信奈にも頑張って欲しいですね。
光秀役の内野聖陽。JINで龍馬役もやってましたが、
はたして関係性は!?作為か!?
「天竜.....貴方は狂ってるです!」
「なんだと!?」
十兵衛は天竜の決意を批判する。
「死んだ奥さんを蘇らせる為に、私と子を作る?女を舐め過ぎです!」
「貴様に何が分かる!!」
「分からないです!!でも、一つ言える事がありますです!」
「なんだ?」
「貴方のような屑に女性を愛する資格はありませんです!」
これには流石の天竜もキレた。
「貴様!!餓鬼の分際でこの俺様をよくも!!」
十兵衛の襟首を掴みながら天竜が叫ぶ。
「これが貴方の本性ですか!」
「そうだ!文句あるか!」
「非常に幼稚ですね。とても私より年上とは思えない」
「貴様!.....」
「それに自分勝手です!他人の都合を考えず、己の意思を無理矢理通そうとする.....これが屑じゃなくて何というのですか?」
「やめろ!!」
天竜が耐え切れずに叫ぶ。
「言うな.....同じ声で.....同じ顔で.....同じ目で俺を侮辱するな.....」
姿形がヒカリにそっくりな十兵衛からの侮辱は想像以上に応えたらしい。天竜は十兵衛の襟首に込めていた力を緩めた。
「何故ヒカリさんその者を作ろうとするのですか?それでは本当の光源氏じゃないですか!」
「ふん。確かにそうかもな」
「ヒカリさんの遺言ではなかったのですか?別の人に愛を注げと.....」
「今更、ヒカリ以外の誰を愛せばいいのだ」
完全に意気消沈してしまい、膝をつく天竜。ここまで弱い天竜を見るのは新鮮であった。
「頭のいい貴方がここまでになるとは.....相当好きだったんですね」
「あぁ.....」
「..........私が少し、相談に乗りましょうか?」
「十兵衛?」
十兵衛から思いも知らぬ一言が来る。
「天竜はその野望の為に私に仕官したんですよね?.....その、やり直しませんか?」
「やり直す?」
「その.....主君と家臣の関係を今更改変できはしません。その.....今度は友として.....」
十兵衛は顔を真っ赤にしながら、恥ずかしそうに言う。良晴以外でこのような気持ちになるのは初めてかもしれない。
そう思っていたも束の間、天竜は十兵衛に抱きついた。
「てっ.....天竜!?」
「ごめん.....今だけ.....今だけでいいから.....」
天竜に抱きつかれ、彼の体温を一身に感じる十兵衛。同時に、彼が震えている事、泣いている事にも気づいた。
「ふふ.....30も近いというのに10も年下の女子に説教されるとは.....」
「はい.....」
思えば、十兵衛は人一倍母性本能が高いのかもしれない。死を直前にし、母を求めた良晴。亡くなった妻の温もりを求めた天竜。その2人の行動は十兵衛の心を動かしたのだ。
「明日からはまた家臣に戻る。だから今宵だけはこのまま.....」
「はい.....」
十兵衛もまた、天竜の腰に手を回していた。十兵衛の2度目の恋がほのかに生まれていたのかもしれない。
『明智光秀、調略完了』
十兵衛の見えない所で天竜が不気味に笑みを作っていた事を、十兵衛は気づく事ができなかった。
その直後、
「「天竜!!」」
「阿、吽、入るな言ったはずだぞ!!」
即座に十兵衛から離れる天竜。
「それが.....城に侵入しようとした女を捕まえたんだけど.....それが暴れ出して.....」
「侵入者!?.....若狭の者か?」
「ううん。でも、南蛮風の着物だったよ?」
「南蛮服?よくわからん!直接見に行く!」
「天竜.....」
十兵衛が呼び止める。
「すまん十兵衛。もう少し一緒にいたかったが..........同行を頼めますか?」
「..........はいです」
有岡城、牢屋にて。
「出せぇ!!!あたしをこんな所に閉じ込めやがってぇ!!!」
「うひゃあ!!この女怖いみゃあ!!」
この女、そこまで大柄ではないのだが、咆哮だけで牢人をビビらせていた。
「いったい何事だ!?」
「ひえ~。殿!どうにかそてくれみゃ!」
「いったい誰が....................嘘だろ!?」
すると、女の方も天竜に気づく。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
勘解由小路天竜!!!」
「何故貴様がここにいるのだ森水青蘭!!!」
この森水青蘭という女、なんと天竜の知り合いであった。
「天竜ぅぅぅ!!!ここから出せぇぇぇ!!!」
「天竜!この女は何者です!?」
「えぇと.....」
言えない。この女の正体を知っているのが天竜のみであるなら、尚更だ。
「う~ん.....3回回ってワンッと吠え、俺の草鞋をなめれば出してやるよ?」
「死んでもやるかぁ!!」
「よしっ!!誰かこいつを斬れ!!」
「ちょっと天竜!!」
十兵衛の制止も聞かずに、処刑人を牢内に入れる天竜。だが、それが返って裏目に出た。
「こなくそ~!!!」
「ひぎゃっ!!?」
牢内では拘束されていなかった青蘭は処刑人をいとも簡単にねじ伏せ、処刑道具だった刀を奪ってしまった。
「ちっ!!」
天竜もまた刀を抜く。珍しく彼は焦っている。
「天竜!相手は女ですよ!?」
「ただの女ならな.....」
そこで彼女が再び咆哮をあげる。
「天竜ぅぅぅ!!!」
天竜にはその圧力がビリビリと伝わる。
「青蘭っ!!!」
天竜もまた咆哮を返す。そして、彼が動く。
「だぁっ!!!」
天竜の中段突きは、この狭い地下では最も効果的だったかもしれない。だが彼女は.....
「しゃらくせぃ!!!」
上段からの鋭い振り下ろしによってそれを相殺したのだ。しかも、それにより天竜の刀が大きく下がってしまった。
「隙ありぃぃぃ!!!」
青蘭が2発目の上段打ちを繰り出す。1歩遅れた天竜だったが、それでも受けの体制を作る。だが、
「貴様の負けだぁぁぁ!!!!」
「くそっ!」
天竜が押し負けたのだ。
完全にバランスを崩した天竜は即座に青蘭によって持っていた刀を跳ね飛ばされる。
その光景を見ていた十兵衛は驚愕する。己の実力を軽く凌駕していた天竜を敗北に追い込んだ女が現れたのだから.....
「くらえっ!!」
再度青蘭からの上段が来る!
丸腰の天竜は!
「何っ!?」
「こいつは習わなかっただろ?」
『真剣白刃取り』並の剣士では到底なし得ない大技を見せる。
だが、それは一瞬の時間稼ぎにしかならなかった。
「笑止っ!!!」
「ぐっ!?」
ガラ空きになっていた天竜の正面を蹴り飛ばす青蘭。吹っ飛ばされた天竜は、直様立ち上がろうと試みるが、身体に力が入らない。肋骨をやられたのだ。青蘭はその隙を見逃さず、腕を捻って地に押さえつける。そして、懐から.....
「天竜!!殺人罪で貴様を逮捕する!!」
なんと未来の手錠を取り出し、天竜の両手にかけたのだ。
「くそっ!!よくも青蘭!!」
「あとは取り調べでその屁理屈を発揮する事だな。牢屋入りはお前の方が合ってる!」
そうして天竜を牢屋の中に閉じ込めてしまった。
「何するですか!仮にも大和の大名ですよ!」
我慢出来ずに十兵衛が出る。
「貴様は誰だ?」
「私は天竜の主君の.....」
「じゃあ共犯だな。はい、逮捕」
ガチャンッと手錠をかけられる十兵衛。
「え?.....えええぇぇぇぇぇ!!!?」
すると、青蘭はおもむろに携帯電話を取り出す。
「あれ?圏外じゃないか。これでは警視に連絡できない....................うっ!」
突然バタリと倒れる青蘭。彼女の肩には針のような物が刺さっている。
「くそったれ!!.....麻酔銃か.....」
猛獣でも昏倒する麻酔銃をくらっても、気力だけで意識を保つ青蘭。
「油断したな。お前の悪い癖だ」
牢屋に入れられた天竜は、青蘭が十兵衛へ注意を移してる間に、即座に手錠を外し、麻酔銃を召喚術にて出し、牢屋の中から発砲したのだ。
「天竜!!この女はいったい何者ですか!!」
「..........こいつは俺や良晴と同じ未来人だ。職業は警察。未来人で俺を追ってた奴なんだが、何故かこの時代に来ちまったようだな」
「けいさつ?」
「まぁ、未来で言う所の武士。いや、侍所が近いか?まぁ、そんな所だ」
その天竜の話を耳にいれた青蘭が天竜に言う。
「未来だと?..........貴様が何を言っている?」
理解できていないようだったので、天竜は、牢屋から悠々と抜け出し、青蘭の前に立ち、見下す。
「ここは俺らいた平成の時代じゃない。400年前の戦国時代だ」
「戦国時代だと?..........そんな.....馬鹿な...................」
青蘭はそこで力尽きて眠ってしまった。
そこに、
「秀長様!!若狭がまた出てきましたみゃ!!」
兵が報告に来た。
「なんつー悪いタイミングだ!
肋骨折れてんだぞ!?」
「鯛眠愚?」
天竜は青蘭の服のポケットから手錠の鍵を探し出し、十兵衛の手錠を外してやる。
「誰かこの女を閉じ込めておけ!今度はちゃんと拘束するように!」
「承知!」
天竜は召喚術にて大槍を出す。これは以前まで使用していた「偃月刀」ではなく、新たに用意した「方天戟」である。槍のような刃の両側に左右対称に「月牙」と呼ばれる三日月状の刃が付いている。ちなみに三国志の呂布が使用するのは片方だけに月牙がついた「方天画戟」である。
「万千代ちゃんに薙刀が被ってるって言われてな。急遽変更する事になった」
「万千代ちゃん.....」
「この糞忙しい時に出てきやがって.....覚悟は出来ているのだろうな村重!」
その頃の若狭、後瀬山城。
土御門の脅威が去り「恍惚の術」が解けた中川清秀と高山右近が村重を制止する。
「村重様!どうか考えをお直し下され!」
「そうです!今は信奈様と争うべきではありません!.....お陰で南蛮寺にも寄れません.....」
右近は十字架を握りしめながらに言う。
「主君に恥を晒せって言うんか!
うちだって信奈はんの所に戻りたい.....でもここでノコノコ帰ってうちが許されたらどうなる?
『織田信奈はそれだけ甘い人物』
っていうのが触れ回る事になるんや。そんな風潮が流れれば確実に織田家は弱くなる.....それは絶対にあかん.....」
「まっ.....まさか!村重様.....貴方は.....」
村重は吹っ切れたような顔をしていた。
「うちはこの戦で死ぬよ.....」
天竜軍1万。荒木軍8千。
この戦は始める前に勝敗が決まっていたかもしれない。それは数だけではない。武装、戦略、布陣、を完璧している天竜軍に荒木軍が勝てるはずがなかった。そもそも、大将が死を覚悟してる戦が戦になるわけがないのである。
「敵の前線をできるだけこちらに引きつけ、敵本隊と離れた所を一気に潰してしまえ!!」
なにより大将の天竜がすでに、天才軍師、半兵衛官兵衛に匹敵する程の軍師としての才能を持っていたのも勝因の一つだ。
いつしか、彼こそが「上杉謙信に代わる軍神である」という噂も流れ始めたのだ。毘沙門天の再来を自負する謙信と、自らが龍神そのものであると証明した天竜。果たして実力はどちらが上か.....
そんな時である。
「高山右近殿、中川清秀殿が降伏を言い渡しに来ました」
「ほう」
天竜は直々に彼らに会いに行く。彼らがこれから要求してくる内容は既に読んでいた。
「「村重様のお命をどうかお助け下さい!」」
2人は自ら降伏したのでなく、村重に命令されて追い出されたのだ。
「お前達はまだ死んだらあかん。お前達だけなら信奈はんも許してくれるやろ」
その言葉に感動した2人は村重の助命懇願に来たのだ。
「ですがね。荒木殿は信奈様から許されたにもかかわらず、2回も謀反をしました。信奈様もカンカンです。松永久秀同様討てと言われてます」
もちろん嘘である。
「そんな!!.....村重様の謀反は信奈様の為に.....」
右近は村重の意思を話す。そんな事も読んでいた天竜はつまらなそうにそれを聞き流す。
「それはそれは.....なんとしても村重殿をお助けせねばなりませんね!」
わざとらしく言う。
「おぉ~!お助け下さいますか!」
「ただし!条件があります」
天竜はそこで恐るべき提案をしてくる。
「俺の天下取りの手助けをしろ」
流石の2人もこれには唖然とする。
「そっ.....それは.....つまり.....信奈様を裏切れと.....?」
「おぉ!神よ。私の道を正してくだされ!」
当然2人は混乱している。そこで、
「佐介!」
天竜が呼び出す。実はこの古田佐介。親族同士の婚姻によって、清秀とも、右近とも、義兄妹に当たるのだ。
「佐介!お前も天竜殿派なのか!」
憤りを憶えている清秀に佐介は.....
「私と一緒に頑張ろうよお兄ちゃん♡」
ブハーーーッ!!と突然清秀が鼻血を吹き出す。
「清秀!?」
右近が清秀に近寄ろうとしたその時。
「右近お兄ちゃん♡」
「うっ!?」
右近が必死に鼻を押さえる。
そんな右近に佐介はそっと抱き付いた。
「私の為に頑張ってくれる?お兄ちゃん♡」
ブハーーーッ!!と右近までもが鼻血を吹き出した。実はこの2人。脅威なまでのシスコンだった。
「とんだ悪女だな」
「この2人にしか効きませんがね」
キリストバカの右近までもがここまで悶えるとは.....
ちなみに右近の中の優先順位は、
3位.....フロイス
2位.....村重
1位.....佐介
であった。
「「我らは!(佐介ちゃんに甘えてもらうために)天竜様に従いましょう!!」」
「くくくくく.....いいだろう!お前達に真の天下を見せてやろう!」
『中川清秀、高山右近、調略完了』
そうして天竜はまた、巻物の名を消した。
最戦力であった清秀と右近の離脱によって荒木軍は窮地に立たされていた。
「村重様大変です!」
「どないした?」
「たった今、捕らえられた村重様の御家族が全員処刑されたそうです!」
「なんやと!!?」
「天竜様。何故あのような虚報を?」
「佐介.....人間が本当に死ぬ覚悟ができると思うか?」
「え?」
「怒っとる.....これは信奈はんの怒りや.....」
村重は先程とは打って変わり、ガタガタと震え始めた。
「いやや!.....死にとうない!死にとうない!」
「人間の心など.....ちょっと捻るだけで簡単に壊れる」
「村重様!後瀬山城はもう駄目です!抜け道を用意しました!どうぞそちらから..........うげっ!?」
その兵は天竜軍の流れ弾が当たり、村重の目の前で絶命する。
「ひっ...........ひやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
村重はその場から逃げ出してしまった。
「佐介。後瀬山城の構造は熟知しているな?」
「はい。いくつもの城を行き来していたので.....」
「村重が逃げるとしたら何処らへんだ?」
「.....おそらく後瀬山城北方の洞窟か南方の岟の洞窟でしょう」
「そうか。では俺は北方を、佐介は南方を頼む」
「承知!」
村重は手荷物として大量の茶器を持って逃げていた。見た目はほとんど大泥棒である。
「阿呆らし!!調子に乗って虐殺なんてしよって!!こんな戦で死んでたまるかいな!!」
虚報から、信奈が大量虐殺を命令したと信じ込む村重。
「この茶器売り捌いてでも意地で生きたるで!!」
「それはどうかな?」
「!!?」
村重の進行方向に白い武者がいた。だが、防具は白兜のみで、服装は白い着物。羽織も白かった。こいつ.....こんな格好で戦ってたんか.....
「お前.....誰や!」
「羽柴天竜秀長」
ひっ!?と突然村重が腰を抜かす。
「しっ.....白夜叉!!」
天竜はニヤリと微笑み、刀を抜く。
「あら~きむらしげ~。見~つけた~」
「ひっ!?」
ケタケタとしながら近付く天竜に怯える村重。
「天竜軍は荒木村重を追い詰めるも逃亡され、荒木村重はそのまま行方不明になるってどうだ?」
「え?」
「ここで殺して死体を隠しちまえばその状況が作れるんだよ」
「ひっ!?」
「実際、お前もういらないんだよね。予想外に若狭の大名になったり、勝手に操られて利用され、お陰で各地を奔走される羽目になった。とんだ大迷惑だ」
「いや.....いや!」
「そして、この謀反続き。考えもまとまってねぇ餓鬼が何度も起こしやがって.....今日だって肋骨痛いの我慢して出兵してんだぞ?」
「いや.....助けて.....」
「もううんざりなんだよ...........『荒木村重』はここで死ね」
そうして天竜は刀を振り上げた。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「鳴かぬなら。殺してしまえ。ホトトギス」
安土城。
「そう。弥助はまた.....」
「はい。止むを得ず、荒木軍は全滅に追い込みました」
「そう.....それで.....弥助は?」
「残念ながら.....あれ以降行方不明です。恐らく、毛利方へ逃亡したのではないかと.....」
「デアルカ.....シロ。褒美を取らすわ。何がいい?」
「では失礼をして.....与力として預からせて頂いている、古田佐介を我が家臣に」
「佐介を?..........まぁ、いいわ。
存分に使ってやりなさい」
「承知!」
その後、信奈は浮かない顔で西の方角を見る。
その光景を天竜は邪悪な笑みでそれを見つめた。
有岡城茶室。
これからまた、播磨の方に戻る利休と最後の茶会をしていた。
「頼んだぞ利休。上手い具合に良晴達を誘導してくれ」
「..........?」
「その作戦はまだいい。紀伊を承諾次第、俺もそちらへ動く」
「..........(ふんふん)」
「だろうな。信奈は俺を近畿に閉じ込めて、大きな手柄を立てるのを阻止してきてる」
「..........(ガーン)」
「心配するな。なにも計画そのものがばれたわけじゃない。俺が動けば否が応でも手柄が立つさ」
そうして天竜は懐から例の巻物を取り出した。
「..........?」
「あと何人いるかって?そんなのまだまだいるさ。将来的に良晴の家臣になるか、討たれるかもしれない名人を全員記しているんだからな」
「..........(ふんふん)」
「確かに半兵衛官兵衛は欲しかったな。だが、先にとってしまえば、恐らく織田は美濃にすら勝てなかったろう」
「あの.....天竜はん?」
その茶室にはもう1人いた。
「どうした?」
「その計画は最終的に信奈はんを殺す事になるんか?」
「いや、信奈には我が家臣。悪くても出家してもらう事になるだろう」
「そっか.....なら安心や.....」
こいつ.....まだ信奈の事を.....
「安心しろ。俺が天下を取れば、再び信奈と談笑できる日が来る。保証しよう」
「せやな。ほんならこの荒木道糞。天竜はんの為に裏から支えるで」
「..........(ガーン)」
「これから茶人になる名前にしては汚ねぇな。
荒木道薫あたりにしておけ」
「せやな」
『荒木村重、調略完了』
信奈の名物狩りの裏で、天竜による名人狩りが行われている事など、信奈も良晴も気づけずにいた。
突然の新キャラ森水青蘭。
あなたはこの人の正体が見抜けるだろうか?
次回予告
三茶
~天竜さん.....あんた何をするつもりだ?~