「はぁ……はぁ……はぁ……、、……くそっ。」
突然愛友が紹介した、一番隊第三席、朽木白哉。
突然始まった、実力を測るための手合わせ。
まぁ、剣を習い始めて三日目の日番谷と、三席の実力を持つ白哉の差は、誰がどう見ても明らかで…、
「あり……が………とう……ござい…ました。」
地に尻をつけているのは、もちろん日番谷だった。当然といえば、当然の結果。
……しかし、白哉は内心驚いていた。
「お前、体力がずいぶんあるようだな。まさか、一時間半も続くとは思わなかった。」
そう、日番谷は一時間半もの時間、白哉と互角に打ち続けたのだ。
……しかしそこを過ぎたあたりから、疲労により太刀筋にムラが出てきて、結果的に白哉の勝利となった。
「……多分、最近は大人しいからだと思います…。」
「大人しい……?何がだ??」
「斬魄刀の本体?っていうんでしょうか…。そいつが最近暴れないので、楽なんです。」
氷輪丸と共にいる日番谷が、そいつが暴走するを止めるのにはかなりの体力を使っていた。
それを幼い頃から続けてきたせいで……というか、おかげで体力がつくことになっていた。
今は、近くに愛友がいてる事で、氷輪丸は大人しかったのだ。
「日番谷。お前の、愛友隊長から何か渡されているものはないか?」
「……渡されているものですか?…………あっ!」
日番谷は首にかけておいた、愛友に常に持っていろと言われたペンダントを見せた。
「愛友が、『氷輪丸の力を抑えるモノ』だ、って。入学式の日に貰いました。」
日番谷から見せてもらったペンダントを見て、白哉は目を見開いた。
「(こいつのこの霊圧でも、ビビ一つ入らないとは…。
「どうかしましたか?」
「……これなら、最終日には少し力を使えるかもしれないな。」
「??」
「いや、何でもない。
これから、現世実習までの四日間は、俺がつく。学校が終わったら、すぐにここに来い。」
「はいっ!ありがとうございます!」
こうして、白哉による“スパルタ実習”が始まったのだった。
「そういえば、朽木三席はどうして一番隊に?」
「……どういう意味だ。」
「あっ、いえっ!その……今の護廷十三隊は隊長が明らかに少ないじゃないですか。十三番隊はあるのに、それまでにない番号の隊がたくさんあったので…。
朽木三席は隊長になれるほどの実力をお持ちだと思ったので…。」
白哉は驚いた。確かに、自分の実力は、各隊の隊長立ちを抜かせば、五本の指に入ると思う。だが、それを日番谷に悟らせるようなことはしていなかった。
「先の打ち合いで……。」
「??」
日番谷は、浅打での打ち合いのみで、それを感じ取ったのだ、こいつは出来る、と。
「そうだな……、俺もお前と同じだ。」
「??」
「俺の斬魄刀
そう、日番谷や市丸と同様に白哉も恩を返すため、愛友に仕えているのだ。
「そうだったんですか……。」
「だが俺は、愛友隊長に『隊長をやってくれ』と頼まれれば、断ることもない。……それは、市丸隊長補佐も同じだと思うがな。」
愛友は凄い。
身体はあんなに小さくても、周りの信頼を集めて…。
誰よりも強くあって、守って……。
それでも、その強さに自惚れることなく、人に寄り添って………。
ふざけて、隊長としての威厳が失われようと、愛友になら着いてくる。そんな、不思議な隊長なんだ……。
「俺も……、愛友の下で働けるように、恩を返せるようになります。」
日番谷はそう決意した。
更に、短くてすいませんm(*_ _)mm(*_ _)m