緋弾のアリア~影の武偵~   作:ダブルマジック

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Aiming4~Yukiho~

 

 さてさて、どうしたものでしょうか。

 新学期もすでに2週間を経過した今日この頃。

 環境の変化にもだいぶ慣れてきたのはいいのですが、その変化の1つは今も私はちょっと納得がいっていない。

 

「お前はまだ拗ねているのか」

 

「拗ねてません」

 

「あれが自分語りをしないのは今に始まったことではないが、謝罪はあったのだろう? ならばそれで納得しろ。子供じゃないのだから」

 

「だから拗ねてません」

 

 それが表情にも態度にも表れていたのか、放課後の私の部屋で作業中の私と違って、淹れた紅茶が美味しいってだけの理由で入り浸るジャンヌ先輩が優雅な放課後ティータイム中に話しかけてくる。

 そのジャンヌ先輩は私が納得のいっていない案件。京様の留学を知っていて見送りにまで行っていた1人なので、そのジャンヌ先輩から拗ねてるだのと言われるとなんだかムキになってしまって作業も集中を欠く。

 新学期の始まりと一緒にロンドン武偵高へと交換留学していった京様は、そのことを自分からは語ることなく黙って行ってしまい、現在でそれを知っていたと判明しているのは、ジャンヌ先輩と理子先輩。陽菜さんとアリア先輩と姉上だけ。

 ジャンヌ先輩は同じチームだからと教務科から知らされたラッキーなようで、姉上もたまたまジャンヌ先輩から聞き及んだらしい。

 アリア先輩も軽く質問したところ、どうやらロンドンにいる妹、メヌエット女史から「これからしばらく京夜をオモチャにできるのが楽しみで仕方ない」とか言われたらしくて、それで知ったとか。

 そんな3人に対して理子先輩は、留学の話があった段階から怪しんで自力で調べて知った本物。陽菜さんも偶然ではあったようですが知り得たのは実力。

 なので純粋に武偵の能力として留学を知ったのは理子先輩と陽菜さんだけ。

 

「というよりもジャンヌ先輩も報告されずに拗ねたと聞いていますけど」

 

「そんなこともあった気もするが、今はもう納得している」

 

「それは見送りも行ったから言えることです。それすらできずにメールで事後報告になった私の気持ちはジャンヌ先輩にはわからないでしょうね」

 

 京様のことになるとちょっと力が入る都合、留学の一件からずいぶんと掘り下げたところ、姉上辺りから聞いたことをブーメランしてあげますが、やはり留学前と後で知るのでは温度差もあって余裕を崩さない。

 京様からはロンドンに到着後にメールで謝罪と黙っていた理由についても教えられましたが、家族同然の私に対しても武偵気質が強いのはあんまりだと。

 そりゃあ……1人の女性として見られたいって願ったのは私自身で、実際にそうした扱いをしてくれている京様には感謝していますけど、それとこれとは話が……女は理屈じゃないんですよもう!

 なんてわがままなことでもうちょっとだけ駄々をこねていたい私は、困り顔でやれやれといった感じのジャンヌ先輩が言葉に詰まったのを見て冷静になってから謝罪し、切り替えて作業に集中し直しノートパソコンと向き合う。

 

 そういえば京様について調べてわかったことがもう1つ。

 昨年の夏休みから京様の武偵としての評価が一変して以降、小鳥さんがいたので表面化はしていませんでしたが、京様と徒友契約をしたいって人がかなりいたみたいですね。

 現2年生の中でも私が知る限りで12人。探偵科と諜報科の生徒ですが、現1年生は話題性とか選んで将来性を加味してないのか、数は多いですが学科はかなりバラけてしまっていますね。CVRとか何を学ぼうと言うのでしょうか。

 まぁそれも京様が留学してしまったことでお流れになってしまったわけですが、仮に留学しなかったら京様は誰かと徒友契約をしたのかは少し気になるところ。今度メールで聞いてみようかな。

 そんな脱線した考えを浮かべながらノートパソコンで作業をしていると、気になったジャンヌ先輩が画面を覗きに移動してきて、その成果に目を通してくる。

 

「ふむ。レポートとしてはずいぶんまとまっている」

 

「ですがなかなか核心に迫る情報が出てこなくて謎です」

 

 私が何をしているかはすでに知っていたのでジャンヌ先輩も流し読み程度で評価ができていたけど、私的には2週間も経ってこの成果は納得がいかない。

 新学期からのクラスに転校生としてやって来たクロメーテル・ベルモンドさん。

 そのあまりの美貌と武偵高生らしからぬおしとやかさが注目を集めて、初日からファンクラブが結成されたり、彼女の素性を探る依頼があちらこちらで発生したわけです。

 かく言う私もその依頼された1人で、こうして暇を見つけてはクロメーテルさんについて情報収集をしている。

 始めは同じクラスだからとちょっと悠長に構えていたのですが、1週間としないうちに突如として登校しなくなってしまい、蘭豹先生からも「一身上の都合ってやつや。プフフッ」っていう笑う要素もないのに笑って説明されて納得するしかない感じ。

 本人から色々と順を追って話を聞こうとしていた私としては大変によろしくない展開だったので、仕方なく正攻法でネットなどを使って拾える情報を集めてまとめて、私だけしか知り得ない情報の1つでもと粘って現在に至る。

 期限は特に設けられてなくて、情報の中身次第で報酬が変動する感じなので粘らせてもらってるけど、それも今月までかなと。

 

「活動記録もなかったところを見ると、ここに来るまで武偵ではなかったのかもしれんな。フフッ」

 

「何でそこで笑われるんですか? ジャンヌ先輩はクロメーテルさんの話になると最近はそうやって笑いますよね。何か知ってて教えてくれてないみたいな」

 

「さてな。それを探るのもお前の実力だぞ。デジタルもいいが、武偵ならたまには足を使うのもいいかもしれんぞ」

 

「行くアテもなく出歩いても仕方ないと思いますけど……」

 

 なんだかジャンヌ先輩はクロメーテルさんについて重要な何かを知っているようなそうでないような感じはしているのですが、その辺を指摘するとはぐらかされてしまって進展はない。

 そしてずっとノートパソコンとにらめっこをしている私にそんなことを言って外出させようとするジャンヌ先輩に意図があるかはわからないですが、確かにネットからの情報は他の人が大体は収集してしまっているし、手詰まりなことは勘づいていた。

 

「そうなると行ける場所は……」

 

 ジャンヌ先輩に試されているような感覚はありつつも、武偵の基本は足でという基礎も疎かにできないと外へと出てみたはいいですが、行くアテもなくさ迷っても時間の無駄。

 なので寮を出る直前までに目的地を決めてみると、陽菜さんが初日にチラッと話していたことを確かめに行くことにする。

 もうすぐ夕食時の6時ということもあるので、確実にいるだろうと考えてやって来たのは第3男子寮。

 京様が留学してからは1度も来てませんでしたが、目的は京様ではないのでまっすぐ京様の部屋の真下に当たる部屋。遠山キンジ先輩の部屋の前まで来ると、とりあえずチャイムを鳴らしてみる。

 鳴らして割とすぐに玄関の扉を開けて出てきたのは、キンジ先輩の専属メイドらしいリサ先輩で、夕食の支度中だったのかエプロンをつけてのお出迎え。

 

「幸帆様ではありませんか。ようこそいらっしゃいました」

 

「少しだけお邪魔させてもらうだけでいいのですが、遠山先輩は?」

 

「ご主人様は一身上の都合により、しばらくの間お部屋を空けております。ご主人様にご入り用でしたら、私から用件だけでもお伝えしますが」

 

「いえ、遠山先輩がいないのでしたら構いません。用件もお部屋の方にありますから」

 

「よくわかりませんが、お上がりになるだけでしたらどうぞ。ご主人様は寛容なお方ですから、物色などをしなければ大丈夫です」

 

 どうやらキンジ先輩はいないようでなんとなく緊張がほぐれ、ちょっとだけお邪魔させてもらえることになって玄関に入ってみると、リサ先輩の他に2足、別の靴があったので誰か他にいるのかなと勘ぐりつつリビングへと通されると、ソファーでくつろぐアリア先輩がももまんを食べていて、キッチンの方には白雪先輩が。

 

「あれ、ここは男子寮、なはず……ですよね?」

 

「当たり前じゃない。わかりきったことを口にするなんて変な子ね」

 

「アリアは状況を見て出てきた疑問だってことがわからないんだね。いらっしゃい幸帆ちゃん」

 

「お、お邪魔します」

 

 見事なまでの女子率100%なのでつい確認するまでもないことを口にしてしまいましたが、アリア先輩は言葉のままに受け取って答えられ、意図を汲んだ白雪先輩が挨拶ついでにちゃんと理解している旨を伝えてくれる。

 そうしたお2人にどう対応すべきと思考しかけて、リビングをクルッと見回しながらピタリと動きを止めてしまう。

 目的のものがあったからです。

 

「あの、アリア先輩、白雪先輩。この写真って……」

 

 50cm四方ほどの額縁で飾られていた写真には、話題のクロメーテルさんが唾なしの帽子と防寒着を身につけて窓際で座って黄昏れているような様子で写って飾られていて、陽菜さんが言っていたのはこれだと確信。

 まだキンジ先輩と徒友契約が生きていた頃に発見したと陽菜さんは言っていましたが、こうも堂々と飾られていようとは……

 

「アンタ、あかりと同じクラスでしょ。だったら知ってるじゃない。話題のクロメーテルよ」

 

「だからアリアは言葉通りに意味を受け取りすぎ。それはリサちゃんがこっちに来た頃に持ち出してきて廊下の壁に飾ってたみたいなんだけど、キンちゃんがお留守の間にアリアと峰さんが日陰に飾っても仕方ないって」

 

「リサ先輩がですか?」

 

「ご主人様には片付けるように言われましたが、やはり美しいものを飾ると部屋も明るくなりますから」

 

 よくよく見ると写真自体は収集した情報の中で見たことがあるものだったけど、リサ先輩が武偵高に来たのは確か2月の頭とかその辺だったはずなので、それよりも以前に撮られた写真ということになる。

 記憶を辿ってこの写真の出所を引っ張り出してみると、クロメーテルさんの母国のオランダの片田舎だったはず。ブー……ブータン? なんかそんな感じの名前の町だったかな。

 映像記憶としての最新は武偵高でのを除けば、確かアメリカのJ・F・ケネディ空港とイギリスのスタンステッド空港で撮られた目撃写真。

 アップされた時間などからアメリカからイギリスに移動したところを撮られているようですが、SNSなどでは『美しすぎる女性発見!』とか『どこかの国のタレントか!?』などといったコメントでアップされていたし、この写真をアップしたオランダでさえ『深窓の令嬢としか考えられない』みたいなコメントだけで、やはりここに来る前は武偵ではなかったのだろう。

 本人が何もしてないのに遭遇した周りがこれだけ騒ぐのだから、武偵活動なんてしていたらもっと早く世に知れ渡っていたのは確実。それが根拠。

 

「もしかしてリサ先輩はクロメーテルさんとここより前にお会いしたことがありますか? この写真は目撃情報として現状で最も古いですし、偶然見つけたとは思えません」

 

「さて、どうでしょうか。それよりもせっかくいらしたのですから、お夕食をご一緒にいかがですか? 3人より4人の方が食事も楽しいでしょうから」

 

「それでしたらお手伝いしますよ。先輩方に甘えてはいけないので」

 

「ありがとう、幸帆ちゃん。どこかの誰かさんとは大違いね」

 

「あたしを見ながら言わないでよ! 手伝えばいいんでしょ手伝えば! んぎぃぃいい!」

 

 調べたからわかることですが、こうした情報は火が点いた以前の情報はあまり表沙汰になっていないから、こうして額縁に入れて飾る動きが2月の段階であったのは時期的に早い。

 となればクロメーテルさんの話題が表面化していない段階でこんなことができたリサ先輩は、クロメーテルさんと何かしらの接点があるのかもと勘ぐってみる。出身も同じオランダですしね。

 しかし割と正直者なリサ先輩が何故かはぐらかすようなことを言いつつ、話題を脱線させるように私を夕食に誘い、アリア先輩と白雪先輩も巻き込んで言及できない空気にされてしまって、これは何かあるなと思いながら夕食のお手伝いへと乗り出していった。

 

「そういえば遠山先輩って留年したとかなんとか聞いた気が……」

 

 支度を終えて割とすぐに夕食となって、アリア先輩と白雪先輩の口喧嘩が何を種に勃発するかわからない状況下で、仲裁役になる私とリサ先輩がなんとか間に入ってやり過ごしていると、ここがキンジ先輩のお部屋だということを思い出して、ジャンヌ先輩が愚痴っていたことをふと口にしてみる。

 するとそれがいけなかったのか、急に不機嫌になったアリア先輩としくしくと泣き出した白雪先輩に困惑。

 

「あのバカキンジはホントーにどうしようもないわ。どうやったら留学なんてできるのかこっちが知りたいくらいよ」

 

「元はといえばアリアがキンちゃんをあちこち連れ回すから、キンちゃんも忙しくて勉学に身が入らなかったんですぅ」

 

「はぁ? あたしが悪いわけ? ねぇ幸帆。あんたもそう思う?」

 

「わ、私に聞かれても遠山先輩がどのような学校生活を送っていたかはよく知らないので、どう思うも何も……り、リサ先輩はどう思いますか?」

 

「ご主人様は自ら困難な道を選び、それを乗り越えようと頑張っておられます。勇者の道は波乱万丈。山があれば谷もあります」

 

「答えになってないような……」

 

 どうやらキンジ先輩がお2人のトリガーになる確率が高いことが今のでわかって、早々に切り上げるべきと判断したものの、神速のごとく私に飛び火して慌ててリサ先輩にキラーパスを送ると、涼しい顔でまるで聖母のような包容力を以てキンジ先輩の擁護らしきことをして場が鎮圧。

 アリア先輩は「そんな考えてるわけないでしょ」とまだお怒りのようですが、なってしまったものを今さらガミガミ言っても……というか本人に呆れるほどには言ったのだろうから、大きなため息が漏れて食事を再開。

 ですが留年した遠山先輩は学年でも見かけていないので、その辺の処遇はどうなっているのでしょうか。

 

「あの、遠山先輩って今は登校されてるんでしょうか」

 

「それが新学期から全く見かけてないのよ。学校の決まりで変装はしてたはずだけど、探しに2年の教室に行ってみても見つけられなかったし、あのバカキンジを見つけられないとか屈辱だわ。今日だってこうやって張り込んでるのに帰ってきさえしないじゃない」

 

「きっとアリアと会うのが嫌で仕方ないんだね。日頃の行いが出てきちゃったのかな?」

 

「だったら白雪もそうじゃないの。新学期から会ってないんでしょ」

 

「私はSSRの合宿とかで留守にしてただけですぅ。キンちゃん様ならこうやってメールにも反応してくれてますぅ」

 

 この2人の口喧嘩はもう止めるだけ無駄なのかなぁと蚊帳の外から悟りつつ、アリア先輩の言うところによると、どうやらキンジ先輩はそうとわからないように変装をして登校してるみたいですね。

 でもそんなアリア先輩が……私達の学年の全員がわからないほどの変装って、諜報科に向いているのではないでしょうかね。京様でもそんな変装ができるとは思えません。それこそ京奈さんレベルの変装じゃないと……

 ヒートアップするお2人の口喧嘩が微妙に真面目な空気が作りにくいですが、その中でも集中して思考した私は、何故かはわからないですがその変装という単語から引っ掛かりを感じる。

 

 お2人の口喧嘩は終始続いた夕食もリサ先輩の仲裁で手が出るまでのことはなく終わり、後片付けを手伝ってからおいとましようとして、玄関までリサ先輩が来てくれて2人きりになったところで、何やら知ってそうなのでそれとなく探りを入れてみる。

 

「リサ先輩、遠山先輩はもしかして、物凄い変装をして登校していたんじゃないですか?」

 

「具体的にはどのような?」

 

「例えば……女装、とか」

 

「幸帆様は自分なりの推測が確信に変わりつつあるのでしょうね。将来は素晴らしい武偵になれると思います」

 

 今の探りはいくつかのことを判明させるための質問でしたが、話術には長けていそうなリサ先輩がそれに気づかないはずもないのにわざわざ答えてくれたことでわかったことが少なくない。

 その答えを聞いてから男子寮を出た私は、足を使って得られた成果にちょっと気分が良くなる。

 1つ。リサ先輩はキンジ先輩の変装を知っている答え方をした。

 2つ。私の例え話に否定も肯定もしなかった。

 3つ。その上で私の将来性を買ってくれた。

 これらのことから私の推測が間違ってはいないのがわかった。

 あとはそれを確定の情報とする証拠が掴めれば完璧だけど、今は難しいと思う。

 そう考えていた私が部屋に戻ろうと進路を取っていたところ、小鳥さんからメールが届いて新作映画の観賞会を理子先輩の主催でやるとのことでお誘いが。

 断る理由もなかったし、丁度よく第2女子寮への進路変更がタイムロスにならない位置だったので行く旨を伝えて小鳥さんのお部屋に向かった。

 部屋には見慣れたとはいえ、大小様々な観葉植物がビックリするほどすくすくと育っていて面食らいますが、育て方が尋常じゃないほど上手い小鳥さんだからこそなので尊敬しています。

 私が来た頃にはすでに観賞会は始まっていて、探偵科らしくミステリー映画のようですが、理子先輩の鋭いメスが入って内容の推理が主体になっている。

 それを小鳥さんとライカさんと麒麟さんがうんうんと話半分で聞きながら観賞してる中に入る。前に小鳥さんだけをリビングから連れ出してちょっとした確認。

 

「小鳥さん、新学期の初日にクロメーテルさんについて確証がないからと口をつぐんだことがありましたけど、今も確証はありませんか?」

 

「えっ? どうして今それを……もしかして依頼の方を急かされましたか?」

 

「いえ、そういうわけではなく、こちらでちょっと確証がないので、それで小鳥さんの件を思い出した次第で」

 

「私の方は……えーっと……確証には至ってますけど……うーん……世の中には知らなくてもいいこともあるとだけ」

 

 どうやら小鳥さんはクロメーテルさんの秘密についてわかってるようで、その秘密を探ってる私にも教えてくれないところをみると、やはり私の推測は間違ってなさそう。

 

「あとはそうですね。かなめちゃんに聞いたらいいのかもです。私の口からはそれだけしか言えないので、どうするかは幸帆さんに任せます。その情報を開示するも黙殺するも自由だと思いますし」

 

「私の推測が正しかった場合は、そうですね。依頼とはいえ口外しないと思います。ありがとうございました、小鳥さん」

 

 そうしてクロメーテルさんの秘密について言葉を濁す小鳥さんの考えがわからないわけでもない私も、もしも推測が合っていた場合は同じように胸の内に秘めてしまうだろうと語ると、揃って笑い合って会話は終了。

 あまり長話をしていると理子先輩が怒るので2人でリビングに戻って観賞会に加わると、それを観ながらも私は明日、かなめさんにまずは会いに行こうと決める。

 クロメーテルさんの正体が遠山キンジ先輩であるという、確証のない真実を暴くために。


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