に初めて見た時はかなり興奮したもんだ。本気でタイムマシンが欲しくなったからな」

 

「分かる分かる!

未来に行って自分の将来の姿見たり、

過去に飛んで、昔の自分の失敗をやり直したいとか思ったもん!」

 

「戦前の日本に飛んで未来知識や兵器を持ち込んで、日本を強化して太平洋戦争で勝って、日本を世界のリーダーにしたいとか思ったもんな!」

 

「子供はそんな物騒な事思わねぇよ!

一緒にすんな!!」

 

 

天竜の幼少期がいかに捻くれていたか分かる。

 

 

「こいつは特注品でな。

偶然自動車会社のお偉いさんと仲良くなって、特別に作ってもらったんだ。

ボディはセラミックで防弾加工。

ガラスも防弾素材だ。

エンジンも日本製の最新機種。

ただ、俺が外車の運転が苦手だったから右ハンドルにしてもらったんだ。

車高もなるべく高くしてもらった」

 

「完全に改造車じゃねぇか。

何をそんなに守る必要がある?」

 

「俺は極道の組長だぞ?」

 

「あぁ.....」

 

 

そういやそうだ。

 

 

「カラーリングは銀。

まぁ、無塗装と同じだな」

 

「デロリアンはやっぱ銀だろ。

いいなぁ、俺もデロリアンがいい」

 

「言っただろ。レガシィで慣れたら

平車にしてやるさ。

どうせ信奈と乗るんだろ?

.....あとは愛人達とデートして、

カーセックスでもするんだろ?」

 

「まだ引っ張るか!!」

 

 

この先一生このネタで揺すられそう.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、大坂から播磨まで数時間かけてドライブをする2人。山や谷、獣道を避けて平道だけを選んだ為、かなり時間がかかってしまい、到着したのは翌日であった。

 

 

「道路がない事がここまで苦痛とは.....

何かしらの対策を取るか」

 

「2台しかない車の為だけに道路作んの!?」

 

「それよりも鉄道だ。

鉄道さえあれば日本は次の世代に進化する」

 

「電車.....じゃなくて機関車か」

 

「まっ、それも日本を統一してからだ」

 

「そうさな」

 

 

2人は姫路城下に車を駐車する。

 

 

「置きっぱでいいのかなぁ.....」

 

「これ貼っとけばバッチリだ」

 

 

天竜はボンネットに

『初心者マーク』の要領で、

豊臣の家紋である『五七桐シール』

を貼る。

 

 

「これで怖がって誰も近づけねぇよ」

 

「.....そうだね」

 

 

2人は姫路城に入城する。

 

 

「にしても、お前バック下手だなぁ」

 

「う〜ん.....練習はしたんだけどなぁ」

 

「先週の夜も失敗してたろ?」

 

「先週!?」

 

 

先週は昼練だけで夜は運転してないはず。

 

 

「ぼら、二の丸で信奈と.....」

 

「いつ覗きやがった!!」

 

「忍による監視だけじゃ心許ないから、

監視カメラ付けてんだよ。

勿論お前の寝室にもな。

にしても、正常位だけじゃ飽きられるぞ?

まっ、信奈はともかく、

お前の愛人らはお前にメロメロだから、

下手なバックでも満足だろうがな」

 

「いい加減にしろよ!!怒るぞ!!」

 

「かかか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

姫路城、本丸。

 

 

「よう万千代。彼氏できたかぁ?」

 

「第一声がそれですか!!」

 

 

丹羽万千代長秀。蒲生氏郷失脚後、再び信奈の参謀に返り咲いた彼女。

絶賛婚活中である。

 

 

「そもそも私の婚期を奪ったのは貴方です!」

 

「だから俺が側室に貰ってやるって言ってんのに」

 

「結構です!!」

 

 

以前の、長秀と天竜ができているという噂はまだ生きており、長秀は太閤の愛人であるというのが巷に流れている。

 

 

「なんなら良晴の愛人に...........痛った!!」

 

 

弟に腰を抓られた。

 

 

「冗談だ。いき遅れ女子はほっといて、

本題に入るとしよう」

 

「誰がいき遅れですか!!」

 

 

この時代の女子の婚期は10代。

20代後半に突入した長秀は完全にいき遅れなのだ。この年で彼氏もいない。

彼女を意識している男性は少なくはない。

だが、太閤の愛人の疑惑のある彼女を得ようなどと、危ない賭けをする奴はいないのだ。

 

 

「さて、本題に入るか」

 

 

急に天竜の目付きが変わる。

今までの朗らかだった時とは打って変わり、戦争屋の顔つきになる。

 

 

「いよいよ島津との決戦ね。太閤さんはどんな戦略を考えてるのかしら?」

 

 

同じく九州戦に参加する信奈が尋ねる。

 

 

「くくく.....聞きたいか?」

 

「べっつに〜?」

 

「機嫌直せよ。教習中にお前をほっぽってた事は謝ったろ」

 

「貴方は黙ってなさい!」

 

 

ほぼ付きっ切りの教習は、良晴と信奈のデートの時間を奪ってしまう形となり、信奈の恨みは天竜に向いていた。

 

 

「大友宗麟の救援依頼として、この九州攻めもとい、島津攻めを担ったのだが.....」

 

 

天竜が壁側に立ち、片足を壁に付ける。

 

 

「「「!?」」」

 

 

天竜は『壁に立った』

重力方向が変わっているかのようだ。

そのまま歩を進めて、

今度は『天井に立った』

完全にコウモリだ。

 

 

「島津攻めの直前にやる事ができた」

 

「なんだ?」

 

 

良晴が尋ねる。帰ってきた答えは想像を絶するものであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先に大友宗麟を倒す」

 




せっかく教習中なので、
このネタを入れました。
今回は基本的にギャグ回です。
さて、味方であるはずの大友宗麟を倒すとは、
天竜の心境やいかに。
次回予告
大友宗麟
〜天竜は神か悪魔か〜

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