緋弾のアリア~影の武偵~   作:ダブルマジック

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Bullet20

 アリアとカナがやり合った放課後。

 オレはこれから話をする2人の化け物とどう段取り良く話すかを考えながら帰路についていた。

 化け物、と表現したのは、バスにひかれて全治2週間で済んでる魔女ジャンヌ・ダルク30世と、我が悪友にして超偵の峰・理子・リュパン4世だからだ。

 この2人。放課後になって気付いたが、1人でも話すのが手一杯になる可能性がある。

 だからといってあちらに今さら日を改めてもらうなんて恐ろしくてできん。

 そう考えて腹を括ったオレは、ダラダラと歩いていたのをしゃきっとして歩き始めた……矢先、前方に帰宅途中らしいレキを発見。傍らにはハイマキもいる。

 

「よっ、レキ」

 

 オレは後ろから近寄って左肩を軽く触って話しかけると、レキはそれでオレに気付き顔を向けた。

 レキはいつもヘッドホンをして『風の声』なるものを聴いているから、死角から話しかけてもすぐ気付いてくれない。

 

「京夜さん。何か?」

 

「いや、特に用はないさ。それとも友人に用もなく話しかけちゃいけない決まりでもあったか?」

 

「いえ」

 

 相変わらず会話が続きにくいな、レキは。

 しかしまぁ、オレもそんなレキらしさを受け入れてるし、こっちが続くようにちょっと頑張ればいいだけだ。

 

「そうだレキ。最近の風はどんな感じだ? やっぱり可もなく不可もなく、か?」

 

「いえ、良くない風が吹いています。京夜さんも気を付けた方がよろしいかと」

 

「……まぁ、オレの場合はすでに良くない風に吹かれてるのかもな……」

 

「?」

 

 試しに聞いてみたが、あまり良くない結果に少し納得してしまった自分が悲しかった。

 レキは歯に衣着せない物言いだから嘘は言ってないだろうしな。

 

「ありがとな、レキ。おかげで諦めもついた」

 

「お礼を言われることは何もしていませんが、お役に立てたのなら幸いです」

 

「レキも良くない風に吹かれて風邪とか引くなよ? じゃな」

 

「はい」

 

 そうして最後にハイマキと少し戯れてからレキと別れたオレは、ジャンヌ達を待たせてる可能性も考えて少し足早に家に戻っていった。

 

「遅いぞ猿飛」

 

「キョーやん、女の子を待たせるなんて、ぷんぷんがおーだぞ?」

 

 リビングに入ってすぐ、ソファーに座りながら茶をすすってくつろいでいたジャンヌと理子を見て、呆れてしまう。

 小鳥なんてわけがわからないまま給仕扱いされてるし。

 

「それにしても猿飛、お前は良い戦妹を持ったな。初対面の私にもすぐに茶を出す辺りは特にな」

 

「ジャンヌに同じくー! あ、ことりんお茶のおかわりよろしくー」

 

「あ、はい。今淹れてきますね」

 

「小鳥をこき使うな。道具じゃないんだぞ」

 

「キョーやんが待たせるからだよー」

 

「ちなみにいつからいる?」

 

「私は40分ほど前からだな。鍵が開いてなかったから、橘が来るまで待ちぼうけを食らったぞ」

 

「理子は30分くらい前かなぁ。せっかくのキョーやんからのお誘いだし、チコクはしたくなかったのです!」

 

 こいつら授業終わってほぼ直行かよ!?

 ジャンヌに至っては直行どころか授業終わって10分くらいで来てる計算になる。授業ちゃんと受けてんのかよ。

 などと考えても仕方ないので、とりあえずオレが1番遅く着き2人を待たせたことには変わりなかったので、素直に謝る。

 それから理子のお茶のおかわりとお茶菓子のせんべいを持ってきた小鳥に話をした。

 

「小鳥、悪いがこれからこの2人と大事な話をする。煌牙と昴を連れてしばらく外に出ててくれ。話が終わったらメールで知らせるから、それまで買い物でも楽しんでこい」

 

「え? あ、はい。わかりました。何か買ってくるものとかありますか?」

 

「いや、お使いじゃないからな。気にしなくていい」

 

「あ! 理子今欲しいギャルゲーが……がにゃにゃにゃ!」

 

 余計なことを言う理子にオレはアイアンクローをお見舞い。

 ぎりぎりと締めあげると理子は締めあげる腕をタップ。ギブらしいが、小鳥が出かけるまでオレは締めあげてやった。

 

「キョーやん酷いよDV(ドメスティック・ヴァイオレンス)だー! 理子も怒っちゃうぞー? ぷんぷんっ」

 

 小鳥が出かけていってから、理子は頬を膨らませながら両手で角を作りオレにそう言ってきたが、DVは家庭内暴力の意味だから言葉として適切じゃないし、いちいち相手するのも面倒なので、小鳥が出していった大福を理子の口に放り込み黙らせてから話を始めた。

 

「さて、まずは2人を呼び出した理由についてだが……」

 

「理子から聞いた。あの変人、真田幸音についてだろう?」

 

 なんだよ理子、ジャンヌにもう話してたのかよ。まぁ、手間が省けて助かるが。

 

「そうだ。まずは……そうだな……イ・ウーでの幸姉はどんな感じで、何をしていた?」

 

「真田幸音は……誰かと特別仲良くするわけでもなく、ずっと自らの超能力を研き続けていた。まぁ、私や理子は比較的仲良くしていた方かもしれんがな」

 

「ゆきゆきはコロコロ性格が変わる変人だけど、基本的に話しやすい人ではあったねぇ。やってたこともジャンヌが言ったとおり、他の超能力者から制御法とか色々聞いてたかな。でもゆきゆき、イ・ウーでは1度も自分の超能力を使わなかった」

 

「真田幸音は何かを隠しているようにも見えたから、私も深く教えることをしなかったが、あれはそれでも天才の部類だろう。イ・ウーで誰1人として深くは教えなかった中で、それでも独自の見解と技法でG7程度だった超能力を私を越えるG18にまで引き上げたのだからな。それに関しては私も感心を通り越して恐怖すら覚えたよ」

 

 幸姉はイ・ウーで自分の超能力を晒さずにずっと自らを高めていた?

 だとしたら不完全だった『あれ』を完全な制御下に置こうとしたってところか。

 確かに以前ジャンヌから聞いたイ・ウーの理念が本当なら、幸姉の能力を向上させる環境としては最適。武偵高のSSRなど比較にならないほどにな。

 そうなると幸姉は昨日言ってたように、本当に犯罪行為には手を染めていないだろう。それは信じていい。

 

「猿飛、私もいくつか尋ねたいことがあるのだが、2、3質問していいか?」

 

 話を聞いて情報を整理していると、1度茶をすすってからジャンヌがオレにそう尋ねてきた。

 ジャンヌがオレに質問なんて、何だ?

 

「話を聞かせてもらってるんだし、答えない理由はないな。言ってみろよ」

 

「うむ。真田幸音について私はここにいる理子から少し聞いた程度でしか昔のことも何もかも知らない。武偵高に身を置いてから少し調べてもみたが、『真田の家の長女だった』こと以外なに1つ過去のことがわからないのだ。まるで『真田幸音という人物が存在しなかったかのように』な。あれは一体、何者だ?」

 

「……昔、京都武偵高にきまぐれな天才がいたんだ。その人は入学時にSSRを専門にしたが、わずか1ヶ月で強襲科も同時に履修。さらに半年後にはその強襲科をやめて探偵科を履修。2年に進級後は情報科に移り、また半年後に衛生科へ。3年進級後は装備科。さらに半年後に車輌科へ。在学時に7つの専門科目を履修して、そのいずれも武偵ランクAの評価。空手道、剣道、弓道、あらゆる武道に長けていて『天才武偵』とまで称されたその人は、3年の2008年1月11日に忽然と姿を眩まし行方不明になった」

 

「ゆきゆきすごーい。ただの変人さんじゃなかったんだねぇ」

 

「つまり武偵高にいた頃からあの変人の向上心は人並み以上だったということか」

 

「あのさ、2人とも。あんま幸姉を変人変人言わないでくれ。あの人は確かに普通とは言い難いけど、ジャンヌみたいな魔女でも、ブラドみたいな吸血鬼でもないんだからさ」

 

 こうも他人に幸姉を変人呼ばわりされるとさすがに嫌な気分になる。幸姉はオレにとって大事な人だから余計にな。

 言われて2人も気をつけるとだけ言ってくれたが、いつまた無意識で言うか心配だ。

 

「んで、ジャンヌが言った幸姉の情報の不自然な消え方はその行方不明が原因だ。武偵高卒業と同時に真田家の当主になることが決まってた幸姉は、それを目前にして武偵高を自主退学。誰にも何も理由を話さずに姿を眩ました幸姉を真田の家は『当主になりたくない』のだと判断し、幸姉を家の恥として『切り捨てた』んだよ。『真田の家にいた』という過去以外全てな」

 

「なるほどな。そして真田幸音のあの性格も巧い具合に作用して、目撃証言も一致せずに今日まで来たというわけか」

 

「あれぇ? キョーやん自分のことは話さないのかなぁ? キョーやんもそれが原因で猿飛の家を追い出されてるよね。だから今東京武偵高(ここ)にいるんだし」

 

 理子、余計なことを。

 確かに昔こっちに来た経緯を少し話したが、そこから自力で調べ上げたのか?

 

「……オレは当時、幸姉のパートナーとして、そして真田に仕える猿飛の者として傍にいた。だがオレは幸姉が行方を眩ました時に何もできず、何も知らされていなかったとして猿飛から、そして真田からも役立たずとして責められた。それで家にいられなくなってこっちに来たってわけだよ。今も真田と猿飛の家には出入り禁止ときてる。笑えるだろ?」

 

「笑うところは何ひとつなかったが、お前が笑い話とするなら私はそうなのかと受け止めておこう。それから調べてわかったが、今の真田と猿飛は低迷してるらしいな。次期当主の育成から何まで。それほどにお前と真田幸音の存在は大きかったというわけか」

 

「幸姉はそうだろうが、オレは大したことないぞ」

 

「ほう、つまり私はそんな大したことないお前に計画を狂わされ、今こうしてるというわけか」

 

「キョーやんは大したヤツだよぉ! 理子が好きになるくらいだもーん!」

 

 ……2人はどうやらオレを高く評価してるらしい。

 周りの評価を気にしないオレだが、この2人に評価されると何故か悪い気はしない。

 まぁ言ってみれば超人集団、イ・ウーに評価されたようなものだからかもな。

 

「じゃあ大したヤツってことにしとくか」

 

「過小評価を自らするのは殊勝だが、他人からの賛辞を素直に受け取るのも大事なことだからな。それでは次の質問だ。真田幸音の『あれ』は、彼女の超能力の1つに過ぎないのか、或いはまだ何かを使えるのか」

 

「『七変化(セブン・カラー)』は、ジャンヌも理子もその目その身で体験してるだろ? あれが超能力に関係しているらしい。幸姉は『あれ』の他に陰陽道なんかで知られる五大元素を操る超偵で、まぁ『あれ』が先天的能力で、五大元素は元々素養があって後天的に扱えるようになったって昔話してた」

 

 七変化。幸姉の性格がコロコロ変わる症状を幸姉自らがそう名付けて定着した呼び名。

 それが超能力に影響を与えるらしいのだが、その仕組みが説明されてもオレにはよくわからなかった。

 

「つまり性格を変えることで体内の歯車をはめ替えて、その性質に合った超能力を引き出すわけか。確かに性格や性質で引き出せる力の大小に変化は生じるが、真田幸音のような発想はなかった……いや、普通なら考えるワケがないな」

 

「ん? 言ってることはよくわからんが、ジャンヌが言うならたぶんそうなんだろ。オレは超能力なんて使えないから詳しくは知らないしな」

 

「私とて現代の分類では第Ⅲ種超能力者と呼ばれているが、理子のような特異ケースも存在するのが超能力だ。一括りに超能力と言っても、その属性や特質、相性などは多種多様。まだまだ説明できない事象も多い」

 

 話を聞くと超能力は便利そうだが、面倒臭そうでもあるな。

 幸姉も色々考えて今に至ったなら、その苦悩をオレは理解してなかったのかもしれない。

 幸姉は昔からオレにだけは悩みを打ち明けてたから、勝手に理解してた気になってたけど、深い部分は明かしてなかったのかもしれない。

 だからあの時もオレに何も言わずにイ・ウーに……

 

「そういや理子はその十字架が超能力の鍵だって言ってたな。直球で聞くが、そいつは一体何なんだ?」

 

「キョーやんの知りたがりぃ! そんなに理子のこと知りたいならぁ……」

 

「あ、じゃあいいや」

 

 前置きのある理子は面倒臭い要求してくるから却下だ。これについてはまたの機会にするか。

 

「まぁ、話は大体わかったか。それじゃ単刀直入に聞く。2人は何で幸姉がここに来たのか、その目的を知ってるか?」

 

「「知らない」」

 

 ガクッ。タメも何もない見事なシンクロ即答にオレは肩から崩れる。

 

「補足するならば、カナがこちらに来た件については知り得ている。そして真田幸音はそれに同伴すると言ってきたらしい」

 

「だねぇ。理子もカナちゃんからそれを聞いたくらいだし」

 

 言ってジャンヌはヨウカンをひと切れ取り口にヒョイっ。理子は包装を取り払い苺大福をパクっ。

 いや待て。そんな和菓子がウチにあったか? 小鳥凄いな。

 しかし、結局幸姉がここに来た目的はわからないままか。

 

「となるとやっぱり幸姉本人から聞き出すしかないか……。だが、まともに話ができる幸姉は2パターンしかないから、日付が変わるのをのんびり待つことになるんだよなぁ」

 

「そう急ぐ必要もないだろう。カナもすぐには動かないと言っていたのだからな」

 

「……それを先に言ってくれるとありがたかったよ」

 

「話が回りくどかったのでな。合わせてやったまでだ」

 

「キョーやん、話術は大したことないよねぇ。本題丸見えなのに遠回りして。でもそんなキョーやんもステキぃ」

 

「……話すのが苦手なのは認めるよ……。特にお前等みたいな頭がキレるヤツ相手だと余計にな」

 

 そこまで話してオレもお茶をすすり一息入れる。

 そうして少しの沈黙が流れて、このまま解散になろうかという空気になりかけた時、唐突に部屋のドアがバァン! と開かれて、そこから両手に買い物袋を持った幸姉と、あわあわしてる小鳥が入ってきた。それに続いて美麗と煌牙も帰宅。

 

「今日は焼肉やるわよぉ! ジャンヌも理子も食べていきなさい!」

 

「ゆ、幸音さん! お客様来てるからまだ帰っちゃダメだって……」

 

「小鳥、私はジャンヌ達がいるって言うから、2人が帰っちゃう前に突撃したの。みんなで食べた方が焼肉も美味しいってもんよ」

 

「お、おい猿飛。真田幸音がなぜここに……しかも今日のこいつは……」

 

「わーお! ゆきゆき隊長太っ腹ぁ! 食べる食べるぅ!」

 

「よし、理子一等兵。さっそく準備に取り掛かりなさい!」

 

「うー、ラジャー!」

 

「昨日からここに住み着いてるんだよ、この人は……」

 

「わ、私は帰らせてもらう! 今日のこいつは苦手だ……ああ!?」

 

 まるで空気を読まずに部屋に踏み入って焼肉をやると言い出した幸姉を見て、理子はノリノリでキッチンに向かい、対してジャンヌは今日の幸姉は苦手らしく、すぐに退散しようとしたが、幸姉に首根っこを掴まれ阻止されていた。

 

「ジャンヌぅ、ツレないこと言わないで食べていきなさい? タダ飯よタダ飯!」

 

「は、離せ真田幸音! 私は貴様等と馴れ合うつもりは毛頭ない!」

 

「小鳥ぃ! ジャンヌがあなたの料理を食べたくないんですって」

 

「え!? そんなぁ……」

 

「くっ、卑怯だぞ真田幸音!」

 

「ジャンヌも意地張ってないで食べていきなよぉ! お肉だよ! お肉!」

 

「ジャンヌ、食べてから帰れ。今日の幸姉は一切退かないぞ」

 

「……食べたら帰る。これは絶対だ」

 

「はい決まりー! ほら京夜も手伝いなさい。ジャンヌは怪我してるから座ってて。理子は……料理出来るのかしら? 出来るなら小鳥の手伝いね」

 

「ゆきゆき隊長! 理子は焼き肉セットの設置に全力を注ぐであります! ことりんの手伝いはキョーやん二等兵が適任かと!」

 

「さりげなく面倒を押しつけるな! だがまぁ、たまには小鳥の手伝いくらいやるか。幸姉はどうせ食べる担当とか言うだろうし」

 

「あら、よくわかったわね、その通りよ。さすが京夜」

 

「威張るなよ! ったく……」

 

 そうして急遽、5人で焼き肉パーティーが開催されることになり、ジャンヌも渋々ではあったが参加して、1時間後準備を整えてリビングで一緒に食べ始めた。

 

「あ! キョーやん、その肉は理子が育ててるから取っちゃダメだよ!」

 

「野菜も食え。太るぞ」

 

「大丈夫! 脂肪は全部おっぱいにいくから!」

 

「それ以上アンバランスな体型になる気か」

 

「峰先輩はいいですね……胸が育って……私なんて……」

 

「大丈夫大丈夫! ことりんもまだ見込みあるよ! あとはキョーやんに揉んでもらえば……ムフフ」

 

「猿飛! 貴様そんなハレンチなことを……」

 

「してねーしする気もねーよ」

 

「仲良いわねあなた達。京夜が女の子と同じテンションで仲良くしてるのを見るのも珍しいし」

 

「腐れ縁だ。ジャンヌは確かに珍しいが」

 

「それで? 京夜はどっちが……ううん。『誰』が本命なのかしら?」

 

 本命?

 何の話をしてるんだ、幸姉は。

 と思った瞬間、突然理子が隣に移動してきて肉を掴んでオレに食べさせようとしてきた。

 

「もっちろん理子だよねぇ。キョーやんと理子はコイビトだからねぇ。はいキョーやん、あーん」

 

「いつからそうなった。いいから自分で食え」

 

 バカなことを言う理子をはがしつつ、差し出された肉を理子の口に強引に誘導して食べさせると、理子は「あーんされちゃった」などとぬかしてきた。自分で持った肉を食ってんだろうが。

 

「ふぅん。理子はいいとして、ジャンヌは京夜のことどう思ってるの?」

 

「別段どうということはない。武偵としての能力は評価するがな」

 

「なら脈なしではないか。小鳥は昨日聞いたし、京夜は微妙な人間関係を築いてるのね。付かず離れずみたいな微妙な、ね」

 

「意味わからん。武偵なんてみんなそんな感じだろ。互いに深く知ることをしない。基本だ」

 

「武偵としてじゃなくて、人間としてよ、京夜。信頼関係は悪いより良いに越したことはないんだし、特にジャンヌ達とは仲良くしなさい」

 

「仲良くしてるつもりだよ。自分から歩み寄らないと他人と仲良くできないって昔教えたのは幸姉だろ」

 

「良いこと言うわね、私も」

 

 そうして幸姉は年上らしくオレ達に色々言いつつ、しっかり肉を平らげていき、理子とジャンヌもそれなりに焼き肉パーティーを楽しんでから帰っていったのだった。


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