天翔ける龍の伝記   作:瀧龍騎

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今回は前回以上にゴタゴタシーンが連発します。
皆さん!覚悟してお読みになって下され!


第二話 勘解由小路天竜の仕官 (改)

数日後。近江国、安土城。

 

 

「皆に集まってもらったのは他でもないわ」

 

 

名古屋コーチンにしゃぶりつきながら信奈が号令をかける。

『安土城の変』として歴史に新たに名を残す事になった事件から三日後。開城された安土城本丸御殿にて織田家家臣団が集結した。中国方面からは相良良晴、明智十兵衛光秀が出席し、良晴の付き添いとして竹中半兵衛、黒田官兵衛も参列する。珍しく津田信澄も呼ばれ何やらソワソワしている。滝川一益も呼ばれたのだが、足が疲れるとの理由で案の定拒否された。

 

 

「何をソワソワしてるのよ勘十郎?厠なら今の内に行ってきなさい」

 

「違いますよ姉上!美濃に残してきたお市の子が今こうしてる内にも産まれるのではないかと気が気でなく.....」

 

「身籠って一月ちょっとで産まれるわけないでしょ!」

 

「信澄殿、赤子は長くて十月。早くても八月から九月はかかるのですよ?」

 

 

と、長秀が隣の信澄に伝える。

 

 

「ですが、僕の体は小さいので小さな赤子が一月で産まれるかも.....」

 

「勘十郎.....それは『一寸法師』というのよ?」

 

 

アホの弟に頭を抱える信奈。

 

 

「十兵衛、サルは何処よ?一緒に来たんじゃないの?」

 

「相良先輩は遅れて来ますです。近江に着いた際、足を引っ掛けて落馬をしてしまい、近くの宿屋で休息をとってから来るそうです」

 

「何をやってるのよあの馬鹿は!」

 

 

そう言いながら"怪我してないかしら"、"私の事ちゃんと覚えてるわよね"とブツブツと良晴を心配しているような素振りを見せる。

 

 

「待ってても仕方ないので、もう始めましょう信奈様!来やがらない先輩は後回しでいいです!」

 

「それもそうね。皆聞いて!先日この安土城がある者に占領された話は皆にも伝わってるわよね?」

 

「いったい何者だったんですか?その馬鹿な輩は」

 

 

十兵衛がやれやれという態度を見せる。

 

 

「本人から聞きなさい十兵衛。入ってきなさい!」

 

「はい信奈様」

 

「ふぇっ?」

 

 

扉の影にいた天竜が皆の前に颯爽と現れる。歩を進める動作、座るまでの動作が美しく、そして整った顔たちの天竜に皆の視線が釘付けになる。

 

 

「あの白兜.....あんな顔だったのか.....」

 

 

彼の素顔を見たのは、本陣にいた信奈、長秀のみであり、勝家や犬千代にも新鮮なものであった。

 

 

「この度織田に仕官致しました。勘解由小路天竜と申します。以後お見知り置きを」

 

「「織田に仕官!?」」

 

 

勝家と犬千代は仕官の話を前もって知らされていたので、歯痒くも対して反応を示さなかった。だが、占領事件の事しか知らない十兵衛と信澄には信じられない話である。

 

 

「姉上!この者は姉上の軍を壊滅に追い込んだ鬼ですよ!?仲間にするなんて.....」

 

「同感です!信奈様、信用出来ませんです!」

 

「天竜、あなたの特技を教えてやりなさい!」

 

 

二人の言い分を無視して信奈が話を続ける。

 

 

「剣術は新当流を少々、槍術は我流ですが上々を自負しております。弓術、体術も同じく上々。他に馬術、建築術、学術、算術、天候術などを習得してまする」

 

「天候術?」

 

「何て事はありません。雲や風の動きを見てその後の天候の移り変わりを予測するのです。そして陰陽術を.....」

 

 

あまりに完璧すぎて、誰も口を挟めなかった中、十兵衛が。

 

 

「新当流と言いましたですね?」

 

「はい、鹿島新当流です。非常に短期間ではありましたが、"塚原卜伝殿"に直接教えを被りました」

 

「卜伝殿に直接.....」

 

「明智様は雲林院松軒殿ですね?」

 

「どうしてそれを!」

 

「卜伝殿から雲林院殿が幼く可愛い女子を弟子にしたと.....『幼女好きの弥四郎の

悪い癖が出なければ良いが.....』などと話しておりました」

 

「まさか師匠が例の『露理魂』だったとは.....」

 

「光秀の名も彼から貰ったのですね?」

 

「はいです。.....まさか己の諱を与える事で、私と一心同体になろうと!?急に寒気が!」

 

 

新当流の話で二人が盛り上がっている時、周りの者は声をかける事も出来なかったという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すっかり遅刻しちまったぜぇ」

 

「くすんくすん。何事もなくよかったです」

 

「ふんっ、どうせ町娘にでも鼻を伸ばして前を見てなかったんだろう。全く、これだから相良良晴はね」

 

「そりゃないよ官兵衛」

 

 

相良御一行が会議の間に入室する。

 

 

「おーす、信奈。来たぜやったぜ?」

 

「サル!怪我はしてない.....そっ、そんな事より客前なんだからもっと礼儀正しくしなさい!」

 

「うっ.....すまんすまん」

 

「サル.....ということは貴方が、秀吉どの.....!?」

 

 

入室した良晴を見ようと天竜が振り返って彼を見た瞬間、今まで見せなかった驚き顔に変化する。

 

 

「あれ?.....あんた.....何処かで.....!?」

 

 

二人同時にお互いの正体を知り、同じ驚き顔になって見つめ合う。

 

 

 

 

 

 

 

「よっ....,良晴?」

 

 

 

「てっ.....天竜.....先生?」

 

 

 

 

 

 

 

 

衝撃の事実!二人は知り合いなのだ。

 

 

「なっ.....何?知り合いなの!?」

 

「いえっ!!断じて違います!」

 

 

天竜が即答する。同時に振り返り直って頑なに良晴に顔を合わせないようにしている。

 

 

「いやいやいやいや!天竜先生だろ?」

 

「さぁ?私の名前は山田太郎左衛門」

 

「さっき『サル』って聞いて秀吉のおっさんと間違えてたじゃないか!」

 

「誰それ?おいしいの?」

 

「日本の総理は?」

 

「安倍晋三」

 

「やっぱり!」

 

「しまった!」

 

 

当然このやり取りについていける者など一人もいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勘解由小路天竜、27歳。職業高校教師。教科日本史。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ~.....織田に良晴がいるとはなんたる誤算!」

 

「なんだって天竜先生がこの時代にいるんだ?」

 

「こっちの台詞だ!」

 

「あの~.....サル?説明してくれると助かるんだけど.....」

 

 

痺れを切らした信奈が口を挟む。

 

 

「私からお話しましょう.....私はその昔、この相良良晴めに学問を教えていた者です」

 

「昔っていうと?」

 

「そのぉ.....つまりぃ.....」

 

「何で未来から来たって言わないんだ天竜先生?」

 

 

その時、天竜の表情が一変する。

 

 

「こんの、糞たわけがぁ!」

 

「ひぃっ!?」

 

「貴様は昔から何処まで口が軽いのだ!私が長い間隠し通してきものを見事に壊しおって!」

 

「せっ.....先生!?そんなキャラだっけ?

しゃべり方も変わってるし」

 

「3年間もこんな時代にいれば性格や口調も変わるわ!」

 

「3年間!?俺がタイムスリップした日にも授業してくれてただろ?」

 

「むぅ.....貴様と私とでは飛ばされた時代にズレがあったようだな.....」

 

「あの.....いい?.....シロ」

 

「はっ.....はい!信奈様!」

 

「あんたも未来人.....なの?」

 

「...............はい」

 

「じゃあさっきの特技の話は?」

 

「それは事実です!400年後の勘解由小路家最後の跡取りとして父に伝授されました!」

 

「勘解由小路.....」

 

 

半兵衛が反応する。天竜が彼女に視線を向けるとビクッと怯え、良晴の影に隠れてしまう。

 

 

「サルと違って頭を打ったわけではなさそうね。仮に未来人だとしても陰陽師というのは信用できそうにないわ.....半兵衛!」

 

「ビクンッ..........はい信奈様」

 

「こいつは本物なの?」

 

「えぇと.....あの.....天竜殿?」

 

「あなたは?」

 

「竹中半兵衛と申します。陰陽師です」

 

「竹中半兵衛が陰陽師?.....初耳です」

 

「くすんくすん。あなたが真の陰陽師なら.....何か術を見せて頂けますか?」

 

「式神でも出せんの天竜先生?」

 

 

天竜は歯ぎしりをして喉の根元まで出掛かっていた言葉をあえて飲み込む。

 

 

「くすんくすん.....何だか怖いです」

 

「いいでしょう!未来では20年修行しても、身につけられなかった技を!」

 

 

すると天竜は右手を天にかざす。右手の中指には古そうな指輪が。

 

 

「勘解由小路流陰陽術に式神術はありません。脳内に浮かんだ虚像を、現実に出現させるのが私の術!」

 

 

天竜の右手が指輪を中心に紅く光だし、次第に光が別の形になる。そして.....

 

 

「それはまさか.....」

 

 

長秀が指摘する。それは安土城の変の際にも天竜が愛用していた大薙刀。

 

 

「三国志の英雄、関羽雲長が愛刀。青龍偃月刀にございます」

 

 

三国志好きなら誰もが知っているであろう武器である。

 

 

続いて偃月刀を床に置き、手の上にもう一つ武器を出現させ、信奈の前に差し出した。

 

 

「これは.....鉄砲?にしては小さいわね」

 

「拳銃と呼ばれる400年後の鉄砲です。まぁ、200年後にはそれの原型となるものが南蛮にて作られるのですが.....」

 

「いいわねコレ!この大きさなら懐にも入るし、第一に大量運搬が簡単になるわ!コレって火縄とかはついてないの?」

 

「はい。火薬等は全て薬莢と呼ばれる弾丸の中にあります」

 

「コレ持っと出せないの?ざっと千梃ぐらい!」

 

「召喚術は使い過ぎれば寿命が縮みますゆえご勘弁を.....因みに拳銃の数え方は「丁」です。その拳銃は信奈様に差し上げましょう」

 

「デアルカ.....むぅ」

 

 

少しだけ不満気な信奈だった。

 

 

「なんていうかさ.....先生の術って地味だな」

 

「何だと!」

 

「だって半兵衛なんかは十二神将を呼び出したり、雨降らせたりとかさ。スケールがでけぇんだぜ?」

 

「ちょ.....良晴さん」

 

 

半兵衛が顔を赤らめながら良晴を制止させようとする。

 

 

「官兵衛なんてロボット動かすし」

 

「相良良晴。シメオンのは陰陽術ではなく南蛮科学だぞ?」

 

「まぁ.....二人と比べれば確かに地味ね」

 

「そんな.....信奈様」

 

 

プルプルと震えながら歯ぎしりをする天竜。そして突然吹っ切れたようになり頭を左手で掻き毟る。

 

 

「そっか~。さすがは秀吉。派手好きだもんな~!」

 

「てっ.....天竜先生?」

 

「そっかロボットがいいか!餓鬼は好きだもんなロボット!.....そらっ!!」

 

 

天竜は右手からの光を安土城の外に向かって放つ。本丸御殿のすぐ隣りに出現したのは、良晴もよく知ってる巨大ロボットだった。

 

 

「ガン◯ムかよ!」

 

「お台場の奴だからなぁ.....動かねえけどなぁ.....こっちはどうだぁ!」

 

 

すると、お台場ガン◯ムの隣りに、中国の偽ガン◯ムが出現!

 

 

「夢の共演!?」

 

「これじゃあ足りねえか?ならこっちだぁ!」

 

 

すると今度は青い光を犬千代に向けて発射する。

 

 

「ん?」

 

「まっままま.....前田殿!?そっそそそ.....それは!?」

 

「うわっ.....犬千代!?それっ!?」

 

「何?犬千代の頭に何か?...........うっ!?」

 

 

犬千代が上の方を見た時、頭に乗っていたのは野生の虎だった。

 

 

「ひぇっ!?」

 

 

これには犬千代も驚愕。

 

 

「どうだ良晴!!反魂の術だぞ!!これでも地味かぁ!!」

 

「ちょっとシロ!いい加減に.....」

 

「まだ地味っていうのですかぁ?ならもっとみせてあげますよぉ!」

 

 

さっきまで寿命がどうのこうの言っていたのもお構いなしに術を乱射!柱は元の木に!蛇皮をつけていた信澄の前に蝮出現!信奈の名古屋コーチンが元の鶏に!それ以外に天体望遠鏡だとか、車椅子だとかカラープリンターだとか、

よくわからないものまで次々に出現!

 

 

「ちょっとサル!シロを止めなさい!あんたの先生でしょ?」

 

「今思い出したけど先生ってキレると情緒不安定になるんだっけなぁ.....」

 

「くひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!これでも地味か良晴ぅぅぅぅ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

30分後、良晴の土下座ならぬ土下寝によって天竜は正気を取り戻す。召喚されたものは信奈の拳銃以外全て消滅させられたのだった。反魂の術で生き返ったものも全て元の形に戻された。

 

 

「..........シロ。あんた誰に仕官したい?私の直臣になる事は案の定、万千代に却下されたわ」

 

「当たり前です!前から良くは思ってませんでしたが、今日でハッキリしました!ズバリ零点です!」

 

「だっ.....誰でもいいわよ?私と万千代以外なら.....」

 

 

 

天竜は辺りを見回す。皆『私の所には絶対にくるな!』という視線を送ってくる。

 

 

「ここはお知り合いである良晴殿か、信澄様がよろしいかと」

 

「そりゃないぜ長秀さん!」

 

「サルくんは兎も角何でぼく!?完全に当てつけじゃないか!そんな事になったら市が堕胎しちゃうよ!」

 

「私は初めから誰に仕官するかは決めております」

 

 

一同に緊張が走る。

 

 

「私は明智十兵衛光秀殿に仕えたく存じます」

 

「ギャー!」

 

 

十兵衛以外の家臣団がそっと胸を撫で下ろす。これでは罰ゲームだ。

 

 

「十兵衛ちゃん.....冥福を祈ってるぜ」

 

「なっ!?相良先輩!?」

 

「十兵衛.....草葉の陰から私の天下取りを見守っててね」

 

「信奈様まで!?私は死ぬのですか!?」

 

「宜しくお願い致します明智殿」

 

「キッ!!」

 

 

天竜を睨みつける十兵衛。

 

 

「ふ~ん。何で十兵衛なの?」

 

「失礼を承知で言わせていただきます。まず良晴には、天才軍師の両兵衛がおり、蜂須賀衆を従え、さらには猛将山中鹿之助が就いております。そして柴田殿には与力の猛将前田利家殿が、影の補佐役として丹羽殿がおります。

しかし明智殿にはそのような大役を任せられる家臣が多くおりません。そして私も明智殿も同じ流派の出。私なら明智殿の力になれるかと思い、決心しました」

 

 

さらっと信澄を無視しているのが気になったが道理はかなっている。

 

 

「十兵衛、私は拳銃を貰った借りがあるからあなたに拒否権はないけどいいわね?」

 

「むむむ.....でもそこまで私に仕えたいのならば、特別に!仕官を認めてやるですよ!かだぁのきょい、きょう?

じぃ.....天竜!」

 

 

全く言えてないが、始めは不満気だった十兵衛も次第に心を開いてくる。

 

 

「理由はこれだけではありません」

 

「ん?」

 

「入ってきなさい」

 

 

すると扉の奥から小柄な少女が現れ、ちょこんと天竜の隣りに座り、信奈に頭を下げる。

 

 

「その子は?」

 

「明智左馬助光春にございます」

 

 

少女は自ら名を名乗り、十兵衛にそっと視線を向ける。

 

 

「さっ.....左馬助。貴方.....生きていたのですか!?」

 

「そうです姉上。地獄の底から舞い戻って参りまし.....」

 

「こら!」

 

「ひぅっ.....」

 

 

天竜に頭をポンと叩かれる少女。

 

 

「十兵衛、誰なのあの子?妹?」

 

「いえ、従姉妹です。長良川の合戦にてはぐれてしまい、てっきり死んだものと.....」

 

「そうです姉上。あなたに見捨ててられ、天竜様に拾われなければ野垂れ死んでいたでしょう」

 

「そんな!私は見捨ててなんかは.....」

 

 

明らかに十兵衛に対し恨んでいるような口調である。左馬助は十兵衛を5歳分縮めたような姿形で、デコも同じく広い。ただし、ショートカットで金柑の代わりに銀杏の髪飾りをしている。

 

 

「ハルとの区別のために光秀殿と呼ばせていただきますが.....大丈夫ですよ。ハルは不貞腐れてるだけなんです。さっきまで『姉上と会えるのですか!姉上と会えるのですか!』と五月蝿かったのですから」

 

「ちょっ.....天竜様!」

 

 

それを聞いてそっと胸を撫で下ろす十兵衛。彼女の中の大きな重石が少しだけ降ろされたようだった。

 

 

「ところでシロ。その子もあんたの家来なんでしょ?あとの五人も紹介しなさい。どうせ来てるんでしょ?」

 

「分かりました.....皆入ってきなさい」

 

 

するとまたもや扉の奥からぞろぞろと天竜の家来が入ってくる。そして、独自に自己紹介をしてゆく。

 

 

「勘解由小路天竜が2番弟子。宮本弁之助武蔵だ!」

 

「勘解由小路天竜が2番弟子。佐々木小次郎巌流にございまする」

 

「3番弟子の今川彦五郎氏真」

 

「阿斗だよ!」

 

「吽斗だよ!」

 

 

突っ込みたい事がたくさんあるが、信奈が最初に指摘したのは。

 

 

「今川?義元の親戚か何かなの?」

 

「妹です.....隠し子のようなので恐らく将軍様もお知りにならないと思います。今川家滅亡後に卜伝師匠に拾われた子にございます」

 

「ふぅ~ん」

 

「織田信奈..........死ねばいいのに」

 

 

ボソッと言ったのを天竜が慌てて口を塞ぐ。

 

 

「んんん!?今とんでもない事言わなかった?その子」

 

「やっ.....やだな~信奈様!『とても美しい姫さまだ』と言っただけですよ?」

 

 

さすがに無理があるだろう。まぁ、今川を滅ぼした原因は信奈だから能天気な義元以外は恨んでも仕方がないだろうと良晴は思う。

 

 

「まぁ.....頑張ってね十兵衛」

 

「そんな!信奈様~!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「..........」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一同が涙目で抗議する十兵衛を見ている中、天竜だけが別の気持ちで十兵衛に視線を向けていた事に気づけたのは、新米の左馬助をおいて他にはいなかった。

 

 




雲林院松軒は実在する卜伝の高弟です。諱が「光秀」という事で登場させましたが、
実際に十兵衛の師匠だったかは謎です。そもそも十兵衛は本当に新当流だったのかなぁ?
さて、天竜の招待を含め、最後らへんに新キャラがバババンと登場したまま終了してしまいましたが、3話にて詳しく執筆させていただくので、ご心配なく。
長くなりましたが、第2話の拝読ありがとうございました。
次回予告
シロとサル!
~俺が最強の男!白夜叉こと天竜なり!~

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