という感じなので今回は早速本編に入ろうと思いますが、設定をここで話しておきます。
・未来悟飯
幻想入りする前に人造人間と戦い倒されるが、その際のダメージがあまりにも大きく、攻撃力、スピードが大幅にダウンしていました。
そして、幻想入りの際にわずかに弱体化しています。
と、こんな感じです。
それでは本編いきます!
「孫悟飯さん…」
鈴仙が孫悟飯のことを呼ぶ。
孫悟飯はそれに気づいて鈴仙の方を向く。
すると鈴仙は興味深そうな顔を孫悟飯に向けながら色々な質問をして来た。
「孫悟飯さんは、どんな世界にいたんですか?妖怪が人に認識されている世界を私は幻想郷しかしりません。なのですごく興味があるんですが…」
と鈴仙が期待して聞いてくる。
孫悟飯は答えようとするが疑問がいくつか浮かんでくる。
が、それは答えたあとに質問しようと判断し、質問に答えた。
「どんな世界…って言われても普通の世界?ですかね?地球と呼ばれる星に住んでました。都市の方はすごく発展していましたよ。妖怪は…基本的には田舎の方に住んでいたよ。」
と答えた。
すると鈴仙は納得したかのようなそぶりを見せた。
そして孫悟飯も自分の感じた疑問について質問する。
「ここが本当に隔離された世界ならなんでまるで様々な世界を知ってるけれど妖怪を認知されているのが珍しい、というような言い方をしたんですか?」
それを聞くと鈴仙は少し驚いた様子になるがすぐに落ち着いて。
「す、スゴいですね…まだ起きて時間もたっていないのにここまで状況を整理して、なおかつ一言一言を聞き逃さないでここまで考えを働かせるなんて…今までの人たちでそんな冷静でいた人はいませんでしたよ?」
と言った。
詳しく聞くと、幻想入りは度々起こる現象らしいが、そのほとんどが妖怪食べられたり襲われたりして命を落とすもので、運よく霊夢や妹紅と呼ばれる人に見つかり保護されても説明を受けて混乱してしまう人がほとんどだと言う。
だから、孫悟飯のように落ち着いて話を聞き、会話ができる人など今までいなかったようだ。
それを聞いた孫悟飯も納得した。
そして、孫悟飯の中である考えも浮かんだ。
(そうか…幻想入りは度々起こるのか。つまり、こちらの世界に確実ではないとはいえ入ることができる。ならこの世界から俺の世界に戻る方法もあるはずだ!)
そう思っていたとき、扉の開く音が聞こえる。
どうやら永琳が先程言った【説明する人】をつれてきたのだろう。
その永琳の連れてきた人物の姿を見たとき、孫悟飯は目を見開く。
その人は一人ではなく複数人だった。
「レッ…レイム……さん…。」
そう、永琳と共にいたのはレイムと呼ばれていた人物だった。
その姿を見た孫悟飯は固まってしまう。
同じように霊夢も動きがとてもぎこちない。
お互いに気まずい印象を持っていてるようだった。
そして、霊夢の後ろから更に二人の人物が出てきた。
「えっと…あなた達は、確か…。」
言葉が止まってしまう。
どうやら記憶のなかにはあるようだが完全には思い出せないらしい。
「あぁ、私は魔理沙。【霧雨 魔理沙】だ!普通の魔法使いだぜ!」
金髪の魔法使いのような格好をした女の子が、それに気づいたようで自己紹介をしてくれた。
それを見たもう一人の緑色の長い髪に辺に蛇のようなものを巻き付けている巫女のような人物が自己紹介をした。
「私は、【東風谷 早苗】といいます。よろしくお願いします。」
二人が自己紹介したのを見て、孫悟飯も自己紹介をする。
「ど、どうも。俺は【孫 悟飯】と言います。よろしくお願いします。魔理沙さん。早苗さん。」
と言った。
二人は少し驚きながらも少し安心したように安堵のため息をつきながら少し笑った。
すると、三人の様子を見ていた霊夢が少し間をおいてから、
「…私は、博麗の巫女 【博麗 霊夢】よ。」
と自分の紹介もした。
孫悟飯はそれに気づき、少し安心しながら、
「はい、霊夢さん、よろしくお願いします。」
と答えた。
そして少し空気が緩んだところで永琳が本題に入り始めた。
永琳が霊夢になぜ、孫悟飯をここに連れてきて治療させたかの説明を求めた。
すると霊夢は一度大きく深呼吸をしてから話始めた。
「あなたとの戦闘が終わったあと、私はあなたを神社に運ぼうとしたわ。…理由は、あなたを助けるつもりはなかったからよ。」
霊夢は相手のことを気にせずにあったことをそのまま話す。
魔理沙は呆れ顔で霊夢を見る。
そして少し心配そうな目で孫悟飯の方を見るが、孫悟飯はその話を目を瞑って聞いていた。
その光景に魔理沙は少しばかり驚いた。
「けれどもそのあと、あなたの記憶にあるかはわからないけれども、あなたはピッコロ?だったかしら?そのような人物に謝っていたわ。意識がなかったのに。他の人にも謝っていたようだけれども聞き取れなかったわ。」
「ピッコロさんに?」
「えぇ、…そして私に…私達にも謝っていたわ。ひたすらにすみませんでしたと。」
「……」
「…だから、私はあなたを一度治療してから話を聞こうと思ったのよ。これでいいかしら?」
霊夢は話を終えると手を上にあげ大きくのびをした。
すると孫悟飯も話を始めた。
「俺は…謝っていたのは…よく覚えていません。それどころか霊夢さん達と戦っていたときでさえはっきりとした記憶がないんです…かろうじて少しだけ覚えているだけで…」
「…つまり、戦っていたときも意識がはっきりとはなかったの!?」
霊夢が驚いたように声をあげる。
魔理沙と早苗も声まではあげていないが驚いているようだった。
「は、はい…そうでした…」
いきなり大きな声をあげたのに孫悟飯は少し驚きながら答える。
すると三人は信じられないとばりに首を左右にふる。
そして少し時間が流れてから霊夢が質問をする。
「…孫悟飯さん、どうしてあなたが幻想入りしたか…心当たりはありませんか?それとも…あなたに初めからあったあのひどい傷。…あれが関係しているんですか?」
霊夢はこの質問が孫悟飯に対して一二を争うほど重要な質問だと考えていた。
傷だらけであれほどの強さを持つものはあり得ないといってもいいだろう。
が、その圧倒的な力を持つ孫悟飯が初めて見つけたときから死んでいるのではないかと思うほどの重症をおっていた。
それが霊夢にとって恐怖でもあり最大の疑問でもあった。
その質問を受けた孫悟飯は顔をしかめ、拳を握るのが見えた。
それを見た早苗が、
「あ、あの…もしご都合は悪いようでしたら無理してお答えにならなくてもいいんですよ?」
と優しく言う。
が、孫悟飯は少し間を置くと、
「いいや…心当たりはあるから答えるよ…それが正しいかはわからないけど。」
と答えた。
がそれを言う前に孫悟飯はあることを述べた。
「あの…皆さん。意識が曖昧だったとはいえ皆さんのことをよく理解もせずにいきなり攻撃を仕掛けてしまってすみませんでした。」
孫悟飯は心から謝罪をした。
それを聞いた霊夢達はなにも言わずにただうなずいた。
それだけで孫悟飯には十分だった。
そして話そうと息を深く吸う。
その場にいる全員がその話を聞き逃さんと、集中する。
そして孫悟飯は話始めた。
「…俺の心当たりって言うのは…人造人間達との戦闘です。俺はその戦闘で戦って…負け、倒されました…。おそらくその時に受けた連続エネルギー弾が幻想入りの原因じゃないかと思います。」
そう話した。
霊夢達はその話を聞くと驚きを通り越して唖然とするしかなかった。
孫悟飯は強かった。
それも霊夢達5人がかりで挑んでもやっと勝てた、というレベルだ。
その孫悟飯が負けた。
複数人であったとは言え、あれほどの強さを持つ孫悟飯が負ける相手が彼の世界にはいるのだ。
それだけでも彼女達には衝撃的な言葉だった。
そして同時に幻想入りの理由も理解した。
「悟飯さん。おそらくそれが幻想入りの原因で間違えないと思うわ。」
「やっぱりですか。」
孫悟飯はうなずく。
そして霊夢は帰るために必要なことを話した。
結界をいじって元の世界に戻す必要があること、とりあえずその怪我を治すことを優先させること、そして怪我がある程度なおったらしばらくの間は霊夢の家である【博麗神社】に預かるということ、そして、
「怪我が治っても結界が直るまでは帰れない?」
孫悟飯はその部分だけ聞き直す。
「えぇ、あなたがこの世界に来た原因が負けた時に受けた攻撃なら、おそらく結界が不安定になってるわ。それを直すまでは元の世界には戻せないわ。」
その返答に孫悟飯はうつむいて拳を握る。
人造人間達との戦いがどれ程孫悟飯にとって辛いものだったか、早苗や魔理沙達にも痛いほど伝わってきた。
そんな時、魔理沙が発言をする。
「なぁなぁ、悟飯。もう体は大丈夫なのか?」
「あぁ、はい。鈴仙さんが薬を塗ってくれたお陰でかなり楽になりました。」
そういいながら鈴仙の方を見る。
すると鈴仙はあたふたとしながら、
「あれは、師匠が作ってくださった薬ですし私は塗っただけですよ。…あ、あと、鈴仙だと他のウサギ達と勘違いしてしまうので、やっぱり…【優曇華】と呼んでくれませんか?」
と答えた。
孫悟飯は、わかった、と答えると、優曇華は少し笑った。
その会話が終わるのを確認した魔理沙は、再び孫悟飯に向かって話始めた。
「もし、動ける余裕があるなら…悟飯…さんの実力を見てみたいんだぜ…!」
その台詞に霊夢と早苗が驚いて声をあげる。
孫悟飯もその台詞は予想していなかったようで声はあげないもののかなり驚いておるようだった。
「何をいってるの!そんなこと許せるはずないわ!!」
霊夢が声を大きく張り上げる。
怪我をした状態であれだけ大地を揺るがし、地面を砕くほどの力を見せたのだ、怪我を治しているいま、本当の力を見せたらどうなるかわかったものではない。
それを霊夢は警戒しているのだ。
早苗も一度孫悟飯に倒されている。
その恐怖をそんなにすぐ…いや、もしかしたら二度と忘れることはできないかもしれない。
「だけど…私は…見たいんだぜ…悟飯の…悟飯さんの力を!」
魔理沙はその意思を曲げるつもりはないらしい。
すると後ろから声が聞こえてきた。
「私も見たいわ。」
その声に振り向くとそれを言ったのは永琳だった。
永琳がそんな台詞を言うなど誰も想像していなかったようでその場の全員は驚いた。
霊夢がなにかを言おうとするがその前に永琳が、
「もし孫悟飯さんを幻想郷で過ごさせるなら本当の力を理解しておくべきじゃないの?」
「…っ」
永琳の台詞に霊夢は詰まる。
そして少し考えてから、
「はぁ…分かったわよ。ただし確認だけよ。あ、一応弾幕ごっこの説明もしておきましょう。相手は魔理沙がやりなさい。」
「なっ!?何で私が!?」
「あなたが言い出したのだから当たり前でしょ?」
霊夢の台詞に言い返せなくなる魔理沙。
悟飯はなにかを言おうとしたが、この世界に早く馴染むことを優先させようとあえて口を出さないようにした。
すぐにこの世界から元の世界に戻るつもりなのだが、悟飯は
(どうしてだろう…そしてなんだろう…この胸騒ぎは。)
なにかをこの世界で感じているようだ。
そして、魔理沙の提案を霊夢が承認してから数分が経過していた。
「孫悟飯さんはどのくらい動けるのかしら?」
霊夢が悟飯にいきなり話をふってきたので反応が少し遅れる。
「え?あぁ、まぁ全力は無理だけど7~8割のスピードなら出せると思います。」
(7~8割…それなら実力を見る分にも問題はないわね。)
「なら早速表に出て始めましょう。」
「れ、霊夢さんちょっと待ってください。」
悟飯がそれを止める。
霊夢は少し不機嫌そうにこちらを見るが悟飯の様子を見るとそれも消えたようだ。
回りも何となく察しがついたようだ。
「お、俺…服が、無いんですが…」
そう、悟飯の元々着ていた胴着はあまりにもボロボロで血にぬれていた。
そんな服を着続けるのは永琳達は許さないだろうことも。
もしかしたら捨てられてしまっているかもしれないことも。
「あ、悟飯さん。」
優曇華が悟飯に声をかける。
振り向くとそこには見覚えのある色が視界に飛び込んでくる。
「あ、あのインナー(?)とズボンだけですが姫様が直してくださいましたよ?」
それを見た悟飯は驚いて優曇華を見る。
そしていままでで見せなかった笑顔を向けて、
「ありがとう!本当にありがとう!」
そう言いながら優曇華と握手をする。
その様子を優曇華を含む全員が驚いていた。
((((あ、あんな笑顔見せる(んだな)((ですね))のね…))))
(ひ、姫が…働いただと…!?)
一人だけ別のことで驚愕しているようだったが。
悟飯は本体の上からその胴着を着る。
その色は誰が見ても派手と感じるものだった。
山吹色のズボンに、藍色に近い青のシャツ。
こんな服装は幻想郷で見たことない。
いままで幻想入りしてきた人たちでもこんな服は着ていなかった。
それを見ただけでも悟飯がいままでの人達とは違うことがわかった。
悟飯は立ち上がると、大きく深呼吸をした。
立ち上がった悟飯の体はいくらか大きく見えた。
「さぁ、お願いします。霊夢さん、魔理沙さん。」
どうも高月 弾です。
いやぁ、詳細を今ごろですみません。
もっと早めに出しておくべきでしたね…
他にもわからないとこらや説明が必要なんじゃないか?と思うところがありましたら教えてください。
分からないところはものによっては教えかねますが、説明が必要なところは前置きなどで説明させていただきます。
とうとう、魔理沙と未来悟飯の弾幕バトルですね!
個人的には幻想入りして初めての弾幕ごっこが一番好きなんですよね。
まぁ余談なんですけどね。
では次回もよろしくお願いします❗