テストを終えて絶望している最中(さなか)です。
あ、今さらですが私はこれが初めての作品なので色々アドバイスいただけると嬉しいです。
さぁ、超サイヤ人になれなくなった悟飯。
その理由となんなのでしょうかね?
それでは本編をどうぞ!
悟飯の口から出てきた言葉は魔理沙と永琳の思考を一時的に止めた。
それもそのはずだ。
この幻想郷を脅かす存在である超サイヤ人の力は一度確認するべきだった。
それがいきなり使えなくなったのだ。
使えないうちは安全だと言えるが、いつその力が暴走するかもわからない状況になったことを考えればいまの状況は恐ろしいものなのだ。
「なっなんで…ってまぁそうなってもおかしくないわよねぇ…」
すぐに意識を悟飯に戻した永琳が一瞬驚くがすぐに呆れたように手を額に当てながらため息を漏らす。
悟飯はその言葉に驚いてすぐに聞き直す。
すると、
「考えてもみなさいよ。あなたは本来死ぬようなほどのダメージを負った状態で幻想入りしてきたうえに霊夢との戦闘、そして霊夢、魔理沙を含めた六人との戦闘となれば体へのダメージなんて人智を越えるわよ。それほどのダメージを受けてまともでいられると思うの?」
そういわれた悟飯はなにも言い返すことができなくなってしまう。
魔理沙もなにかを言おうとするが悟飯と同じように永琳の言うことがあまりにも正論であるために、言葉につまっていた。
それをみた永琳が再びため息を漏らし、
「恐らく原因は、そのダメージよ。あまりのダメージに無意識の内に体が制御を効かせてるんだと思うわ。」
「せ、制御を?」
悟飯がよく理解できていないようで聞き直す。
「ダメージが大きすぎたことによって体にはその傷や記憶が残るわ。それらが無意識の内に体への負担を減らすためにリミッターをかけてるのよ。きっとね。」
そういわれた悟飯はなるほど、と相づちをうちながら考え込むように少しうつむいた。
魔理沙も納得したようだが、半ば納得できないことがあるようで、
「…けど、悟飯は以前にも…その…ひ、左腕失うほどの大ケガをしたのに…」
「確かにそうね。悟飯さんの怪我を見た感じ、あの左腕の傷は幻想入りするよりも前につけられた傷みたいね。左腕を失うほどの大ケガをしたけれどもそのあとの処置も早かったし、命に別状はなかったそうよ。けれども今回は…」
そう言いながら悟飯を見る。
悟飯は申し訳なさそうに視線をそらした。
魔理沙はその視線が言いたいことを察して同じく視線を落とした。
悟飯が頭をかきながら、立ち上がりありがとうと永琳に言うと魔理沙に目で合図すると出口に向かおうとする。
すると、永琳が悟飯に向かってなにかを下投げで渡す。
それを受け取り何かと質問すると、
「傷薬よ。あなた理由はわからないけれどまた戦ったみたいだからね。だから前にもいったでしょ?全く少しはこっちの身にもなってもらいたいわねぇ。」
と言いながら悟飯を睨む。
悟飯は申し訳なさそうに苦笑いする。
そして魔理沙と共に永琳にお礼をいってから永遠亭から出ていった。
それを見送った永琳は再び永遠亭に戻ると、調薬室に入っていき、
(…悟飯さんってなんかまたここに来そうな気がするわねぇ…いくらか準備をしておきましょうか。)
そう考えると、薬の調合を始めた。
一方魔理沙たちは、悟飯が人里を見ておきたい、と言ったので人里に向かって飛んできていた。
そして人里の入り口に降りると、悟飯の目が僅かに輝いているように見えた。
魔理沙達は人造人間の存在は悟飯から聞いた。
しかし、その存在がどんなことをしていたのかまではしらない。
唯一知っていることとすればピッコロと呼ばれる人物とその仲間達が殺されてしまったことだけだ。
この悟飯の目の輝きはその世界ではもう人がいないことでも表しているのだろうか。
「行こうか。魔理沙。」
悟飯はそう言うと魔理沙の返事を待たずに歩き始めた。
魔理沙もすぐにそのあとに続いた。
魔理沙は悟飯に聞かなかった。
いや、怖くて聞くことができなかったのだ。
悟飯の恐ろしい世界をさらに知ることともし自分がそうなったら、そしてあの憎しみが宿る悟飯の顔をもう見たくはなかったのだ。
人里を歩いていると悟飯は子供を見守る母親のような顔になる。
まるで見守るような瞳にどこか、安心したかのような感じもした。
しかし、そんな悟飯とは別に里の人たちの悟飯を見る目はどこか警戒しているような瞳だった。
悟飯のそばを通る子供も悟飯を見た瞬間にすぐに離れて去っていく。
魔理沙は少し戸惑いを感じながら悟飯に、
「なぁ、あそこの和菓子屋に行こうぜ!味は保証するからさ!」
そう言いながら走っていく。
悟飯は少し間を置いてから、
「…ん、わかった。」
とついてきた。
魔理沙が和菓子屋のおじさんに注文をする。
すると和菓子屋のおじさんは少し悟飯を怯えた目で見てから和菓子を取りに行ってきた。
それも誰もがわかるように。
そしてとってきた和菓子を魔理沙に渡し勘定を貰うと魔理沙にしか聞こえないように、
「なんであんなやつと一緒にいるんだい?危ないだけじゃないのか?」
と言った。
魔理沙がなにかを言おうとするが、それを言う前に店の中に消えていった。
魔理沙はそれを勘づかれまいと笑顔を作りながら和菓子を手渡した。
「ん、確かにすごく美味しいよ。」
「当たり前だぜ!私が選んだ店なんだからな!」
そう言いながら大きく頬張る。
悟飯と魔理沙が和菓子を食べ終わると、悟飯が和菓子屋に歩いていく。
魔理沙が驚いて、
「待てよ悟飯!早く次行こうぜ!!」
と止めるが悟飯はそれを聞かずに、
「ごちそうさまでした。とても美味しかったです。」
「………」
中から声は帰ってこない。
が、悟飯は店を出て魔理沙の前に来る。
すると、
「それじゃあ、魔理沙の家に帰ろうか。」
「えっ…もういいのか?」
そう聞かれると悟飯は少し悲しそうに笑いながら、
「うん。俺はここにいたら迷惑みたいだからね。」
そう言いながらゆっくりと飛び上がる。
その顔を見た魔理沙は心が痛くなる。
(確かにはじめの異変はとてつもないものだった…けれど悟飯本人はすごいいいやつなのに!…こんなの…)
そう思い拳を握るがすぐに力なく拳を開き箒にまたがり飛び始める。
そんなとき、
「まて!そこのハデな男!!」
大きな声が響いてくる。
その声の聞こえた方を見ると全身の青い大人の女性が立っていた。
その女性の後ろには子供が隠れており、その表情を見るとこちらのことをにらんでいるようだった。
「お前はこの前の異変の主犯だな…!」
そう言った。
魔理沙がなにかを言おうとしたが悟飯がそれを手で制しゆっくりと降りていき地面に着地する。
そして女性に向かって歩いていき、正面に立つ。
「はい。俺が異変を起こした本人です。」
と、まっすぐにそう答えた。
すると女性はさらに睨みを効かせながら口調を強めた。
「なぜそんなことをしたんだ!!」
「誤って霊夢達を敵と認識してしまったからです。」
悟飯が丁寧な口調でそう答えた。
すると女性が新聞を悟飯の目の前につき出してきた。
悟飯はそれを受け取り目を通す。
後ろの魔理沙も気になったようでそれを見るが、見た瞬間すぐに目を離す。
するとそこには驚くべきことがかかれていた。
【慈悲のない最凶の外来人!!】
(文々。新聞記者の射命丸 文は今回とてつもないものを目撃しました!それは霊夢さんや魔理沙さんそして吸血鬼のレミリアさんとその他3人が異変の主犯と戦い、圧倒的な力の差で追い詰められると言う異常事態が起こったのです!その主犯は山吹色のハデな服を来ていて、19~21ほどの青年のようでした。その青年が勝つかと思いきや、途中で力尽きて倒れたそうです。しかし、事態は急展開を迎えます!なんと永遠亭にその青年を運び、治療を始めたのです!果たしてこれは永遠亭の異変が再来なのか!それとも別の理由があるのか!!この射命丸 文が全力で解明していきます!!今わかっていることはその青年には左腕がなく、名前は孫 悟飯と言うということ、そして彼が戦っているときに、貴様らこれで終わりだ!のようなことをいっていたと言うことですが、彼がどれだけ危険なのかをこれから解明していきます!!!)
「………っ」
悟飯は言葉を失う。
この新聞にかかれていることはあまりにもひどすぎる。
確かに全く知らない人が見たらそう見えるかもしれない。
が、ジャーナリストと言うのは真実を皆に言うべき存在であるはずだ。
こんな偏見だらけの記事を出されたのではこちらの立場がたまったものではない。
そう考えているとき声が聞こえる。
「ここにかかれていることは事実なのか?」
女性が質問をして来る。
悟飯はそれに答えるのを躊躇った。
なぜなら確かに酷い書かれ方をされているが決してデマを流しているわけではなかったからだ。
デマならば嘘と言えるが、実際に悟飯は終わりだ!や、霊夢達を圧倒した。
その分さらにたちが悪かった。
悟飯が一度深呼吸をする。
そして、
「…はい。ここにかかれていることは事実です。」
と答えた。
魔理沙がそれは違うと声をあげるが女性が魔理沙を睨み付けると一瞬怯む。
しかし誤解を解こうとするかのように話そうとするが悟飯がそれを再び手で制する。
「なんでだよ!悟飯!お前今…!」
「しょうがないよ。それにこれは俺の問題だからね。」
女性に聞こえないように小さな声で話す悟飯と魔理沙。
すると、女性は悟飯の左肩に右手をのせる。
「なるほど、事実なのだな。」
そう言うと女性の右手に力がこもる。
そして女性はその右手で体を支えるかのように飛び上がった。
あまりに突然の行動に悟飯は眼を見開き、魔理沙はあっと声をあげる。
女性の後ろにいた子供達も驚いたようにだが、どこか恐怖を感じたような顔になる。
そして、
【ゴツーーーン!!!】
「「!!!?」」
女性の頭突きが悟飯に炸裂する。
悟飯はいきなりのこと、そしてその威力に一瞬よろめき頭を押さえる。
女性も着地すると頭を押さえる。
魔理沙は悟飯にかけより心配するが大丈夫、と言いながら笑って返す悟飯に苦笑いしながらも安心の笑みを見せた。
「あの、本当にごめんなさい!後ろの二人も本当にすみませんでした。」
そう言いながら頭を下げる。
すると子供達が、
「えっ、いや…大丈夫…ですよ?」
とぎこちなく返事をした。
それを見ていた女性が、
「…謝罪の意はあるようだな。よし、私はこれで許そうじゃないか。」
そう言うと右手を差し出してくる。
「私は上白沢 慧音。この人里にある寺子屋の先生をやっているんだ。よろしく頼むよ。」
「はい!よろしくお願いします、慧音さん!」
悟飯は笑顔で答えると差し出された右手に握手をする。
どうやらお互いに和解が出来たらしい。
が、それでも回りからの視線にはわずかな変化しか見られなかった。
「大丈夫だ、この里の皆はいいやつだからきっとすぐに認めてくれるさ。」
それを聞かずとも悟飯は決して変な顔をしていなかった。
そしてアリスと同じように自分のできることを聞くと、慧音が寺子屋の子供達にはせめて謝っておいてほしい、と言われたので寺子屋へ謝りにいった。
「本当にすみませんでした。」
そう言いながら頭を下げる。
寺子屋の生徒達は年齢に大きくばらつきがあり、ちゃんと聞いてくれてるか心配になるくらいの小学1年生位の子もいた。
すると案の定、
「ねぇねぇ!その力見せてよ!」
「見たい見たい!」
とその力にばかり興味を持ってしまった。
慧音がダメだ!といくら言ってもおさまる様子がない。
そこで悟飯は少しだけ気を見せることにした。
始めは慧音も魔理沙を大反論をしてきたが、大きな力を使わないという条件で許可を得た。
悟飯が子供達を集めて右手を見せる。
すると、右手から白い光のたまが出てくる。
子供達からは感嘆の声が聞こえてくる。
慧音も物珍しそうにそれを眺める。
「この力だよ。これは気って言うんだけど俺はそれを使って色々やるんだ。」
すると子供達はもっと見せて!と行ってきたが、それはさすがにダメだと慧音達でなんとかなだめた。
「いやぁ…すまなかったなぁ。まさかあそこまで食いつくとは思ってもいなかったんだ。」
慧音が謝るが、
「大丈夫だよ、むしろ怒られたりとかしなかったから助かったよ。」
そう笑いながら軽く返す。
すると慧音がなにかを悟飯の手に渡した。
それを確認すると、それはお守りだった。
「すまなかった、悟飯くん。私は君のことを誤解していたよ。こんなに優しい君が故意にあんなことをするわけがないな。」
そう言いながら謝るが、悟飯が慌てながらそんなことはないという。
しかし、自分の偏見で悟飯に強く当たったことがどうしても許せないらしい。
そこで悟飯は、
「なら、このお守りを僕がしっかりともらいます。それでチャラでいいですよね?」
その意見に慧音も納得したらしく微笑みながらあぁ、と答えた。
人里である程度時間を潰せた悟飯と魔理沙は空を飛んで魔法の森へと飛んでいった。
そして、魔法の森につくと悟飯は魔理沙と修行を始めようと提案した。
それに気合いを込めた返事で返す魔理沙。
悟飯は少し笑みを浮かべながらこう指示した。
「俺が弾幕をはるから、それを躱し続けてくれ。魔理沙は空を飛んで、俺はそれを打ち落とすつもりで撃つから。」
「おっ、実戦だな!いいぜ!!」
魔理沙は空へと飛び上がり悟飯の方を向く。
悟飯も魔理沙の方を向き、魔理沙に右手を向ける。
そして右の手のひらに気をため始める。
「いくぞ!」
悟飯は連続で気弾を放ち始めた。
かなりの数だが魔理沙はそれを空で大きく躱す。
それを見た悟飯が大きな声をあげる。
「魔理沙!もっと小さな動きで躱すんだ!紙一重で!」
魔理沙はその声をしっかりと聞き取り、返事は返さなかったものの先程よりも小さな動きで弾幕を躱し始めた。
紙一重とはいかないもののやはり弾幕を使う動きは幻想郷の住民である魔理沙の方が慣れを感じる。
魔理沙の顔には余裕が見てとれた。
幻想郷の弾幕は相手に魅せるためそして、相手の逃げにくいように放つものだ。
いまの悟飯の連続気弾は確かに量はかなりのものだがその弾道は直線的で予測のしやすいものだった。
幻想郷の住民にとってこのくらいの弾幕は訳がないのだろう。
すると、悟飯がわずかに顔を険しくする。
次の瞬間連続気弾の様子が変わった。
魔理沙もそれに気づきすぐに対応する。
が、先程よりも余裕がなくなっておるような顔つきになった。
先程とは違い気弾が直線的でなく、放物線を描いたり等の曲線を描く気弾が急に含まれたのだ。
曲線を描く気弾だけならそれも対処が簡単だ。
だが、悟飯は器用なことに曲線、そして直線的な気弾の両方を織り混ぜた攻撃をして来ていたのだ。
が、それでも魔理沙はどこか余裕のある表情をしていた。
が、
「魔理沙!また大きく動いて避けているぞ!もっと小さな動きで躱すんだ!!」
気を抜いてしまうと、小さく躱すことを忘れてつい大きな動きで躱してしまっていた。
注意してからはなるべく小さな動きで避けるように挑戦しているのが見てとれた。
すると悟飯はある行動に出た。
悟飯は高速移動で瞬時に魔理沙の頭上10mほどの高さに移動する。
すると右手にいままでの気弾よりも大きな直径50cmほどの気弾を作り出す。
そして、
「魔理沙ーーー!!!!」
大きな声をあげるとその気弾を魔理沙に向けて放つ。
魔理沙はその声に驚き、上を見上げる。
すると頭上からいきなりかなり大きな弾幕いや、気弾がこちらに向かっていた。
急いで躱そうとするが頭上の気弾に意識が向いてしまったため、先程まで躱していた弾幕の存在を忘れていた。
弾幕が魔理沙に襲いかかり直撃する。
【ドゴゴゴゴーン】
「うわぁあ!?」
弾幕を受けた魔理沙はバランスを崩しよろける。
しかしそんなこと関係なしに気弾は魔理沙に襲いかかってきた。
「くっ!!」
魔理沙はとっさにスペルを唱えた。
【恋符 ノンディレクショナルレーザー】
レーザーは気弾に直撃し炸裂する。
すると驚くべきことに気弾の真ん中をぶち抜いてきたのだ。
気弾を貫通したレーザーは悟飯へと襲いかかる。
魔理沙はその事が予想外だったようで、慌ててスペルを中断する。
が、すでに発動してしまった分のレーザーは消えることはなくすでに悟飯の目の前に来ていた。
(…まずい!いくら悟飯でもこんなに不意を突かれたら対処しきれないんだぜ!!ま、まさか気弾があんなにも簡単に貫けるなんて思ってもいなかったんだぜ!)
そう思った。
が、次に目にしたものがさらに魔理沙を驚かせる。
悟飯が瞬時に右手を左肩の辺りまで上げて、
「はあぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」
思いきりレーザーに向かって手刀をぶつけた。
するとレーザーは悟飯の手刀に弾かれて空の彼方へと飛ばされていった。
魔理沙はあまりの現実に眼を見開いてレーザーの飛んでいった空を見つめて固まっていた。
が、それはいままでとは少し違った驚きだった。
(な、マジかよ…悟飯のやつスペルを手で弾くなんて…反則くさいぜ。けど…悟飯だからなんでも納得しちまいそうだな。)
そう思いながら笑っていた。
そんななか、
「何してるんだ!魔理沙!!」
悟飯がいきなり魔理沙に大声で叫ぶ。
魔理沙は驚いて悟飯の方を見上げる。
すると悟飯はどこか怒っているように見えた。
「俺は小さな動きで躱せ、と言ったんだぞ!誰もスペルを使っていいなんていってないぞ!!」
「い、いや。あんなのいきなりされたらそりゃあ躱しきれないぜ…」
そういいわけをした魔理沙に悟飯がより大きな声で怒る。
「そんなことをしたら修行にならないだろう!!言ったはずだ!俺の修行は厳しいと!それにいまの気弾だって、弾幕を躱しながら相手の動きをよく見ていたら気づいたはずだ。だけど、魔理沙は俺が声をあげるまで気づかなかった。弾幕を小さく躱すことを意識しすぎていた証拠だ!」
「そ、そんなにいっぺんになんかできないぜ!」
さすがの難題に魔理沙も思わず声を荒くした。
そんな魔理沙の様子を見た悟飯は小さなため息をついてから、
「俺は厳しく修行をつけるが、その人にできないことはやらせないさ。」
そう言いながら魔理沙に背を向ける。
その言葉を聞いた魔理沙は悟飯を引き留める。
「悟飯…やってやるさ。私に、できるんだろ…!」
魔理沙の瞳には以前見せたときと同じ覚悟と決意の秘めたものだった。
悟飯はそれを見て、再び魔理沙の方を向き、
「あぁ、しっかりと修行をこなせばね。」
そう言うと、再び手を前につきだし気を手のひらに集める。
魔理沙も再び箒に乗ると空へと飛び上がった。
悟飯が激しい連続気弾を放つ。
そして魔理沙がそれを見極め最小限の動きで躱そうとギリギリまで引き付けて躱す。
そして30秒位たったタイミングで悟飯が大きな気弾を魔理沙に放つ。
それは紙一重では躱せなかったが、他の気弾に当たることもなくしっかりと躱した。
「よし!いいぞ!その調子だ!」
そう叫びながら再び弾幕のような気弾を放った。
そんな修行を一時間ほど続けた。
魔理沙の体力もギリギリになっていたので家に帰って休むことにした。
そして明日また紅魔館に行くため今日辿った道を思い出してから個人の修行をする悟飯だった。
「…なんだぁ、夜になっても外来人来なかったなぁ~。」
萃香が大きなため息をつきながら神社の縁側に座って足をプランプランさせていた。
するとそれに呆れたように霊夢もため息をつく。
「だからしばらくは来ないわよって言ったじゃない。なのにいつまでも待ってるからでしょ。」
それを聞いた萃香が少しムスッとしながら、
「しばらくってどれぐらいなんだ~?私は数時間だと思ってたぞ~?」
「えっ…そんなんじゃないわよ。もう何日もって意味のしばらくよ。」
それを聞いた萃香が少し怒ったように顔を膨らませる。
「れ~む~。そんなわかんない~!もっとしっかりいってくれなきゃわかんないぞぉ~!!」
そう言いながら手足をばたつかせる。
様子だけ見ていたら本当にただの子供にしか見えない。
が、本人も言った通り本当の角のある鬼なのだろうが…威厳と言うものが全くもって見えない。
「そ、それは悪かったわよ…。でも数日は来ないことわかったんだから早く帰りなさいよ。」
「いやだ…」
「えっ?」
あまりに予想外の台詞が来たもので霊夢が自分の聞き間違えなのではないかと思い聞き直す。
しかし帰ってきた言葉はさっきの同じものだった。
なぜかと霊夢が聞こうとするがそれを言葉に出す前に萃香から答えが返ってきた。
「だってそいつと戦いたいからねぇ~。」
「…は?」
霊夢はその最悪の言葉を信じることができなかった。
なぜなら鬼と言う種族はかつて幻想郷を支配していた種族だ。
それだけの力を保持している鬼とあれだけの力を持っている悟飯が戦うとなればこのこの幻想郷そのものが危険にさらされる可能性が高い…いや、間違いなく天災レベルの戦いとなるだろう。
そんなこと避けるべきだ。
「そんなこと許せるわけないでしょ!?それにあんたたちのことだから弾幕ルールなんか使おうとしないでしょ!!」
「そうだよ~。けど…今回ばかりはれ~むだろうと言うことを聞くことはできないよ。それだけ強い相手なんだからねぇ。」
そう言いながら鋭い眼光を霊夢に向ける。
今まで見せたことのないその真剣な表情とその鋭い目付きに思わず怯んでしまう。
いまの萃香にはどんな言葉も通用しない。
そう判断した霊夢は、条件付きで許可を出した。
「分かったわ。戦うことは許してあげる。けれど条件が三つあるわよ!1つ、幻想郷そのものや生き物たちに大きな被害を与えるようなら即時に止めさせるわ!二つ、絶対に殺したりしないこと、死なないこと!三つ、私が結界を作るからその中で戦うこと!!これが守れないなら戦い何てさせないわよ!!」
そう大きな声で告げる。
それを聞いた萃香が満面の笑みを浮かべながら、
「れ~む~!さすがだぞぉ~!やっぱりれ~むは最高なんだぞぉ~!」
そう言いながら抱きつく。
霊夢は一瞬驚き顔を赤くしながら、
「ど、どきなさいよ暑苦しいわね…(まったく…萃香にはかなわないわねぇ。)」
そう言いながら(思いながら)倒れてしまった。
どうも弾です!
いやぁ…ドッカンフェスなんてありませんでしたね!
超ベジットなんていなかった…いいね?
まぁそんなこと置いといて、とうとうドラゴンボール超未来編ですね!
トランクスがSS2になったのは嬉しいですし、ブラック悟空はカッコいいですねぇ。
そして未来悟飯の登場!
この作品の作者として…個人的にはあまりいいと思いません。
悟飯は死んでるわけですし、登場させる意味がないと思うんですよねぇ…
まぁ上の文見ていただければわかると思いますが、この作品はいくらドラゴンボール超が未来編と関わろうとも、超のキャラクターは一切だしません。
(仮にトランクスが出たとしてもそのトランクスはSSJの第4段階までが限界とします。)
未来悟飯の作画…ちゃんとしてるといいなぁ…
おっとこんな愚痴はさておき、さぁ、次回はとうとう紅魔館に悟飯が突入。
果たして悟飯にはどんなことが待っているのか?
それでは次回もよろしくお願いします!