しかも、吉継、正則、清正全員良晴の妹とか。
しかもねねより年下だから、ほとんど赤ちゃん。
これに欲情したらガチの病気ですね。
読んではみたものの結局、上杉謙信がよく分からない。
参考にしようにも難しい状況ですね。
明後日から「ドラキュラZERO」公開!
見に行ってきます!
これは、俺が戦国時代に飛ぶ7年前。
相良良晴、10歳の夏。
とある剣道大会(個人戦)会場にて。
「父ちゃん。飽きた〜」
「もうちょい我慢してろヨシ。今ようやく決勝戦に入って面白くなってんだからさ」
良晴の父、『相良敏晴』が観客席で言う。実は彼は高校生時代、剣道部に所属しており、剣道大会の観戦を趣味にしている。彼自身、現役時の戦績はあまり良くないのだが、その事実を知るのは妻の『相良葉子』のみである為、息子にはいつも嘘の武勇伝を語っている。
「まさか弱小校だったうちの高校から決勝まで這い上がる強豪剣士が現れるたぁなぁ」
「父ちゃん、腹減った」
その時、敏晴イチオシの剣士と敵校の剣士が入場する。
「あちゃー、ありゃ相手が悪いな」
「おしっこ」
敵校の剣士は身長2mの巨漢。見るからに大将の風格を漂わせていた。後から聞いた話だが、彼は今までも数多くの大きな大会に出て記録を残しており、いずれも優勝。「日本最強」を自称する程だ。今回の大会にはあくまで己の高校への建前での出場である。それまでの試合でも、相手に一本も与えない完封勝ちでの決勝戦。
対してだ、その相手は無名の剣士。体格も小柄で華奢。とてもこの日本最強の相手が務まるとは思えなかった。
だがだ。
「えっ?」
敏晴は思わず声を漏らす。何故なら.....
「どっ..........ど、ど、胴一本!」
小柄な剣士が日本最強から一本を取ったのだ。開始1秒も経たない間にだ。日本最強自身も、ちょろい試合だと思って油断していたのか、唖然としている。誰もが日本最強の勝利を確信し、試合を軽く見ていたのに、小柄な剣士だけが、本気で向かっていたのだ。
「ばっばっばっ、馬鹿な!!」
日本最強が叫ぶ。それに対し、小柄な剣士がクスクスをほくそ笑む。
「まだ本気出さないの?日本最強(笑)さん?」
「野朗ぉぉぉ!!!!」
日本最強が突撃する。そして、目に見えないスピードにて鋭い斬撃を繰り出す。
「「「おおおおおおおぉぉぉ...........ぉぉぉぉお??」」」
誰もがそれとは別のものに驚愕する。小柄な剣士がその日強(略)の斬撃を紙一重でヒョイヒョイと避けてしまっているのだ。
「す、スゲー!!」
敏晴も心躍る。彼自身、現役時代は『刀避けのトシ』と呼ばれ、制限時間いっぱいまで敵から逃げ回り、引き分けに追い込むという卑怯な戦法を取っていた(その才能は後に良晴に受け継げられる)のだが、彼から見ても小柄な剣士は相当な実力である事が分かった。
「はぁ!!はぁ!!はぁ!!!」
「どうした日強(略)?息が切れてるぞ?」
「がああぁぁ!!!」
日強が必殺の上段を打ってくる。
「駄目だ。全然駄目だ」
一瞬の隙を狙い、小柄な剣士は中断から突きを打った。突きは真っ直ぐ日強の喉に直撃し、突っ込んできた日強の勢いも合わさり、凄まじい衝撃音がなる。
「がふっ.....」
そしてそのまま、日強は気絶。再度凄まじい衝撃音を立てながら仰向けに倒れる。
「つっ.....突き一本!」
この時、小柄な剣士の優勝が決まった。
日本最強相手に完封勝ちした化物の誕生である。
「凄いなあの子!えぇ〜と、名前は?」
敏晴はトーナメント表を見て、名前を確認する。
「かん、かい、ゆ、しょう、ろ、あま、たつ?」
「勘解由小路天竜よ!」
隣に座っていた少女が叫ぶ。
「君は?」
「私の名前は明智左ま.....いや、明智光!
天竜さんの婚約者よ!」
「はぁ」
その時、少女とは反対側に座っていた良晴の姿が見えなくなっているのが分かる。敏晴が慌てて見渡すと。
「お姉さん、いい身体だね。スポーツやってるおかげで全身が引き締まってる。少し触ってもいい?」
「何この子供?」
剣道部のマネージャーらしき女性をナンパしてた。
「こら!お前はしんちゃんか!!」
話は現代に戻る。
「いや〜。あの時の剣士がまさか先生だとは!」
「そんな昔話なんて.....」
相良邸、今日は家庭訪問だった。母の葉子が友人の結婚式に行ってしまい、代わりに偶然帰国していた敏晴が受け持っていた。
「そんでどうですかい先生!うちのヨシは!」
「はい。数学が壊滅的に糞ですね。
このままじゃ評定は1です」
「お前.....」
「そんな目で俺を見るな!」
成績の特に悪い良晴には地獄の時間だ。
「でも日本史の成績はいいんですよね。この間のテストも学年6位でしたし。でも、授業中は居眠りして、課題も全然出さないので、評定は4ですが」
「お前ってやつは.....」
「うぅ」
「それ以外はほとんど2ですね。あっ、でも、保健体育が性教育の分野だった時だけは4取れてましたね」
「駄目だなもう」
「もうやめて!俺のライフはもう0よ!」
良晴が発狂した。
その後も成績の話で父と教師両方からいびられ、地獄の家庭訪問タイムは継続していた。話が終盤に至った時だ。
「先生!この後、ご予定は?」
「いえ、訪問はこれで終わりなので、後は帰るだけです」
「夕飯食べていきなさい!」
「そうですね。お言葉に甘えて」
「おう、即答っすな」
「建前上の『悪いですよ。いいよいいよ。ではお言葉に』というくだりを省略したかったもので」
「建前ってハッキリ言っちゃったよ。やっぱ面白いな君」
「お父様には負けますよ」
「それも建前かい?」
「はい」
「はっはっは!!」
なんやかんやで天竜先生が夕飯を一緒する事に。天竜は家に電話をかける。
「あん?何言ってんだよ光。違ぇって!
"今回"のは浮気じゃねぇよ!
俺が嘘つく時は、逆に『女の家で食ってくる』って言うだろ!だからあんま心配すんなって!じゃな!」
携帯を切る。
「今回はって.....波乱な人生送られてるんですね」
「先生、教育者が不倫は駄目だろ」
「何を言う?不倫は文化だろ?」
「「..........」」
もう何を言っても無駄だと悟る相良親子だった。
「はっはっはっはっは!!
やっぱりそうだよな!
不倫は不健全じゃない!単なる男女交友なのさ!
やっぱ先生は分かってるよ!」
その上で敏晴が意気投合してた。
「母さんに殺されるよ?」
「バレなきゃ不倫じゃあないさ!」
「やっぱしてたんか.....」
その時、敏晴の携帯にメールが入る。
【私が帰ったら覚悟して下さいねあ・な・た♡
しばらく日本から逃しませんから♡】
「ぎゃっ!!!?」
「えっ、嘘!?監視カメラでもあんの!!?」
「お宅も大変っすね.....」
他人事とは思えない天竜であった。
それから、相良敏晴はこの勘解由小路天竜をえらく気に入り、彼が日本に帰国する度に彼を食事に誘った。時には彼の妻である勘解由小路光もだ。美人である光に鼻の下を伸ばす敏晴に対して、包丁を持ち出して葉子がヤンデレぶりを発揮する事もあった。
葉子と光も仲良くなり、光より『正しい包丁の使い方』をレクチャーするなど、女同士での交流も多かった。
.....包丁をどのように使おうとしているかは謎だが。
次第に、ただの教師家族と生徒家族の交流から、友人のような交流関係になってゆき、特に良晴には、天竜と敏晴はまるで親友のような間柄に思えたのだった。
なのに、天竜は敏晴を殺した。葉子を殺した。
古い剣のような凶器を用いて、良晴の前で惨殺。
これが良晴の失われていた記憶の一部。
「.........」
天龍は何故、この記憶を呼び覚ましたのだ。放っておけば、俺もここまで奴を憎まなかった。いや、逆か。むしろこれが目的なんだ。俺に奴を殺す理由を与えたかったんだ。
「あれ?」
良晴は思い出す。
「確かあの日、親父はジャカルタ出張に行ってたはずだ」
なのにあの日、敏晴は日本の我が家にいた。まるで天竜に殺される為だけにそこにいたように.....
俺は何かとんでもない思い違いをしてるんじゃないのか?そうでないとこの矛盾は説明できない。
「いや.....」
それは天龍を倒せば分かることだ。
それからでも遅くはない。
今は、目の前の"敵"に専念せねば。
賤ヶ岳の戦い。
柴田軍3万。良晴軍"12万"。
この勢力差だけで、勝家は負けたも同然の状態であった。だがしかし。
「何故3万しかいないのでしょう.....太閤殿下であれば、十数万の大軍を導入できたはずなのに.....」
良晴軍師、竹中半兵衛が言う。
「そんなのは簡単さ。勝家が奴の駒だからだ。遊んでるんだよ。勝家を利用してな」
「勝家殿が吸血鬼になるだなんて」
「..........」
今までの天龍は、その者が死に直面している時、その者が生を諦めた時など、死なせるには惜しいと感じた時に眷属を作った。まぁ、常陸で大量発生した吸血鬼達は例外としてもだ。今回は明らかにそれに値しない。
まるで俺をけしかける為だけに眷属にしたようだ。
問題はそれだけではない。
勝家の蜂起の賛同者が複数出たのだ。
その代表格が滝川一益。元織田家家老。
次が佐々成政。猛将佐久間盛政。いずれも強敵だ。
さらに前田利家。犬千代は現在、勝家の家臣扱いである為、彼女もやむを得ず柴田軍に加わっている。
勝家単体ならまだしもそのような厄介な連中が怒涛を組んでいるのだ。それに、良晴にとって滝川一益とは親友のような関係であるし、佐々成政とは肉体関係まで結んだ事がある。やりに難いったらありゃしない。
「何で一益や成政まで.....」
数日前。伊勢、長島城。
「それは真かてんてん太閤!?」
太閤となった今でも一益からは"てんてん"と呼ばれている。天龍も気にしていないので、そのまま呼ばせている。
「あぁ。本当だ」
「まさか.....陛下が」
一益に天皇が誘拐された事件を伝える。さらにその犯人がフランシスコ・ザビエルという宣教師の仕業であり、良晴をけしかけて戦争を起こさせたのも奴である事も伝える。
「噂ではあるが、良晴本人が犯人という話もある。天皇を幽閉し、その罪を俺に着せ、自らが天下人になろうと。むしろそっちの方が自然だ」
「まさか!」
「だが真実がいずれのものであるかは、本人に会わない以上分からん。不幸か幸いか、勝家が良晴の暴走を止める"協力をしてくれた"。お前にはそれに乗じて、同じく軍を出してほしい」
「ヨッシーと.....戦う?」
「俺の策略が計画通りに進めば、誰も不幸にならずに戦を終えれるよ。お前さえ協力してくれば」
「てんてん.....。分かった!姫もてんてんと共に戦うぞ!てんてんはどうするのじゃ?」
「俺はひとまず、この期に陛下を捜索するよ。安心しなお前のたった一人の家族だ。命がけで救ってみせるよ」
「ありがとな.....てんてん」
「ふふっ」
ちょろいな。相変わらずちょろいよ一益ちゃん。
これじゃあ3年前の繰り返しだよ。
利休と口裏を合わし、楢柴肩衝の"贋作"をプレゼントした。目利きの悪い一益は身近の利休等に聞く他なく、利休の虚言に完全に騙され、それを楢柴肩衝を本物と信じて疑わなかった。その上で利休に楢柴を取り上げさせた。後は楢柴を処分して証拠を消せば計画完了。織田家四天王の一人が織田離れした事により、繋がっていた織田家臣団の絆はプツンッと崩壊。皆が皆、疑心暗鬼になった。
後は九州征伐時に筑前国の秋月種実より本物の楢柴を強奪。それにより、真実は闇に葬られた。
それにだ。一益が天皇の双子の妹である事は調査済み。これをネタに十二分に利用ができた。それの機会が今回になって回ってきたのだ。
滝川一益は既に俺様の操り人形だ。
九州、肥後国。熊本城。
九州征伐の手柄で佐々成政に与えられた領地。だが、城作りを得意としていない彼女は未だ、熊本城の改築が出来ていなかった。
「私めが、越中に!?」
「あぁ、お前の元居城の富山城に戻り、勝家に追軍しろ。越前の後ろの上杉を抑えてほしい。まぁ、恐らく上杉は関東を狙うだろうから、上杉軍とかち合う危険性は少ないだろうがな」
「はぁ.....」
「今更だが成政よ。お前はどっち側だ?」
「え?」
「俺と良晴、どっち側だ?」
「..........」
「俺と良晴双方に股を開き、双方に恩義を売っているお前がだ。本心としてはどちらなんだ?」
「それは.....」
「どうする?俺が嫌であるならそれでいい。だが、このまま貴様を見逃すわけもない。敵としてここで処分する」
「そっ、その.....」
成政が多量の汗を流し、目があちこちに泳ぐ。
「ふふっ、分かってるよ。お前が『テン派』だろ?」
「はっ.....はい!!」
佐々成政とよく対にされる池田恒興。
この二人は天龍良晴と肉体関係を持つ。
だが好みというものもあり、この両殿下双方と肉体関係を結ぶ娘達は、天龍を好む『テン派』と良晴を好む『ヨシ派』に分かれていた。
「では、俺に協力するかね?」
「はい!」
「では池田恒興をこちら側に引き込めるかね?」
「.....えっ?」
「できるかい?いや.....やれ」
「はい!」
成政は深く土下座した。
「ふっくくく.....」
甘いよ成政ちゃん。この程度の脅しで屈服するなんてね。所詮は『馬廻』上がりか。戦上手であっても、新しい世ではろくに出世できんだろう。
史実で秀吉に殺されても仕方ないな。
でも、俺はそんな事しないよ?
何故なら君は俺の奴隷だから。
俺の可愛い可愛い雌奴隷だからね。
ふっくくくくくくくくく.....!!!
そして現在。北近江、長浜城。元は良晴の居城。しかし良晴が大坂城に移って以降は柴田家の領土及び城である。
「ふふっ」
「んっ、んっ、んっ、んっ、んんっ!」
「うぅ.....」
前田利家こと犬千代は気不味い表情で佇んでいた。
「どうした犬千代?お前も交ざるかい?」
「いい」
即答される。何故なら.....。玉座にどかりと座った"天龍の一物を勝家が奉仕するかの如く咥えていた"のだ。
「勝家.....」
かつての友を憐れみの表情で見つめる。
「無様なものであろう。通常の眷属に課せられる誓約は『主に逆らわない』という簡易なもの。元から俺に忠誠を誓ってる奴ならともかく、敵対してた奴だと、何かと誓約を掻い潜って俺の邪魔をしてこようとするから面倒なんだ。六の場合は特にな。だからちょいと"再教育"した。
これで六は俺の真の雌奴隷だ」
洗脳された勝家は天龍の犬となっていた。
「もうついて行けない。天龍、お前は異常。
お前のもとで戦うのは吐き気がする」
「ほう、寝返る気か!いいぞ、良晴のチ●ポがいいなら向こうのをしゃぶってくるがいい!んまぁ、奴の粗チンで満足であるのならな!」
「っ.....!?」
軽蔑の視線で天龍を睨みつけ、犬千代は踵を返してその場を後にしようとする。
「犬千代〜!」
「むっ.....?」
「俺は大将の器はあれど、裏切り者を許してやるような広い心は持ち合わせていないわけよ〜」
「何っ?」
天龍は邪悪な表情で言う。
「今度相見える際には、お互いちゃんと"生きた状態"で会いたいものだな!」
「なっ!?」
「"犬の晒し首"は何処に飾れば映えるかな?」
「つっ.....!!?」
犬千代は慌ててその場を走り去ってゆく。その表情は焦りと恐怖に満ちており、只ひたすら天龍から離れる事に専念していた。
「くひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!
誰もがこの俺を恐れる。皆が俺を恨む。
かつての天下の姫武将すら、俺様の慰め者。
最早姫武将は物語の要にあらず!
俺と良晴の物語のサブキャラに過ぎぬ!
主役の座は既に我らだ!
女が強い時代はもう終わりなのさ!
これ程愉快な事があろうか!なぁ、良晴!」
天龍は勝家の頭を掴んで無理矢理行為に及ぶ。
「んんっ!!んんんあ!!!」
「くひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!」
「いざ、進軍!」
総大将良晴の号令と共に、ついに始まってしまった賤ヶ岳の戦い。この戦は無事に鎮火するか、血で血を洗う地獄となり得るか、それは全て良晴の行動次第。
竹中半兵衛・黒田官兵衛両軍師を従え、戦闘隊長に山中鹿之介を置き、先鋒にはルーキーにしてエース、福島正則と加藤清正を配置。これら良晴軍団を基本とし、協力者となった織田、徳川、伊達、長宗我部、島津の軍を率い、柴田勝家に挑む。
「勝つのは俺だ!!」
だが、凶報は入った。
「中川清秀殿、討死!!」
「何っ!?」
織田家旧来の家臣であった清秀の討死。
「高山右近殿、討死!!」
「馬鹿な!!?」
同じく織田家旧来の家臣の右近の討死。
史実において、右近はこの戦で死ぬ人間ではなく、豊臣秀吉が天下人となった後、反日派の宣教師を秀吉に謁見させてしまった事で怒りを買い、バテレン追放例を引き起こす。その後、徳川家康よりマニラへ国外追放処分を受け、その地で死亡する。
既に大きく歴史の変わったこの世界で、更に歴史を変える出来事が起きてしまっているのだ。
「佐久間盛政軍が山中軍を急襲!!」
「山中軍、敗走!!」
「っ.....!!?」
鹿之介すら負けた。どうなっている!?
その時、官兵衛が馬で本陣に駆けてくる。
「良晴、体制を立て直すべきだ!今、佐久間盛政を黒田軍で全力で抑えている。でもそれも時間の問題だ!」
「ちっ!これは半兵衛と官兵衛が共同で考えた策略だぞ!一体何故こんなに劣勢に回るんだ!!」
「柴田勝家.....馬鹿だ脳筋だと下に見てきたが、ここまで戦上手だったとはね」
「いや、これは勝家じゃない。もっと別の.....」
その時だ。
「殿!敵の軍師の正体が分かりました〜!」
今度は半兵衛がポニーで駆けてくる。
「一体誰だ!こんな状況を作った奴は!?」
半兵衛は一呼吸置き、その名を言う。
「とっ.....藤堂高虎殿です!」
「藤堂高虎!?それってあの、常陸国で羽柴朧に付いて、3年間一度も常陸を落とさせなかった、あの!?」
「それとですが、美濃にて不穏な動きがあるようです。現在、偵察隊を送っているのですが」
「美濃?あそこは信澄が守ってるはずだろ。
まっ、まさか!信澄の身に何かが!?」
丁度その時、半兵衛が送った偵察隊が戻ってくる。しかし大分人数を減らしており、帰ってきた者らも傷だらけの状態なのが大多数であった。
「皆さん、どうされたのですか!?
すぐにでも治療を.....」
「治療など後回しで構いませぬ!
それよりも殿に至急でおお伝えすべき事柄が!」
「何だ?」
「津田勘十郎信澄殿謀反!柴田軍に寝返りました!」
「..........嘘.....だろ?」
最も予期せぬ事態が起きた。あの勘十郎が敵に寝返った。しかも、明らかに敵が不利の状況でだ。しかし、美濃が敵に落ちたと考えれば、旗色が悪いのはむしろ良晴軍である。
「シム。津田信澄の長女は豊臣秀長の長男と許嫁の関係。そこらへんが絡んでいそうだね」
「だからといって、この状況で裏切るなんて.....」
「どうでもいい!!!」
両兵衛の言葉を打ち消す。
「原因など、裏切りの理由などどうでもいい!
勘十郎が俺の敵になったのなら、打ち倒すのみ!」
「良晴!?」
「殿!?」
良晴は既に昔の彼ではなかった。
「俺の邪魔者は全て倒す!
天龍も!勝家も!勘十郎も!
.....この世に混乱をもたらす存在であるのなら、
俺自らの手で殺す!!」
相良夫婦には名前がなかったので、適当に付けてみました。
はてさて、作者自身もよく分かっていない新賤ヶ岳の戦い。三つ巴にも四つ巴にもなりそうな、メチャクチャ展開。ついてこれますか?
今ひとつ言える事があるなら、
一益ちゃんと六ちゃんごめんね。
次回予告
柴田勝家
〜鬼柴田、最後の奮戦〜