さらに新章にて、怒涛の展開が!!
第二十八話 天竜の一番弟子
高松城の水攻めを開始してからしばらくして、和睦を提示した天竜の下に、毛利側からの返事が来た。
使者は安国寺恵瓊という名の坊主だった。
「いや〜羽柴殿!
私、生まれてこのかたこのような戦は初めて見ますぞ!
濁流で城を呑み込むとは〜
いや、参った参った」
この坊主、敵陣にも関わらず陽気な事だ。
「こちら側の要件、
備中国・備後国・美作国・伯耆国・出雲国の割譲の件はどうなっている?」
「それなら心配御無用。
高松城の城主、清水宗治の切腹を条件にすれば備中・美作・伯耆を割譲するとの事です」
「まぁ、良策ではあるな。
清水宗治には悪いがそれで手を打たせて貰おう」
「かしこまりました!
では、毛利側にも伝えて参りました」
あまりに史実通りで計画が恐しいまでに進んでゆく。
恵瓊が立ち去ろうとした時、
「恵瓊よ。
お前、毛利が絶対に勝てないとふんで、こちら側に鞍替えしようとしてないか?俺への異常なまでの媚はその為であろう?」
「.....................何を仰っているのか分かりません」
恵瓊は笑顔で返答した。
「ふっ.....腹黒いな」
「それと、羽柴殿。
余談ですが、清水宗治は
姫武将だそうです」
「......................何だと?」
6月23日。
いよいよ当日。
「この時期はそろそろ本能寺の変が起こる頃」だと良晴に伝えた所、彼は慌てて彼女に会いに京へ戻ってしまった。
邪魔者がいなくなったのをいい事に、順調に進められた水攻めは、今日この日を境に終了する。
高松城から小舟に乗り、白装束を着た者が出てくる。
清水宗治だ。
後から、兄の月清入道も出てくる。
清水宗治は驚く程美しい顔たちをしていたのだ。
「勿体無いな」
天竜はそう呟いたかと思うと、
急いで部下に小舟を用意させ、車椅子ごと乗り込んで、湖と化した高松城を進むのだった。
『浮世をば
今こそ渡れ 武士(もののふ)の 名を高松の 苔に残して』
辞世の句をこれまた美しい声色で読んだ宗治は、小太刀を取り出し、切腹の体制を取る。隣りには介錯人もいた。
「これで戦が終わるのであれば本望」
そう呟くと、小太刀の刃先を己の腹部に当てる。
「此の世よさらば!」
小太刀に力を込めようとしたその時、
「その切腹待った!」
「!?」
向こうから小舟に乗った何者かがやって来る。何者だ?羽柴方の使者か?
「その切腹待たれよ」
「何者だ?名を名乗れ」
「俺は羽柴天竜秀長。
この戦、羽柴方の総大将だ」
「何だと!?」
よもや敵の総大将がやって来るとは予想だにしなかった宗治。
「羽柴殿が何の用だ」
「切腹を直ちに中止せよ」
「ふん。土壇場になって和睦を取り消すのか。愚かな事だ」
「いや、和睦は変わらない」
「なら何だ!!
私の切腹して果てる姿を近くで見たいのか!?趣味が悪いにも程があるぞ!!」
「女子の死に様を見て興奮する程、まだ壊れちゃいないよ」
「回り諄いのは嫌いだ!
さっさと要件を伝えるがいい!」
「和睦の条件の変更を伝えにきた」
「何っ!?」
天竜は右手を宗治に差し出す。
「条件の変更を伝える。
『清水宗治は羽柴秀長の側室となる事』
宗治よ。我がものとなれ!」
「..............」
宗治は唖然としてしまう。
「ふざけるな!
そんな世迷言が通ると思うか!?」
「通すさ。
いざとなれば、小早川や吉川と直接面する覚悟もある」
「なんたる、うつけ者だ.....
私の思いは全て無視か?」
「元より望まぬがままに主君から切腹を命じられたのであろう。
見捨てられた命だ。
我の側にいようが変わらぬ」
「ふざけるな!!
私は毛利への義理を果たす為!
この理不尽な戦を終わらす為に命を捧げるのだ!
私を側室にしてどうする?
そのまま清水家を支配し、
更なる闘争を望むか!!」
その問いに天竜は思わず吹き出してしまった。
「なんと愉快な思考持ち主だ。
ふひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ.....
違うよ。
男が女の命を救う時など、
古からたった一つだ」
「何っ!?」
「俺はお前に惚れた」
「!!?」
「其方は身が美しければ心も美しい。
そして、忠臣であり、義理に熱ければ人情にも熱い。
非の打ち所があるとすれば、
俺の求婚に中々応えてくれない所か。
だからこそ惚れた。
もう一度言う。
清水宗治よ。我がものとなれ」
「...........」
宗治は完全に思考が停止してしまった。天竜はまるで、ずっと前から知っていたかのように、褒め称えた。
呆れると同時に、つい笑ってしまう程彼は不思議な男だ。
そして気付いた。自分が今、涙を流しているという事を.....
「いいのか.....?
私はまだ.....生きていて.....」
「あぁ、勿論だ。
ただし、これは切腹の代わりの条件。断れば城内の者の命は保証出来ない」
天竜が黒い言葉を放ったが、
最早、宗治の高まり続ける感情は止められない。
「お受けしよう。
...........その条件。
ただし、約束してくれ!
私が貴方の側に行けば、城内の者の命は助けると.....」
「約束しよう」
すると、天竜は彼女の目の前に瞬間移動してきた。宗治は勿論、介錯人も驚いた。
だが、そんなものを余所に天竜は宗治を抱き寄せる。
「ありがとう。応えてくれて.....」
宗治は知らず知らずの内に大粒の涙を流していた。
「貴方は..........鬼です」
「白夜叉だからな」
天竜は涙が止まらぬ宗治の頭をそっと撫でてやる。
「武士の鑑として死にゆく其方もきっと美しいだろうが、生きて華やかに舞う其方はより美しかろう。
多くの命の為に己の命を投げ打つその姿勢気に入った。
今後はその忠誠心を俺に向けてくれる事を誓ってくれるか?」
「はい.....」
白き衣を身につけた1組の男女は高松の湖の上で何時迄も抱き合っていたという。
その後、水攻めの水が引かれたものの、今なお痛々しい損壊が残る高松城にて、小早川隆景と羽柴天竜による会談が行われる事となる。
「面白いな。あえて清水宗治を生かす事で事なきを得るとは.....」
死ぬとばかり思われた宗治は助けられた。しかも、それが天竜の働きがけだと知った高松城内の兵達は皆、天竜を支持し、最早天竜側に寝返ったような形でいるのだ。
「まぁな。
ところで元春はどうした?
てっきり来るとばかり.....」
「貴様の胸に聞いてみよ!」
隆景の怒号には殺気が篭っていた。
吉川元春は、数ヶ月前に天竜に毒針を打たれ、今や不治の病に苦しみ、寝込んでいるのだ。
「あぁ、あれから3ヶ月ぐらいか。
そちらさんとしては、早くに蹴りをつけないとな。あとたった2ヶ月で大事な姉が死んでしまうものな?」
更なる殺気が天竜に向けられる。
「お前の返答次第で彼女を救ってやらんこともない」
「本当か!?」
「あぁ。『毛利の完全降伏』を了承してくれるのならな?」
「!?」
それは重大な選択であった。
ここで降伏すれば、毛利は織田の完全な従属家になるからだ。
まだ、本願寺や若狭の荒木村重が織田に反発していた全盛期であれば、織田に勝利し、代わりに天下をとる事も可能だったかもしれない。だが、それは過去の話。
頼みの綱はもう無い。
村上水軍も壊滅してしまった。
毛利には、
織田に対抗する力が残っていないのだ。
ましてや、吉川元春は毒という名の人質となっている。
「好きにするがいい。
和平がある限り、これ以上は進撃しないが、モタモタしてると元春が死ぬぞ〜?」
このような安い挑発が余計に腹が立つ。
「くっ.....下衆め!」
「何とでも言え。
被害を最小限に抑えられるのであれば畜生にだって成り下がってやる」
天竜と隆景の視線がバチバチとぶつかる。
だが、それは天竜のとある行動により途切れる。
懐から小瓶を取り出す。
「それは.....?」
「元春の苦痛を消す魔法の薬さ」
「!!?」
隆景の表情が変わる。
だが同時に、彼女は何か違和感を覚える。
「さぁ、問題です。
これの中身は何でしょう?」
別に薬の名称を聞いているのではない。答えは2択なのだ。
薬か毒か。
「薬であれば病を治し、苦痛を無くせる。
だが毒であれば、死が苦痛を消す」
「その通り」
「私に何をさせたい?」
「ちょっとした遊びさ。
君が勝てばこの薬をやろう。
では、
『これは薬である』
さぁ、始め!」
薬なら元春は助かる。
毒なら元春は死ぬ。
それを見分けるには.....
「私自らが飲んで確かめるしかないという事か」
「因みに飲めば、降伏を認めた事とする」
「なるほど.....」
それと天竜の言葉、
『これの中身は薬である』
それが真実なら薬であろう。
しかし.....
隆景にはこの男が信用出来ない。
武吉から聞いていたが、
この男は宇喜多直家を謀略で殺した。
また、この男は先の戦線にて武吉を殺した。
そんな男を信用なんて出来るはずがない。
この男の言動が嘘なら、
『これの中身は毒』
しかし、裏の裏をかけば、
『これの中身は薬』
結局分からない。
「背に腹は変えられない!」
隆景は小瓶を手に取り、それを飲む。
ここで決めなければ元春は死ぬ。
隆景は元春と死す時は共にと誓った。
もしこれが毒で、ここで死す事となろうと、その後姉と黄泉で会えるのなら本望。
「............」
何も起きない。
これは薬?
「ぷっ.....くくくくくくくくくく.....
..................くひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!」
天竜は高笑いを挙げ、隆景を罵倒した。
「確かに俺は天邪鬼。
虚言癖はどうも治らぬ。
左様。それは薬ではない。
されど、毒でもない。
それはただの『水』だ」
「.....水」
薬とも毒とも違う。
違和感があったのはその為だ。
「吉川元春に毒は盛っていない」
「!?」
「暗示をかけただけだ。
脳が苦しみを与えているに過ぎない。俺が指をパチンッと弾けば暗示は解けよう。
先の直家の事が妄想を大きくし、
暗示に力を与えた。
ただそれだけだ」
隆景は肩の力が抜けたように、床に落ちた。
「では、
毛利の降伏を認めたとしようではないか!安心せよ。君ら双子と妹の輝元を含めた3人は織田の.....
いや、俺の重臣として迎え入れようではないか!」
「もう、好きにせよ.....」
隆景には既に天竜に対する抵抗力を失っていた。
この男には、勝てぬと.....
「天竜様!大変です!!」
「なんだ騒々しい!今は外交中だ!」
飛び込んできたのは小次郎であった。
「明智殿が!
明智光秀殿が!!」
「十兵衛がどうした!?」
まさか、俺の知らぬ間に
『本能寺の変』を!?
「何者かに斬られ、意識不明の重体にございます!!」
「なんだと!?」
天竜は毛利との会談を早々に切り上げ、十兵衛がいるという丹波に走った。
「十兵衛ちゃんが重体!?」
この情報は京の良晴、信奈にも届く。
「一体どうゆう事なの!?」
「明智殿は丹後の攻略中、
寝ちょまりしていたてゅらで夜間にて.....ゴホン!
何者かに真正面からきゅられ、命からがらにゅげだしてきゅたみょよう..........ゴホンゴホン!!
明智殿を見つけ、助けてゅた細川殿ににょると、ぜんしゅんちゅまみれのひゅどいありしゃまでにゃったとぅ.....
ゴホンゴホンゴホン!!!」
100文字以上の報告をどうもありがとう五右衛門。
「こうしちゃいられないわ!
サル!十兵衛の所に行くわよ!」
「おっ.....おう!!」
本能寺の変は回避された(?)が、
代わりに大きな問題が起きてしまったのだ。
「十兵衛ちゃん!!」
それから左程時間をかけずに良晴は丹波までやって来た。
そこには横たわる十兵衛、医者の曲直瀬ベンジョール、それと天竜がいた。
「天竜さん.....」
「良晴、来たか.....
ちょっと来い。話がある」
天竜が2人きりで話したいと誘ってきた。良晴自身、十兵衛の様子の方が気になったが、天竜の表情から、只事ではないと感じ、それに従う事する。
「どうしたんだよ?」
「お前に一言言っておく事がある」
天竜から出た言葉は驚くべきものであった。
「織田に裏切り者がいる」
「...........はぁ!!?」
衝撃過ぎた為に、理解するのに時間を消耗してしまう。
「何だって、そんな事!!」
「十兵衛の傷口は真正面から受けたもの。十兵衛側に抵抗した形跡が見られない点から、奇襲をされたと考えられる。
なら、敵の間者にやられたか?
否。十兵衛は剣術の達人。
見ず知らずの者に襲われたところで、返り討ちにするだろう。
だから.....
十兵衛もよく知り、
信頼していた人物の犯行と考えるが有効であろう。それも、十兵衛をいとも簡単に斬り伏せられるような達人だ」
天竜が探偵さながらの推理を発揮する。
「そんなはず.....」
良晴もまた、思考を重ねる。
共に修羅場を切り抜いて来た仲間を疑うなんて出来るはずがない。
いや、疑わしきがいるではないか。
十兵衛が最も信頼し、
また十兵衛を襲う動機がある人物が.....
天竜だ。
天竜が1番怪しいじゃないか!
良晴が全ての実を拾う思想であるのに対し、
天竜は落ちた実は無視して、実のなる木を確保するような男だ。
己の野望の為に十兵衛を襲ってもおかしくはない。
天竜配下の古田織部や阿吽姉弟とかも異常な様子だったし.....
だが、
「くそったれ!!
よくも.....よくも.....
犯人は必ず俺が見つけ出して八つ裂きにしてやる!!」
怒りに任せ、壁に拳をぶつける。
芝居だよな?
小次郎!いるか!!
「はっ!」
「どんな事でもいい。
尋問だろうが、何だろうが、
何でもしろ!!
十兵衛を襲った糞野郎を何が何でも探し出せ!!」
「はっ!」
芝居.....じゃない?
小次郎が去った後、天竜は力が抜けたように床に落ちてしまった。
「ふっ.....ふふっ.....
歴史を変える代償がここまでとは.....参ったなこりゃ.....」
天竜はいつになく元気が無かった。
「死ぬ運命にあった信奈が助かった代わりに十兵衛があんな目に遭うとは.....全部俺のせいだ.....俺が歴史を変えたせいだ.....俺がいるせいだ.....」
完全な鬱状態だ。
ここまで弱った天竜を見るのは初めてだ。
「歴史を変えたのは俺もだよ。
天竜さんだけの問題じゃない」
天竜に釣られてつい優しい言葉をかけてしまう。
「信奈を助ける事ばかり考えてた.....十兵衛ちゃんの事なんて考えもしなかった.....むしろ俺の責任だよ」
「いや、お前はよく頑張ってる。
信奈はお前が、
十兵衛は俺が守るはずだったのだ。
やはり俺のせいだよ」
いつになく元気が無い。
もしや十兵衛が死ぬ事こそが天竜が最も恐れている事なのだろうか?
その後、天竜は思い足取りで十兵衛が眠る部屋に戻り、良晴もまたそれに同行する。
天竜が部屋入室した時、
そこにいたのは.....
「天竜様!!」
なんと左馬助だった。
「ハル。来てたのか」
「はい.....
姉上が斬られたとの知らせを聞き、早馬にて駆けつけました。
あの.....天竜様?
姉上は大丈夫なのでしょうか?」
うるうるした瞳で問う左馬助に天竜は気持ちが重くなる。
天竜は犯人が
この左馬助である事を知らない。
「心配しなくていい。
であろうベンジョール?」
「はい.....
身体への損傷は見た目程酷くはありませんでした。急所は無傷ですし、肺や他の臓器の損傷もそこまではありませんでした。
ただ、血をほとんど出し切ってしまったので、意識を取り戻すにはかなりの時間を要すると思われます」
「そうですか.....」
左馬助は心配そうに十兵衛の側に座り込んだ。
「姉上.....」
この光景を見ていた者らは皆、
実の姉ように慕う十兵衛を心配する健気な妹のように見えたであろう。
だが.....
ふくくくくくくく.....
ざまぁないですね姉上。
運良く生き残れたようですが、意識不明とはつくづく惨めです。
まぁ、いいでしょう。
目覚めた時に、貴方は驚愕するでしょうね。貴方の想い人の天竜様は貴方を斬った私のものになってるのですから.....ふくくくくく。
まっ、その前に殺すのもアリですがね。
「どうして!
どうして姉上が!
一体誰が姉上を!!」
涙をポロポロと流す。
天竜に負けず劣らずの完璧な演技。
「姉上が.....
もしこのまま目覚めなかったら!
.....そんなの私は嫌です!!」
「ハル」
天竜が左馬助に近づく。
すると彼女は待ってましたと言わんばかりに彼の胸に飛び込む。
「すみません.....
すこしの間だけこのまま.....」
「あぁ.....」
彼の胸の中でヒクヒクと震える左馬助。天竜は泣いていると錯覚したが、左馬助は笑いを堪えるに必死だったのだ。
「それにしても.....
十兵衛は誰に斬られたのかしら?」
そこにいた信奈が呟く。
「やはり、丹波や丹後、毛利の刺客と考えるのが妥当かしら?」
左馬助はまた吹き出しそうになる。
織田信奈め、やはりうつけな女だ。精々丹波や丹後を掻き分け、探すがいいさ。
「いや、これは敵の刺客ではなく、身内の犯行でしょう」
「!?」
天竜が反論する。
「どうゆうことよ?」
天竜は先程良晴にした話と同等の説明をする。
「馬鹿な事言わないで!
仲間を疑えって言うの!?」
馬鹿なのは貴様だ。
何故信じようとしない?
それにひきかえ流石は天竜様だ。
無能な織田信奈とは一味も二味も違う。
「私は敵の動向なんかを探るより、可能性の高い身内から順に潰していけばいいと言っているのです」
「ふん。
じゃあ、あんたも容疑者の1人って事でいいのね!?」
天竜は呆れ顔になる。
「私を疑いたきゃ、どうぞご自由に」
ここまで馬鹿だと反吐が出る。
天竜様を疑うなど恥を知れ醜女。
「まずは十兵衛と関係があった者らから探っていこう。仲が悪かった者や、最近、交流があったもの.....当然、我が軍の者も徹底的に調べ上げます。
「っ.....」
「どうしたハル?」
「いっ.....いえ、何も.....」
「心配すんな。
さっきの様子見てたらお前は殆ど白だ。待ってろよ!犯人は必ず俺が引き摺り出してやる!」
「....................はい」
このお方は恐しい。
推理力が桁違いだ。
炙り出されるのも時間の問題か?
「ふん。勝手にしなさい。
それより毛利はどうしたのよ!
仕事ほっぽって来たんじゃないでしょうね!」
「それなら心配御無用。
毛利はもう降伏しました」
「!!!?」
ほうれ見ろ!
やはり天竜様こそ日輪の申し子。
貴様ごときが天下人を名乗るなど
千年早い。
「何だよこれ.....」
想い人である信奈と、
恩師にして義兄の天竜は、
真っ向から対立しており、
大切な仲間の十兵衛は倒れ、
しかも、仲間の中に裏切り者が紛れ込んでいる!?
良晴の中は完全なパニックになっていた。
清水宗治は
『どうしても助けてあげたい武将ランキング』で上位の人でした。
武士の鑑として天竜に感動与えるという展開とどっちかと迷って、
結果、宗治を姫武将にして、側室にするという案になりました。
それなりに満足してます。
でも今後の活躍の見等しは薄いですね。
次回予告
明智左馬助光春
〜何故私の気持ちが分からないのですか!〜