天翔ける龍の伝記   作:瀧龍騎

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さて、今回から新展開です。


第三十五話 裏切りのファンタズム

これは、主水との話の後の話。

 

 

「天竜!」

 

「どうした十兵衛?」

 

「どうしたじゃねぇです!」

 

 

やはり左馬助の件で攻めているのだろう。

 

 

「大丈夫ですか天竜?」

 

「?」

 

「大丈夫なのですか?」

 

 

左馬助討伐の命令を出した事を攻めているのではないのか?

 

 

「何が?」

 

「何がじゃねぇです!

怒りに任せてあんな命令出して.....

左馬助は貴方の弟子だったんじゃないのですか?」

 

「妹弟子の小次郎を殺したのは奴だ」

 

「約束したじゃないですか!」

 

「それは小次郎が死ぬ前の話だ!」

 

 

人斬りを行っていたのも許し難いが、

腹いせに仲間を殺すなど言語道断。

 

 

「私が言っているのは.....

貴方がおかしくなって、このような行動に出ているのかを心配しているんです」

 

「....................俺は正気だよ」

 

「本当ですか?」

 

 

グイッと顔を近づけてくる十兵衛。

 

 

「............」

 

 

 

 

 

 

 

 

だからこの娘は、

おもしろい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天竜は十兵衛にキスをする。

 

 

「んんっ!!?」

 

 

十兵衛は慌てて離れた。

 

 

「これはケジメだよ十兵衛」

 

「けっ.....ケジメ!?」

 

 

天竜は至極穏やかな表情で言う。

 

 

「左馬助.....ハルをあそこまで強くしたのも、

左馬助が壊れる原因を作ったのも、

 

俺なんだ。

 

この一連の事件の発端も俺。

小次郎の死の原因も俺。

今回、1番責任を負わないといけないのはハルじゃない.....俺なんだ」

 

「天竜.....」

 

「だから俺が終わらせなきゃならない。

これ以上不幸な人を作らない為にも、

残された多くの人達の幸せの為にも、

俺は終わらせなければならない。

ハルの苦痛を終わらせなければならない。

不幸なのは..........俺だけでいい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「........................................駄目です」

 

「?」

 

「何故貴方は常に他人優先なのですか!

兄弟でそっくりですね!」

 

「俺はそれでも他人を不幸にする存在なんだ。散々人に迷惑をかけるから.....」

 

 

 

 

 

「だから!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

十兵衛は涙目で訴える。

 

 

「せめて.....私の前では幸せにいて下さい」

 

 

 

 

 

 

 

 

「....................多分」

 

「?」

 

「俺はもう............人を愛する事が出来ない。

愛する資格がない」

 

「えっ.....」

 

「だからって禁欲に走るつもりはねぇよ?

可愛い子は大好きだし.....

多分これから多くの女を抱いて、

多くの子を産ませる。

でも.....愛する事は出来ないかもしれない」

 

「私なら!

私ならそれでもいいです!

私が受け止めてあげます!」

 

「ぷっ.....君は本当に元気だな」

 

「天竜!私は本気.....」

 

 

天竜は十兵衛を抱き寄せる。

 

 

「私はその言葉だけで嬉しいです『光秀様』

それだけで勇気を貰えました

我儘を言うと.....

拾の面倒を頼めますか?」

 

「天.....竜?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「今まで本当に.....

本当にありがとうございました。

心からそう思います」

 

「!?」

 

 

天竜は直感した。

彼は..............................死ぬ気だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さようなら」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、廊下に1人残された十兵衛は、

その場にしゃがみ込み、

泣き崩れてしまったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんなさい。

生き残っちゃいました」

 

 

だが、天竜とはもう一度会えた。

彼は、泣き疲れた跡の腫れた目蓋、

暫く真面な生活を送ってないような、

やつれた面相。

 

やはり、左馬助の死が原因だ。

 

 

彼女の死が本来死ぬはずだった

天竜の、

生きる希望を奪った。

多分口では「殺す」と言いつつ、恐らく彼は左馬助を「生かす」つもりだったのだ。

己の命を犠牲に、

左馬助を説得するつもりだったのかもしれない。でも、無理だった。

彼女はもう、

修復不可の状況に追い込まれていたからだ。

 

仕方なく、天竜は左馬助を殺した。

 

後から聞いた話では、

天竜は左馬助を異世界に飛ばしたのだとか。

異世界に飛ばして不死者にしたのだとか。

でもそれは殺す以上に無情な事なのだとか。

 

よくは分からないが、

そうゆう事なのだろう.....

 

 

「じゃあとりあえず.....」

 

「え?」

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は中国攻めの論功行賞で、

各国から家臣団が安土城に集結した。

 

 

勿論、天竜も.....

 

 

彼は中国攻め最大の功労者。

本来その任にあった良晴を出し抜き、

あっさり毛利と講和に持ち込み、

降伏に追い込んでしまった。

 

その功績はかなりのものだ。

 

 

 

 

 

 

 

だが、実態は微妙なものだ。

 

 

 

(あれが羽柴秀長殿かぁ。恐しいなぁ)

 

(なんだかんだで織田家最大勢力やもなぁ)

 

(あの男に逆らった明智光春殿は全軍を持って粛清されて、肉片一つ残らなかったらしいぞ?)

 

(あの可愛らしい子が!?

仮にも主君光秀殿の従姉妹だったのに.....)

 

(まぁ、位はもう副将軍やからな〜。

足利の義輝様、義昭様が帰ってこれらた以上、幕府は再興の兆しを見せている。実際、秀長殿の方が立場は光秀殿より上じゃからなぁ)

 

(にしても、信奈様に逆らう立場の秀長殿を光秀殿は何故ああも慕い続けるのかねぇ)

 

(光秀殿も女じゃ。弟君の秀吉殿と違い、あの美形を持つ男に言い寄られて惚れ込んだのじゃろう。

雑賀孫市や嘉隆殿もそうらしい)

 

(あぁ、敵方だった清水宗治が降伏したのもそうらしい。ひょっとしたら毛利も.....)

 

(いつか信奈様も喰われるのかねぇ。

肉体的にも勢力的にも.....)

 

 

 

天竜と十兵衛が横切る度にそんな話が聞こえてくる。

 

 

 

「あいつら.....言いたい放題!」

 

 

当然、十兵衛はイライラする。

 

 

「放っておきましょう。

所詮は噂ですよ。

まぁ、半分事実ですけどね」

 

「....................天竜」

 

「はい?」

 

「なんで今更猫を被るですか?」

 

「何故と言われても、

私と貴方は主君・家臣の関係」

 

「ふざけるなです!

一体どうしたですか!?」

 

「どうしたってもねぇ.....

なんかどうでもよくなっちゃって.....」

 

「!?」

 

 

天竜は腑抜けていた。

 

 

「.....腑抜けるのは私の前だけにしておきなさいです。間違っても他の者の前では見せないように」

 

 

こう言うしかなかった。

天竜に次の目標や希望が現れない限り、彼はもう.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「サルには播磨、担馬の正式な領主にするわ」

 

「あぁ」

 

「十兵衛には約束通り丹波を、

それから自力で取った丹後をあげる」

 

「はい!」

 

 

それから中国攻めに関わった者らへの論功行賞が続く。

 

 

 

 

しかし、

 

 

 

 

 

「備前と美作.....今は宇喜多秀家が統治してる2国だけど、幼少の彼女の補佐は..........

 

 

 

 

サルに任せるわ」

 

 

 

「....................え?」

 

 

 

「それから、中国攻めの次に予定していた四国攻めだけど..........

 

 

 

十兵衛に任せるわ」

 

 

 

「....................え?」

 

 

それはどちらも

天竜にあった権利。

 

 

 

 

「サルはこれから、

中国の先、九州を攻める準備をしなさい。いずれ援軍も準備する。

 

 

 

 

以上。論功行賞を終了するわ」

 

 

「!!?」

 

 

 

 

次第に辺りがざわつき始めた。

 

 

 

 

1番の功労者であるはずの天竜が何も論功がないという異例の事態なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「続いて....................天竜!」

 

「はっ」

 

 

やっと天竜の番が来た。

論功行賞が終わった後に.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「羽柴天竜秀長は、

大和国に持つ所領を没収。

美濃への左遷を命じるわ」

 

 

 

 

 

 

「..............................は?」

 

 

 

一同に困惑が芽生える。

 

 

「なお政略結婚によって得た、

紀伊、志摩、備中の地も、

婚約の強制破棄によって没収。

管理を任せていた若狭も同様よ」

 

 

まだ没収命令は続く。

 

 

「あんたが持ってる1万近い兵も没収。装備してる新型の鉄砲、大砲等の武器も没収よ」

 

「は?何ソレ?」

 

 

「あんたには何の力も残させないわ。

それだけの罪を貴方は重ねたのよ」

 

「はぁ?私が一体何を?」

 

「してるのよ!

数々の命令違反を!

まず第一に、今回の中国攻めの命を受けていたのはサルよ!

あんたじゃない!

命令違反で勝手に割り込んで来ただけ。

宇喜多直家を暗殺して秀家を騙して後見人に成り代わるやり方も重罪よ。

それと、目に余る反逆行為も異常ね。

兵1人1人さえその思想を持ってる.....

それと、

私の忍を殺したのも問題よ!」

 

「人の事暗殺しようとして、

何言ってんだか」

 

 

天竜の返答に周りが困惑する。

 

 

「はぁ?

情報を集めに出していた忍よ。

それも確かめずに殺したあんたが

悪いわ!」

 

「あくまでシラきるのね〜。

汚い政治家と同んなじ手口だ〜」

 

「ふん。好きなだけ言いなさい。

どちらにせよあんたは左遷よ!」

 

「それは仕方ありませんね.....」

 

 

 

 

思ったより素直?

誰もがそう思ったが.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んなわけねぇだろビチクソがぁ!!」

 

 

突然豹変し、中指を立てる。

 

 

「大人しく聞いてりゃ、

調子に乗りやがってクソアマァ!!

この俺様がいつまでもヘコヘコしてると思ったら大間違いだぞコラァ!!」

 

「それが本当のあんた?」

 

「もう猫を被る事など面倒クセェ!

こっからバンバン言わせてもらう!

 

手前ぇのやり方は甘いんだよ!

やるならやるでもっと豪勢にやりやがれ!

他大名の動向なんか伺って、ビビりながらやってんじゃねぇ!!」

 

「私のやり方よ!あんたなんかに口を出される筋合いはないわ!」

 

「戯け!!

手前ぇのやり方じゃ天下など100年も200年も先だって言ってんだよ!!

その間に外国に攻められて日本は植民地にされるだろうな!!」

 

 

天竜に覇気が戻っている。

天竜の信奈に対する怒りが、天竜を再び活性化させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一部では神とまで言われて崇められている者の本性がこれとは.....

その者らが知れば落胆するでしょうね」

 

 

ふと、南蛮服を着た少女が天竜の前に現れる。

 

 

「何者だお前は?」

 

「御紹介が遅れました。

私の名前は蒲生氏郷。

洗礼名はレオン。

信奈様の義妹です」

 

「蒲生氏郷だと!?」

 

 

史実では、信長の次女冬姫の婿。

信長の義子だった蒲生氏郷。

この世界では義妹なのか。

 

 

「貴方の力を削ぐという考えは私の案です」

 

「ほう」

 

「正直言って貴方は信奈様の邪魔です。貴方が未来から来たせいで多くの歴史が狂っている。

貴方さえいなければ、信奈様はもっと早くに天下を取れていたかもしれない」

 

「それは違うな。歴史が変わろうとも織田信奈は天下を取れない」

 

「やめろ天竜さん!」

 

 

良晴がそれに気付いて

慌てて止めようとしたが.....

 

 

 

 

 

 

「歴道の陰陽師として言おう。

織田信奈は天下を取れない。

何故なら、その手前で身内に裏切られて命を落とすからだ。

天下を取るのはその後継者である」

 

「あっ.....」

 

 

珍しくそこにいた一益が反応する。

彼女が以前、良晴から聞き出した未来。

「信奈は天下を手前に命を落とす」

それが天竜の口からも出た事で、改めてそれが事実だという事を確信する。

 

 

「へぇ〜。それが事実だとしたら誰が裏切るのです?」

 

 

ほとんど信じていないような言い方で氏郷は問う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前だよ蒲生氏郷」

 

「「「!!?」」」

 

 

皆が皆驚愕する。

真実を知っている良晴だけが困惑の表情をしていた。

 

 

「なっ.....何を馬鹿な事を!

信奈様!

奴は虚言で惑わそうとしているのです!」

 

「分かってるわレオン」

 

 

信奈は全く信じていないようだった。

 

 

「おうおう。

反逆計画が露見して焦ってらぁ」

 

「黙れ大悪党!!」

 

「くひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!!

大悪党か!それは結構!」

 

 

場は完全に天竜に握られている。

 

 

「俺様から力を奪うだと?

馬鹿も休み休み言え。

やれるもんならやりやがれよ!

くひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!!」

 

 

氏郷も思わず彼を恐れる。

この男.....早くなんとかしないと.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「..........(ならやる)」

 

 

 

 

 

頭に何か言葉が響いた。

 

 

「これって..........まさか!?」

 

 

天竜はこの現象をよく知っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「..........(久しぶり天竜)」

 

 

 

 

 

 

「利休!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

天竜の前に現れたのは千利休。

だが、

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんでお前が.....」

 

 

 

 

利休はその腕に拾を抱いていた。

 

 

 

 

「十兵衛!!」

 

 

 

確か拾は十兵衛に預けていたはずだ。

 

 

 

「そんな..........だって利休殿は.....」

 

 

そう、利休は天竜の味方。

.....そのはずだった。

だが、この状況はどう見ても.....

 

利休はあろうことか、拾を信奈に渡す。

 

 

「よちよち。

あんたの子供にしては可愛らしい子ね」

 

「やめろ!

拾に触るんじゃねぇ!!」

 

 

攻勢が逆転した。

 

 

「天竜.....

あんたがこれ以上逆らうというのなら、

見せしめにこの子を殺すわ」

 

「!?」

 

「姫さま!!」

 

 

長秀が困惑した様子を見せる。

これは彼女も知らなかった事なのか?

 

 

「いくらあんたの子供といえど、

まだ赤ん坊。このまま下に叩きつけるだけで殺せるでしょうね」

 

 

ハッタリだ。

良晴が目の前にいる状況で信奈がそんな行動を起こすとは思えない。だが、拾が人質に取られている事には変わりない。

 

 

「そんな.....利休殿!

貴方は天竜の味方ではなかったのですか!?」

 

 

だから、不用意に預けてしまった。

 

 

「.....ふんふん(味方じゃない。最初から味方であったつもりはなかった)」

 

 

最初から味方じゃない。

裏切ってもいない。

つまり、

 

 

「間者(スパイ)か.....」

 

「コクリ.....」

 

 

 

 

 

 

 

ギリリという歯ぎしりの音が響く。

 

 

 

「よくも.....よくも..........よくも!!」

 

 

天竜に多大なる殺気が満ちる。

 

 

 

 

「よくもやってくれたな利休!!

そんなに殺されたいか!!!」

 

「..........(黙りなさい悪魔の手先。

これは神のご指示。全ては神の意志。

異教徒の弾圧です)」

 

「『キリスト教に属さない者は蔑ろにしても構わない』かよ。

耶蘇(やそ)の腐った思想の盲信者が!!」

 

 

彼女の師はサンジェルマン伯爵。

バリバリのアンチだったはず、

だから利休も実はアンチなのではと思っていた。だから信用した。

でも、それは違った。

ではサンジェルマンとは何者だ!?

 

 

「..........(異教徒の分際でキリスト教を語らないで下さい。虫唾が走ります)」

 

「黙れ黙れ黙れ!!!

カトリックはいつもこうだ!

プロテスタントも変わらん!!

いつも宗教が歴史を狂わす!!

宗教が争いの火蓋を産む!!」

 

 

天竜の宗教に対する恨みのようなものが露見した。

 

 

「..........(サタンの申し子よ。貴方には世界から弾き出されるべき存在だ。貴方には権利などはない。神の名の下に駆逐される存在なのだ)」

 

 

その言葉にプツンッとキレた天竜は、

突如抜刀する。

 

 

「馬鹿は死なないと治らないようだな!貴様の腐ったハラワタ引き摺り出してやる!覚悟しろ千利休!!」

 

 

 

 

 

「火の精霊!!」

 

 

 

利休が茶筒から精霊を呼び出し、

天竜に放った。

 

 

「あぐあっ!!?」

 

 

 

火竜が天竜を真後ろに吹き飛ばしたのだ。

彼はそのまま後ろの壁へ激突する

 

 

 

 

 

 

「はっは!お灸かっての!」

 

 

だが天竜へのダメージは0だ。

 

 

「お前ら3人皆殺しだ。覚悟しろ!」

 

「できるでしょうか?」

 

 

信奈が抱く拾に、

氏郷が小太刀を突きつける。

 

 

「ぐっ.....!!?」

 

 

天竜の動きが鈍る。

子供を盾にされているのだ。

 

 

「信奈!!!」

 

 

良晴が叫ぶ。

当然、その矛先は信奈に向いている。

だが、信奈は一瞬だけ良晴の方を向いて哀しげな表情を見せた後、再び天竜へ向き直る。

 

 

「さぁ、どうするの天竜!

息子を見捨てて私達を殺す?

それとも、降参する?

どっちか決めなさい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いけ!ナノマシン!!」

 

 

突如、後ろの壁を突き破って鋼の触手が真っ直ぐ信奈らの前に突き進む。

 

 

「ふっ.....!」

 

 

だが、利休がばら撒いた黄金の粉で構成された防壁によってそれは防がれてしまう。

 

 

「..........(織部)!?」

 

「利休様.....

私はこれより貴方の弟子を卒業します!

貴方が天竜様と敵対した以上、

私も貴方を敵と断定する!!」

 

 

織部がナノマシンをランス形態にし、利休に構える。

 

 

「..........(織部、貴方まで天竜に味方するのですか?今ならまだ私と共に.....)」

 

「共に天竜様を追い詰めようと?笑止!

そうなるぐらいなら

闘争の道を選ぶ!」

 

「..........(愚かな)」

 

 

その時、織部の隣りにもう1人現れる。

 

 

「愚かなかもな。

でもな、

拾は私が最強の剣士に育てあげるって決めてるんだ。拾に手を出すつもりなのならあたしはお前らをぶっ殺す!」

 

「武蔵!?」

 

 

2人とも左馬助戦の直後で病み上がりのはずなのに.....

 

 

「いくぜ織部!

この馬鹿共をぶっ殺そうぜ!」

 

「言われなくとも!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「待てお前ら!!!」

 

 

天竜の叫びで2人の動向が止まる。それに応対しようとしていた織田家臣団も同様に.....

 

 

「考えなしのアホ共め.....」

 

 

こんな周囲敵だらけの状況で斬り合いなんて始まれば、確実に殺し合いになり、血みどろの結末になるに違いない。

それだけは避けねばならない。

 

 

さてどうするか?

 

 

俺に迫る選択肢は2つ。

1.拾を諦めて、あのクソアマ3人に天誅を喰らわす。

2.素直に降参する。

 

始めからその2つなのだ。

 

 

状況が大きく改変している。

 

 

現在拾の命運を握っているのは信奈から氏郷に変更されていたのだ。

 

信奈なら良晴の手前、絶対に殺さないという自信があった。

だが、拾に小太刀を向けているのは氏郷だ。どんなやつか分かったもんじゃない。ひょっとしたら、赤ん坊1人殺す事ぐらい造作もないような残忍な女かもしれない。

蒲生氏郷という少女がどんな奴か分からない限り、安心できないのだ。

 

だが、こんな状況を打破できる方法はちゃんとある。

 

 

拾を見捨てればいい。

 

 

今持っている力を失う事は天下取りを諦める事に等しい。ここまで来てそれはあんまりだ。

 

 

じゃあ拾を諦めるか?

 

 

それが最善だ。

所詮は生後1ヶ月足らずの新生児だ。

赤ん坊なんてまた作ればいい。

それで解決なのだ。

 

 

だよな。

 

 

赤ん坊1人の命で全てが終わる。

いざとなれば、

信奈らを殺し、それに順ずる者達も殺して、残った勢力を手中に治める事だって.....

骨が折れそうだが不可能ではない。

 

 

 

 

そう拾なんて忘れればいい。

 

 

 

 

 

拾なんて..........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは半年ぐらい前。

 

 

「天竜様。私と武蔵との決闘の結末はどうなったのですか?」

 

「は?」

 

「その..........史実のです」

 

 

小次郎にそんな事を聞かれた。

 

 

「その..........」

 

 

言えるはずがない。

武蔵による頭脳作戦で、

小次郎は本来の実力も発揮できないままに敗北し、大木刀で頭蓋を割られ、死亡したなんて..........

 

 

「私は多分、武蔵に負けて死んだのでは?」

 

 

あっさり当てられた。

 

 

「うぇ!?..........えっと」

 

「図星ですね?」

 

「..........」

 

 

小次郎の表情は思ってたよりも

穏やかだった。

 

 

「武蔵はあれでいてズル賢いですからね。

まともに勝負するなんてない。

決闘にわざと遅れたり、

いきなり奇襲をかけたり、

まぁ、ほとんど卑怯者ですね」

 

 

普段言い負かされてるので、不満というか愚痴をスラスラと零す小次郎。

 

 

「でも、な〜んか。

嫌いになれないんですよね〜」

 

「?」

 

「これも天竜様のお陰かもしれませんね」

 

「どうして?」

 

「どうしても何も......」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー私、生きてるじゃないですかー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「死んでたら、

今ここで天竜様とも話せませんよ?」

 

「そりゃあ、そうだが......」

 

「私、今の生活が気に入っているんです。

武蔵と悪ふざけして、

お互いの実力を見極めあって......

お互いに強くなり続ける......」

 

 

天竜が変えた歴史が、2人に友情を与えた。

 

 

「死んでたら無理ですよこんなの」

 

「..........」

 

「私は生きていきたい。これから先も.....

生きてこそ意味がある。

生きているからこそ先が見える。

生きているからこそ!

 

 

貴方と出会えた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!!!!!!!」

 

「「「!!?」」」

 

 

突然の天竜の発狂に信奈ら周りの者が驚き、身構える。

 

 

 

「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ.....

 

 

 

 

あ〜〜〜..............................

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『降参です』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「....................え?」

 

 

 

「聞こえませんでしたか?

ではもう一度、

 

 

左遷の件、お受けします。

大和、紀伊、志摩、備中。

受け渡しましょう。

 

備前、美作、若狭の管理。

譲りましょう。

 

兵、14068人もご返却しましょう。

 

雨陰千重素陀 8704丁、

嗚呼無素斗論惧砲 12門、

芭琉艦砲 6門、

波留魂燃1丁、

全て渡します。

 

政略結婚も解消致しましょう。

 

 

 

 

 

 

だから!!」

 

 

 

 

 

天竜は刀を鞘に仕舞う。

 

 

 

ゆっくりと腰を落とす。

 

膝をつく。

 

 

そこに正座をする。

 

 

刀を前に差し出し、

 

 

両手を床につく。

 

 

 

 

 

「やめて下さい!天竜様!!」

 

 

 

天竜が何をしようとしているかに気付いた織部がその行為を止めようとする。

 

 

 

だが、天竜は..........

 

 

 

 

「誇りなど捨ててやる。

 

俺の資産など欲しいなら持っていけ!

 

だがな、

拾はそんなものとは違う!

 

拾はただの宝物ではない。

 

 

この俺の!

 

この俺の魂だ!魂そのものだ!

 

 

拾まで持ってゆきたいのなら!

 

 

 

この俺の心臓をもぎ取ってまとめて持ってゆくがいい!

 

 

 

 

それが出来ぬのなら!

 

 

拾を持っていかせるわけにはいかない!

 

 

 

 

 

 

 

俺は.....

土下座してでも拾を守ろう!

 

例え地面の泥を舐め占めてでも、

 

 

 

 

 

俺は小次郎の希望を守り通す!!

 

 

 

 

 

 

 

俺の人生なんてくれてやる。

 

お前の天下取りの手助けだってしてやる!

 

 

 

 

 

 

だからお願いだ!

 

 

 

 

『拾を返して下さい!』」

 

 

 

 

 

天竜が信奈に対し土下座をした。

 

 

 

 

 

 

始めはただの演技かと思われたが、

やがてそれが、彼の真からによるものだという事が伝わってくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

拾は小次郎の落とし子。

 

小次郎が残りの寿命を贄に生み出した、

運命の子。

 

 

小次郎がこの世に存在したという、

最大の証明なのだ。

 

 

 

俺は少数の不幸を犠牲に、

多数の幸運を生み出す努力をしてきた!

 

拾自身は少数に入るかもしれない!

 

 

 

だが、

これだけは譲ってたまるか!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お願いします!!

拾を返して下さい!!!」

 

 

本気の涙を流してまでの懇願。

 

天竜の本心からの訴えに、

周囲はどよめいた。

 

 

 

やがて天竜に同情を始める。

 

天竜を魔王ではなく、

人間として、

1人の父親として認め始めたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だめよ」

 

 

 

 

だが信奈は無情にも、

天竜の願いを切り捨てた。

 

 

「貴方はそれでも危険人物よ。

自由にした途端に何を仕出かすか分かったもんじゃないわ。

貴方への罰の他に、

この子の没収も追加するわ!」

 

 

 

 

 

 

 

ピキッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それとあんた最近、弟子に裏切られてるんでしょ?

お陰で犠牲が何人も出て.....

 

 

弟子にすら信用されてないような奴を、

 

私がどう信用するればいいのよ?」

 

 

 

 

 

 

ビキビキッ!!

 

 

 

 

 

 

それは言ってはならぬ言葉。

 

散々裏切られている信奈が、

全く言えるはずのない言葉なのだが、

 

それでも天竜の心を引き裂くには

充分すぎた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お姉様、どうせならもっと多くの人質をとっておきましょう。

羽柴秀俊、

羽柴ねね、

雑賀孫市、

九鬼嘉隆、

清水宗治、

それと残りの家臣達。

それに該当する者達は何人かいます」

 

 

 

 

 

 

 

ビキビキビキッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「..........(それより神の名において処刑する方がいい。魔人は生きているだけで世の脅威。勿論、それに感化された周りの愚かな者達も同様に)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プツンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嗚呼、言っても分からぬ莫迦ばかり.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

口で分からぬのなら.....

 

 

 

 

 

 

天竜は目の前の刀に手をかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴァァァッ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凄まじい音が響いた。

 

 

 

 

 

 

忘却武人を続ける信奈を

ある者が殴り止めた。

 

 

 

 

 

 

それは、

織部でも、

武蔵でも、

良晴でも、

 

 

 

 

天竜でもなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いい加減にしやがれです」

 

「じゅっ..........十兵衛!?」

 

 

その少女は信奈の前に立ち塞がる。

 

まさかの状況に信奈は動揺する。

 

 

 

 

 

 

 

頭の中で構想を練っていた天竜も同様だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どれだけ己の醜態を晒せば

気が済むんですか!

今の貴方はもののふどころか、

人間として終わっているです!!

 

私はこんな奴に憧れていたですか?

 

とんだ期待外れです!!」

 

 

 

 

 

 

 

これには信奈もキレた。

 

 

 

 

ドカッ!!

 

 

信奈は赤ん坊を利休に預け、

そのまま十兵衛を蹴り飛ばしたのだ。

 

 

 

「あぐっ!?」

 

 

真後ろに飛ばされた十兵衛は天竜に受け止められる。

 

 

「あんた如きが私に楯突こうなんて!

いい度胸よ!!

 

やはり類は友を呼ぶわね!

 

いいわ!

あんたの権利も没収してあげる!!」

 

「姫さま!!」

 

「信奈!!」

 

 

異例の事態に長秀と良晴が動こうとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「がああああああああああああああ!!!」

 

 

天竜が急に奇声をあげる。

 

 

「.....一体何を....................!?」

 

 

信奈は十兵衛の後ろのそれを見てしまった。

 

 

天竜の睨みつけを.....

 

 

 

凍てつくような殺気と、この上ない怨念。

 

それらが詰まった目つき。

 

 

 

前にいる3人に対し、

それだけで殺されそうな、

蛇のような、

狩りをする獣のように、

 

 

 

じっと天竜は

信奈、氏郷、利休を睨みつけていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天竜はスクッと立ち上がると、

いきなり刀を抜く。

 

それだけで周りは慄いたが、

天竜はそのまま童子切りを畳に突き刺す。

 

 

 

 

 

「ゆりかごから墓場まで.....」

 

「!?」

 

「命の始めと終わりは

共に医者の手にかかるように.....」

 

 

天竜は意味不明の言動をする。

 

 

「俺は始まりはここだった.....」

 

 

すると天竜は信奈に一礼する。

 

 

「数々の無礼を謝罪致します。

これでも気が済まぬようでしたら、

どうぞ私から何でもお取り下さい

 

それからです。

その2人のキリシタンとは

早めに手を切った方がいい。

 

きっと後悔することになる」

 

 

「余計なお世話よ」

 

 

「なら結構」

 

 

 

 

 

 

 

もう、どうでもいい。

 

 

天竜はまたあの腑抜け顔になる。

 

 

 

 

同時に、

涙を流しながら..........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さようなら」

 

 

 

 

天竜は刀と十兵衛を放置したたまま、

その場を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわあああああああああああああ!!!!」

 

 

十兵衛がその場に泣き崩れてしまう。

 

 

周囲の者達も、

 

信奈らも、その光景を眺めている事しか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

安土城下。

帰宅中の天竜、織部、武蔵。

 

 

「十兵衛に救われたよ」

 

「?」

 

「十兵衛が出なかったら、

俺はきっと信奈達を殺してた」

 

 

 

まず第1撃で、

小太刀を持つ氏郷の右手を斬り飛ばし、

瞬時に、彼女を斬り伏せる。

 

その後、錬金術で己を襲ってくるであろう利休の背後に、時間を止めて移動する事により、そのまま串刺しにし、

 

残った信奈は、

首を一刀にてちょん切ってやろう。

 

 

 

 

そうイメージングしていた。

 

 

 

 

「多分、十兵衛もそれに気づいて

動いちまったんだな。

 

己の居場所を捨ててまで.....

 

俺なんかのために.....

 

 

ほんと馬鹿だよ」

 

 

 

 

天竜は急に弓矢を召喚する。

 

 

それを安土城に向け.....

 

 

「これが俺の最後の反逆だ。受け取れ!」

 

 

 

それを発射する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全く、やっと疫病神が消えたわね」

 

「信奈!」

 

 

良晴がが信奈に掴み寄ろうとする。

 

だが、それを氏郷が妨害した。

 

 

「貴方も同じですよ羽柴良晴。

貴方も歴史狂わす異端者には変わりない。

今は羽柴天竜の問題の方が重要であった為に後回しにしましたが、次は貴方の番です」

 

「なっ!?」

 

 

氏郷は冷ややかに良晴を睨む。

 

 

「レオン。天竜は兎も角、

こいつは私の飼いザルよ。

勝手なことはしないでちょうだい」

 

「..........そうですね。すみません」

 

 

 

 

その時!

 

 

 

外から飛んできた矢が真っ直ぐ、刺さったままだった童子切りの柄に直撃する。

その衝撃で刀が縦に回転しながら、

信奈に向かって飛んでゆく。

 

 

「!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ〜あ。外しちゃった」

 

「何がです?」

 

「それより天竜。

これからどうすんだよ!

左遷なんか素直に受けやがって!

織田信奈なんて

ぶっ殺せばよかったんだ!」

 

「そう言うな。

人生谷あり山ありだ。

お前らはまだまだ這い上がれるよ」

 

「お前らって..........

天竜はどうなんだよ?」

 

「..........」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ..........ああ.....」

 

 

刀は信奈の顔のやや真横にズレて、

後ろの壁に突き刺さっていた。

 

 

 

「天.....竜.....」

 

 

泣き腫らした十兵衛がそっと呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ADIOS」

 

 




信奈、氏郷、利休ファンの人
ごめんなさい!
完全なクズな3人にしてしまいました。
まぁ、アンチタグつけてますしね。
次回予告
引きこもりの悪魔
〜明日からやるよ。明日から〜

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