《冬獅郎side》
教官の過去を聞いた。
最初から霊圧を操れたこと、
刀を使えていたこと
自分には出来ないようなことだった
それでも、なんとなく俺と似ていた
誰かを守りたいと想い、愛友に
「日番谷くん?」
「誰にも言わない方がいいんですか。」
「「!?」」
「ん?そういう事じゃ……?」
「ハハッ……、さすが冬獅郎。
そういう事だよ。」
「俺は別にいいけど……」
その女の子…乱菊って子のことを考えたら……
「市丸教官は、許していいんですか?」
もし俺が、教官と同じことになったら……
雛森が、死にそうになったら……
「俺なら許せないです。」
「ボクも許せないよ?
でもボクは、ボクが進もうとした誤った道から救ってくれた愛友隊長に、ついて行くって決めちゃったんや。乱菊も助かったからいいんや。」
「その藍染……って人は?」
「今も五番隊の副隊長を務めてるよ。」
「そうなのか……。」
いいのか?それ……
「藍染副隊長も
以前のような黒い噂も無くなったから。」
俺だったら許せねーけど、俺が首を突っ込むことじゃねーよな…。
「愛友と市丸教官がそう言うなら、言わねーよ。」
「ありがとうな、日番谷くん。」
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「その乱菊さん、って方は今どうしてるんですか?」
「乱菊は、今は十番隊の副隊長だよ。」
――――フクタイチョウ…
霊圧を回復させた水紋花は、さすがと言える。
「もしかしたら、明日会えるかもね。」
「「明日!?」」
ギンも知らないようだ。
「乱菊、明日来る予定なんてありましたっけ?」
「まぁまぁ、明日のお楽しみってことで、ね!!」
「ね!、じゃないですよ、愛友隊長…。」
なんやかんやで、いろんな事があった冬獅郎の尸魂界生活1日目。
それでも
「楽しいな、ここ。」
――――大変なのはこれからである。
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「おはよう、シロちゃん!」
「……シロ言うんじゃねーよ、雛森。」
「いいじゃん!幼なじみなんだから!!
それより、今日頑張ろうね!」
…………。試験か…、
「あー、これって何のためにやってんだっけ。」
「冬獅郎!腑抜けんな!!お前は俺と一緒に戦うんだからな!!
俺らでぶっ潰してやろーぜ!!」
突然出てきた、赤髪の少年、恋次。冬獅郎の今日のチームである。
試験は代表者二名がチームで挑む、一対二の戦いである。
冬獅郎は、恋次と組むのだ。
ちなみに試験中、“鬼道”で選ばれた雛森と吉良は“剣”は使えない。
冬獅郎と恋次は“鬼道”を使えない、“剣”だけで戦う。
―――冬獅郎と恋次は鬼道下手だし、関係ないか…。
「……ムリだろ。」
「なんか言ったかー?」
「…何でもねーよ。」
ギンの過去を聞いた今、冬獅郎にはギンの事を認めることなど、必要の無いことだった。
「みんな、オハヨーさん。座ってなー。」
愛友に選ばれた、
「ほな、昨日の続きからいこーなー。」
刀に選ばれてた
「みんな、移動してなー。」
この人は、かなり強い……!!
冬獅郎にははっきりと分かった
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「ほな、鬼道の方からいこかー。雛森さんと吉良くん、前来てな〜。」
「「よろしくお願いします!!」」
「うん、遠慮はいらへんからな〜。」
雛森と吉良が構える。
ギンは立ったまま。
見た目だけだと、“教官”にしては少し小さいギンは、弱く見える。
腕も細く、筋肉もない。
それでも誰にも負けないもの、
“霊圧”
「(初めてあった時から、感じてたけど……、教官の霊圧は半端じゃない……!)」
愛友に初めて会ったときに感じたものとは違う。
愛友はどちらかというと“暖色”
ギンは“寒色”
それでも、どちらにも優しさがあった。
「(まぁ、愛友も教官も本気になったらどうなるかわかんねーけど……。)」
「「クッ…………、、、」」
ギンのただ漏れている霊圧でも、一年目の彼らには強すぎるものだった。
それは、周りで見てる生徒たちも同じこと。
二人を除けば。
「(おぉ、さすが日番谷くんと阿散井くんやな。
これは剣の方も楽しそうや。)」
「行きます、市丸教官!」
「「破道の三十一:赤火砲!!」」
教官のテストが
生徒のテストが
始まった