天翔ける龍の伝記   作:瀧龍騎

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なんか最近
信奈も天竜も卑怯にしすぎて
賛否両論になってますね。


第三十八話 ざまあみろ

『返せ!..........返せ!』

 

「やだよ。元々私のだもん」

 

『黙れ!.....半分は俺のものだ』

 

「やれるもんなら、やれば〜?」

 

『アバズレが!殺してやる!』

 

「自分殺し〜?できんの〜?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひゃあぁぁ!!

織田信奈様の本隊みゃあ!!」

 

「命だけはお助けを〜!!」

 

 

尾張兵に士気はほとんどなかった。総大将の土田御前に無理矢理駆り出されたのだ。

 

 

「降伏した兵は見逃しなさい!

朧のみを迅速に討ちなさい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそっ!兵4000で挑むのがそもそも無理だったんだ!御前様があんな女に騙されるから!」

 

 

ある将が叫ぶ。

 

 

「報告します!

濃姫様!生駒吉乃様!お鍋の方様!

御三方共敗走されました!

それに順じ、

降伏者が次々に出ています!」

 

「なんだと!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうゆう事ですか朧さん!

貴方は何故全く指揮を取らない!?」

 

「兵が4000は少なすぎでっすよ〜。

おまけに鉄砲は少ないし、

馬も五百騎に満たない。

装備も一世代前。

こんなのでどう勝てと?

策略を立てようにもね〜」

 

「なっ!?」

 

「始めから負け試合だねぇ。

そんな事も予想できなかったの?

おバカさん♡」

 

「朧!!騙したのか!!」

 

「そもそも信じた時点で思慮が足りてないねぇ。尾張の虎の妻とは思えないよ」

 

「貴様〜!!」

 

 

土田御前が朧に飛び掛かろうとした。

 

だが、朧は人差し指を立ててそれを止める。

 

 

「!?」

 

「さて問題です。

織田本軍に対して、

このような蜂起を起こしておいて、

総大将たる貴方は、

どのような責任を取るべきか?」

 

「なっ!?」

 

「何もないはないよねぇ?

まっ.....信奈はそれで許すかもだけど、

貴方にとってそれは、誇りが許さないはず」

 

「貴方.....まさか最初からそのつもり!?

全ては復讐のために私達を!?」

 

「ん〜。

それもあるけど違うね。これは私の夢のほんの序章に過ぎないもん」

 

「夢?」

 

「ふふっ.....『世界征服』」

 

「せっ.....!?」

 

 

朧.....奴は一体!?

 

 

「....................娘達は?.....帰蝶達は?」

 

 

朧はニヤリと微笑み答える。

 

 

「大丈夫。

別動隊によって既に回収済み。

天竜軍本隊に加える予定です」

 

「ふっ.....全ては計画通りですか」

 

「はい。後は一つ。

とゆうか、貴方に早く済ませてもらわないと私も帰れないんだけど?」

 

「....................分かりました」

 

 

土田御前はある紙にスラスラと文章を書いた後、小太刀を握る。

 

 

「信奈以上の魔物がここにいましたか」

 

「どうも致しまして」

 

「ふっ.....

私に免じてここに約束しなさい!

日の本.....いえ。世界に平和をもたらすと!」

 

「はいはい」

 

「さらば勘十郎!さらば.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

吉!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「母上!」

 

 

蜂起軍を鎮圧した信奈は

直ちに清須城に入城。

母の土田御前を探す。

 

 

「母上!母上!

どこにおられるのです?

すぐに朧とは手を切って下さいませ!」

 

 

信奈は清須城の奥の部屋、

土田御前の部屋に足を踏み入れた。

 

 

 

 

 

「!!!!?」

 

 

 

 

 

 

そこには誰もいなかった。

そう生者は.....

 

 

 

「母..........上?」

 

 

 

土田御前がうつ伏せに倒れている。

気を失っているのかと、

慌てて信奈は彼女を起こす。

 

 

 

「ひいぃっ!!?」

 

 

 

土田御前の喉元に小太刀が刺さっている。

 

 

自決したのだ。

 

 

 

「そんな.....そんな.....」

 

 

 

血は乾いている。

自決から小一時間は経っていよう。

 

 

 

「嘘よ!!そんな!!」

 

 

 

信奈は取り乱した。

何を隠そう、土田御前を死に追いやったのは自分なのだ。

 

 

 

 

 

「!?」

 

 

 

 

そんな時、信奈は足元に紙が落ちているのを見つける。

 

 

 

「これは?」

 

 

 

それは遺書だった。

 

 

 

 

(私は罪を犯した。

それは魔物を産んだ事。

それと魔物を愛せなかった事。

愛してやればよかったのかもしれない。

そうすれば、

魔物も人間に戻れたかもしれない。

魔物は悪くない。

全ては私が悪いのだ。

理解をしてやれなかった私の.....

許しておくれ勘十郎。

許しておくれ吉。

母の死を気に病まぬように。

私はいつまでも其方らそばに、

いつまでも其方らの心に、

生き続けるとしよう。

罪深き母をどうか許しておくれ。

冥府にて先に父と待つ。

 

 

土田御前)

 

 

 

 

 

信奈はそれを読んでいるうちに涙が

ボロボロと零れる。

 

 

 

「母上..........!!」

 

 

 

その時遺書がズレて、

くっついていたもう一枚の存在に気づく。

 

 

 

「2枚目?」

 

 

 

信奈は2枚目をめくってみる。

 

 

 

 

(やっほ〜!

元気信奈ちゃん?

私は朧ちゃんで〜す!)

 

 

 

「朧!?」

 

 

 

それは朧からの手紙。

 

 

 

 

(手紙での挨拶でごめんね〜?

こっちも都合があるの〜。

で、どうだった?

初めての母殺し!

スカッと来た?

それともズキズキ来た?

ムラムラ来ちゃった?

おバカな土田御前の肉が転がってると

思うけど〜。

ぶっちゃけどう思う?

マジヤバに惨めに思うでしょう?

本当に笑える〜!

まぁ、私から言う事は2つ。

 

 

改めて母親殺しおめでとう!!

 

それと〜『ざまあみろ』

 

 

 

朧)

 

 

 

 

 

信奈は手紙をビリビリに引き裂いた。

 

 

 

 

「おおおののののれれれれぇぇぇ!!!」

 

 

 

朧への殺意が一身に高まる。

 

 

 

「出てきなさい朧!!!

殺してあげるわ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ざまあみろ」

 

 

 

 

 

「!?」

 

 

 

耳元で呟かれた気がした。

だが振り向いても誰もいない。

信奈しかいなかった。

 

 

 

 

 

こうして信奈は、

戦に勝ったにもかかわらず、

勝負に惨敗したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!

大成功!

信奈の吠え面顔見たかったなぁ」

 

 

朧は籠に乗っていた。馬では目立つためだ。

 

 

 

「揺れてもいいので、

迅速に美濃まで運んでくれます?♡」

 

 

 

朧が色目を使って頼んだ所、籠持ちの2人は鼻の下を伸ばして了解する。

 

 

 

「ふふふ.....

尾張の蜂起など、ただの時間稼ぎ。

視線を尾張に見せるための偽装手段」

 

 

 

全ては計画の一つ。

 

 

 

 

「やっぱ現世楽し〜!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズキンッ!!

 

 

 

 

 

 

「がっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

『返せ』

 

「糞男!!また.....!」

 

『返せ!!』

 

「あぐっ!?

..........くそ!無理矢理出てくるなんて.....」

 

 

 

 

 

『それは.....俺の身体だ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美濃。

 

 

「お嬢さん。着きましたみゃ」

 

「そうか。御苦労」

 

「うえぇっ!?」

 

 

驚くのも無理はない。

乗った際には美少女だった客が.....

 

 

「俺の顔に何かついてるか?」

 

「いっ.....いえっ!!」

 

 

男になっていた。

顔達はそこまで変化していないが、

豊満であった胸はペタンコに縮み、

全体的に引き締まっている。

そして低い男の声。

 

 

「じゃあな」

 

「へっ.....へぇ」

 

 

少し下心を期待してた

彼らにはガッカリである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ.....朧様!!

早くいらして下さい!!」

 

「朧じゃないよ」

 

「!?....................秀長.....様」

 

「天竜でいい。

どうした?幽霊でも見たような顔をして」

 

「私は.....てっきり.....」

 

「残念ながら俺は生きてる。

朧はまた封じ込めたよ」

 

「そう.....ですか.....」

 

「ん?朧でいた方が良かったか?」

 

「いや!滅相も!!」

 

「ふっ.....まぁいいさ。

三成達に会わせろ。計画を変更する」

 

「なっ!?」

 

「朧の計画はこちらにも流れてきている。

だが、それでは駄目だ。

奴の計画には致命的な欠陥がある」

 

 

天竜はここで朧への対抗心を出した。

 

 

 

 

 

「奴が西にいくのなら、俺は東へ向かう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

安土城にて、信奈のズカズカという足音が鳴り響く。

 

 

「レオン!!

命令よ!朧を指名手配しなさい!」

 

「.....はい。ですが信奈様。優先事項は羽柴秀長の方が.....」

 

「母親を殺された気持ちが貴方には分からないの!?」

 

「..........はぁ」

 

「朧の討伐には.....

天竜を向かわせるわ」

 

「姉さま!!」

 

「朧をよく知っているのは奴だけよ。

どうせ14068人も言う事を聞かない兵がいるのなら天竜に貸し与えるわ」

 

「折角奪った戦力を再び戻すのですか!?

それこそ無謀です!」

 

「戻すわけじゃないわ。ただの保留よ。

全て許す程、私は甘くない。

だけれど、朧は本当に分からない。

自ら謀反を起こしておいて、

当の本人は妹達を連れてトンズラ。

今も行方不明。

まともにぶつかるのは危険よ」

 

「そうですが.....」

 

 

 

 

 

 

「..........(天竜を動かしても、多分無理)」

 

 

扉の影から利休が現れた。

 

 

「利休!?どうしてここに!?」

 

 

利休は一益の一件で信奈から怒りを買い、

今までは謹慎していたのだ。

だが今回の件で再び出てきた。

 

 

「..........(天竜と朧を戦わせるのは不可能)」

 

「どうしてよ!

..........まさか!?

2人は裏で繋がっているの!?」

 

「..........(違う。

何故なら2人は同一人物だから)」

 

 

 

「....................え?」

 

 

それは異例の事実である。

 

 

「..........(天竜がいるから朧がいる。

朧がいるから天竜がいる。

私はあちらの間者をしていた際に知った。

天竜は満月の夜.....

つまり一月に一度女性化する)」

 

「女性化!?」

 

「ふんふん.....(仕組みは分からない。

体質なのか呪いなのか.....

そしてその際に名乗る彼.....

いえ彼女の偽名こそが朧。天竜の諱です)」

 

「待って!!

私は岐阜城で天竜に会ったわ!

そうよねレオン!」

 

「はい.....風邪をひいて寝込んでいましたが.....」

 

「ピクッ.....(風邪をひいていた?)」

 

 

利休は何かを閃く。

 

 

「..........(それは何かを

隠そうとしていたのでは?

この状況で都合よく風邪をひくのは怪しい。

何を隠していたのか?

そう、それはアリバイと声です)」

 

「ありばい?」

 

「..........(不在証明ですよ。

『私は風邪をひいて尾張で謀反を起こすなんてとてもできません』

という主張を通すため。

それと声。

多分それは天竜の影武者です。

そうも巧妙に他人に化けれるのは

ただ1人。織部です)」

 

「!?」

 

 

それは元師匠だからこそ分かる事。

 

 

「..........(織部の持つ鋼の精霊、

ナノマシンには擬態能力がある。

それを使えば天竜には簡単に化けられる。

そう、声以外は。そのための仮病。

声が違う事を違和感なくやり過ごすために。

替え玉を用意し、姫さまを騙す事に成功した天竜は朧として堂々と謀反を起こしたのです)」

 

「なっ..........なっ..........」

 

 

それは最悪の裏切り。

天竜をもう一度信用してみようと思っていた信奈を心を地の底に叩き落とすような最低最悪の.....

 

 

「母上を殺したのも.....奴.....」

 

 

『ざまあみろ』という言葉に何か違和感を感じていた。それには、純粋ないたぶりと言うよりは復讐心が通っていそうな何かが.....

 

 

「レオン..........

さっきの命令を変更するわ」

 

「姉さま?」

 

 

 

「指名手配を天竜に変更!

さっさと出頭しないと

あんたの大事な息子を処刑するってね!!」

 

「はっ!」

 

 

その時、何者かが部屋に駆け込んでくる。

 

 

「お伝えします!」

 

「何っ!!」

 

 

それは使者。

 

 

「秀長様が.....美濃から消えました!」

 

「..........はぁ!?

逃げたってゆうの!?」

 

「お伝えします!」

 

 

別の使者が現れる。

 

 

「14068人の元秀長様の兵達が.....

全員消えました!!」

 

「なんですって!?」

 

 

天竜が消えた。

自分の兵を連れて.....

 

 

「逃げたの!?息子を残して!?」

 

 

まさか、尾張の蜂起も

この大逃亡を目立たないようにするために!?

 

 

「拾を見捨てたってゆうの.....?」

 

 

天竜が拾を見捨てたという事は、

拾にはもう人質としての

価値はないという事に.....

 

 

「一体どこに消えたのよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7日後。

結局天竜は行方不明のままだった。

 

 

「大丈夫か信奈?

お前ちゃんと寝てねぇだろ」

 

 

良晴に心配される信奈。

母親を殺されて以来、信奈は不眠不休で天竜を追い続けているのだ。

 

 

「ちゃんと休めよ?

そんなんじゃ、いざという時に

倒れちまうぞ?」

 

「良晴..........あんたはどっちの味方?」

 

 

信奈は疑心暗鬼に走っていた。

 

 

「俺は誰の敵になるつもりはない。

お前の味方だよ信奈」

 

「良晴.....」

 

「今回ばかりは天竜さんが悪い!

私欲で兵を駒のように操って.....

人間のやる事じゃない!!」

 

 

流石の良晴も堪忍袋の緒が切れていた。

 

 

「仕返しの為に信奈の母さんを

殺すなんて.....異常だ!」

 

「協力して良晴。

天竜は倒さないといけない!」

 

「あぁ、あの人を止めないと

不幸な人がドンドン増える!」

 

 

いままでは中立の立場にあった良晴が信奈の側に立った。

 

 

「でも変わらなきゃいけないのはお前も同じだ!」

 

「えっ?」

 

「恩功論証の時.....

あの人は心の底から土下座していた。

社会人の土下座は生半可なものじゃないって事を俺も親父から教わってる。

お前はそれすらも踏みにじったんだ。

その罪は重い。

天竜さんが怒ったのも

理解はできなくないんだ」

 

「..........私もやり過ぎたとは思ってる。

でもどうすれば.....」

 

「それは分からない。

でもこれからは一緒に考えていこう」

 

「.....うん」

 

 

信奈は良晴の胸に身を任せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よろしいですか?」

 

 

慌てて信奈が良晴から離れる。

 

 

「まっ.....万千代!?」

 

「長秀さん!?.....これは!」

 

「大丈夫ですよ。

それより、何者かがこれを.....」

 

 

長秀は何やら高価そうな箱を抱えている。

 

 

「何よソレ?」

 

「分かりません。

一応中は確かめましたが、

何なのか分からなくて.....」

 

「ちょっと!

爆弾とかだったらどうするのよ!?」

 

「!?..........考えが足りませんでした。

自分に零点です」

 

「うわ〜久しぶりの採点っすねぇ」

 

「あんた.....しばらくやるの忘れてたんじゃないの?」

 

「忘れてたのは作者(SSの)です!」

 

 

メタ導入に謝罪。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とりあえず中を見せて」

 

「はい」

 

 

長秀が箱を開ける。

 

 

「これは.....」

 

「!?」

 

 

信奈が不思議そうな表情をし、

良晴が何かに気づく。

 

 

「これ.....携帯電話だ」

 

 

箱の中には一つのスマホが入っていた。

 

 

「あぁ。あんた前にも持ってたわよねぇ」

 

 

良晴の前のスマホは今、

信奈の宝箱の中に入っている。

 

 

「これは.....バッテリー?」

 

 

さらに、充電機も入っていた。

手回し型バッテリーも入っており、手回しラジオの要領で携帯を充電できるようになっていた。

 

 

「まさか.....」

 

 

こんな未来機器を用意できるのは

ただ一人.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピリリリリリリッ!!

 

 

 

 

 

 

 

突然電話が鳴った。

戦国時代に何故電波が?

 

 

「ちょっ.....これどうするのよ!?」

 

「良晴さん!とりあえず出て下さい!」

 

「うえぇっ!?分かったよもう.....」

 

 

良晴が電話に出た。

 

 

『おっ?時間通りだな。

ええと.....良晴呼んでくれるか?』

 

「俺だよ天竜さん」

 

 

相手はやはり天竜さんだった。

 

 

「どうして繋がるんだ?

戦国時代に何で電波が?」

 

『サーバーも別に用意してんだよ。

この世界唯一繋がるのは

コレとソレだけだ』

 

「..........」

 

『とりあえずスピーカーにしろ。

周りに何人いる?』

 

「信奈と長秀さんだけだ」

 

『上出来だ』

 

 

良晴は言われた通り、

スマホにスピーカーを入れる。

 

 

『やっほ〜天竜様で〜す』

 

「くっ.....!!」

 

『さて問題です。

今俺はどこにいるのでしょう?』

 

 

すると信奈は良晴の手からスマホを奪い取り、それに向かって叫ぶ。

 

 

「何処にいるのよ天竜!!!

息子殺されたくなかったら

さっさと出てきなさい!!!」

 

『ういっ!?

耳元で騒ぐなよ。今代わるから』

 

「代わる!?」

 

 

すると向こうでガサガサと物音がし、話し声がする。

 

 

『.....れで..........のか?..........

.....はい..............みに.....てて.....』

 

 

するとある声が聞こえる。

 

 

『聞こえているか織田信奈』

 

「「....................え?」」

 

 

信奈と良晴はその声の主を知っていた。

 

2人にはとても因縁深い人物。

 

 

 

「武田信玄!!?」

 

「勝千代ちゃん!!?」

 

 

戦国最強の大名。武田信玄。

 

 

『その声は相良.....いや羽柴良晴もいるな。

例を言うぞいい武将をくれて』

 

「あげた!?」

 

『ん?知らなかったのか?

羽柴天竜秀長を我が軍の軍師に貰う事で、

武田と織田の同盟を結ぶと』

 

「「「..........」」」

 

 

そんな事は初めて聞いたぞ?

 

 

『おい羽柴天竜。

どうやら向こうに伝わってないぞ?

 

.....多分嬉しくて、冗談言ってるんすよ。

 

.....ははは!そうか!そうか!』

 

 

向こうから2人の楽しげな会話が

聞こえてくる。

 

 

「一体.....どうなってるのよ.....」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これからよろしくな羽柴天竜!」

 

「天竜と呼び捨てでどうぞ。

これから武田家軍師として、

かの山本勘助殿以上の働きを見せてご覧に入れましょう!」

 

「それは心強い!

どうか武田家をさらによくしてくれ!」

 

「はい!早速戦の準備です!」

 

「....................え?」

 

 

急すぎて信玄のペースが止まった。

 

 

「一体どこと戦するというのだ?

上杉か?伊達か?」

 

「いえいえ。

何処か分かりますか?」

 

「むぅ.....

織田は同盟国。

松平は織田の同盟国だから違う。

もしかして佐竹.....最上か?」

 

「いえいえ。ハズレです」

 

 

他に東方で戦を起こす相手なんて.....

 

 

「まっ.....まさか!?」

 

「お察しの通りです。相手はそこ」

 

「馬鹿か!!

あそこは武田家の同盟国だぞ!」

 

「駄目ですかね〜」

 

「第一勝てない!

お前もあの城の強固さは知っているだろう?」

 

「へぇ〜。

天下の信玄様は城一つ落とせないぐらいで

諦めちゃうんだぁ。

いつまでも漁夫の利をさせるんだぁ」

 

「何っ?」

 

「あ〜あ。残念だな〜。

天下の信玄様がこんな腰抜けだった

なんて〜」

 

 

信玄がプルプルと震える。

そして宣言する。

 

 

「いいだろう!!

お前に奴を討つ権利をやる!

要望があれば何万でも兵を出す!

我が頭脳としてしっかり働いて貰おう!」

 

「ふっ.....ありがたき、幸せ」

 

 

織田を離れた天竜は武田で

着実と力をつけていた。

 

 

「いいでしょう。

我が力と策略を持ってして、

必ずしや、

北条氏康と小田原城を

討ってごらんにいれましょう!」

 




朧は信奈の母土田御前を殺害し、
天竜は織田を離れ、
武田に逃れた。
この行動結果がどのような未来を
作るのか!
作者も分からん!
次回予告
武田の軍師
〜全部くれ〜

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