「ただいま……、、、誰もいないのかな…?」
白哉との実習を終えた日番谷は、一番隊隊首室に来ていた。
決して、呼ばれているわけではないのだが、……なんとなく毎日『ただいま』は言っていたし、『おかえり〜』という愛友のゆる〜い返事も当たり前だったのだ。
「お帰りなさい、日番谷さん。」
「うぉっ!?」
暗闇に包まれていた隊首室に、現れた一つの人影。
全く霊圧を感じなかったので、日番谷は驚いてしまった。
「あの……どちら様ですか?それに…、なんで俺の名前、、、」
「そういえば初対面でしたね。
自己紹介が遅れてしまい申し訳ありません。僕は
「優……?」
日番谷はここに来た初日のことを思い出していた。
―――そういえば、今度紹介するとか言ってたな…
「あっ、初めまして。日番谷冬獅郎です。よろしくお願いします。」
「愛友隊長から話は聞いています。こちらこそ、よろしくお願いいたします。」
「あの…、その愛友は……?」
隊首室に霊圧を感じることは出来なかった。
「愛友隊長ならお仕事です。あれでも一応、隊長ですから。」
なんとなく、うっすらと貶されてる気がするのは、触れないでおこう。
「今日は帰ってこないと思います。日番谷さんも、お休みになった方がいいですよ。」
日番谷の身体も白哉のスパルタ実習に、悲鳴をあげていた、
「では……、おやすみなさい。」
「はい、おやすみなさい。」
日番谷は、床に着くなりあっという間に寝てしまった。
「あの子が……。確かにすごいですね、愛友隊長。」
――まぁ、いろんな意味で。
「よぉ、冬獅郎!」
「ぶほぉっっ!?……朝から元気だな、、、眉毛みたいに。」
「「ぶっっっ!!」」
「ってめっ!どういう意味だコラ!?なんで、おめぇらも笑ってんだゴラ!!」
「そのまんまの意味だろ。」
最近、日番谷がよく一緒に行動している阿散井、吉良、雛森。……勝手に絡まれてるだけなのかもしれないが。
「今日、現世実習の班決めだよねー!みんなと一緒になれたらいいなぁ!」
「あぁ?そりゃあ無理だろ。基本はスリーマンセルだろ。誰かは仲間はずれだな。」
「じゃあ、お前でいいんじゃねぇの?阿散井。」
「てめぇが一人になれ、冬獅郎!」
「二人ともやめろって!」
「「黙っとけヘタレ!!」」
「へ〜〜〜〜〜〜!?!?」
こういう時はなぜか、息ぴったりな二人。
完全にとばっちりを喰らった、吉良だった。
「みんな、おはよー。今日は午後からB組さんと合同授業やから、演習場に移動してなー。」
「ん?そーいや、B組って……。」
朝、市丸教官から連絡を受け、阿散井はあることに気づいた。
「なぁ、冬獅郎。ちょっと付き合ってほしいんだけど。」
「はぁ?俺、これから飯なんだけど。」
「じゃあ、食堂の飯奢りは?」
「よし、行くぞ。どこに行くんだ?」
「俺の……まぁ、幼なじみに会いにだ。あいつ、確かB組だったんだよ。」
「へぇ。……俺、行く意味ねぇだろ。」
「いいから行くぞ!!」
―――恥ずかしいんだな……女か??
最近は心にしまうツッコミが多くなった日番谷であった。
《?side》
「A組と合同授業か…。ってことは、恋次のやつも…。」
でもあいつの事だ。きっと、もうたくさん友達ができてるだろう。
私なんか……、、、
「まだかよ、阿散井。お前の面白眉毛のせいで、視線を感じるから、帰りてぇんだけど。」
「うっせぇよ!!ってか、俺のせいじゃねぇだろ!どっちかつーと……、、、」
「キコエネーゾー。どっちかっつーと、なんだぁ??」
周りの女子が黄色い悲鳴をあげていた中心、美しい銀髪の少年と、いつもよりよく目立つ赤色の髪。
「恋次……??」
「んおっ!?いたぞ、冬獅郎!おーい、ルキアー!!」
「はいはい、良かったな。」
こちらに近づいてくる赤。
それは、いつも見ていた目と変わらない瞳をした赤だった。
「なっ、何をしているのだ貴様はっ!?」
「は、はぁ!?せっかく会いに来てやったのに、そりゃあねぇだろ!」
「べっ、別に会いに来て欲しいと頼んだ覚えはないっ!!」
違う…違う……こんなことが言いたいんじゃ……
「こんなことが言いたいんじゃないのに。」
「!?」
「なんだよ、冬獅郎。」
「そんな顔してお前と喋ってたから、要約しただけだ、面白眉毛くん。」
「あぁ!?」
恋次と言い合う、銀髪の少年。
私の言いたいことを当てて、
あの恋次を子供のように上手にあしらい、
それでも…楽しそうに……。
これが、私と日番谷冬獅郎との出会い。
亀投稿、すいません……。