はたして霊夢達は圧倒的な力をもつ未来悟飯に対してどのような戦闘をするのでしょうか?
霊夢達は霊夢が昨夜戦った跡地に着いた。しかしそこにはあの青年の姿はなかった。
「…いないわね。まさかあの傷でまだ歩けたの!?」
「霊夢。本当にそんなにひどい傷を負ってたのか?そいつは。」
魔理沙が半信半疑で霊夢に質問する。
アリスも同じことが言いたかったようで魔理沙が霊夢に聞くのと同時に霊夢の方を向いた。
霊夢は目を険しくしながら、
「えぇ…私と戦えたのが不思議なほどの大ケガよ。左腕もなかったしね。」
そういいながら霊夢の顔は少し暗くなっていた。
魔理沙とアリスはそのあまりの事実に固まってしまった。
なんとか口を動かすもその喉からは声は出てこない。
魔理沙とアリスはその現実に恐怖していたのだった。
霊夢もその二人の様子に気づかずに先に歩いていってしまう。
すると魔理沙は、
「…まっ…待ってくれ…!」
と声を絞りだしなんとか歩き始めた。
アリスもなんとか足を動かし始め歩いて霊夢たちのところに向かった。
三人が少し歩いていたとき、アリスがあるものに気づく。
「あれ?これって…」
そういいながらアリスは地面に落ちている…いや、付着しているなにかに触れた。
「アリス?どうしたんだ?」
魔理沙がそれに気づき立ち止まる。
すると霊夢も立ち止まり二人のことを見た。
「何かあったの?」
霊夢がアリスに問う。
すると、アリスは少し驚きながら、
「霊夢…血がここら辺に付着してるわ。」
「「血が?」」
アリスがそう答えると魔理沙と霊夢はすぐにその場所に駆けてきてその場所を見る。
するとそこには確かに血痕があった。それもまだ新しい。
「こ、これは恐らくあの青年の血ね。あれだけの怪我をしていたんだからすぐに血が止まるとは思えないわ。…だとしたら…」
そういいながら霊夢は別の地面に目を凝らす。
そしてなにかを探すように歩き始めた。
アリスは何を探してるのかすぐにわかった。
が、
「霊夢?なにしてるんだぜ?」
魔理沙はわかっていない様子で霊夢に聞く。
しかし霊夢はそれを聞かずに探すのを続けていた。
魔理沙は少しムッとしたがすぐに、
「……っ!…やっぱり…あったわ。」
そういいながら地面を撫でる。
アリス達もそこに移動する。
するとそこにはさっきの場所と同じように血痕があった。そして霊夢はあるところを見つめ始めた。
その理由は魔理沙にもわかった。
「…やっぱり…血の跡が点々と続いているわね…この先に、恐らくあの青年は居るわ…!」
そういうと霊夢の顔は今まで以上に険しく緊張し顔つきになった。
それを見た魔理沙達も顔を険しくさせさらに緊張し始めた。アリスと魔理沙は、
(…こ、この先に…)
(あの霊夢をここまで警戒させる相手が…)
そのような感情を持ちながら、霊夢の後ろについていく。
霊夢はその血の跡を辿りながら、
(…今度こそ…あの青年を倒さないと、幻想郷が危険だわ!)
そう決意しながら進んでいっていた。
そして少し広いところにたどり着く。
そしてそこには背の高くとても肩幅のある男の人がたっていた。
そしてその体は、至るところに傷がありそして血まみれだった。
が青年はその足でしっかりと立っていた。
「あ、あの人よ。」
霊夢がそういうと魔理沙とアリスは今までで一番緊張した顔つきになり青年の方を見た。
「あっ…あれが…」
「この…異変の、主犯…」
「そうよ。あの人が…とてつもない強さを持ったやつよ。」
そういいながら霊夢は一度目をつむり、深呼吸をする。そして再び目を開けたときその目には今まで以上の覚悟が秘められていた。
それを見た魔理沙とアリスも気持ちを入れ直し鋭い目付きで青年を見る。
すると、
【ヨロッ】
「え?」
青年がよろけた。
霊夢達はまだなにもしていない。
青年がなにもなしによろけたのだ。
それを見た魔理沙とアリスは驚く。
そしてなぜそうなったのか考え始めた。
(なんで霊夢をここまで動かすことのできるほどのやつがあんなにフラフラなんだ?)
(…なにか、違和感があるわね。霊夢の話を聞くととてつもなく強い相手のはずだけれど…なんでなんなによろけてるのかしら?)
そう思っている二人をよそに霊夢は札を構え始めた。
そして札に霊力を込め始めた。
それを見た二人は少し驚き、魔理沙はそれを少し信じられないと言う目で見ていた。
「れ、霊夢。まさか不意打ちから始める気か?」
魔理沙は霊夢がそんなことをするわけがないと思いながらも霊夢に問う。
すると霊夢の回答は二人の想像とは違うものだった。
「えぇ、そうよ。まともに正面から向かっていっても…あいつには勝てないわ…。」
それを聞いた二人は驚き思わず後ずさる。
無理もない。
幻想郷の中でもトップクラスの霊夢が3人がかりでも正面から当たったら勝てないといったのだ。
それもボロボロの相手に。
それほど相手の実力は圧倒的なものだと言うことなのだ。
魔理沙とアリスはあまりの真実に固まってしまう。
「魔理沙!アリス!
合図したら一斉にスペルを発動させるわよ!
準備しなさい!」
そういうと霊夢はスペルカードを取り出した。
それを見た魔理沙達は慌ててぎこちない様子でスペルカードを取り出した。
そして二人も力を込め始めた。
3人がスペルカードに力を込め始め、攻撃できる準備が整った。
そして…
「……いくわよ…!」
霊夢が集中力を最大にまで引き上げる。
それに合わせて二人も集中力を最大にまで引き上げた。
そして放とうとした。
そのとき、
「!?誰だ!!」
そう言いながら青年が振り返る。
それに驚いた霊夢達は瞬時に近くの木へと姿を隠した。
青年はそこに誰かがいたと言うことに気づくとゆっくりと構えをとる。
そして、
「はぁ…はぁ…そこにいることは、分かっているぞ…!…はぁ…出てこい!人造人間!!!」
そう言いながら一歩前へと足を踏み出す。
霊夢達は木の裏に身を隠したまま動かない。
傷だらけの青年はゆっくりと、一歩ずつ霊夢たちの方へと近づいてきた。
魔理沙とアリスが霊夢の方を見ると霊夢はあの青年に聞こえない、二人にギリギリ聞こえるぐらいの小さな声で、
「私が合図したらあいつに一斉にスペルを発動させるわよ。絶対に当てるのよ。」
そう言いうと霊夢は青年の方を向く。
そして左手を頭の高さまであげて…止める。
恐らくこれが合図をする用意なのだろうと二人はすぐに理解してその左手に意識を集中させる。
一歩…また一歩と、青年との距離は近づいていく。
青年がまた一歩踏み出した瞬間、霊夢の左手は降り下ろされた。
次の瞬間木の裏から霊夢が姿を表し、青年の正面にたつ。
そして、大きな声で叫びをあげる。
【宝具 陰陽鬼神玉】
霊夢がスペルの名前を叫ぶ。すると正面に大量の弾幕が展開される。
「!!!?」
青年はいきなりのことで反応しきれない。
すると、魔理沙達も遅れをとらないと言わんばかりに、
【魔符 スターダストレヴァリエ】
【蒼符 博愛のオルレアン人形】
木の裏から飛び出し青年の正面に出るとすぐにスペルを発動させた。
先程まで力を溜めていた分威力も通常時よりも高くなっていた。
その弾幕は真っ先に青年に向かっていきそこには大量の爆発が巻き起こる。
そしてその場所は戦塵でなにも見えなくなっていた。
「はぁ…はぁ。やったかしら…?」
そう言いながら煙の立つその場所に目を凝らして確認する霊夢。
「れ、霊夢?そんなに確認する必要ないんじゃないか?だって私たちのこれだけの弾幕を受けたんだぜ?これを食らって立っていられるやつはいないと思うぜ?」
そう言いながら霊夢の肩を叩く。
「そうね…少しやり過ぎた感じもあるしね。」
そう言いながらアリスは煙の方をチラッと確認する。
そのとき、霊夢とアリスは目の前の状況に釘付けになる。
二人の体は固まり動かなくなる。
魔理沙がその異変に気づき、
「お、おい!?霊夢!アリス!どうしたんだよ!?」
そういう魔理沙もなにかゾワッとするような恐怖を感じた。
そしてゆっくりと振り返る。
するとそこには…、
「ぐっ…はぁ!はぁ…ま、まだだぁ…」
青年の姿があった。
しかも倒れている姿ではなく立ち上がっていたのだった。
「そ、そんな…スペルは完全に決まってたはずだぞ!!なのに…なんで立っていられるんだよ!!?」
そう叫びながら一歩後ずさる。
「これで…おわりだ…人造人間!!」
そう言いながら青年は魔理沙に向かって飛び出していく。
魔理沙は驚きながらもギリギリのところでその突撃を回避する。
「霊夢!!アリス!!とにかくいまは戦うしかないんだぜ!!しっかりするんだぜ、!!二人とも!!!」
その声にはっとする霊夢とアリス。
意識を青年に集中させる。
そしてスペルカードを構えようとするがその前に、
「人造人間!!お前達はここで破壊する!!!」
青年が大きく叫びながらスゴいスピードで霊夢達に迫り来る。
アリスと魔理沙はそのあまりのスピードに反応が遅れてしまう。
が、霊夢はすぐに青年の方に構えた。
青年が霊夢に右手で早い連撃を仕掛ける。
霊夢はそれに反応しなんとかその攻撃を受けとめたり受け流していた。
その格闘は霊夢の普段の動きよりも確実に速いものだった。
魔理沙がそれに驚いている中、アリスは次の行動に移っていた。
【白符 白亜の露西亜人形】
青年に向かってスペルを放つ。
青年はそれに気づきすぐに攻撃をやめ後ろにとんでスペルを回避した。
(は、はやい!?)
魔理沙とアリスはそのスピードに驚き、慌てて青年の姿を目で追う。
が、魔理沙は青年のスピードを目で追うことすら難しいように見えた。
人間である魔理沙には青年のスピードはあまりにも速すぎるのだ。
アリスでも目で追うのが精一杯のようだ。
霊夢はなんとか青年の動きを目で追い、タイミングを計り通常弾幕を放っていた。
青年はそれを躱し、もう一度霊夢に向かって突撃していく。
再び青年が右手で乱撃を霊夢に繰り出す。
霊夢はそれを再び防御し受けたり受け流したりしてダメージを回避していた。
が、次の瞬間霊夢は予想外のことに驚いた。
【ドスッ】
「あぐっ!?」
霊夢の腹に一撃が入る。
霊夢はすぐに自分を攻撃したものに目を向ける。
それは…青年の足だった。
「くっ!」
いままでとは違う攻撃にすぐに反応できなかった霊夢は一度離れて距離をおこうとする。
しかし霊夢が離れようとするよりも青年が霊夢に迫るスピードの方が速かった。
霊夢はスペルを瞬時に発動させる。
【夢符 二重結界】
霊夢は前に結界を展開し防御する。
しかし青年は構わずに結界に向かって拳を突き立てた。
そして結界を何度も殴り付ける。
が、霊夢は結界でその身を守っていてダメージはなかった。
青年が攻撃に集中している間に魔理沙達はスペルの準備をしていた。
「くらえーーー!!!」
【魔符 ミルキーウェイ】
【操符 乙女文楽】
二人がスペルを発動させる。
そのスペルは真っ先に青年に向かって突き進んでいく。
青年はその攻撃に気づきすぐに霊夢から離れそのスペルを躱す。
そして青年は二人のいる方を睨む。
そして二人の方に手を向けた。
「はあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
青年の手のひらにエネルギーの塊が出てくる。
そしてそれを二人に向けて放つ。
そのエネルギー弾はスピードがとても速かった。
「なっ!?」
「し、しまっ…」
二人が躱そうとすぐに動き始めるが、少し走り出したタイミングでエネルギー弾が地面に辺り爆発を起こす。
「うっうわぁぁーーーー!!!」
「きゃあぁーーーーーー!!!」
二人が爆風で吹き飛ばされる。
そして木に激突しその場に落ちてしまう。
エネルギー弾の当たった場所は大きな焦げ跡が残っていた。
「魔理沙!!アリス!!」
霊夢が二人に叫ぶ。
すると、
「な…なんとか大丈夫だぜ…!」
「わっ私も…大丈夫よ。」
そう言いながら二人ともよろよろと立ち上がる。
いまの一撃でかなりダメージを受けたようだ。
そう思っている霊夢だが、そんな中でも一人だけ次の行動に移っている人物がいた。
「はぁぁぁぁぁ!!!」
青年が拳を振り上げる。
「しっしまった…!?」
霊夢は反応が遅れる。
結界も一度解いてしまっている。
それに、もう一度発動する時間もない、そして躱せる距離でもない。
(くっ!!)
霊夢は思わず目をつむる。
…痛くない。
なにも、どこにも痛みを感じない、そして、霊夢は目を開ける。
するとそこには見覚えのある顔があった。
肩にかかるくらいの白銀の髪、頭につけた白い冠のようなもの、そしてメイド服を身につけていた。
霊夢は目を大きく見開く。
「さ、咲夜!?なっなんでここに!?」
霊夢は驚いたように咲夜という人物に質問した。
「あれほどの爆発と焼け跡を見たら犯人を捕まえなければならないのは当たり前でしょ?それにお嬢様もそうしろといっていたのだから。」
そう言われ霊夢は咲夜の手から離れ咲夜の後ろに目を移す。するとそこにはかなり幼いが羽を生やした少女が立っていた。
「れ、レミリア!あなたも来てたのね。」
そう言いながら咲夜の方に向き直りお礼をいった。
「当たり前よ。あれほどの焼け跡を見たらほおっておけないわよ。」
そう言いながらレミリアは青年の方を睨む。
「あれは孫悟飯という外来人よ。」
その言葉に霊夢は少し驚く。
自分で外来人の可能性があるとは言ったものの実際にそう言われると驚き、信じられないようだった。
それもそうだ。
外来人がこれほどの力を持っているなんて普通ならばあり得ないことなのだから。
そんなことを考えていたが、その時、
「くるわよ!!」
レミリアの叫びに全員が反応し、構え直す。
すると孫悟飯は大きな声をあげながら右手にエネルギーをためていた。
そして、
「だあぁぁぁぉぁぁぁぁああ!!!!」
右手からエネルギー弾をそこにいるレミリア達に向かって放つ。
全員がそれにすぐに反応しその場から離れ攻撃を回避する。
「レミリア!!はじめから全力で行きなさい!!」
「そんなこと言われなくても分かってるわよ!!」
そう言いながら孫悟飯よりも高い位置から二人がスペルを構える。
孫悟飯は声のした方を振り向く。
すると霊夢とレミリアがスペルを発動させる瞬間だった。
【霊符 夢想封印】
【紅符 スカーレットシュート】
二人のスペルは孫悟飯のことを完璧にとらえていた。
普通ならば完璧に直撃している弾幕だ。
そしてその弾幕は孫悟飯に直撃した、
となるはずだった。
が現実はそうはならなかった。
「はあぁぁ!!!」
孫悟飯は右手に瞬時にエネルギーをためて放った。
孫悟飯の放ったエネルギー波はその弾幕を突き破っていく。
「「なっ!!?」」
二人は驚いて目を大きく見開く。
が、エネルギー波は途中で弾幕と相殺した。
しかしエネルギー波は確実にその弾幕に大きな逃げ道を作っていた…いや、霊夢とレミリアに続く攻撃の道といった方が正しいだろう。
孫悟飯はそのエネルギー波でできた弾幕の穴をすごいスピードで突き進んでいく。
霊夢達は驚いたせいで隙ができてしまう。
「お嬢様!!」
「霊夢!!」
咲夜と魔理沙が二人に向かって叫ぶ。
その声で二人は我に帰り目の前をすぐに確認する。
しかし、先程まで弾幕で狙っていたところに孫悟飯の姿はすでになかった。
すると真後ろに何者かの気配を感じる。
とっさに二人とも振り返るが孫悟飯はすでにその右手を振りかぶっていた。
(ま、まずい…)
(ここままじゃ…霊夢ともどもやられる!?)
そう思った次の瞬間。
【開海 モーゼの奇跡】
どこからかスペル発動を宣言する声が聞こえてくる。
すると、弾幕がそこに展開されて孫悟飯に襲いかかる。
孫悟飯はそれにすぐに気づきその場から離れる。
「お二人とも大丈夫でしたか?」
そう言いながら白い巫女服をまとった緑色の髪をなびかせる少女が降りていた。
「さ、早苗も来たのね。」
「はい。加奈子様と諏訪子様に行けと言われてしましまして…それに、あれだけのことが起きているのにじっとなんかしていられませんよ。」
そう言いながらお払い棒を構える。
「そうね…まぁ人が増えてくれることは嬉しいけれどもね。」
霊夢がそう言いながら札を構える。
その台詞に少しキョトンとした様子で早苗とレミリアが霊夢を見る。
「ちょっと…なによ?」
「い、いえ…あの霊夢さんが…」
「そんなことを言うなんて少し驚いたわ…」
レミリアと早苗は本当にそれを珍しそうな目で見ていた。
「そ、そんなにかしら?
…まぁどうにせよ…相手がそれほど手強いってことでしょうね。」
そしてさらに上を見つめる。
その視線の先には孫悟飯が空を飛んでいた。
霊夢達は一度地面に戻った。
すると孫悟飯もゆっくりと降りてきて、地面に片足ずつ着地した。
お互いが対峙するかたちになる。
お互いに動かずに静寂が続く。
………どれだけの時が経つだろう、さほど長くたっていないはずの時が異常に長く感じられた。
突然静寂は破られる。
【奇術 ミスディレクション】
咲夜がスペルを発動する。
孫悟飯の前には突然何百もの数のナイフが展開される。
そしてそれは一斉に孫悟飯にを貫こうと迫ってきた。
が、
「でやあぁぁぁぁぁ!!!」
孫悟飯は思いきり力を込めた叫びをあげると孫悟飯の体からとても強い風が巻き起こり、ナイフを全て弾き飛ばした。
そしてその風は霊夢達のところにもすごい勢いで到達した。
【ゴオォォォォォォオオ!!!】
おもすごい轟音をたてながら風は孫悟飯を中心に全方向へとはなたれた。
「なっ…何て風なの…これが彼の能力?」
「そんなことはいいわ!それよりも…この風…強すぎて行動しにくい!!」
そう言いながら全員の顔を見る。
「れ、霊夢!前!」
魔理沙の言葉にすぐ前を向く霊夢。
するとすぐ目の前にまで孫悟飯が迫ってきていた。
霊夢はすぐに札をつきだし、
【夢符 二重結界】
霊夢はすぐにスペルを発動させて防御の体制をとる。
が、青年は前から姿を消した。
そして風が収まる。
「え!?」
霊夢達は驚き辺りを見回す。
そして霊夢達は自分達より5mほ後ろにど離れたところに孫悟飯を見つけた。
孫悟飯は拳を握りしめてなにかをするような様子だった。
「!?皆!何かする気よ!!いつでも逃げれる準備と守る準備をしなさい!!!」
そう叫びながらすぐにスペルと札に霊力を込め始める霊夢。
それを見た他の全員がスペルや自分の武器に力を込め始めた。
そして、孫悟飯も動いた。
拳を握る手にさらに力が入る。
「はあぁぁぁぁ……」
孫悟飯がどんどん力を高め始める。
すると、大地が…揺れ始めた。
「な、なんで地震がこんなタイミングの悪いときに!?」
「小さいから問題ないんだぜ。」
そう言いながら力を込めていくが、段々その揺れは大きくなっていく。
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁ…!」
孫悟飯の声も段々と大きくなっていく。
そして、孫悟飯の体から白色の炎のようなオーラが出てきはじめた。
「な、なんなんですか!この揺れは!?」
「こ、この揺れ大きすぎないかしら!?」
咲夜とアリスが段々と不安にかられていく。
無理もない。
この地震はすでにかなりの大きさになっているのだから。
早苗も不安にかられそれが思いきり顔に現れていた。
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…!!」
孫悟飯の出す白色のオーラがどんどん荒々しく、大きくなっていく。
それと比例するように大地の揺れがどんどん大きさを増していく。
そして、孫悟飯の立っているところの大地が壊れ始めた。
【バキバキバキッ!】
「「「!!!??」」」
その場の全員が驚き、驚愕する。
孫悟飯の足が大地にめり込みその分足の周りの大地が飛び出てくる。
「しっ…信じられないわ…本当に人間なのかしら…?」
レミリアも少し恐怖を感じながら言葉を漏らした。
霊夢も顔に恐怖を浮かべながら、
「だっ大地だけじゃないわ…」
空を見上げながらそういう。
「大地だけじゃない?どういうことですか?」
早苗が質問すると霊夢は小さい声で答えた。
「…大地だけが揺れてるんじゃなくて…大気すらが…孫悟飯によって揺るがされてるのよ…」
その真実に全員が思わず声を失う。
そんなとき、
「はああぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!」
なにかが爆発したような音と同時にさっきとは比べ物にならない風が霊夢達を襲う。
恐怖に飲み込まれていた霊夢達はそれを受け止めることができずに吹き飛ばされる。
「きゃあぁぁぁぁ!!!」
全員が木に激突する。
少しよろけながら立ち上がり孫悟飯の方を見る。
するとそこには白色のオーラを荒々しい炎のように纏う孫悟飯の姿があった。
「…仲間をいくら増やそうがもう負けはしない…!」
そう言いながら霊夢達を睨み付ける。
「これで終わりだ!人造人間達!!!!!」
どうも、作者の弾です。ついに本格的な未来悟飯と霊夢達の戦いが始まりました。
当初は一話で終わらせようかと思っていたんですが予想よりも文が必要でしたw
まぁ一話で終わるよりもそっちの方が良さそうなのでそうしました。
恐らく次回で決着がつきます。
また遅い更新となると思いますが、次回もよろしくお願いします❗