絶望に生きた覚悟の戦士が幻想入り   作:高月 弾

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この話は未来悟飯がもし幻想入りしたらを考えてみた。
いわばIFストーリーです。
ド素人の作品なので色々とおかしなところもあると思います。
それでもよいと言うかたは見てみてください。


プロローグ
第0話 未来悟飯が幻想入り


「俺は死なない!例えこの肉体は滅んでも!俺の意思を継ぐ者が必ず立ち上がり!そして…!お前達人造人間を倒す!!!」

 

これは とある青年が発した最後の台詞だ。

そしてその青年はある二人の人物と睨み合っていた。

青年は髪を金色に輝かせ逆立てていた。

そして碧色の瞳をしていた。

が、何よりも一番目がいくのはその体に左腕がないことだ。

つまり右手のみの隻腕なのだ。

そしてもう二人の人物は男女の兄弟のようだ。

黒髪の男と金髪の女、どちらも青年より幼いように見えた。そして青年の台詞からするに、どうやらこの二人が人造人間らしい。

そして青年と人造人間達が醸し出す雰囲気とそこに降りしきる雨、そしてそれを作り出している分厚い雲によってそこはまるで世界のすべてをかけた戦いを見ているかのようなものだった。

そして、ついに動き出す。

二人の人造人間は青年に向かって重なるように走り出す。

そして女の方が青年に向かって攻撃を仕掛けた。

青年はそれを躱すが、後ろを走る男が時間差攻撃を仕掛けてくる。

しかし青年はそれよりも先に男の顔に蹴りを打ち込んだ。その隙に女が再び攻撃を仕掛けてきた。

青年はガードが間に合わずに攻撃を喰らってしまった。そして、人造人間は激しい拳の連撃を青年にあびせる。青年はそれを片手で受け流したり防いだりして攻撃をしのいでいた。

それは外から見れば互角に戦っているようだった。

 

「す、すごい…あ、あの人造人間達と…互角に戦ってる…?こ、これなら…もしかしたら…あの青年が…人造人間を倒して…俺たちを…救ってくれるかもしれない…」

 

その男はその戦いに目を奪われていた。

そして僅かなその光に大きな希望…いや、僅かに残された希望をすべて託したのだった。

暗闇しか残されていなかったその男の心に一筋の、僅かだが光を感じたのだ。

この男は運良く人造人間の攻撃の中なんとか無事に逃げることができた人のようだ。

その30代の男はそのすさまじい戦いを瓦礫の中から見ていた。そして青年に希望を託していた。

が、その希望もすぐに断たれることとなる。

青年と人造人間は互角の攻防を繰り広げていたが、それも崩れた。

男の人造人間が青年の足を払いバランスを崩す。

青年はすぐさま体制を立て直し一度距離をおこうと飛び立った。人造人間達もそれを追っていった。

 

(た…頼む…人造人間達を…倒してくれ…!)

 

男は見えなくなる青年と人造人間の方を見ながら心で叫んだ。

青年を追っている人造人間達は青年の前に向かってエネルギー波を撃ちだした。

エネルギー波は青年の前でぶつかり合い爆発した。

そしてそこには大量の粉塵と爆風が巻き起こる。

青年はそれから体を守るように体を僅かに丸める。

そしてその間に人造人間達が青年に追いつきタックルをする。

青年は吹き飛ばされ壁に激突し、地面に落ちていく。

それを見ながら人造人間達はその青年の真上に飛んでいき、やがて止まる。

そして、二人はてを青年の方に向け…大量の光の玉…大量のエネルギー弾を飛ばしていく。

そしてそれは青年をめざして一直線に進んでいく。連続して聞こえてくる爆発音。

その光はどんどん大きくなっていき次第に青年の体を飲み込む。

 

「あっ…あぁ…あ………。」

 

そして、その光は青年の体だけでなく辺り一体を光で飲み込んでいった。

空には分厚い雲が覆っていてとても暗いはずなのに、そこは、まるで昼のような明るさになっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う、うぅ…。」

 

少し時間がたち別の場所で一人の少年が目を覚ます。

その少年は意識をはっきりさせようと首をふる。

そして目を見開き突然なにかを思い出したかのように街を見る。不安と恐怖にかられながらも。

するとそこには以前あったような高いビルなどがあった都市はなく、黒い戦塵が上がり少し遠くから見てもビルが破壊され、倒れ、粉々になっている様子が見えた。が、少年が驚き不安になっているのはそれではなかった。

 

「か、感じられない…悟飯さんの気が…!」

 

そう言うと少年はすぐに飛び上がり破壊された都市…いや、廃都市に向かって飛んでいった。

なんとその少年も空を飛ぶことができたのだ。

それも鳥なんかよりも断然に速く。

少年は白い炎のようなオーラを纏いながらすごい速さで飛んでいった。

 

 

少年は廃都市にたどり着くと速度を落とし誰かを探すようにゆっくりと飛び始めた。

少年は雨の中傘もささずにひたすら飛んでいた。

ある人物を探し出すために。

しばらく飛んでいると少年はあるものを見つけた。

 

「…はっ…!」

 

それを見つけたとき少年は思わず声を出す…そしてその見つけたものとはある人物だった。

 

「…悟飯さん……。」

 

そう、少年が探していたのは先程まで人造人間達と激しい戦いを繰り広げていたこの青年だった。

そしてこの青年こそ少年の言う悟飯という人物なのだ。が、青年は人造人間と戦っていた時とは少し変わっていた。

髪は黒色になっており逆立ってもいなかった。

それに筋肉も僅かばかり減っているようにも見えた。

…が、その左腕はないままだった。少年が地面に降りてきて青年に向かって歩き始める。

 

「…悟飯さん……悟飯さん…悟飯さん…悟飯さん…!」

 

少年は悟飯の前につくと悟飯の体を持ち上げ必死に呼び掛ける。

 

「悟飯さん!…悟飯さん!!」

 

その体を揺さぶるがその体は傷だらけで全く動きもせず、返事も返ってこなかった。

悟飯は死んでいたのだ。

少年はその真実を信じられないと言わんばかりに、悟飯の体を腕から落とし、

 

「うわぁぁぁぁぁぁ!!うわぁぁぁぁぁぁ!!」

 

大きな声を上げ泣き叫んだ。

廃都市一体に響くような大きな声で。

自分が守れなかった存在に対して、自分への怒り、悟飯を殺した人造人間達に対しての怒り、そして悟飯を失ったことへの悲しみに泣いた。

己の爪で自分の手から血が出るほど強く握りしめて。

 

「うわぁぁぁぁぁぁ!!…うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁあぁぁぁあぁぁ!!!」

 

【ボオォォォォオ‼】

 

すると突然少年に変化が起こる。

突然髪は金色に代わり逆立ちそして瞳は碧色に変わる。

それはまるで今倒れている悟飯が人造人間と戦っていた時のように。そして金色に耀くオーラを纏った。

 

「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁあぁぁぁあぁぁ!!!」

 

少年は泣きながら思いきり地面を両手で殴り付ける。

 

【ドガアァァァァァン‼】

 

地面は大きな音をたてながら少年を中心に大きく割れた。

少年は泣いた。ひたすらに泣いた。

涙が枯れ果ててしまうほどに、もうにどと泣けないほどに…。

 

「うっ…うぅ…くっ…うっ、あぁ…あぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

どれだけの時が立っただろうか。

少年はとても長い間泣いていたようだ。

少年はゆっくりと立ち上がる。

まだその顔から涙がこぼれ落ちているが少年はゆっくりとだが動き出す。

いつまでも立ち止まっててはいけない、動き出さなくては…と言うように重いからだを動かす。

そして悟飯の方に目を向けたとき、ありえないものを目にする。

 

「な!?ご、悟飯さん!?」

 

それは悟飯の体が透明に透けているのことだった。

しかもそれはもうすでに地面が透けて見えるレベルとかではなくまるで幽霊でも見ているかのレベルの透明度だった。

 

「そ、そんな!?なんで!?悟飯さん!悟飯さん!!?」

 

少年は必死に呼び掛けるが意味はなくさらに悟飯の体は透明になり消えそうになっていく。

 

「ご、悟飯さーーーーん!!!」

 

少年は悟飯に飛び付く。

しかしそれも非情なことに間に合わず、悟飯の体はなにもなかったかのように消えてしまったのだった。

 

「そ、んな…、どう…して、こんなこと…が…。」

 

少年はその場に膝をつき座り込む。

その場には恐らく悟飯のものであろう血が付着している。

悟飯がここにいたのは間違いないのだ。

それが、目の前で消えた。

なんの予兆もなしに。

少年はただただうなだれることしかできなかった。

 

 

(うぅ、こ、ここは…?)

 

ある人物が目を開ける。

するとそこはなにもないただただ黒い世界が広がっているだけと空間だった。

 

(お、俺は…確か…人造人間と戦って…そして…)

 

そう考えているとき突然激しい頭痛が襲う。

 

「ぐっ!!あぁ!?」

 

あまりの痛さにそのまま気を失ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…はぁ、めんどくさいわねぇ。」

 

そう言いながらその人物は目の前の化け物を吹き飛ばす。

 

「ギャアオォォォォォォォオ!!!」

 

化け物は大きな雄叫びを上げるとその人物に突撃してきた。

するとその人物は札を取り出して、

 

「だから…めんどくさいって言ってるでしょ!」

 

「スペルカード発動!!」

 

【霊符 夢想封印】

 

札が光りだす。

そしてその人物はその札を放ち化け物にぶつけようとするが、化け物はそれを躱す。

 

「ギャオォォォォォォォオ!!!」

 

化け物は再び雄叫びを上げてその人物を襲う。が、

 

「終わりよ…。」

 

【ドガガガガガァァァァン!】

 

「!!?」

 

なんと化け物に先程の札が当たったのだ。

それも横から。

なんとさっきの攻撃は先読みして躱した相手のことを追尾して攻撃するホーミング性が高い攻撃だったのだ。

しかもそれを受けた化け物はたった一度攻撃を受けただけなのに倒れて気絶してしまったのだ。

 

「ふぅ、…にしてもこれだけ大きな妖怪がこんなことをするなんて、何かの予兆かしらね?…正直言いたくないけど…嫌な予感もするし。はぁ、博麗の勘かしらねぇ?」

 

そう、この人物は幻想郷の中心人物でありパワーバランスのトップクラスに存在する博麗の巫女、博麗霊夢である。

そしてこの世界は幻想郷と言う。

ここは一言で言うなら隔離された世界。

少年や悟飯が住んでいた世界や、界王様の住む界王星、ナメック星人の住むナメック星とも交わることのない孤立した世界だ。

そして先程少女、博麗霊夢が言ったようにこの世界には妖怪が存在するのだ。

霊夢は妖怪を倒すと歩き出した。

どうやら家に帰るようだ。

しかしその途中…

 

【ガサガサガサッ】

 

「!!」

 

霊夢は物音を聞くとすぐに札を取り出して構えをとった。

どうやらかなり戦いなれているようだ。

そしてゆっくりと物音のした方に歩き出す。

 

(はぁ、今度はなにかしら?めんどくさいことにならなきゃいいのだけれども…)

 

そう思いながら物音のした茂みに近づき、そして近くで止まった。

警戒心を強めながら霊夢はその茂みを覗きこむ、すると

 

「ひ、人?」

 

霊夢はそれを見ると少し警戒心を解きその人に近寄った。が、警戒心を完全に解いたりはしなかった。

 

(人の容姿にそっくりな妖怪もいるからもしかするとこいつも…でも見た感じ妖怪ではないわね。)

 

そう思いながらその人が倒れているようなので肩に手を当てて声をかける。

 

「ねぇ、あなた大丈夫?こんな夜にここに来るなんて危険だって思わなかったのかしら?」

 

そう言いながら手を離すがその時驚きの物を目にした。

 

「え!ち、血!?そ、それに手一面に!?」

 

霊夢は自分の手の一面が血に染まっていることに気づき驚く。

そして、それは自分の血ではなくこの倒れている人物の血であることもすぐに理解した。

すぐに倒れてる人の体を確認する。

するとその体は傷だらけで体中に血が付着していた。

しかもその傷はつい最近…いや、まるで今さっきつけられたかのような傷だったのだ。

 

「ちょっと!あなた!!しっかりして!!大丈夫なの!?」

 

そう叫びながら体を大きく揺さぶる。

すると、

 

「……うっ、……うぅ………。」

 

「!?よかったぁ…まだ生きてるみたいね。それに意識もなんとか戻せそうかしら?」

 

その人物が僅かに声を漏らす。

それを聞いた霊夢は安心して彼女も安堵のため息を漏らした。

 

「見たところ18~9に見えるけど…いったい何をしにここに来たの?妖怪がいることぐらいわかってたわよね?」

 

そう言いながらその青年の肩を持つ。

すると、青年が目を覚ます。

 

「うっ、…あぁ……あ。」

 

「あら?目が覚めたかしら?大丈夫?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

青年は目を覚ました。

 

(あ、あれ?こ、ここは?どこ?)

 

そして誰かに肩を持たれてることに気づく。

 

(ん?だ、誰が肩を?)

 

そう思いながら隣を見ると見覚えのない顔がすぐそばにあった。

しかもその顔は女性だった。

それも青年よりも少し幼く見える。

 

(こ、この子が俺の体を支えてくれてるのか?)

 

そう考えているなら恐ろしいことに気づく。

 

「うっ、…あぁ……あ。」

 

(こ、こいつ…)

 

「あら?目が覚めたかしら?大丈夫?」

 

(こいつから…気を感じない!?ってことは!!?)

 

その青年は最悪の状況を想像する。

 

「ねぇ?大丈夫?あなた意識ある?」

 

「…れろ…。」

 

「え?」

 

あまりにも声が小さかったので霊夢がもう一度耳をすませる。

すると次に驚くことが起こる。

 

「は、はなれろおぉぉぉぉ!!!」

 

突然青年が荒々しい声を上げたかと思えば、次の瞬間衝撃波のようなものが霊夢を襲った。

あまりに突然のとこだったので霊夢はなにもできずに吹き飛ばされてしまった。

 

「キャアァァ!!?」

 

霊夢は吹き飛ばされて木に激突する。

そして体をうちつけた。

体が木にぶつかる激しい音が辺りに響く。

 

「ちょっと!!なにするのよ!?」

 

霊夢はいきなり飛ばされたことに怒りながらも札を構え始め、青年と対峙する。

青年はふらふらと立ち上がり構えをとる。

 

(あれは…武術の構え。と言うとこは…武闘家!)

 

「お、お前も…人造人間達の…仲間だな!もう…お前達の好きにさせて…好きにさせて……たまるかぁ!!」

 

そう叫びながら霊夢を睨み付ける。

その鋭く強みのある眼光に霊夢は一瞬怯む。

が、霊夢はすぐに、

 

「何をいっているの!私は人造人間なんかじゃないわ!ちゃんとした人間よ!」

 

と青年に向かって叫ぶ。

霊夢は警戒心を最大にして今青年と対峙している。

なぜなら不意打ちとはいえ彼女自身を吹き飛ばす相手など幻想郷の中でも決して多くはないだろう。

その霊夢が吹き飛ばされるだけでなくその眼光のみで一瞬怯まされたのだ。

それほどの相手は幻想郷にそうそういない。

 

「はぁ…はぁ……貴様からは気を感じない…!つまりは人造人間だろう!隠しても無駄だぞ!人造人間がどんなことをしようが気は使えない!」

 

そう叫ぶと青年は霊夢に向かって突撃してくる。

霊夢はそれを躱しながら光の弾を青年に向かって放つ。

 

「私は人造人間じゃないわよ!あなたの言う気がなんなのかは知らないけど攻撃してくるようなら私も容赦はしないわよ!」

 

そう言いながら距離を置く。

 

(まぁ今の通常の弾幕…いや、弾幕とも言えないわね。あれだけで十分だわ。あれだけ傷だらけなのだから。)

 

そう思っていたがその予想は大きく外れることになる。

 

「…は、はあぁぁぁぁぁぁあ!!!」

 

【バチッ!】

 

「な!?」

 

なんとその青年はその光の弾を素手で弾いてしまったのだ。

その目の前の出来事を信じられないと言わんばかりに目を見開いている霊夢に青年がすぐに、

 

「はぁ!」

 

拳を振るう。

それは油断…いや、立ち尽くしていた霊夢はそれの反応が遅れて直撃してしまう。

 

「キャア!!」

 

そして再び吹き飛ばされてしまう。

しかもさっきよりも遠くへ。

 

(い、一撃が思っていたよりも重い…これはそう何発もまともに受けてたらもたない…)

 

そう思った霊夢はスペルカードを手に構える。

 

【霊符 夢想封印】

 

霊夢がスペルカードを発動させるとそこには広範囲に広がる弾幕が展開された。

その弾幕は青年へと迫っていく。

青年はその範囲から逃れようと一度距離をとるため弾幕の迫る方向とは垂直の方向に飛び始めた。

そのスピードは速く、夢想封印のスピードよりも速かった。

そのため夢想封印の弾幕の範囲外に逃がしてしまった。

 

「こ、これで終わりだぁぁぁ!!!」

 

青年が拳を握る。

その時、

 

【ドガガガガガァァァァン】

 

「ガハッ!なっ!?」

 

「その弾幕はホーミングに優れてるのよ。甘く見たわね!」

 

そう言いながら青年との距離を詰める。

至近距離で攻撃を仕掛ける気だ。

霊夢のスピードも速く、すぐに青年との距離は縮んだ。

 

「これで終わりよ!」

 

霊夢が札を構える。

これで決まると思った瞬間、またも驚きのことが起こる。

 

「なめるなよ?人造人間…!」

 

「え?」

 

「はあぁぁぁぁぁぁあ!!!」

 

青年が雄叫びを上げると青年の体からは炎のような白色のオーラが溢れ出してきた。

直後に霊夢は至近距離で通常の弾幕を展開し青年に直撃した。

終わった…はずだった。

 

「終わったわね…。」

 

霊夢が煙の方を見ると驚いたことが起こっていた。

煙が渦を巻いているのだ。

先程攻撃したところを中心として、そしてその中心には人影がはっきりと写し出されてした。

 

(そ、そんな!?)

 

煙が吹き飛ぶ。

するとそこにいたのは白色のオーラを纏った青年の姿だった。

それもほとんどダメージを受けてないかと疑うほどだった。

そして青年は霊夢に攻撃を仕掛ける。

霊夢もすぐに防御の構えをとる。

霊夢も多少なり武術は習得しているため近接の戦闘が全くできないわけではない。

青年の攻撃はとてつもなく速い連撃だった。

霊夢はそれをガードするだけで手一杯だった。

 

(は、はやい!…これだけの技術があってなぜこんなところでボロボロで倒れていたのかしら?)

 

そして青年の蹴りが霊夢の腹にはいる。

 

「ぐはぁ!」

 

霊夢は吹き飛ばされるもののなんとか地面に足をつけ踏ん張る。

 

【ズザアァァァァァ】

 

地面になんとかとどまる。そしてすぐに、

 

【霊符 夢想封印 集】

 

先程よりも密度のある弾幕を展開する。

青年との距離も近く広範囲に広がる弾幕よりも範囲を狭くして確実にダメージを与えられる一手を選んだのだ。

そして青年は回避が間に合わず、

 

【ドガガガガガァァァァン!!!】

 

直撃した。

そして再び粉塵が舞い上がる。

霊夢は少し息を切らせてその場所に歩いていく。

もちろん警戒心は解かずにだ。

 

「はぁ、はぁ、…この人はいったい…何者?」

 

これだけの力を持つものならここら辺の妖怪に負けることなどありえないだろう。

が、この青年はボロボロの状態でここにいた。

それが霊夢にとって一番の疑問だった。

そう考えていたその時、

 

「はぁ、…あぁあぁぁ…!」

 

「う、うそ!?」

 

霊夢は青年が立ち上がる瞬間を見た。

 

(あ、あれを喰らってまだ立てるの!?)

 

すると青年は拳を握りして思いきり力を込める。

 

「はああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」

 

大地が揺れる…いや、大気が揺れると言った方がいいだろう。

どちらにせよ霊夢のいるところは揺れていたのだ。

 

「な、何が起こっているの!!?」

 

霊夢はただただ戸惑うことしかできなかった。

なぜならこんなこと今まで見たことないどこらか聞いたことすらなかったのだ。

 

「はあぁぁぁあぁぁぁあぁぁあぁぁぁああ!!!!!」

 

すると青年の纏うオーラが白から黄色に変わり始めた。

そして変わるとさらに揺れが大きくなる。

 

「い、いったい何が…!?」

 

青年が手を頭の前で構える。

それと同時に霊夢がなにかを悟る。

 

(あ、あれを喰らったらダメ!!!)

 

「魔閃光ーーーー!!!!!」

 

【夢符 二重結界】

 

【ドガアァァァァァァァアン!!!】

 

激しい轟音をあげながら辺りは光に包まれた。

そして煙に包まれた。

 

 

やがて煙が晴れていく。

するとそこにはところどころ服の破れた霊夢が立っていた。

 

「はぁ、はぁ、まさか…二重結界でここまでダメージを受けるなんて…これは不味いわね…」

 

そう言いながら息を整える。

 

「これはもう…【異変】ね!」

 

 

「はぁ、はぁ…。」

 

青年はふらふらと木を伝いながら歩いていた。

 

「これであいつは倒せた…。もう、誰も殺させるもんか…人造人間は…俺が倒すんだ…!」

 

そう言いながら森のなかを進むが。

 

【ズシャ】

 

倒れ込んでしまう。

それもそのはず元々ボロボロだった上に霊夢との戦いがあったのだ、むしろ今までたっていられた方が奇跡なのだ。

 

「はぁ、はぁ…す、少し休もう…。人造人間達を倒すのは…それからに…しよ…お……。」

 

そして青年は眠りについた。

 

 

・第1話 終

 




・どうも弾(作者)です。
 始めてだったので感覚わからずに長くなってしまいました。
 不定期更新+遅すぎる更新だと思います。
 次回からは少し短くなると思いますが、
 これからよろしくお願いします。

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