絶望に生きた覚悟の戦士が幻想入り   作:高月 弾

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弾 「はっはー!テストが死んだぜぇ!」
魔理沙 「へぇ、まぁドンマイ。正直お前のことなんてどうでもいいんだぜ。」
弾 「ガハ!(弾に精神的318のダメージ)弾は力尽きた。」
魔理沙 「あっ…死んだぜ…まぁこれなら本当の意味で死んでることになるし作者のいってることがちゃんと現実になったな!おっと茶番はここらへんにしといて、次はいよいよ私と悟飯が戦うぜ!さぁ!悟飯…さんの実力を見せてもらうんだぜ!」

では、どうぞ!



第6話 さぁ、始めようぜ!

魔理沙、霊夢、早苗、永琳、優曇華、そして、悟飯は永遠亭の庭に出てきた。

魔理沙と悟飯を除く霊夢たちは永遠亭の縁側のすぐそばに止まる。

魔理沙と悟飯はちょうど庭の真ん中の辺りまで歩いていき、お互いに対峙するように向かい合った。

庭といってもとても広く、自然公園等と言われても疑わないようなレベルの広さだった。

悟飯は久しぶりの外の空気を感じるように何回か大きく深呼吸をする。

その様子を見ていた霊夢達は、あのとき暴れていたことがまるで嘘のように見えてくるほどに感じた。

目を閉じていた悟飯が、やがてゆっくりと目を開く。

そしてストレッチを始めた。

すぐに戦い始めると思っていた霊夢は悟飯のその行動に思い描いていた予定とのずれを感じてペースが崩れていることに少しムッとしているようだ。

悟飯はかなり念入りにストレッチをしているようだが、魔理沙が少ししびれを切らしたように、

 

「な、なぁ悟飯…さん。ストレッチはまだかかりそうなのか?」

 

と質問してきた。

悟飯はそれを聞くとストレッチを続けながらすぐに、

 

「え?当たり前じゃないか、久しぶりに体を動かすんだからストレッチは入念にやらないと。魔理沙はもうストレッチとかは大丈夫なのかい?」

 

「あ、あぁ。私は魔法を使って戦うからストレッチとかは必要ないんだぜ。」

 

「へぇ~、魔法かぁ…俺は魔法とか見たことないからそれは楽しみだなぁ。少しワクワクしてきたよ。」

 

そう言いながら少し笑顔を見せる悟飯。

やはり霊夢達は、あの時暴れていた悟飯が本当に同一人物だとは思えなかった。

そう思いながらも悟飯がストレッチを終えるのを待っていると、ようやくストレッチをやめて魔理沙の方を向く。

そして深く頭を下げた。

 

「え?」

 

魔理沙達が少し驚いて声を漏らすがそのあとに悟飯は、こういった。

 

「よろしくお願いします!」

 

そういい終えたら頭をあげた。

少し遅れて魔理沙が慌てて頭を下げながら、

 

「こ、こっちこそよろしくなんだぜ!」

 

悟飯に返答した。

そして悟飯は武術の構えをとった。

魔理沙もスペルカードを構える。

が、その時、

 

「待ちなさい!」

 

霊夢が大きな声をあげる。

それに気づいた魔理沙と悟飯が霊夢の方を向く。

 

「なんだよ霊夢…これからってときに、」

 

「なんだよじゃないわよ。これは悟飯さんの力の確認と、スペルカードルールの説明よ?今は悟飯さんの力を確認する方が先決よ。」

 

そう言いながら悟飯の方を向いて、

 

「悟飯さん。力を解放した状態になってもらえるかしら?」

 

「…はい。分かりました。」

 

悟飯は返事をすると構えを解き、正面を向き拳を腰の高さに持ってくるように構えた。

そして一度大きく息を吐いた。

悟飯の目付きがいままでよりも鋭くなる。

その場の全員が、

 

(本気が来る!)

 

と確信した。

それほど目付きの変わった悟飯から放たれる雰囲気は変わり、回りに緊張と威圧感を与えるものにあっていた。

悟飯が拳強く握りしめる。

 

「はあぁぁぁぁぁぁ……」

 

悟飯が力を込める。

すると地面が大きく揺れ始めた。

まるで、青年異変の時に悟飯が力を解放した時のように。

そこで全員は改めて気づかされた。

 

(ご、悟飯さんが本気を出したら…本当に危険だ!それも私たちとかではなく幻想郷そのものが…!!)

 

大地そのものが、そして大気が悟飯の圧倒的な力によって揺るがされる。

その揺れはどんどん大きくなっていき、数秒でものに捕まっていないと立つことが難しいほどになっていた。

魔理沙も立っていられずに地面に手をつけていた。

 

「はあぁぁ!!!」

 

悟飯の叫びと共にかなり強い風が霊夢達に放たれた。

霊夢達はそれを受けるがなんとか踏ん張りその場に留まった。

悟飯の方を全員が見る。

するとあの時のように悟飯の体には白い炎のようなオーラが纏われていた。

が、青年異変の時よりもそのオーラは激しく、まさに燃え上がるような炎に見えるオーラだった。

その時、なぜか悟飯がわずかに顔をしかめる。

が、すぐにもとに戻り霊夢の方を向いた。

 

「これが俺の本気だよ。霊夢。そうしたらどうすればいいんだ?」

 

そう聞くと、霊夢が少し考えるように腕をくみ、右手を顎のしたに添え少し下を向いた。

 

「霊夢さん?何を考えているんですか?」

 

考える霊夢に疑問を抱いた早苗が霊夢に質問をした。

が、霊夢はそれが聞こえないのか返答せずに顔を少ししたに向けたまま黙っていた。

それから少しして、

 

「ねぇ悟飯さん。あなたまだ力を隠してるわよね?」

 

その台詞に悟飯を含む全員が驚く。

 

「…え?」

 

悟飯が思わず聞き直すが、

 

「私達と戦ったとき、あなたは最後に金色のオーラを纏っていたわ。それも最終局面のようなタイミングで。ということはあなたの本当の本気はあの時の金色のオーラじゃないのかしら?」

 

そう言いながら悟飯の方を少し睨む。

すると悟飯は右手で頭をかきながら、

 

「参ったなぁ、そこまで知られてたなんて。まぁそれなら見せないわけにはいかないなぁ。」

 

そういうと再び拳を腰の高さに持ってくる。

そしてわずかに重心を低くして力を込めるような体制をとる。

そして強く握りしめる。

すると、悟飯の回りの風が先程とはわずかに変わった。

先程までは殆んどなく、あってもわずかな風が悟飯を中心に回りに放たれるような風だった。

が、今度は風が先程よりも少し強く、悟飯の髪が風になびくように逆立つ。

それを見た霊夢、魔理沙の顔がこわばり、体がわずかに震え始める。

異変の最後の、悟飯のオーラが変わっていたときと同じような感覚になる。

二人は大きな絶望を思い出し、震えていた。

早苗もそのとき起きていなかったもののその様子に怯え始め、優曇華も同じように震えていた。

永琳は悟飯のことを警戒しながら庭を覆うように結界を張る。

悟飯の目付きが今までよりもより鋭いものに変わる。

 

「くっ…かっ…はぁぁぁぁぁあ…」

 

再び大地が、そして大気が震え始める。

が、先程や異変の時よりも激しくなっていた。

霊夢たちは永遠亭のどこかに捕まり何とか立っているが、魔理沙はあまりの揺れに立っていられなくなり片手を地面についてバランスをとっていた。

悟飯の方を見ると先程までの白いオーラが金色のオーラに変わっていた。

そして瞳の色が黒から碧に変わっていた。

全員がその様子に言葉を失っていたが、その時

 

【ズキンッ!!】

 

「ぐっ!?」

 

悟飯がふらつき、右手と右膝を地面につきしゃがみこむ。

それにあわてて霊夢達が悟飯の元に寄ろうとするが、足がすくんで動かなかった。

やっとのことで魔理沙が歩き始めた。

 

「どっどうしたんだ?悟飯さん…大丈夫か?」

 

すると、

 

「あぁ、大丈夫だよ。けど超サイヤ人になるのはちょっと無理そうだ。」

 

そういいながら立ち上がる。

まだわずかに痛みが残っているようで顔をわずかに歪めながらもう一度体制を立て直す。

そして、再び白いオーラを纏った。

 

「超サイヤ人になれないってどういうことかしら?それに超サイヤ人って…貴方はどこの国の人なの?」

 

霊夢が質問すると、悟飯すぐに

 

「あぁ、俺は一度だけ変身できるんだ。超サイヤ人ってのになるといまよりもスゴくパワーアップするんだ。どこの国って…パオズ山って所に住んでて、途中から町に移り住んだことしか分からないや…ごめんな?」

 

「そう…変身して、まだ強くなれるのね…」

 

そう呟くようにいいながらわずかに顔をうつ向かせる。

震えていた。

霊夢の体はその真実を受け入れたくないかのように体は小刻みに震えていた。

いくらやめろと訴えても言うことを聞かずに震えるばかりだ。

あれだけの力を持つ悟飯にはまだこれよりも上があるのだ。

そして霊夢にとっての一番の絶望はこの事だった。

(かなりパワーアップ…つまりまだ本当の力の50%ほどの力しか使っていないのだろう…いや、下手したら30%なのかしら…?)

 

この強さでさえ霊夢たちは圧倒された。

なのに悟飯まだかなりのパワーアップができるといったのだ。その計り知れない力に8割の力という予想など立たなかった…出てくるのは…その規格外の強さに見合う、絶望的なパワーアップだけだった。

が、たとえその超サイヤ人がどうであろうといまはいま見れる力を確認すべきだと判断した霊夢は顔をあげ悟飯に言った。

 

「…ふぅ…わかったわ。ならいまから弾幕ごっこを始めるわ!まず簡単なルールから説明するわ。」

 

霊夢が大きく声をあげた。

悟飯と魔理沙は霊夢の方を見つめ、早苗達も霊夢の方を向いた。

 

「まずスペルカードは三枚!そして、弾幕に三回当たったら敗け!または相手がスペルカードを使いきったら勝ち!」

 

「まっ待ってくれ!」

 

悟飯が待ったをかける。

 

「すっスペルカードってなんだい?そんなもの持ってないよ?」

 

「だから悟飯さんは自由に戦っていいわ。魔理沙に三回攻撃を当てたら…連撃はなしよ?計三回攻撃を当てたら勝ちと言うことでいいわ。」

 

「…わかった…。俺は弾幕に当たらずに三回攻撃を当てれば勝ちなんだね?」

 

「そうよ。魔理沙もそれでいいわね?」

 

「あぁ、大丈夫だせ!」

 

「ならルール説明は以上よ。なにか質問はある?」

 

悟飯と魔理沙の両者は共に無言で対峙する。

それを見た霊夢は足元の小石を拾い上げそれを顔の前の高さまで持ってくる。

 

「これが地面に落ちるのと同時に開始するわ。いいわね?」

 

静寂が流れる。

返答はないがそれはお互いに集中しているサインだ。

霊夢が石を手から離す。

早苗、鈴仙、永琳がその様子を見守る。

石が落ちるまでは短いはずなのだがそれが長く感じられた。

そして、石が…

 

【ザッ】

 

若葉に落ちる。

それの直後に魔理沙は箒にまたがり空中へと舞い上がる。

悟飯は白いオーラをさらに強め、まるで炎が燃え上がるかのような激しいオーラに変わった。

 

(この前みたいな強さ…いや、それより強いかもしれないなら…手加減なんてしてられない!)

 

すると魔理沙は服の中から一枚のカードを取り出した。

 

【魔符 スターダストレヴァリエ】

 

魔理沙が星形の弾幕を悟飯に向けて上から発射する。

どうやらこれがスペルカードというものらしい。

悟飯はそれをすごいスピードで上に躱した。

 

(やっぱり躱されるか……後のこと何て考えてられないぜ!始めから全力でいくぜ!!)

 

魔理沙がカードを悟飯の方に向けた。

カードから弾幕はまだ継続して出ている。

 

(スペルカードって言うのは発動したらしばらくの間弾幕がで続けるってことなんだな…)

 

そう思いながら迫り来る弾幕を紙一重で躱していく悟飯だが、徐々に逃げるタイミングがわずかに遅くなっていく。

なぜなら魔理沙が弾幕のスピードと密度を上げたからだ。

始めに躱されたあとのスペルカードは魔理沙の全力だ。威力なども上がっているため避けるのがだんだん難しくなってくる。

が、理由はそれだけでない。

 

(くっ…俺の世界じゃこんなに複雑で避けることの難しい気功波はないぞ!?すっすごい技術だ…)

 

そう思いながらなんとか躱していく。

が、少しして弾幕が悟飯の肩を掠める。

 

「くっ!?」

 

「!…捉えたぜ!!」

 

魔理沙のスペルが悟飯を捉えたようで弾幕が襲いかかっている。

タイミングもよく、悟飯のスピードでも躱せないはずだった。

が、目の前で驚くべきことが起こる。

 

【シャッ!】

 

悟飯が視界から消える。

 

「なっ!!?」

 

その事にその場に居た全員が驚き思わず声を漏らした。

辺りを見回すと先程とは全く別の場所に悟飯は飛んでいた。

始めに見つけたのは永琳だった。

 

「…っ!…あそこよ。」

 

永琳が悟飯のいる場所を指差す。

すると全員がその場所を見る。

そして、魔理沙はその場所に向かってスペルカードを向けた。

そしてまた驚くべきことが目の前で起こった。

悟飯はその弾幕に自ら突っ込んでいったのだ。

普通ならば当たってすぐ決着がつくのだが、悟飯は魔理沙に向かいながらも弾幕を正面から、しかも躱しながら突っ込んできたのだ。

その光景に全員は言葉を失った。

魔理沙だけはなんとか戦いの中で集中していたがそれでも動揺は隠せなかった。

どんどん迫り来る悟飯に対して逃げるように後ろに飛びながらスペルを発動し続ける魔理沙。

が、その速さは悟飯の方が圧倒的に速かった。

そして、

 

【バキッ!!】

 

悟飯は追いつき、魔理沙の箒の先端を下に向かって蹴りつける。

 

「うわあぁぁぁぁぁぁ!!?」

 

魔理沙は前回転をしながら箒と一緒に落ちていく。

なんとかふみとどまり地面に墜落せずに体制を立て直す。

が、スペルカードはいまの攻撃で効果を失ってしまったようだった。

 

「さっ…流石だぜ…私の全力の弾幕をこうも早い段階で攻略されちまうなんて…なら次はもっと別の戦い方を見せてやるぜ!!」

 

そういうと箒の後ろ部分が虹色の光を放つ。

 

【彗星 ブレイジングスター】

 

第2ラウンドが始まった。

 

 

 




どうも弾です。
もう一言です。3月18日(サイヤ)の日に投稿できてよかったぁ!
なんとか投稿できました。
特に言うこともないので、次回もよろしくお願いしますで終わらせていただきます。

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