絶望に生きた覚悟の戦士が幻想入り   作:高月 弾

15 / 22
前書きを書くのを忘れてました…

未来悟飯「貴様ー!!死ねえ!!!」

弾「お、お待ちくだ…(ピチューン)」

未来悟飯「所詮素人、無様なものだ…」

本当にすみません。
今回は戦闘回です。


第三章 新・紅霧異変
第14話 幻想郷最高峰の格闘戦だ!!


「はあぁぁぁぁぁぁああ!!!!」

 

再び美鈴が悟飯に向かって突撃してくる。

瞬時に悟飯は左足を引き美鈴に右手が近くなるような体制になる。

美鈴が右の拳を悟飯に突き出す。

悟飯はそれを右手の甲で受け流すが、すぐに左手の追い討ちが迫ってくる。

悟飯は上体をのけ反らせて紙一重で躱す。

しかし、美鈴は左手で攻撃する間に右手を引き戻していたらしくすぐに再び右拳が悟飯の顔に襲いかかる。

悟飯は僅かに顔をしかめながら、右手で拳を自分よりも外へと弾く。

次に左拳が迫るがそれを前腕で受け止める。

そのように、美鈴は左と右手の乱撃を仕掛けてきた。

悟飯はそれを躱したり、防御をしたりと一つ一つ的確に処理していた。

そのすさまじいほどの攻防は魔理沙を魅了していた。

 

(め…美鈴があれほどの攻撃を仕掛けることができたなんて…弾幕と格闘とではこんなにも変わるものなのぜ!?でもさすが悟飯だ…全くひけをとらないぜ!)

 

その均衡はすぐに崩れ去る。

いままで互角だった悟飯が僅かに後退しながらの防戦へと変わっていく。

美鈴が押し始めたのだ。

悟飯はそれまで全ての攻撃を躱すかガードしていたがその攻撃が少しずつだが悟飯の体を掠め始めていた。

 

「くっ!」

 

悟飯が美鈴の右拳を受け止めた直後に右足の回し蹴りでカウンターを仕掛けてきた。

が、美鈴はその蹴りを飛び上がり足を曲げて当たらないギリギリの高さに上がり左手を悟飯の右足にのせ、まるで受け流すかのように躱す。

そして右足で思いきり悟飯の顔に向かって蹴りあげようとする。

悟飯はそれを右手でガードしようとするが美鈴が拳を開き悟飯の手を握り動かせないようにする。

右手の自由を失った悟飯はその蹴りに対処できずに、

 

【ブワンッ!】

 

魔理沙が眼を見開く。

魔理沙の目には悟飯が美鈴の蹴りあげが顎に入り、体が僅かに浮き上がりながら後ろに飛ばされているのが見えた。

 

「ご、悟飯!!!」

 

思わず叫ぶ魔理沙。

しかしそんな心配など必要のなかったようで悟飯は後ろに飛ばされながらも地面に右手をつき、バク転をして地面に着地する。

そして頬を伝う冷や汗を手の甲でぬぐった。

そして僅かに笑みを見せながら美鈴を見る。

すると美鈴が一瞬だけ魔理沙のことを見ていた。

悟飯もそれが気になり魔理沙の方を見ると魔理沙が心配そうな顔でこちらを見ていた。

すると悟飯は美鈴は真剣な顔でお互いに見合わせる。

次の瞬間美鈴が再び突撃してくる。

そして右足で蹴りあげようとしてくる。

がその蹴りは先程よりも少し遅くなっていた。

 

(なるほど、そういうことか…)

 

悟飯は何かを察したような顔をするとガードせずにその蹴りを受けた。

ように見えた。

魔理沙も驚くが先程よりも遅くなっていたため今度は見間違えなかった。

悟飯は蹴りを受けて飛ばされたわけではなく受ける瞬間に自ら後ろに飛ぶことによってその攻撃を躱したのだ。

それを見た魔理沙はほっとしたように肩を落とす。

先程のようにバク転して右足から地面に着地するが、着地したその右足で地面を蹴りだし間髪を入れずに美鈴に接近する。

美鈴はまだ構えを直すことができずにいたため、悟飯の接近に対して大きな隙ができる。

悟飯は右足で回し蹴りを仕掛ける。

美鈴は右手をなんとか胸の前に持ってきて、ガードするが悟飯の回し蹴りの威力が大きすぎて衝撃を受けきれずに吹き飛ばされる。

 

「ぐっ!」

 

美鈴はバク宙を数回転して地面を擦りながら着地する。

すぐに美鈴は悟飯に突撃していき、悟飯も美鈴に向かって突っ込んでいく。

そしてお互いの右腕をぶつけ合う。

 

【ガッ!!!】

 

辺りに衝撃波が放たれる。

お互いに踏ん張り、力は互角のように見える。

 

「わざわざ魔理沙にさっきのことを説明するために遅めのリプレイをしてくれたんだろ?」

 

悟飯が力のこもっている笑みを見せながら、美鈴にそういった。

 

「さぁ?どうですかね?まぁもうあんなことは起きませんよ!」

 

そういいながら美鈴も力を込めた笑みを見せる。

お互いに一歩も譲らず、全く動かなかった。

が、次の瞬間二人は同時に腕を振り払い均衡を解いた。

始めに攻撃を仕掛けたのは悟飯だった。

左回し蹴りを美鈴の顔に向かって繰り出す。

美鈴はそれをしゃがんで躱し、左の裏拳を顔に向かって繰り出す。

それを悟飯もしゃがんで躱しながら右後ろ回し蹴りを再び顔に向かって繰り出す。

それを後方に退いて躱すとすぐに距離を戻し左手の拳を突き出す。

悟飯はそれを右手で受け止め、払いのける。

そして悟飯も右拳を美鈴に突き出そうとするが、それよりも速く美鈴の左拳が悟飯の腹を狙っていた。

それに反射的に右足をあげ、膝でガードする。

しかし、片足をあげてしまったことで次の行動が遅れた悟飯は美鈴の更なる攻撃を守らざるを得なくなり、再び防戦へとなってしまった。

美鈴は悟飯に向かって容赦なく左右の拳での連撃を仕掛けていく。

悟飯はそれを全て的確に捌いていく、が、

 

(まずいな…このままじゃ防戦一方だ…仕方ない!)

 

悟飯は美鈴の拳を大きく弾くと後方に飛んだ。

美鈴は弾かれた方とは逆の手で悟飯に攻撃を仕掛けた。

すると悟飯は白いオーラを爆発させて回りに爆風を巻き起こした。

美鈴はそれをまともに喰らい吹き飛ばされる。

吹き飛ぶ美鈴にすぐに追い付き、思いきり右手で殴り飛ばした。

美鈴は受け身をとることができずに門に思いきり頭から激突する。

 

(しまった!少し力を入れすぎたか!?)

 

悟飯がすぐに美鈴のもとに駆け寄ろうとするが、それよりも先に美鈴の体が僅かに動く。

悟飯はそれ見ると立ち止まり、美鈴のことを見つめる。

すると美鈴はゆっくりと後頭部を押さえながら立ち上がり口から流れる血を手の甲で拭う。

 

(流石の力ですね…恐らく現状は…一つ一つの技の技術やスピードは私ですが…)

 

(一撃の重さや瞬発力は俺の方が上…って感じか。)

 

悟飯は構えをとり、それを見た美鈴は普段よりも深く構えをとった。

悟飯はすぐに美鈴に突撃し、一気に距離をつめようとするが、その時異様な光景を目にする。

 

(なんだ…目をつむっているだと!?何をする気だ…)

 

悟飯はカウンターを警戒しながらスピードを落とさずに接近する。

すごい速さで迫る悟飯を一切見ずに目を閉じたまま小さく息をはく。

 

(ふぅ~…確か、悟飯さんは…こうやっていた…!)

 

「いつまで目を瞑っているんだ!」

 

悟飯が右拳で美鈴の腹を狙う。

が、次の瞬間!

 

「はあぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」

 

美鈴はなにかを解き放ったかのように体を大きく展開させ、その体からはまるでなにかが爆発したかのような衝撃波が放たれる。

 

「なっ!!」

 

悟飯は完全に不意を突かれて、その衝撃波によって吹き飛ばされる。

魔理沙も驚いたように目を見開き、そして言葉を放った。

 

「あっ…あれって、悟飯がさっきやった技なんだぜ!?美鈴も使えたのぜ!?」

 

悟飯は左膝を右手と右足の三点を地面につきながらブレーキを掛けて止まる。

そして美鈴の方を見る。

すると悟飯は驚き目を見開いた。

美鈴は先程よりも大きな気を身に纏っていた。

先程の何倍も大きい気だった。

が、美鈴自身も自分の手を見つめ、まるで信じられないかのようだった。

 

「ご、悟飯さんの時は気の上昇なんてしなかった…ただ衝撃波を生んだだけだったのに…な、なんなんでしょう、その沸き上がるような力は…わ、私のいままでの本気を凌駕している…これは…一体…」

 

「あ…やっぱりそうか!俺の気爆破を見て一瞬で真似たんだ!それにただ真似ただけじゃない!気を爆発させて解放させるやり方までいっきに使ってる!!」

 

悟飯は苦笑いを見せながら、どこか楽しそうな瞳をして、

 

(くっそぉ~…何て人だ。俺だって気を爆発させて解放させるのをコントロールするのに何ヵ月もかかったのに。恐ろしいなぁ…)

 

そう思いながら美鈴に近づく。

すると美鈴もそれに気づき構えをとる。

 

「驚いたよ。まさかここまでスゴいなんてね。正直恐れ入るよ。」

 

「なら諦めますか?」

 

そう言われた悟飯は大きな笑い声をあげた。

 

「あっはっはっはっは!そんなわけないだろ?それよりも今なら君の全力が見れそうだ。さぁ、見せてくれよ。美鈴!君の本気を!!」

 

「…そうですね…このままでは勝負はつきませんし、この…悟飯さん、あなたから奪ったこの力を全力で使わせていただきますよ…!」

 

美鈴の目付きが鋭くなり、再び爆発のようなものが起こる。

今度は悟飯もそれを理解していたので飛ばされなかった。

美鈴の気がさらに大きくなり纏うオーラも荒々しい大きな炎のようなものに変わった。

それを見た悟飯が笑みを作りながら、

 

「楽しみだ。」

 

そういいながら同じようなオーラを纏う。

一瞬の合間、しかしそれは本当に一瞬だった。

 

【ドゴォン!!!!】

 

「ゴフッ!」

 

美鈴の拳が悟飯の腹に深く突き刺さる。

悟飯がバランスを崩し前のめりになる。

がそれを許さないかのように美鈴は腹から拳を抜くと、右と左でそれぞれ一発ずつ悟飯の殴り付ける。

顔を殴られた悟飯は後ろに体制を崩し完全な隙になる。

それを美鈴は見逃さずに1mほど飛び上がると大きく叫びながら左回し蹴りで悟飯の顔を思いきり蹴り飛ばした。

悟飯は周りにある木に激突し、木を何本もへし折りやっと止まった。

 

「ご…悟飯…!」

 

魔理沙は心配で飛び出しそうになるがそれをグッとこらえた。

 

(悟飯がこんなんで死ぬわけないぜ…!でも…不安しかないぜ…)

 

そう思っていたが、草木を掻き分ける音が聞こえてきて安心した。

悟飯が鋭い目付きで美鈴に向かって歩いてきていた。

しかも全くふらつかずにまるで何もなかったかのように。

そして美鈴の前に立つ。

 

「…結構強くいったのですが、効いていないですかね?」

 

「そんなわけないさ、いい攻撃だったよ。それなりに効いたさ。」

 

そういいながら口の血を拭う。

今度はなんの前触れもなしにお互いの拳がお互いの顔を仕留めあった。

辺りに大きな音を響かせていて、その一撃の重さを物語る。

 

(ぐぐっ…これが本気の美鈴の力か…やっぱりスゴいな。)

 

(くっ…悟飯さんはまだ【本気】ではないのにこの力…【あれ】を使っても勝てるかどうか…)

 

お互いに右手を引き、美鈴は左拳を突き出し、悟飯は右手でその拳を防ぐ。

次に右手が襲いかかるがそれを紙一重で躱し、左足回し蹴りで腹を狙うが、それを美鈴は右足をあげて受け止める。

そこからすさまじい攻防が始まった。お互いの攻撃をガードし、躱し、カウンターで返し、それを再びガードする。

そのすさまじい攻防は魔理沙にはもはや見えるものではなかった。

もうすでにそこは二人だけの世界だった。

美鈴の左拳が悟飯の顔をめがけて突き出されてくる。

悟飯はその左手の内側に自分の右拳を入り込ませ、この拳を外に追い出しながら美鈴の顔を殴り付ける。

予想外のことに、とっさに後ろに飛んで回避するが、すぐに追い討ちが迫ってきていた。

なんとかガードするも美鈴は防戦一方になってしまった。

悟飯の攻撃は先程よりもスピードが上がっていた。

 

(くっ!スピードを上げて攻撃をヒットさせる方を優先させましたか…一度当たればそのあとに大きな一撃を入れることができる…そういう考えですね!でもやらせませんよ!!)

 

美鈴は深くしゃがみこみ悟飯の攻撃を躱す。

悟飯はすぐに右足で蹴りあげようとする。

が、そこで。

 

「はあぁぁぁぁぁぁあ!!!!」

 

【爆符 気爆破】

 

「ぐわぁ!!」

 

悟飯は吹き飛ばされる。

美鈴は気爆破でいまの防戦からいっきに優位な状況になった。

はずだった。

 

【ヒュン!】

 

悟飯が吹き飛ばされている途中に姿を消した。

美鈴は驚き目を見開く。

すると後ろに悟飯の気を感じる。

振り返ろうとするがそれよりも早く、

 

「でやあぁぁぁぁあ!!!」

 

悟飯の右足の蹴りが美鈴の背中をしっかりととらえた。

 

「ぐあぁ!!?」

 

美鈴は吹き飛ばされて門に激突する。

門にはヒビが入り崩れそうになる。

が、悟飯がそこに…

 

「はぁ!!!」

 

右手を突きだし気合い砲をぶつける。

門はその威力に耐えきれずに壊れ、美鈴もその気合い砲を直に喰らい、さらに吹き飛ばされた。

門が音をたてながらゆっくりと崩れていく。

まだその音が消えない間に、美鈴は姿を表した。

 

「美鈴。ひとつ助言をしてあげるよ。その気爆破は使ったあとに大きな隙ができるんだ。気を大きく爆発させた反動でね。だから読まれているのに気爆破は使わない方がいい。」

 

「………助言をありがとうございます。ですがそんな余裕があなたにあるんですか?」

 

「お互い本気でなくちゃつまらないだろ?」

 

「!?」

 

今悟飯はつまらないといった。

つまりこの戦いを楽しんでいるのだ。

その言葉を聞いた美鈴が拳を強く握りその顔には強く噛み締めた歯が見えた。

 

「そうですか…楽しんでるのですか。」

 

突然美鈴が悟飯に向かって突撃していく。

大きく拳を振りかぶって悟飯に向かって振り回す。

が、先程よりもフリが大きく一つ一つの攻撃の時間がより長く、隙の大きいものになってしまっていた。

悟飯は美鈴の拳をしゃがんで躱すと腹に向かって拳を突き立てた。

美鈴はまた吹き飛び門に激突した。

 

「がふっ!がっ…はぁ…」

 

少しふらつきながら立ち上がる。

そして大きく深呼吸をする。

 

(落ち着け…今感情的になるのはダメですね。正直悟飯さんにあんなことを言われたのは予想外でしたが、嬉しかった。あれだけの気を持つ人が私を認めてくれたことが…それにこれだって悟飯さんがいなければつかめなかったことです。…感情的になってはいけない…わかってるけど…!)

 

美鈴が悟飯のことをまっすぐに見つめる。

そして大きく息をはくと、深く構えをとった。

先程までとは違う感情が表にあらわになっていた。

 

「いきますよ…!」

 

「あぁ、こい!」

 

再び二つの拳がぶつかり合った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…美鈴、全く何をあんなに楽しそうに戦っているのかしら…私は戦うことは許可したけれどもそれは体力を削るためであって楽しむためではないのだけれどねぇ?」

 

暗がりの中で、昨日美鈴に話していた冷たい声が二人の戦いの様子を眺めていた。

 

「はい、お嬢様。しかし、あれならば美鈴も本来の力を出せているようですしうまく削れるのではないかと。」

 

そしてその横にはもう一人従者がいるようで、主の言葉に素早く返した。

 

「…そうね…あれが本来の力はどうかは別だけれどね。」

 

「??別…ですか?」

 

従者が全くわからないようで、疑問を抱く。

が、次の主の言葉は答えだろがとても理解できない答えだった。

 

「そう…いままでとは別の力ね。」

 

そういいながら紅魔館の窓ガラス赤く光りを放つ瞳を覗かせていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…っ!」

 

お煎餅を食べていた萃香が、まるで何かを感じたかのように食べるのをやめて空を見つめる。

霊夢はお煎餅を食べながらもその様子に気づき、

 

「ハニハッテルノヨ。訳(なにやってるのよ。)」

 

すると萃香の目が僅かに鋭くなっていることに気づく。

 

「なにか…なにか向こうで戦ってるのを感じるぞぉ。それもかなり強い力だぞ。」

 

それを言われた霊夢は食べていた煎餅を急いで飲み込む。

が、それが喉につっかえたようで急いで胸を叩きながら手探りでお茶を探し、飲み始めた。

 

「れ~む?大丈夫か~?」

 

萃香が心配そうにこちらを見てきた。

すると霊夢は、

 

「ぷはぁ~~~~~~!!助かったぁ…」

 

そういいながら喉をさする。

が、それをしながら霊夢は萃香に、

 

「ねぇ、それってどっちの方向?」

 

と聞いてきた。

萃香はあっち、といいながらある方角を指差す。

それを確認して少し考えると、霊夢は小さなため息をつきながら、

 

「あぁ、たぶんそれが悟飯よ。外来人の。」

 

「あの力がかぁ?すごいなぁ、人じゃないみたいだよ。」

 

萃香が目を丸くして驚く。

霊夢は悟飯がサイヤ人であることと、超サイヤ人のことも話した。

すると萃香は目を輝かせて

 

「今すぐいくぞぉ~!」

 

「何いってんのよ!そんなこと許せるわけないでしょ!」

 

もちろん却下されて、霊夢が説得したため萃香はまだ神社にとどまることにした。

 

(…いや、神社に留まるんじゃなくて帰って欲しいんだけれど…)

 

博麗神社のほうでも悟飯の力を感じていた。

もちろん博麗神社で感じられるほどの力ならば他の場所でも感じられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…幽々子様~おやつできましたよ~。」

 

剣を持つ少女がお盆の上に和菓子を押せながら誰かの名前を呼ぶ。

 

「…ねぇ、妖夢。すこし、準備を早めましょうか。」

 

どこからか大人の女性の声が聞こえてくる。

どこかに美しさを感じるような声が。

 

「早める?」

 

「えぇ、集める準備を…」

 

それを聞いた妖夢と呼ばれた少女が、目を鋭くして

 

「はいわかりました!」

 

そう返事をしながら、お盆の上のお菓子に手を伸ばす。

しかし、そのお盆の上にはどこにもお菓子が見当たらなかった。

 

「あ~あ!幽々子様~全部食べないでくださいよー!」

 

すべてはすでに幽々子と呼ばれた人物の口の中だった。

美味しそうに食べながら妖夢に謝るが口に含んでしゃべっているため何をいっているのかわからない。

そして飲み込むと妖夢が幽々子の背中をポカポカと叩いていた。

それを笑いながらも目はその力の感じる方向をしっかりと確認していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【バチッ!!!】

 

お互いの拳がぶつかり合い、そして弾き合う。

一定の距離をおいて二人が対峙する。

一見互角の戦いに見えるが先程から美鈴は全力で戦っているが悟飯はまだ全力ではない。

その肉体的な、そして精神的な違いが体力の消耗にも現れていた。

 

「……ふぅ…。」

 

「どうしたんだ?もう疲れたのか?」

 

美鈴がゆっくりと大きく息をはく。

対する悟飯は息をきらすどころか、大きく一息つく様子もない。

 

(これは…賭けに出ますかね。)

 

「悟飯さん!」

 

美鈴が突然大きな声をあげる。

悟飯と魔理沙は次の言葉が来るのを黙って待つ。

すると美鈴が大きく深呼吸をしてから、

 

「全力を出してください!私もすべてを出します!なので!悟飯さんも、本気でお願いします!!!」

 

そう言いながらスペルカードを取り出す。

悟飯はその言葉を待っていたと言わんばかりに気を最大にまで解放する。

 

「あぁ!!!お互いに悔いの残らないように全力でぶつかろう!!!!」

 

悟飯の気がいままでで一番大きく荒々しい気に変わる。

纏うオーラをより一段と大きくなった。

 

(これが悟飯の本気…あの異変の時よりも、大きい気だ…体が震える…けれど!)

 

美鈴がスペルカード発動を宣言する。

 

「スペルカード発動!!【彩華 虹色太極拳】!!!」

 

スペルカード発動と同時に美鈴の体に虹色の気が纏われる。

そのオーラも悟飯とは違い炎のような荒々しいオーラではなく落ち着いた体になぞられるようなオーラだった。

 

「それじゃあ、」

 

悟飯が早速構えるが、

 

「まだです!!」

 

美鈴がそれを叫んで制止させる。

悟飯はそれを不意を喰らってキョトンとしてしまう。

 

「これが…本当の…!!」

 

(まさか!?)

 

「はあぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!」

 

大きな爆発が巻き起こり辺りには大きい爆風が巻き起こる。

悟飯も吹き飛ばされないようにしっかりとこらえ、魔理沙必死に気にしがみついた。

そして風がやがて静まる。

悟飯が爆風を受けないようにと閉じていた目を開く。

するとそこには驚きの光景があった。

悟飯のように荒々しく燃え上がる炎のような虹色のオーラ。

そして、その圧倒的に大きな気。

そして何よりもその目付きはいままでとは全く別のものだった。

 

「…っ!(これは参ったなぁ…想像を遥かに越えてるよ。まさかあの状態でさらに気爆での解放なんて…そんなにすぐにできる技じゃないぞ…でも、それが楽しみだ!)」

 

悟飯も美鈴に正面から対峙する。

 

「いきますよ。悟飯さん?」

 

「あぁ、こい!」

 

【ビシュン!】

 

悟飯の視界から美鈴が消える。

左に存在を感じたがそれを確認する前に何かの攻撃を受けて思いきり飛ばされた。

少し飛ばされたがすぐに舞空術でブレーキを掛けた。

悟飯は痛む顎に顔を僅かに歪めながら美鈴を睨む。

すると美鈴がこちらを始めに見せたような挑戦的な目を向ける。

そして、それに答えるように悟飯も笑みを見せた。

 

 

 




はい!美鈴vs未来悟飯、どんどんヒートアップしていきますねぇ。
ここまでほとんど互角の戦い、果たしてどっちに勝利の女神がほほ笑むのか!?

あ、自分ツイッターやってます。
小説を投稿したことをそちらでいってますのでもしよければフォローお願いします。

これは余談ですが、回りの龍球伝の作者様は早いですね(焦)
受験のためペースあげられませんが正直作品も面白いですし早いので焦りますw
まぁ回りより遅いですが次回もよろしくお願いします!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。