久しぶりの投稿になり、申し訳ありません。
こんな駄作を読んでくださっている方がいる以上、しっかりと続けていきたいと思っています。
さて!朽木白哉編はこれを含めて、あと2話で終了します。
やっと、《初代一番隊結成まで。》が終了します…、長かった。
次は《仮面の軍勢(ヴァイザード)》を考えています。
これからもどうぞよろしくお願いします。
「うそ……、、、だろ…。」
雛森、阿散井、吉良だけでなく、六回生の檜佐木までもが驚いた。それもそのはず、自分たちと同期、後輩が、たった一人で周囲の虚を倒していたのだから。
だがそれ以上に……
「冬獅郎……どうしたってんだよ!」
日番谷の異様な状態に驚いた。
目は赤く、焦点があっていない。
そして、右手には見たことのない刀……、
「なんでお前がそれを……斬魄刀を持ってんだよ!!」
日番谷の手までを巻き込んで握られている氷の刀。どう見ても日番谷に力を貸しているようには見えなかった。
「あれは……斬魄刀が暴走してやがる……っ!」
「斬魄刀が…?」
「あぁ、日番谷の意思に反して刀だけが闘おうとしているんだ。だから、日番谷の身体などお構いなしに戦い続けていやがるっ。」
だが、何故……。檜佐木には腑に落ちなかった。
A組でも優秀だと聞いていた日番谷が、突然暴走するとは考えられなかった。
「日番谷っ!!!」
檜佐木が悩んでいたところに、同じ班であるルキアがやって来た。
「ルキア!?なんで、お前こんなところに……。」
「たわけっ!日番谷を元に戻すために決まっているだろ!!」
「……元に戻す、だと?」
檜佐木の問にルキアは答えた。
「っ、はい。日番谷は自分のせいだと責めてあのような状態になってしまったのです。
……目の前で浦山が……殺されたから、、、。」
「「「!?」」」
「(くそっ、さっき消えたと思った霊圧……、あれが気のせいじゃなかったってことかっ!)」
檜佐木も死にかけだったことと、かなり距離があったことで察知しづらかったのはあるが、助けに行けなかったことに、檜佐木は悔いた。
そして、その責任を生徒が感じてしまっていることにも…。
「日番谷!もうやめてくれっ!!」
檜佐木が悔いてる間に、ルキアは日番谷に叫んでいた。
「……なぜだ、ルキア。これは、こいつ自身が望んだことだ。こいつが仲間を守れる力が欲しいと望んだんだぞ。」
「私は……、私はっ!!確かに弱いし、お前に守ってもらわなきゃすぐに死んでしまっていたかもしれない!」
ルキアは日番谷に訴えかけた。
「私が弱いせいで、お前がそのようになってしまったのは、充分に分かっている。だが次は……、私がお前を守る!!
縛道の四:
ルキアから繰り出された縛道により、日番谷の動きは一瞬だが止まった。
その隙を見逃さず、日番谷の懐にルキアは飛び込む。
「日番谷っ!!戻って来てくれっっ!!!」
「……る…………きあ、、、?」
「!!」
ルキアの声が届いたのか……日番谷は意識を取り戻した。しかし、今度はルキアが限界だった。
「日番谷!!……よかった、、、。全く、世話のやける……やつ…だ、、、。」
「ルキアっ!?」
ルキアはそのまま、日番谷に身体を預けた。
ルキアを支えた日番谷の頭には、再びあの声が響き始めた。
『小僧、よいのか?次はその女子が……
死ぬぞ?』
「やめろ…。」
『お前が無力だから、』
「やめてくれ……。」
『儂を抑えている場合ではないのではないか?』
「やめろやめろやめろーーーっ!!」
突然叫び出す日番谷に驚く阿散井たち。
そして、その期を逃すまいと攻撃を仕掛ける、残っていた巨大虚たち。
「日番谷くんっ!!」
「ルキアっっ!!」
「シロちゃんっ!!!!
……逃げてぇっっっ!!!」
―――ドガーンッッッッッ!!!!
日番谷の立っていた所で砂煙が大きく舞い上がった。
しかしそれは……
「千本桜」
決して日番谷と巨大虚との衝突で起こったものではなかった。
「朽木三席っ!」
遠くで戦っていた白哉が巨大虚の手と日番谷の間に、千本桜の刃を滑り込ませたのだった。
そして、腕の中にはルキアが抱かれていた。
「ルキアっ!」
「……一回生もいるのか。全員、頭を伏せて、衝撃に備えろ。」
「えっ……?」
白哉の忠告に理解が追いついていない一回生を、檜佐木が守るように前に入る。
「波動の三十一:赤火砲。」
それは先ほど、自分たちがはなった技と同じとは思えないほどの威力だった。
「みんな、大丈夫ー?」
「市丸教官っ!?えっ……!?なんでここに??」
「シロちゃんっ!」
一回生A組の教官である市丸の腕の中には、気を失った日番谷が抱かれていた。
「なんでも何も、檜佐木くんの救援要請を受けたのがボクだからや。あっ、雛森ちゃん、日番谷くんのことお願いしてもええ?
とりあえず、ギリギリセーフってことで、いいですかー?愛友隊長ー!」
「「「えっ……。」」」
「愛友……!?そ、総隊長!?」
頭上に向かって叫んだ市丸の目線の先には、威厳を感じる純白の羽織を羽織った愛友が立っていた。
「水紋花、虹鐘。下にいる6人をお願い。」
「りょーかーい!」「わかった。」
そして、そこから不思議な格好をした2人が降りてきた。
「君臨者よ 血肉の仮面・万象・羽搏き・ヒトの名を冠す者よ 蒼火の壁に双蓮を刻む 大火の淵を遠天にて待つ
破道の七十三:双蓮蒼火墜」
―――ドガァァーーーンッッッッッ!!!!!!
気を失っていた日番谷がわずかに見たのは、以前と同じような光景。
人ではない不思議な2人が、自分の前に立って結界を張り、上空で同じ背中が戦っていた。
以前とは違い、小さな赤い光ではなく大きな蒼い光に包まれた。
―――――――――――――――――――――――
《?side》
「じゃあ、…………、氷……した方が……。」
「……は、……思い………。」
「…………、監視も……るし、、、。」
ん、、、…………暖かい。帰ってきたのか、、、。
会話が断片的にしか聞こえねぇや……、まぁ、起きたら聞けばいっか。
次に俺が目を開けたのは、あのいつもの場所。
あたり一面吹雪、雪山の中。
そこに存在する巨大な氷の龍。
『小僧、今回は我に感謝しても良いのではないか?』
『うるせぇ、俺は二度とてめぇの挑発にはのらねぇ。自分の力だ、自分でコントロールしてやるっ。』
『ほぉ、そんなに上手くいくのか、楽しみだな。
せいぜい、再び身体を奪われないように気をつけることだ。』
ちっ、むかつく。
確かに、俺の今の力じゃこいつを操ることは出来ねぇ。
だからって、簡単にコントロールの練習をすることも……、
―――大丈夫、私が見張ってるから
『『!?』』
―――私が不要になるまで、私はあなたの味方
『ちっ、貴様か、、、。ってことは、あいつの……』
―――わが主より申し付けられた、私も抑える練習に付き合うよ
俺の横で喋っていたのは、人の形をした水の塊。
…………この霊圧って、、、。
「愛友……?」
「おはよう、冬獅郎。」