絶望に生きた覚悟の戦士が幻想入り   作:高月 弾

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皆さんお久しぶりです!
受験も無事(?)終わってここに帰ってくることができました!!
正直戻ってくるのに大変苦労しました…
まぁそれに関してはあとがきで説明させていただきます!
やっと投稿を再開できますことをとても嬉しく思います!
待っていてくださった皆様、大変遅くなりましたがこれからもよろしくお願いします!
それでは本編を…どうぞ!


第18話 破壊を楽しんでんじゃねえぞ!悟飯怒りの咆哮

「…なっ、何よ今の光と爆発音は!?さっきから紅魔館の方から爆発音が聞こえてるけれど…何があったのかしら?」

 

「シャンハーイ…」

 

アリスは不安に煽られながら、走って紅魔館へと向かっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なっ…何て威力なんだぜ…わっ、私自身がマスパの威力でコントロールを失うなんて…」

 

魔理沙は信じられないとばかりに自分の手を見つめる。

それもそのはず、マスパは魔理沙がもっとも愛用するスペルでありそれだけあって他のスペルよりも繊細なコントロールが可能だった。

がそのスペルのあまりの威力のせいで自身が吹き飛ばされそうになるなど魔理沙のもっとも火力のあるスペルであってもないことだった。

つまり

 

(悟飯との修行で自分が想像してるよりも鍛えられたってことなのか?そんな…あくまで基本的なことばかりやっていたはずなのに…!)

 

そう思いながら正面を見る。

すると正面の大地は大きく削られてまるで悟飯が霊夢と戦った初めの大地の抉られた場所のようになっていた。

魔理沙が半ば放心状態でそれを眺めているとどこからか声が聞こえてきた。

 

「魔理沙!美鈴は!?」

 

その声の主はレミリアだった。

レミリアは不安に染まる顔を魔理沙に向けながらそう叫んでいた。

魔理沙も先程フランを捕らえたままだった美鈴のことを思い出す。

慌て手当たりを見回すがどこにも美鈴の姿は見当たらなかった。

が、空から何かが羽ばたくような音が聞こえてきた。

その音にその場にいる全員の背筋が凍りつく。

恐る恐る上を見上げるとそこには…ぐったりとする美鈴の襟を掴みながら飛んでいるフランがいた。

襟を捕まれた美鈴はピクリとも動く様子はなかった。

それに全員が驚いているとゾッとするような声が聞こえてきた。

 

「あ~あ…魔理沙があんな変なスペル撃つから美鈴が遊ぶ前に壊れちゃったじゃん。」

 

そう言いながら美鈴を自分の前へとまるで捨てるように放り投げる。

すぐに魔理沙が箒に乗って美鈴が地面に激突する前に受け止める。

すぐに安否を確認するがどうやら息はあるようでダメージを受けすぎて気絶してしまったようたった。

 

「め、美鈴…ごめんな。私がもっとちゃんと自分の力を把握していればこんなことには…っ!」

 

唇を噛み締めながら美鈴を地面に寝かせて立ちあがり、フランを睨み付ける。

そして左拳を握りしめながら八卦炉をフランに突きつける。

それでもなおフランは狂気の笑みを見せながら魔理沙を見下す。

魔理沙の瞳にも怒りが宿る。

以前の異変の敵だった程度の関係でしかなかったはずの魔理沙だがその心には確かに美鈴の敵を討つと言う使命感が沸き上がっていた。

異変を起こした敵でも宴会を通して水に流すのが幻想郷のやり方だった。

それでも仲良くなるなど中々ないことだった、魔理沙と美鈴も例外ではなかった。

しかし今のたった僅かな共闘の意志が二人の関係を変えていた。

魔理沙は大きな叫び声をあげながら箒に股がりフランに向かってフルスピードで突撃していく。

 

【彗星 ブレイジングスター】

 

魔理沙のスピードはからに加速し、一瞬のうちにフランとの距離をつめる。

フランはその恐ろしいスピードに反応が遅れて回避行動をとるが…

 

【ガスッ!!!】

 

「いだ!!」

 

回避が間に合わず攻撃を掠めてしまう、しかもその威力はすさまじく僅かに吹き飛ばされる。

フランはすぐに体制を立て直し、魔理沙を睨み付ける、

すると魔理沙は大きく旋回をしていた。

なぜそこまで大きく旋回するのか疑問に思うほど大きく。

 

(ぐっ!ブレイジングスターもスピードもパワーも跳ね上がってるけど…やっぱり異常なほど制御が効きにくい!!こ、ここまで強くなるなんて…っ!)

 

そう思いながら全身の力を込めて箒を傾けて目標をフランにセットする。

かなりの距離が開いてしまっていたが今の魔理沙のブレイジングスターならばそれも短時間で接近することが可能だった。

再びブレイジングスターがフランへと襲いかかる。

が、今度は魔理沙のブレイジングスターをこちらに迫るまで観察してタイミングを計っていたフランは当たる直前に先程のように無数のコウモリとなり躱した。

さらに無数のコウモリとなることで魔理沙の視界を一瞬だが隠した。

これが最悪の結末を導きだした。

視界を奪われた魔理沙は眼下に広がる大地に気づくのがわずかに遅れ対応するのもそれにつられてわずかに遅れてしまう。

急いで上昇しようと箒を上に向けて傾けるが無情にも箒地面に激突してしまい魔理沙も地面に大きくバウンドしてしまう。

箒の先端は折れてしまい魔理沙自身も地面への衝突で大きなダメージを負ってしまった。

うつ伏せに倒れる魔理沙のもとにフランが降り立つ。

魔理沙はなんとかフランと戦おうと体制を立て直そうとするが、全身を打ち付けてしまったせいで全身に痛みが走り動けない。

 

「なぁ~んだ。せっかく楽しめそうだったのに魔理沙も簡単に壊れちゃうんだ。ダッタラモウイラナイヤ。」

 

そう言いながら手刀を自分の上へ掲げる。

 

「やめてフラン!!お願いだから!!」

 

レミリアの悲痛な叫びも今のフランにはまるで聞こえていないようだった。

魔理沙の耳にはレミリアの声や、悟飯の叫びも聞こえていた。

が、体の痛みで本当になにもできなかった。

それが死ぬほど悔しかった。

 

(せっかく悟飯に修行をしてもらって…せっかく強くなったってのに…こんな…使いこなせないで、自分の力に振り回されて負けて…挙げ句の果てにフランに殺されるなんて…)

 

動けぬ魔理沙を見つめながらフランは手刀を突きつけた。

はずだったが、そこには魔理沙の姿はなくフランの手は地面に突き刺さっていた。

フランが顔をしかめながら辺りを見回す、すると空を飛んでいる魔理沙を見つけた。

いや、空中に浮かんでいるといった方が正しいだろう。

なぜなら…

 

「こ、これは人形?…ってことは!!」

 

すぐに辺りを見回すとやはり魔理沙の予想した人物がいた。

それはアリスだった。アリスの回りにはいくつもの人形が浮いていてその手には小さな槍が握られていた。

魔理沙が空中に浮かんでいるのもアリスの小さな人形たちが魔理沙を抱えながら飛んでいるからだった。

 

「アナタモアソンデクレルノ?デモヨワソウダカラスグコワレチャッテモショウガナイヨネ?」

 

背筋が凍りつくかのような恐ろしい声でフラン話しかける。

アリスはあまりの恐ろしさに身震いをするがすぐに笑みを作り、

 

「あまり甘く見ない方がいいわよ?」

 

そう言いながら手をフランに向けて伸ばすと回りの人形たちが一斉にフランに向かって突撃していった。

フランは狂気の笑みを浮かべながらその人形たちに突撃していく。

人形が槍を振りかぶるがそれよりも早くにフランが人形の首を切り裂き、二つに分断してしまう。

中にはフランに向かって降り下ろせるもの、突きだすことのできたものもいるがそれでも躱されてしまい首を的確に切り裂かれていた。

アリスはフランに対して当然逃げにくいように人形を使っているのだが、それに関わらずにフランはすべての人形を的確に…いや、力任せに躱していくだけでなく確実に再起不能にして行く。

フランはその圧倒的な身体能力で技能を補い、アリスに対して圧倒的なほどの力のさをうみ出していた。

 

「なっ、速すぎる!?」

 

フランはたった数秒で30M(㍍)ほど離れたアリスに接近してしまう。

上海がすぐにアリスをフランから守るために間にはいるが、すぐにフランに弾き飛ばされてしまう。

そしてフランの手がアリスの懐へと迫り来る。

 

「やめろーー!!!!フラーーーーーーン!!!!!」

 

【ドスッ‼】

 

悟飯の叫びも虚しく、アリスの腹部にフランの爪が突き刺さる。

魔理沙やレミリアの悲鳴が辺りにこだまする。

が、その声は全く悟飯の耳には届いていなかった。

悟飯には目の前に起こっている視覚による情報しか入ってこなかった。

フランの攻撃を受けてお腹から血を流しながら倒れるアリス、それにより魔理沙を支えていた人形が力をなくし地面に落ちおぼつかない足取りでアリスへと向かう魔理沙、倒れたままの美鈴、目を覚まさない咲夜とそれを抱き抱えるレミリア。

そして、大きな風穴の空いてしまった紅魔館。

全ての映像が悟飯の中である映像と重なりあう。

掌からエネルギー波を放ち建物を次々と破壊していき、また時には車にのって人を轢き殺すというゲームをして遊んだり、時にはピストルで相手が動かなくなるまであえて急所を撃ち抜かずに嬲り殺しにする。

そんなような彼の最も許しがたい人物が作り出した世界と重なって見えたのだ。

そう、あの【人造人間】達の地獄のような世界と…

悟飯はゆっくりと立ち上がる。

レミリアはその様子に気がついたが魔理沙は見えていないようだった。

魔理沙はフランの足元で倒れるアリスの下へとフラフラになりながらも歩いていく。

レミリアはその立ち上がる悟飯の様子が先程と明らかに違うことに驚きと恐怖を感じていた。

まるで本能が全身に逃げろと警告しているかのようなものだった。

 

「…破壊を…」

 

その声に気づきフランも振り返る、が悟飯を見た瞬間全身に鳥肌がたつ。

そしてすぐに悟飯に向かって弾幕を放った。

 

「破壊を楽しんでんじゃねえぞおおーーー!!!!!

うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!!!」

 

悟飯の激しい叫びと共に金色のオーラとまるで嵐のような爆風が巻き起こる。

爆風によってフランの弾幕は掻き消され、悟飯の立っていた地面は悟飯を中心にヒビが伸びていた。

その爆風はフランのみならず辺りにいた人(?)達全員を吹き飛ばした。

全員が悟飯の方を見つめる。

悟飯の姿は今までとは全く違うものになっていた。

髪は逆立ち金色へと変化し、瞳の色も碧へと変わりオーラも金色になっていた。

そしてなによりレミリア達が驚いていたのは目付きだった。

とてもあの甘さのある【あの悟飯】だとは思えないほど鋭く殺気のある目付きになっていたからだ。

そしてその悟飯を見た魔理沙はあることを確信した。

 

(そうか、あれが超サイヤ人なんだ。悟飯の言っていた…ま、まさか変身しただけで永遠亭で見せた本気なんかよりも遥かに強い風が巻き起こるなんて…それに…怖い。【あれ】には絶対に勝てない…それほどの強さと…殺気を感じる…)

 

フランが吹き飛ばされて激突した木から飛び出して悟飯にすごいスピードで迫り来る。

そして悟飯の顔に向かって思いきり手刀を突き出した。

が、そこには悟飯の姿がなく手刀もただ空を裂くだけだった。

思わず目を見開くフラン辺りを見回して探すとアリスの倒れている場所に悟飯が立っていた。

一瞬驚きはしたもののすぐに狂気の笑みを浮かべると再び悟飯に向かって飛び出していき手刀を降り下ろす。

 

【ビシュッ‼】

 

先程と同じようにフランの目の前で悟飯の姿は消えてフランの手には全く手応えがなかった。

フランの表情には怒りが表れ強く歯軋りをする。

次に悟飯はレミリアの前に表れていた。

腕には、アリス、魔理沙、美鈴を抱えながら。

 

「えっ…あ…」

 

「皆を頼む。魔理沙も、もしできるならレミリアを手伝って。」

 

そう要件だけを伝えてその場から消えてしまった。

レミリアは悟飯を止めたかった、手を伸ばした。

けれど、その手の先には誰もいなかった。

なぜなら、

 

(ダメ…そっちに行ったらもう戻ってこれない…そんな気がする…!)

 

今度はフランの目の前に悟飯から現れた。

フランは悟飯に対して恐怖を覚えていた。

悟飯の全身から感じられる殺気はフランの生きてきた中でそれと比較できるものなど存在しないほどのものだった。

今までにないほどの恐怖、しかしそれと同時に今までに体験したことのない感覚にフランの感性は大きな刺激を受けていた。

怖い、壊したい、殺したい、戦いたい。

様々な感情が流れる中で、フランは狂気に満ちた満面の笑みを浮かべながら悟飯に対峙する。

それがさらに悟飯の怒りを加速された。

 

「貴様だけはもう許さないぞ!!」

 

「ヤットタノシメルネ、ゴハンオニイチャン!」

 

フランがそう言いながら右手を振り上げる。

 

【ガシッ!!!】

 

「なっ!!?」

 

悟飯はすでにフランの正面には居ず、フランの背後に回って振り上げた右手をつかんでいた。

 

「いい加減にしろよ?いったいどれだけ破壊を繰り返せば気がすむんだ…!」

 

フランはすぐに手を振り払い、左手を胸に向かって突き立てる。

が、その爪は全く体に突き刺さっていなかった。

 

「俺は怒ったぞお!!!!!フラーーーーーーン!!!!」

 

悟飯が気を解放する。

その気の爆発力にフランが吹き飛ばされる。

それにすぐさま追い付いた悟飯がフランの足を使い思いきり地面に投げ飛ばす。

フランはそのあまりの風圧に体制を立て直すことができずに、地面に思いきり叩きつけられ大きなクレーターができる。

その様子をレミリアと魔理沙は言葉を失ってただただ眺めることしかできなかった。

フランが地面から無数の小さなコウモリとなってで来る、そして悟飯の目の前でフランの形になった。

フランが両手の手刀で高速の突き、斬撃を繰り出してくる。

が悟飯はそれを全て紙一重で躱していく。

フランの攻撃はレミリアや魔理沙にとってもはや対応できないほどの速度になっていた。

しかし、それを悟飯は完全に躱すことができていた。

 

「…スゴイネ、デモマダダヨ!!」

 

【禁忌 レーヴァテイン】

 

フランがスペルを発動して手に炎の剣が出現する。

それを悟飯に向かって振り回す。

剣の斬撃だけでなく振り下ろされたあとに繰り出される弾幕によって先程よりも躱すことが難しくなっていたのだが、それさえも悟飯は全くダメージを受けないで紙一重で躱し続けていた。

レミリア達がその光景を見て唖然としていると、どこからか呻き声のようなものが聞こえてきた。

急いで声の方を振り向くとそこには意識を取り戻した美鈴が頭を押さえながら四つん這いになっていた。

 

「美鈴!!」

 

レミリアはすぐに美鈴の下へ行き、咲夜の隣に座らせた。

 

「あ、ありがとうございますお嬢様。すみません。私の不甲斐ないばかりに妹様を止めることができなくて…」

 

そう言いながら俯く美鈴にレミリアは

 

「いいえ、よくやったわ。あなたは十分役割を果たしてくれたわ。美鈴。」

 

と言って美鈴の手に自身の手を添えた。

美鈴はその事に驚きながらもすぐに笑みがこぼれた。

その直後目を見開き空を見る。

その目線の先にはフランと悟飯が激しい…いや、フランの激しい猛攻に対して恐ろしいほど落ち着いた様子で攻撃を躱す悟飯の姿があった。

 

「なっ…!?」

 

「すげぇよな…超サイヤ人って言うらしいんだが、あのフランの攻撃が一切当たらないなんて反則もいいところだぜ。」

 

そう魔理沙が言っているが美鈴の耳には届いていなかった。

そして美鈴は呟くようにこう言った。

 

「ご…悟飯さんの気が…私と戦ったときの…さらに…【数倍】の大きさがある…」

 

「「なっ…!!?」」

 

【禁忌 フォーオブアカインド】

 

今度はレーヴァテインをもったフランが四人に分裂する。

先程のフランとの戦いで悟飯を追い詰めたスペルだった。

さらに四人に増えたフランは一斉に紅い霧を作り出し、辺り一面を覆い尽くした。

先程悟飯が負けたときと同じ状況だった。

それを見た誰しもが先程の末路が脳内でフラッシュバックされる。

が、次の瞬間それは全く意味がないと思い知らされる。

 

「そんな子供だましが二度も通じると思うのか?」

 

気爆破を使って辺りを覆い尽くす紅い霧を吹き飛ばし四人のフランがあらわになる。

フランは一瞬こそ怯んだもののすぐに四人一斉に悟飯に向かって飛んでいき一斉に剣を振り下ろした。

 

【ビシュッ‼!】

 

消えた。

これでフランの目の前から消えたのは三度目だ。

これまでこの現象がわかるものはいなかった…が、今は一人、一人だがそれを解明することができたものがいた。

 

「こ、高速移動!?じゃああれはただ高速で動いて私たちから消えているように見せてるってことか!!?」

 

驚く魔理沙に美鈴が落ち着いて答える。

 

「はい。私達の目で追えるスピードを遥かに越えたスピードで移動してるんですよ。私でさえあれほどの大きな気を一瞬見失っているんですから本当に恐ろしいほどのスピードで動いているんだと思います。」

 

そう、それはただの移動だった。

周りには消えたようにしか見えないほどの速度で移動していたのだ。

が、そんなことはフランにはわからない。

見失ったフランは悟飯を探すがその隙にも悟飯はフランの背後に一瞬で回り込み、気合砲をぶつける。

四人は一斉に吹き飛ばされる。

なんとか体制を立て直すが、すぐ後ろに何かの気配を感じた。

恐る恐る振り返るとそこには悟飯の背中があった。

フランは思わず後退り、体が震えてしまった。

が、それでも悟飯に向かって攻撃を仕掛けていく。

四人一斉にレーヴァテインを振り回す。

 

【ビュン‼!】

 

消えたが今度は遠くではなくてフランのすぐ真横にまるで瞬間移動したかのように現れた。

フランはすぐにそちらに向かって剣を振るが今度は背後に現れた。

何度も何度もレーヴァテインを振り回し悟飯に向かって攻撃をするがその悟飯は一度たりとも当たらなかった。

やがてレーヴァテインもフォーオブアカインドも効果が切れてフランは一人になってしまった。

圧倒的な悟飯の力に対してフランはもう怯えることしかできなかった。

徐々にフランとの距離をつめてゆく悟飯。

 

「破壊を楽しむような貴様は絶対に許せない…!」

 

そう言いながら右拳に力を込める。

 

「止めて!!悟飯!!!もうフランに戦う意思はないわ!!!」

 

レミリアが悲痛な叫び声をあげる。

が、それに周りは驚く。

 

「な、何言ってんだぜ!?お前だって私だって咲夜だって美鈴だってあいつに殺されそうになったんだぞ!それなのに何言ってんだよ!!」

 

「お、お嬢様。いくら妹様でも今回ばかりはお嬢様自身も大ケガをなされています。それでも…」

 

「それでもよ…例え破壊の能力があって、狂気を秘めていたとしても…たった一人の妹なのよ…たった一人の…お願い!助けて!!悟飯!!!」

 

その声が悟飯の耳に届く。

が、それでも悟飯の胸で煮えたぎる怒りは静まらなかった。

 

「破壊を…殺すことを楽しむんだぞ…!!そんなの地獄そのものだ!!!」

 

再びフランを睨み付ける。

するとそこには涙を浮かべた少女の姿があった。

狂気に呑まれた少女はどこにも姿はなくそこにはただ涙を浮かべて恐怖に怯えている少女の姿しかなかった。

悟飯はその姿に怯む。

 

(こっ…これは!)

 

脳裏に写るもうひとつのものがあった。

 

(お父さん…お母さん……)

 

泣きながら燃え上がる町の中一人でさまよう少女の姿だ。

人形を片手に、泣きながら両親を探してその小さな足で歩き続ける少女の姿があった。

 

「………。」

 

悟飯は右手に気を集める。

そしてフランの目の前に来るとその右手を頭上へと掲げた。

フランは思わず目をつむり、レミリアは大きな叫び声をあげた。

 

「フラーーーーーーン!!!!!」

 

【ポスッ】

 

「「…え?」」

 

ゆっくりとフランが目を開けると自分が頭を撫でられていることに気がついた。

 

「えっ…えっ?」

 

「怖かったか?フラン。でもあれだけ悪いことをしたんだ。怒られたり罰を受けるのは当たり前なんだぞ。」

 

そう言いながらも少し力強く頭を撫でる。

そんなことに馴れていないフランはどうすればいいのか分からずにただ困惑していた。

 

「フラン、悪いことをすればこうなるんだよ。破壊なんか楽しんじゃいけない、殺すことを楽しんだりしちゃいけないんだ。分かったかい?」(きっとお父さんならこうしてた。)

 

そう言いながらフランから手を離す。

するとフランは涙で濡れて赤く晴れた目を拭いながら、

 

「は…はい。」

 

と答えた。

がそのあとにこう続けた。

 

「なんで遊んじゃいけないの…お姉さまはアンナニタノシソウニアソンデタノニ私はいつも一人…」

 

「フラン…」

 

なぜこんなことを言うのか悟飯には分からない。

だけれどもその辛さはわかった。

なぜなら悟飯も幼少期の頃から母親の影響で遊ぶ時間などほとんどなく、友達も山の動物達以外はいなかったのだ。

 

「なら俺が友達になって遊んであげるよ。」

 

その言葉を聞いたフランが目を輝かせる。

 

「ほ、本当!!?」

 

「あぁ、本当だよ。だけど、その代わりもう破壊とかしちゃいけないよ?」

 

「う…うん。頑張るよ!」

 

そう言って満面の笑みを浮かべた。

つられて悟飯の顔にも笑みが浮かぶ。

悟飯の変身が解けてフランと一緒にレミリアの下へと降りてきた。

 

「ふ…フラン…っ」

 

「お姉さま!!」

 

フランからレミリアに抱きつき泣きながら謝った。

レミリアも今までフランにしてきたことに謝りながら涙を流していた。

その言葉の中に監禁やら隔離やら危ない言葉も聞こえてきたが身内の問題ならば悟飯があまり関わるのもよくないと思い、触れないことにした。

すぐにパチュリーと小悪魔がきて咲夜の応急処置を始めた。

レミリア曰くこれで一命は大丈夫らしい。

 

「それにしても悟飯。超サイヤ人ってやつちょいと強すぎやしねぇか?あれは反則だぜ。」

 

「まぁなんにせよフランさんも悟飯さんも無事で良かったですよ。」

 

と口々に話しているなか、聞いたことのない声がひとつだけ混じって聞こえてきた。

 

「そうね、本当に良かったわ。吸血鬼が死なずにすんで。」

 

「「「!!?」」」

 

辺りを見回すが人の姿などどこにもなかった。

が、次の瞬間悟飯の目の前に謎の裂け目が現れる。

そしてそこから弾幕が展開される。

 

「なっ!!?」

 

その弾幕は悟飯に直撃に地面に倒れ込んでしまった。

 

「「「悟飯((さん))!?」」」

 

急いで駆け寄る魔理沙と美鈴、そしてアリス。

レミリア、パチュリー、小悪魔、は咲夜を抱えてすぐに距離を離した。

そしてその怪しげな裂け目からなんと人が姿を現した。

そしてその姿を見た咲夜と悟飯を除く全員が名をこう呼んだ。

 

「八雲 紫…!!」

 

 

 




はい、ここではもう本題に入りましょう。
実は入試自体は3月の上旬に終わってたんです。
が、スマホを機種変更した結果、メモ帳のバックアップをとっていたのにも関わらずこの小説に関するメモの全て(というよりメモの全て)が消えてしまったのです!
それが原因でキャラ設定や戦闘力バランス、今後の展開などが全て消し飛んでしまったのです…おぉ…(泣)
正直続けようか迷いすらしました。
けれど失踪だけはしたくないとその一心で帰ってくることができました。
設定が消えてしまった分作品を読み直してはいますが立てていた布石を回収することなく話が完結する可能性があります。
そこで皆さんにお願いがあります。疑問に思ったことはなるべく質問してください。
それで私自身が何かを思い出すかもしれません。
誠に身勝手ではありますがどうかよろしくお願いします。
次回はなるべく早く出そうと思います。
(気分転換用の二次創作も作るつもりなのでもし良ければそちらもよろしくお願いします)

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