絶望に生きた覚悟の戦士が幻想入り   作:高月 弾

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なぜか最近モチベーションあるのに疲れて進められない弾です。
疲れをとりたいのですがなかなかとれませんね。
とまぁ個人的な問題はさておき、これから幻想郷の人達に謝罪をする未来悟飯ですが、果たしてすんなりといくのでしょうかね?



第10話 恐るべきサイヤ人の力

 

「おーい、悟飯!風呂沸いたから先に入ってくれるかぁ~?」

 

魔理沙がどこからか大きな声をあげて悟飯を呼ぶ。

悟飯はそれに気づき返事をする。

 

「俺から?魔理沙が先じゃなくてもいいの?」

 

と聞く。

すると魔理沙は、いまは研究が忙しい!

という感じのことを言ったので、悟飯は先に風呂にはいることにした。

悟飯が服を脱いで風呂場にはいる。

すると風呂はそれなりに広く、余裕のあるものだった。

 

(…割りと広いんだなぁ。こんな感じのお風呂にはいるのなんて久しぶり…というより初めてかもしれないなぁ。)

 

そう思いながら体を洗い、そして風呂に浸かる。

風呂からは大量のお湯がこぼれる。

そして大きく息を吐き、体の力を抜いていった。

目をつむり、いい湯加減の風呂に微笑みながら気持ち良さそうに浸かる。

そして十数分が経過していたが悟飯は全く動いていなかった。

が、目をゆっくりと開けてすこしだけ上体を起こした。

 

(…本当に久しぶりだ。こんなにゆっくりとお風呂に浸かるなんて。なにも考えずにこんなにリラックスできるのは…。地球では人造人間達がいつ来てもおかしくなかったし、それに人造人間の不安でゆっくりなんて入ることができなかった…。もしかしたら…もう、14~5ぶりかもしれないなぁ。)

 

そう思いながら風呂のお湯を手ですくい顔に浴びせる。

そしてまた大きく息を吐くと風呂から出て頭を洗い、風呂場から出てきた。

そしてすぐに着替えを済ませると、魔理沙のところに向かった。

 

「魔理沙~、あがったよ。」

 

すると魔理沙が返事を返しながらこちらを振り向くと何やら驚いたような顔をしてからすぐに顔を赤くして、

 

「おっおう…分かったけど、何で上裸なんだよ…」

 

「えっ、あぁ上がったばかりで熱かったから…」

 

そう言いながら暗い青色のインナーを着る。

魔理沙の周りには三角フラスコやら試験管やらになにか不思議な液体の入ったものが大量にあった。

これが魔理沙のやっていたことなのだろうかと不思議に思いながらそれらを興味本意に見ていた。

魔理沙はそれを見るとすこしいたずらを考えたのかなにかをたくらんだ顔をする。

そしてその液体の入った試験管を悟飯のそばに持ってきた。

 

「これは魔法薬の研究をしているんだぜ。ここら辺のはそれのもとみたいなものなんだぜ。一応これだけでも効果はあるけどすごい小さいからこれを大きくするために色々混ぜたりしてるんだぜ。」

 

と言いながら悟飯にその液体を渡す。

悟飯は興味深そうにその試験管を受け取り、その液体を眺め始めた。

試験管を正面から見たりすこし傾けたりして。

そして手であおぎ臭いを嗅いだ、その時。

 

「うわっ!なんだこの臭い!?」

 

悟飯の鼻の中にまるで食べ物を腐らせたときのような酸っぱさのあるきつい臭いが広がる。

思わず試験管を鼻から遠ざける。

すると魔理沙がいたずらっぽい笑みを浮かべながらクスッと笑う。

 

「あははっ!ひっかかったな!さっき上裸なんかでこっちに来たお返しだぜ。…といっても直接嗅がなかったのが意外だったな。普通なら直接嗅いでもっときつくなるはずなんだけどなぁ。」

 

と笑いながら言うが後半はすこし期待はずれだったようで声の大きさがすこしだけ落ちていた。

 

「直接嗅がなくて良かったよ…そうじゃなきゃ魔理沙の言う通りもっときつかったな。(一応科学者を目指していたから薬品とかの取り扱いはお母さんに徹底的に教えられたからなぁ…)」

 

と苦笑いをしながら答えた。

魔理沙も一度魔法薬の調合を中断して風呂に入っていった。

悟飯はその間に魔理沙の部屋の本をすこし読んでいた。

 

(…へぇ、この世界にはこんなに特殊な植物があるのか。魔力強化…魔力増幅…傷薬…睡眠薬…本当に色々あるんだなぁ。)

 

そう思いながら魔理沙の作っていた魔法薬を見始める。

 

「…とするとこれが…この薬品かな?」

 

っと本の情報と実物を比較してそれがなんなのかを探り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ~悟飯ーあがったぜ~。」

 

そう言いながらさっきのところに行ってみる。

すると悟飯が何やら色々と混ぜていた。

 

「おっおい!?なにやったんだ!?適当に混ぜたりしてないだろうな!?」

 

魔理沙が悟飯のそばにある試験管へと急ぐ。

しかし三角フラスコの中の様子を見た瞬間魔理沙が動きを止めた。

悟飯が魔理沙の方を向きながら三角フラスコを魔理沙に持ってくる。

魔理沙がその三角フラスコの中の薬をまじまじと見る。

中の薬は緑とピンクの液体が混ざらずにお互いを侵食し合うかのような動きが見えた。

そしてその薬はにわかにだが光を放っていた。

 

「こっ…これをどうしたんだ?悟飯…」

 

魔理沙が呆気にとられながら聞く。

すると悟飯がすぐ横においてあった本を見ながら、

 

「この本に書いてあった情報をもとに自分で作ってみたんだけどどうかな?」

 

そう言いながら魔理沙に薬わ渡す。

魔理沙はそれを受けとるとすぐに三角フラスコを蓋で閉じた。

 

「悟飯…これどうやって作ったんだ?」

 

魔理沙が目を見開きながら質問する。

どうやら魔法薬として完成していたようだ。

 

(…この薬には魔力がこもっている。つまり魔法薬として完成している証拠だ。それに色や様子から見たら魔力増幅と魔力強化の2つの効果がある薬だぞ…そんなの私だって中々作れないのに悟飯はこの本を見ただけでつくったって言うのか!?)

 

「あっ…これ実はたまたまなんだ。」

 

「…え?たまたま?」

 

魔理沙があまりにも想定外な返答が来たので目を丸くする。

 

「まぁそれなりに考えてやってはいたんだけどあくまでわかっている理論だけでやったから完成したのはあくまでたまたまなんだ。」

 

そう言いながら頭の後ろに手を持ってきながら笑う悟飯。

それにつられて魔理沙も苦笑い浮かべた。

たまたまこんなものができるなんてあまりにも予想外すぎて笑うしかなかったのだ。

その後魔理沙はその調合した素材を悟飯に聞き、薬の再調合に成功したのだった。

その日はそれをやってお互いに眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔理沙の目に朝日が差し込んでくる。

魔理沙が眩しそうに目を開けてグッと伸びをする。

そして大きなあくびをしながら辺りを見回す。

すると魔理沙が目を丸くする。

昨日まで薬の調合やら研究やらで物置のようになっていた部屋がきれいに片付いていたのだ。

恐らく悟飯がやったのでと思い魔理沙は辺りを見回すが悟飯の姿はなかった。

永遠亭に居たときに永琳が、魔理沙の起きる一時間前には悟飯が起きてトレーニングをしていたと言う話をしていたのを思い出す。

 

(…そっか、悟飯はもう起きてトレーニングをしてるのか。)

 

魔理沙はすぐに着替えると家の外に飛び出した。

すると、魔理沙の予想通り悟飯は表に出てトレーニングをしていた。

右手で空に向かって素早い連続のパンチ、次にそれを正面に向けて続ける。

そしてそれからすぐに背後に向かって左足で腰の高さほどの蹴りを一撃、そしてすぐに反転して右足での連続蹴りをした。

どうやら空動きをやっているようだった。

悟飯のじゃまをしないために魔理沙は区切りの良いところまで待つことにする。

1分後に悟飯が正面に正拳を放つ。

すると悟飯がゆっくりと姿勢を伸ばし武術の体制から普通の体制に戻る。

魔理沙が悟飯に声をかけようとすると、

 

「おはよう、魔理沙。」

 

と悟飯が始めに挨拶をして来た。

魔理沙はそれにすぐに、

 

「あぁ、おはようなんだぜ!」

 

と元気に返した。

すると悟飯が少し笑いながら

 

「そしたら、修行始めるか?」

 

「もちろんだぜ!!」

 

悟飯がその言葉を言い終わるか否かの時点で魔理沙からの返事が返ってきた。

すると悟飯が

 

「よし!先ずは腕立てを片方ずつ一万回をやろうか。」

 

「いっ…一万回!?ほ、本気か!?できるわけないぜ!?」

 

魔理沙が信じられないとばかりに声を張り上げる。

悟飯も少し驚いたように目を開くと、それならと

 

「5000回ならどうだい?」

 

「それも無理なんだぜ!?」

 

またも否定されてしまう。

悟飯は少し困ったような顔をしてしまう。

 

「ご、悟飯…基準を悟飯にしないでくれ…」

 

魔理沙が気を重くしながらそう頼む。

すると悟飯が苦笑いをしながら、

 

「ご、ごめんごめん。それな、100回ずつで良いよ。これならできるだろ?」

 

「分かったぜ…それならなんとかなると思うからな。」

 

そう言いながら先ず右手から腕立て伏せを始めた。

魔理沙は全力でやっているが悟飯はその横でそれを遥かに上回るスピードで腕立て伏せをやる悟飯がいた。

 

(…なっ何て早さだぜ…本当に人間なのか?)

 

(…あれだけの気功波が使えるのに近接戦闘なはあまり慣れてない…というよりもそれように体を作っていないんだなぁ。)

 

とお互いのことを考えながらトレーニングをしていた。

その後100を目前とした時に体を持ち上げることができなくなった魔理沙が腕立てを終えたのは午前10時を過ぎたところだった。

 

「もっ…もう腕が上がらないんだぜ…」

 

腕をダランとしながらフラフラと歩く魔理沙。

それを苦笑いをしながら支える悟飯。

ようやく朝御飯(?)が食べれるとなったのだが魔理沙は疲れすぎて作る気力がでなかった。

その様子を見た悟飯は、少し待ってて、と言って森のなかに走っていってしまった。

魔理沙は不思議に思いながらも家の中にはいって待っていた。

少しすると外から悟飯の声が聞こえてきた。

魔理沙はそれに気づき外に出ると目の前には驚くべき光景があった。

 

「…なっなんなんだぜ…それは?」

 

「これかい?そこら辺にいた食べれそうな妖怪とトカゲだったり、木の実とキノコを集めてきたんだよ。」

 

魔理沙はすぐに悟飯のもとへいきキノコをみて二つに分け始めた。

それはものの一分ほどで終わり、

 

「こっちが食べれるやつ、でこの少ない方が毒のあるやつだぜ。」

 

とそれだけ伝えた。

すると魔理沙は疲れたように座り込んでしまい、悟飯に調理は任せるぜ、といいうつ向いてしまった。

 

(…これでもキツすぎたかな?今度はもっと優しくしてみるか…いや、これを続けさせよう。)

 

そう思うとキノコなどを調理し始めた。

また少し経つと魔理沙の鼻に美味しそうな臭いが立ち込めてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁ、魔理沙の口にあっていたみたいで良かったよ!」

 

「あっあぁ、確かに美味しかったぜ。」

 

魔理沙たちは空を飛びながら話していた。

 

(まさか妖怪を丸焼きにしたやつがそれなりに美味しいなんて思わなかったぜ…でもさすがにトカゲは食べれないぜ…)

 

とまだ自分が妖怪を食べたことに不安を感じながら飛んでいた。

少し飛んでいるうちに悟飯は質問をして来た。

 

「ねぇ、そのさっき言ってたレミリアって人と咲夜って人はこっちにいるんだろ?でもどんなとこにいるのか聞いてないぞ?」

 

「ん?それは紅魔館って所に住んでるぜ。まぁ見た目通りって感じだから行けばわかるぜ。」

 

そう言いながらスピードをあげながら飛んでいく。

どうやら、腕はさっきよりも大分ましになったようだ。

悟飯もそれに合わせて飛んでいくとしばらくして、綺麗な向日葵のたくさん咲いている花畑に出た。

それは太陽の方を向いてサンサンと輝いているようにも見えた。

 

「うわあ…。」

 

悟飯は思わず感嘆の声を漏らす。

そして空中で止まってしまう。

魔理沙が先に飛んでいたがそれに気づき魔理沙も止まった。

 

「どうしたんだ?こんなところで止まって?」

 

魔理沙がなぜ悟飯が止まったのが全くわからないでいた。

 

「………」

 

悟飯はそのどこまでも広がるかのような向日葵畑に目を奪われていた。

 

(…この世界は…幻想郷はいいなあ。こんなにも綺麗な場所が残っているなんて…)

 

悟飯の世界はすでに人造人間によって地獄となってしまっている。

生きていても人造人間がきていずれ殺されてしまう。

まるで虫けらのように。

生き地獄のような世界だった。

だから悟飯にはこの花畑がとても心に響くものだったのだ。

しばらく悟飯は動けずにいた。

魔理沙は少ししびれを切らし、

 

「おい悟飯!そろそろいこうぜ。あんまり長く居るとめんどくさいやつに絡まれるぜ!」

 

「そのめんどくさいやつって誰かしら?」

 

背筋の凍るようなゾワッとする声が聞こえてくる。

魔理沙はどこにいるかを探し始めるが、悟飯はある一点だけを見つめていた。

向日葵畑の中に一ヶ所だけ赤いものが見える。

それは風にあおられてゆらゆらと揺れていた。

魔理沙はまだその存在に気づいていないが悟飯はその声の主がその赤い人物だと気づいていた。

そして、

 

【元祖 マスタースパーク】

 

その赤い人物から特大のレーザーが放たれる。

 

(こ…これは!?)

 

悟飯はすぐに右手を大きく引きエネルギーを手に集める。

 

「はあぁぁぁぁあ!!!!」

 

悟飯が右手を前につきだすと黄色いエネルギー波が放たれ赤い人物の放った【元祖 マスタースパーク】と衝突する。

 

【ドガァァァァァァン!!!】

 

大きな音をたてながら二つの攻撃はお互いに衝突し合う。

その音に魔理沙が気づき悟飯がエネルギー波を特大のレーザーとぶつけ合っていることを理解した。

魔理沙がなにかを叫んだようだが音にかき消されて聞こえなかった。

エネルギー波とレーザーが衝突しているが徐々に悟飯のエネルギー波が押されていく。

 

「くっ…ぐぐっ…。」

 

悟飯のエネルギー波はどんどん押し込まれていきやがて1mほどの距離になっていた。

 

「くっ!」

 

悟飯がエネルギー波を放つのをやめ、すぐに回避行動に移る。

衝突しあっていたエネルギー波が消えたレーザーは一気に加速して悟飯を襲う。

悟飯はなんとか紙一重でそのレーザーを躱した。

レーザーが空を裂くような勢いで空へ消えていった。

 

(何て威力だ…相殺が間に合わなかった。)

 

悟飯は驚いたようすでその人物を見た。

すると魔理沙も悟飯のもとにきてレーザーの飛んできた方向を見る。

すると、悟飯にあることを話始めた。

 

「あれだぜ…さっき言ってたやつは。あの赤い服に緑色の髪、そして手に持っている傘。間違いないぜ。めんどくさくなっちまったぜ。あれが【風見幽香】、この花畑にいる凶悪な妖怪だぜ。」

 

そう言いながら戦う構えをとる。

そういわれた悟飯はその人物をよく見つめ始める。

 

(さっきの気(?)はスゴく大きかった。かなり強いな…この人…じゃなくて妖怪か。)

 

悟飯は構えを取りながらゆっくりと幽香に向かって降りていく。

 

「悟飯?」

 

「魔理沙は手を出さないでくれるな?」

 

そして幽香と同じ目線に来るまで降りてきた。

お互いに対峙すると、まるで互いに見定め合うかのような雰囲気になる。

始めに話始めたのは悟飯だった。

 

「なぜいきなり攻撃をしてきたのですか?」

 

そう質問した。

すると幽香は見るものを恐怖させるような笑みを浮かべながら、

 

「なぜって、あなたこの前に異変を起こした外来人でしょ?服もここら辺じゃ見ないし、なにより初めて見る顔だからねぇ。」

 

そう語っている声にも恐ろしい気を感じていた悟飯はけっして話のなかでも油断せずに常に警戒していた。

 

「あなたがあの爆発を起こしたのでしょ?あの爆発でどれ程の植物が、花たちが吹き飛んだと思っているのかしら?」

 

それを言われた悟飯は少し戸惑いながら、

 

「す、すみません。わからないです。」

 

そう答えた。

すると幽香の傘から突然レーザーのようなものが放たれる。

警戒していた悟飯はとっさの判断でそれに飛び上がりそれを躱す。

 

「花たちを吹き飛ばして責任をどうってもらおうかしらねぇ?」

 

そう言いながら冷ややかな笑みを浮かべる。

その笑みは顔こそ笑っているものの心のそこでは激しい怒りと憎しみがこもっていることがすぐにわかった。

悟飯は飛び上がるとすぐに構えを取りながら叫び始めた。

 

「確かにそれは俺が悪いです!けれどもいまはそれどころじゃないんだ!お願いだ!ここを通してくれ!!」

 

「そんなこと聞くわけないでしょ?」

 

そう言いながら幽香も飛び上がり悟飯と同じ高さに来る。

悟飯は防御の構えをとる。

悟飯はこの距離での弾幕が来ると予測していた。

しかし予測とは違うことが起こった。

 

【バキッ】

 

「ぐはっ!?」

 

悟飯は顔に強い衝撃を受けて地面に叩きつけられる。

がすぐに起き上がると自分の口を手の甲で拭う。

そして手の甲を見るとそこには血が付着していた。

悟飯は弾幕を喰らったのではなく物理的に殴られていたのだ。

悟飯は驚きながらもすぐに幽香に集中する。

 

「あら?この世界の全員が弾幕だけで戦うとでも思っていたのかしら?」

 

そう笑いながら悟飯に追撃を仕掛けてくる。

悟飯は幽香の右拳を右手で受け止めて反対方向に投げ飛ばした。

幽香は地面に着地すると傘をつきだしてそこからレーザーを発射した。

悟飯は瞬時に躱し、距離をおいた。

 

「…あれだけの焼き跡を残すのだからどれだけの強者かと思ったら、」

 

そう言いながらため息をつく。

 

「始めのマスタースパークを相殺することもできずに、それにいまの戦いでも簡単に一撃を喰らうなんて…思っていたほど強くないただの弱者のようね。」

 

そう言いながら首をならす。

その言葉に悟飯が少し反応する。

すると魔理沙が、

 

「なにいってるんだぜ!悟飯は弱くなんかないぜ!!まだ本気を見せていな…「魔理沙!黙ってろ!」…え!?」

 

魔理沙が叫んでいる途中に悟飯が大きな声をあげる。

すると悟飯は少しうつむきながら、

 

「あぁ、俺は確かに弱い。弱いから戦いに負けてこの世界にきた。けれど!まだすべてを見せていない相手のことを見切れずしてそんなことを言われるのは少し気にくわないぞ!」

 

そう言いながら幽香を睨む。

 

「だったら見せてやるよ。魔理沙!さっきいった通り手は出すな!」

 

「わっわかったぜ…」

 

いままでにない気迫に魔理沙が少し押される。

 

「なら見せてみなさいよ。その力を。」

 

「あぁ、そのつもりだ。」

 

悟飯は今度は攻撃の構えをとる。

幽香もそれに対峙する。

お互いの間に静かな風が通る。

そして動き出す。

悟飯が一気に幽香との距離を縮めて自分の範囲内に迫ってきた。

重心を深くしている悟飯は右手の肘で幽香の顎を狙う。

が、幽香はそれを躱し悟飯の腹に右拳を振りかぶった。

それを右足を軸に180゜左に回転し躱しながら左足でかかとで回し蹴りを繰り出す。

それを幽香はしゃがんで躱し、悟飯の軸足に向かって右足で蹴りつける。

それを飛んで躱し今度は空中で体を反転させながら軸足に使っていた右足で幽香の顔めがけて回り蹴りを繰り出す。

幽香は両手を顔の前に持ってきて、それをガードする。

が、その威力が強く幽香は地面を両足で削るように飛ばされる。

5mほど飛ばされて幽香は止まる。

悟飯は地面に着地して幽香の方を見る。

幽香もガードした腕を下げて悟飯を睨む。

するとお互いに鋭い目付きのままだが頬に笑みを浮かべた。

魔理沙はその攻防を唖然として見つめるしかなかった。

 

(は…速い!いまの戦いだって悟飯のスピードはスゴいけどそれについていった幽香だって普通じゃないぜ!?)

 

「…確かに少しはできるみたいね。期待はずれにならなくてよかったわよ。」

 

「へぇ、それはよかったじゃないか。」

 

今度は幽香から攻めてきた。

右拳を悟飯の顔に向かって思いきり振り上げる。

悟飯はそれを右手で受け止めるとその手をつかんだまま右足で幽香の顔に向けて蹴りあげる。

幽香は左腕でそれを受け止めて右手を振りほどきながら右足で悟飯の腹に蹴りをいれようとする。

それを左足をあげて受け止め、振り払いながら右拳で幽香の右肩を狙う。

それを幽香は右手で受け止める。

そのような攻防がスゴいスピードで繰り広げられていた。

さっきの躱し合っていた静かな戦いとは違い今度はお互いがぶつかり合う激しい戦いになっていた。

 

(…こ、ここまでスゴかったのか…)

 

魔理沙はそれを目で追っていたが、その中から自分に取り入れられそうななにかを探していた。

 

(…悟飯の強さはとてつもないものだぜ!なら…そこから奪えるものは奪わないと損だぜ!)

 

そしてお互いの右拳がぶつかり合い辺りに衝撃が広がった。

 

 

 

 




さぁ始まってしまった風見幽香vs未来悟飯の決戦。
果たして悟飯は幽香を倒すことができるのでしょうかね?
この作品では未来悟飯がよく過去に思い更けることがありますがそれは俺のイメージなのであしからず。
今回はここで終わりです。
次回もよろしくお願いします!
あ~、早くある人と悟飯の決戦にすすみたいなぁ…

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