天翔ける龍の伝記   作:瀧龍騎

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さぁ、第二部の始まり始まり!

ところで、新アニメで信長系の2つ出てきましたね。
ノブナガンは好きませんが、
ノブナガザフィールは個人的に好きです。
ジャンヌが登場してる点とかで共感できます。
(ノブナガンにもサンジェルマンいるけど.....なんかなぁ〜)


第二部 一章 太閤天竜
第五十七話 あれから3年


これは、太閤就任から4年で天下統一を果たした天竜の、やや直前の物語である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

太閤就任から3年目、

元日の朝8時頃。

 

 

「兄様〜!テン兄様〜!」

 

 

とある少女の声が通る。

 

 

「いつまで寝てらっしゃるのですか兄様?」

 

「ぐ〜..........ぐ〜..........」

 

「兄様!」

 

「あと..........2時間」

 

「駄目なのです!いつもそうやって誤魔化すから寝坊するなのです!」

 

「.....新年会は12時からだぞ?」

 

「人は起きてからは3時間は頭働かないのです!

だから今のうちに起きなさいなのです!」

 

「じゃあ1時間は寝れるはずだ。

おやすみ」

 

「だぁ〜!!

ヨシ兄様はもう起きてるなのです!

サル関白なんかに負けるななのです!」

 

「我は眠れる森の太閤殿下。

可愛い姫が添い寝してくれたら、

目覚めるかもしれない.....」

 

「えっ..........」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

良晴寝室。

寝ぼけ眼の良晴がねねによって起こされていた。

 

 

「うぅ〜.....頭痛てぇ.....」

 

「昨晩は飲み過ぎでしたぞ兄様。

若いうちからそれでは、

将来は飲んだくれになりますぞ?」

 

「ジュース割りだから、

発泡酒感覚で飲んじゃって.....

これが二日酔いというやつか.....」

 

「早く起きて下され!

お昼からは各地から大名が集まって、

新年会を行います!

奥方様も来られるのですぞ?」

 

「そうだな。起きるか」

 

 

良晴は布団から出た。

 

 

「天竜は?」

 

「辰が起こしに行ったですぞ!」

 

「そっか。じゃあ俺も行くかな。

天竜って最近寝不足で、

寝起き悪いし」

 

「ねねも行くですぞ!」

 

 

それから2人は、さほど離れていない。

天竜の寝室へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これは.....」

 

 

天竜の寝室に着いた。そこには天竜がぐっすりと熟睡しており、彼の布団の胸のあたりがやけにもっこりしている。

 

 

「まさか!?」

 

 

ねねが異変に気付き、布団を引っぺ返す。

 

 

「辰乃介!!」

 

「ありゃりゃ.....」

 

 

良晴もついあきれてしまう。

秀秋は天竜と一緒に熟睡していたのだ。

 

 

「はっ!?」

 

 

彼女も目を覚ます。

 

 

「辰乃介.....何してるのですか!」

 

「ちっ.....違うなのです!

添い寝をすれば起きると言うので.....」

 

「それで一緒に熟睡したのですか?」

 

「..........はいなのです」

 

「ミイラ取りがミイラになってやがる。

秀秋も子供だな」

 

「うっ.....五月蝿いなのです!

このサル関白!!」

 

「うっ.....」

 

 

その時、天竜も目覚める。

 

 

「良晴さん。妹も虐めるのはやめなされ」

 

「あんたが起きないのが悪いんだろう」

 

「寝不足なのだ。睡魔には勝てん」

 

「計画性がないから徹夜しまくったりしてんだろ」

 

「誰かさんが年末にサボってナニしてるせいで俺の仕事が増えたんじゃねぇか」

 

「うっ.....」

 

「まぁいい。いい加減目も覚めた」

 

 

天竜も布団から起きる。

 

 

「新年会には誰々来んだっけ?」

 

「外からは家康と、隆景と輝元、

勝千代ちゃんと、梵天丸と、

元親ちゃんとと天才丸と、

虎千代ちゃん」

 

「虎千代?」

 

「あぁ、上杉謙信」

 

「お前らいつの間に仲良くなったの?」

 

「いやぁ.....」

 

「そんなあちこち手ぇ出すからカミさんにドヤされるんだろ」

 

「文字通りに手を出す人に言われる筋合いないよ!」

 

「俺は奥さん公認だからいいの」

 

「いや、十兵衛ちゃん結構気にしてるぞ!?」

 

「..........」

 

「..........」

 

「ふっ.....お互い、

勝気な新妻には苦労するな」

 

「まぁな」

 

 

豊臣兄弟は微笑をする。

 

 

「「?」」

 

 

ねねも秀秋もそれを不思議に見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大坂城。

本猫寺跡に建てられた世界一の巨城。

顕如との会談により、

摂津天満に新たな本猫寺を建立し、

その建築費用を天竜側が出すのを条件に、

本猫寺の明け渡しが成立。

その立地条件を利用し、

大幅に土地ごと改築。

広大な費用を負担して造り上げた、

天下の巨城にして堅城。

大坂城の完成である。

 

それは.....

近江の安土城に並ぶ.....

いや、安土城を追い越す城でもあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新年会。祝い金5百文を条件に多くの客が大坂城に訪れる。この魔王の城へ.....

 

 

「明けましておめでとう御座います!」

 

 

良晴の号令と共に、

出席者全員が天竜に頭を下げる。

 

 

「ふっ.....」

 

 

あぐらに頬杖を付き、

天下人の余裕の笑みを浮かべる。

 

 

「大坂でも珍しく雪が降った。

そんな寒空の日によくよく来てくれた。

皆の者ご苦労なこった」

 

「「「..........」」」

 

 

頭を下げた半数の者が歯痒い思いをしていた。仕方なく下に着いているものの、3年経った今でさえ誰も彼を天下人と認めていなかったのだ。

一方、彼を絶賛して応援する者もいる。

 

 

「おめでとう御座います!親方様!」

 

 

天竜を親方様と呼ぶこの少女、

なんと真田幸村である。

 

以前高虎に言われた通り、軟骨に含まれるコラーゲンを毎日摂取し続け、行く末には豚足にも手を出した事で、3年で見違える程の美女に変身したのだ。

胸の成長は足りなかったが.....

 

 

「あぁ、中部の様子はどうだ?」

 

「上々です!不穏分子も全部潰したので、

中部は正真正銘、親方様のものです!」

 

「宜しい。今後も中部の管理を頼む」

 

「はいっ!」

 

 

幸村は、元武田の領地を与えられていた。

一度は織田に譲った北信濃も吸収され、

中部における、北側の巨大勢力となった。

 

 

「そっちはどうだ家康?」

 

「同じく上々です。お姉様から任された尾張も含め、中部地方の南部は順調に治めています」

 

「そうか」

 

 

こちらは徳川家康。

子狸の頃からだいぶ成長したのだ。

大狸と言うと聞こえが悪いので、

女狸と言うべきか、女狐ならぬ女狸。

明らかに裏で策略を巡らせている、

相変わらずの腹黒さだが、

一応表では忠臣の姿を見せている為、

それなりの地位を与えている。

 

 

「越前は?」

 

「はい。変わらずの状況です」

 

「..........簡潔な報告をありがとう」

 

 

上杉謙信。

天竜の養子という関係にもかかわらず、未だ天竜に抗おうと策略を巡らせている者の1人だ。

 

 

「また髪白くなったな。

ちゃんと血ぃ飲んでんのか?」

 

「太閤殿下に心配されずとも、

自身の体調管理はできています」

 

「できねぇから言ってんのに.....」

 

 

そんな時、謙信の隣にいた少女が出る。

 

 

「おめでとうございます!お父様!」

 

「おう景勝!姉ちゃんといい子にしてたか?」

 

「はいっ!」

 

「そっか!じゃあ後でお年玉やる」

 

「わーい!」

 

「うぅ、卯松.....」

 

 

だが、謙信にこの妹がいる限り、

天竜を殺す事は不可能であろう。

 

 

「して、関東は?」

 

「はい、天竜様」

 

 

関東の管理は古田織部。

 

 

「今日はお前だけ?」

 

「はい。長親様は畑仕事を終わらせてから来られるとの事」

 

「あいつ何やってんだよ」

 

「氏康様は.....引きこもってます」

 

「またか.....」

 

 

長親は太閤の側室として、高い地位にあるものの、未だ忍城の城主である。そして、今でも百姓らとの交流を続けている。

 

そして、氏康.....

まだ記憶喪失のままである。

最近はとことんコミュ障になり、

新設された小田原城の城主から

出なくなってしまった。

会いに行けるのは夫の天竜ぐらいだ。

 

 

「それで、東北はどうだ?梵天丸」

 

「はっ.....はいっ!

.....じょっ.....上々です」

 

「ふ〜ん」

 

 

不適な笑みを浮かべる天竜。

 

 

「氏郷はどうだぁ?」

 

「はっ、はっ!.....同じくです!」

 

「ふっ.....」

 

 

3年前の伊達の裏切り.....

天竜が太閤になった事で、

その野望はもろと崩れ去った。

 

死罪すらも考えられた梵天丸だったが.....

 

 

「許そう」

 

 

天竜は一言だけそう言った。

 

 

「えっ!?」

 

 

白装束に巨大な逆十字を背負って、死を覚悟してまで土下座をし、助命懇願をしていた梵天丸も驚いてしまった。

 

 

「だが、罰を与える。

米沢を放棄し、岩出山に移住せよ。

そして、陸奥の会津黒川を没収する」

 

「はっ.....ははぁ!!」

 

 

歯ぎしりしながらも、従うしかなかった。今の梵天丸に天竜を倒せる可能性なんて微塵もなかったのだ。

そして、

没収された会津だが.....

なんとそれは蒲生氏郷の領土となった。

 

天竜に最も反感を抱いていた氏郷に土地を与える.....42万石はある土地を与えるなんて、異常な事態であった。

だが.....

 

 

「おいっ、キリシタン。

こっちに寄るな。もっと左に行け」

 

「黙りなさいアンチ。貴方と同じ空気を吸っているというだけで悍ましい」

 

「なんだと!?」

 

「お前らうるさい」

 

 

この2人、途轍もなく犬猿の仲なのだ。

梵天丸からすれば、

氏郷は会津を奪った泥棒。

氏郷からすれば、

梵天丸も天竜と同じ異端者。

仲が悪くなるのも当たり前だ。

 

これが天竜の策略。

敵の敵が味方とは限らない。

邪魔者の梵天丸と氏郷をぶつけさせる事で、上手くいけば同士討ちにでもさせられるからだ。

 

 

「中国は?」

 

「はっ!輝元が正式に頭首に就任以降、

国内経済も安泰となり、

継続中である九州攻めも順調であります」

 

 

隆景が言う。

 

 

「ほう.....

では輝元よ、毛利の家督を正式に継ぎ、

若干齢13で大大名になった気分はどうだ?」

 

 

輝元に尋ねる。彼女はまだ公の場に出る機会が少ない為、やや緊張していた。

 

 

「はっ.....はいっ!

私はまだ若輩者でして.....

1人で中国を治められるような、

立派な大名でありません。

ですが、いずれは姉者達のような、

偉大な武将になろうと思いまする!」

 

「輝元.....」

 

「そうか、宜しい!

これからも精進してくれ!」

 

「はいっ!」

 

 

純真無垢な輝元は、

天竜のお気に入りでもある。

 

 

「して.....四国は?」

 

「..........」

 

 

一瞬、その場が凍りついた。

四国大名、長宗我部元親。

去年の四国攻略において、

天竜に降伏したばかりの存在。

四国はそれまで天竜、十兵衛、良晴が何度も交渉を続け、同盟を持ちかけた国である。

だが、いずれも失敗。

最後は天竜が太閤として交渉をするも、

天竜側が出した、

『讃岐、伊予を没収し、

土佐・阿波のみを残させる』

という提案を突っぱねてきた為、

本格的な侵略に発展してしまったのだ。

最終的には阿波をも没収され、

今は土佐一国の大名に成り下がる。

 

つい最近まで敵だった事もあり、

この新年会では肩身の狭い思いをしていた。

だが、十兵衛や良晴が味方となってやっている事で、なんとかやれているようだ。

 

 

「どうなんだ?」

 

「..........現在、毛利殿と合同で行っている九州攻め。我々ではどうにもできないのである」

 

「元親!」

 

 

隆景が小声で元親を制止しようとする。

だが、

 

 

「救援を求めた大友宗麟殿が言う通り、

太閤殿下直属の軍を出して頂きたいのだ!

毛利と長宗我部だけの兵では足りないのだ!

大坂に閉じ籠るんじゃないのだ!」

 

「ほう。お前がそれを言うのか?」

 

「当たり前なのだ!

元は敵とはいえ、妾は九州攻めの任を正式に承った身なのだ!

だから.....」

 

「違うな。俺が言いたいのは.....」

 

 

天竜は立ち上がる。

 

 

「お前如きがそれを言うのかと問うたんだよ」

 

「ひっ!?」

 

 

元親は思わず慄いた。

立ち上がった天竜はとても大きく見えた。

それは身長だけではない。

太閤という偉大な位も、

そして天竜より出でる、

魔王の風格がそう見せているのだろう。

 

 

「生意気にもこの太閤に背き、

この俺様に戦争を仕掛けたにもかかわらず、

むざむざと敗北した小娘が、

今なお、この俺にそのような口を効くのか?

貴様如きが!!」

 

「ひゃうっ!?」

 

 

ズンズン近づいてくる魔王に、

元親は思わず腰を抜かして後退りする。

 

「ちょっと.....天竜.....」

 

「お前は黙ってろ十兵衛!!」

 

 

新年会に出席していた十兵衛にも、

天竜は止められない。

 

 

「どうした?

もう言うことは無いのか?」

 

「ひっ.....ひっ.....ひぃ!?」

 

 

ただ天竜が近づいて来ただけだというのに、まるで、野獣.....いや、魔獣に追い立てられているかのような.....

元親の瞳に涙も溜まる。

 

 

「どうなんだ元親?」

 

「その.....その.....」

 

「どうなんだ?」

 

「..........ふぇ.....ふぇ.....」

 

 

嗚咽も聞こえ出す。

周りの大名らは目を逸らしてそれを黙っている事しか出来なかった。誰も元親を庇えないのだ。

 

 

「言ってみろよ元親」

 

 

天竜は元親の目前まで迫り、

彼女の顎を掴む。

 

 

「分をわきまえろろよ。

今やお前はこの太閤の側室なのだぞ?」

 

「うぅ.....」

 

 

それが四国戦での降伏条件。

天竜の側室の中で、彼に反抗意識を持つ唯一の存在なのが元親だ。

 

 

「まぁ、勝気な嫁は嫌いじゃないがね」

 

 

そう言い、元親の頬にキスをする。

 

 

「確かに、そろそろ頃合いだと思っていた。

いいだろう。何かの機会だ。

今年からは俺自らが太閤軍を指揮しよう。

可愛い奥さんの頼みだからな」

 

「..........」

 

「言う事があるだろうに」

 

「あっ..........ありがとうございます.....」

 

 

歯痒い思いにて、それを言う。

 

 

「ふっ.....」

 

 

すると天竜はまた穏やかな表情になる。

 

 

「場を濁したたな。

今日は馳走をたくさん用意した。

皆の者、楽しんでいってほしい」

 

「「「..........」」」

 

 

これが、天下人の威圧であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜、大坂城天守閣。

 

 

「天竜」

 

「違うだろ。太閤殿下様だ」

 

「このまま鼓膜を突き破るですよ?」

 

「ごめんごめん!」

 

 

天竜は自室で十兵衛に膝枕をされ、

耳掃除をしてもらっていた。

 

 

「元親は私の妹分でもあるのです。

あまり虐めないで下さいです」

 

「ふっ.....可愛い子程虐めたくもなるだろう」

 

「全く.....」

 

 

十兵衛は深い溜め息をつく。

 

 

「最近自惚れすぎですよ?

太閤になったとはいえ、

まだまだ認められてはいないんです。

天狗になり過ぎれば寝首をかかれますです」

 

「くくくく.....

富や栄誉に興味はない。

俺はただただ、それを利用するだけなり」

 

「..........」

 

 

十兵衛は暗い表情をする。

 

 

「何年になりますですか?」

 

「ん?」

 

「.....結婚して」

 

「まだ2年ちょいだろ。

これは熟年夫婦になってからする会話だぞ」

 

「だからです。

まだ2年の結婚生活なのに.....」

 

「..........」

 

「貴方には死相が見えるです」

 

 

十兵衛は言う。

 

 

「お前が占いか?らしくないな」

 

「そういうわけではありませんです。

でも、何かを感じるのです。

貴方が突然.....

突然貴方がいなくなってしまいそうで.....」

 

「..........」

 

「もうやめませんか?

今すぐとは言いません。

せめて九州攻めで統一事業を終えても.....」

 

「無理だよ」

 

「えっ?」

 

「俺はそれでいて強欲でね、

日本列島だけじゃ満足できんのさ。

日本の統一が終われば、

朝鮮、明、インドと落とし、

このアジアを一つにする」

 

「アジアを.....」

 

「そうすれば、欧米列強に対抗できる。

西洋と東洋は、真の意味で対等になれる。もう、アジアは侵略されるだけの国ではなくなるのだ。

植民地政策なんて馬鹿げた政策は、

全部ぶち壊してやろう!」

 

 

そして、世界は一つとなる。

 

 

「その結果、貴方は死にますです!」

 

「あぁ」

 

「.....嫌です!それは絶対に!」

 

「十兵衛.....」

 

「やっと掴んだ幸せなのです!

身分なんていりません!

世界だってどうでもいい!

私は貴方が.....貴方さえいれば.....」

 

 

天竜は目頭が熱くなった十兵衛の頬をそっと触れてやった。

 

 

「世界から英雄と認められる事に興味はない。

むしろ、俺は世界中から恨まれるだろう。

でも.....君だけでも、

例え俺を愛してくれるのが君だけでも、

俺は嬉しい」

 

「天竜.....」

 

 

2人はキスをする。

 

 

「将来の幸せも大事だけどさ、

今の幸せをとりあえず楽しむ事も

悪いことじゃないだろ?」

 

「はい.....」

 

 

2人はもう一度キスをした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大坂城二の丸。

 

 

「良晴!」

 

 

他者を退けて、

2人だけの時間を作った良晴と信奈。

 

 

「こうやって個人で会うのは久々だな」

 

「どっかの誰かさんは、毎日のように奥さんと顔を合わせてるみたいだけど?」

 

「うっ.....だってしょうがないだろ。お前が維持張って大坂城に住もうとしなんだもん」

 

「あんたが安土城に来ればいいじゃない!」

 

「いや、一応俺お飾りでも関白だし、

結構天竜とセットになってないと

都合悪いみたいだし.....」

 

「そう!あんたは私より関白の栄誉の方が恋しいのね!」

 

「そんな事言ってないだろ」

 

「分かってるわ!あんたは身分に託けて女の子をたくさん連れ込んでるんでしょう!

あぁ、やだやだ。助平が移るわ」

 

「ったく.....」

 

 

良晴は信奈を引き寄せ、

そのままキスをした。

 

 

「..........ふんっ!」

 

 

照れ隠しにそっぽを向く信奈。

 

 

「これでも週一で通ってんのに.....」

 

「7日に1回しか来ないくせに!

十兵衛なんていっつも天竜の側に.....」

 

「あぁ、嫉妬してたの!?」

 

「うるさい!!」

 

 

信奈に殴られる。

 

 

「夫婦なのに別居してるのが悪いのよ!

それって離婚の元よ!?」

 

「う〜ん。ちょっと天竜に相談してみっか」

 

「あんたはいつもそうよね。

いっつも『天竜!天竜!』

天竜と結婚すればよかったじゃない!」

 

「そう拗ねるなって」

 

 

良晴は信奈を後ろから抱き寄せる。

 

 

「だっ.....誰が!」

 

「俺だってお前に会えて嬉しいよ。吉」

 

「.....うぅ」

 

 

顔をリンゴのようにに紅潮させる信奈。

2人は寝室へと入っていった。

 

 

生々しい口づけを交わし、愛撫をする中、

良晴は思った。

 

この時代に来て5年。

ついに成人すら越えてしまった。

当時はまだ幼かった姫武将達も、多くが大人の女性となっていった。あれから家臣も増え、次世代の若い姫武将とも多く出会った。

そして、別れも多くあった。

 

 

「.....良晴」

 

 

身体を火照らせ、

ひたすら彼を求める信奈。

良晴も懸命にそれに応える。

世界中の誰よりも愛する女性を.....

 

 

 

 

 

 

 

2年前、良晴と天竜はお互いに愛する女性とついに結婚を果たした。

実は同じ日に結婚式を挙げているのだ。

 

 

 

 

「十兵衛.....」

 

「天竜!」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「吉.....」

 

「良晴!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「愛してる」」」」

 




さて、3年は結構長いもので、
あの頃の幼女も今では立派な大人。
そこらへんを次回以降から、
ドンドンやっていこうと思います。
次回予告
太閤と関白
〜2人の王様〜

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