緋弾のアリア~影の武偵~   作:ダブルマジック

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Bullet153.5

 

 京夜先輩が戻ってきて早々に始めた本気のかくれんぼ。

 制限時間内に京夜先輩を見つけることができず、最後の追い込みをかけたスーパー内で昴の指示通り右往左往させられてタイムアップとなってしまった。

 そして時間を確認していただろう京夜先輩がそれと同時に逃げるのをやめて私が追い付くのを待っていましたが、そんな京夜先輩のお腹に私は割と本気の拳を叩き込んでしまった。

 その行動には痛みよりも何でといった表情をした京夜先輩でしたが、それがわからないほどバカな人ではない。けど……

 

「……私、本気で逃げてって言いましたよ?」

 

「…………」

 

「それなのに行く先々でヒントを残していって……追ってこいって言わんばかりのそれが私は……」

 

 嫌だった。

 そう口に出す前に目に涙が滲んでしまい、それを拭うために言葉が切れる。

 しかしそんな私を見て京夜先輩は、一瞬だけ申し訳なさそうな顔をしてから、すぐに真顔になっていきなり私の脳天にチョップをお見舞いしてくる。な、何で!?

 

「アホが。どう考えてもお前の前提条件だとオレを見つけられないだろうが。お前がそういう条件にしたから乗ってやったが、本来なら『逃走側の設定』をもっと細かくするべきなんだよ」

 

「…………へっ?」

 

「強盗犯とか窃盗犯とか、そういう役に、武器の有無。性格なんかも考慮しないと逃げる側の心理を読むこともできやしない。きっと小鳥は今回のを『きっとオレなら』って考えて行動したんだろ。だからオレもオレらしく動いた。そうしないと『意味がないから』な」

 

 …………言われて気付く。

 1年前はまだ私も京夜先輩のことをよく知らないで挑んだかくれんぼだったから、そういうものと考えていたけど、あれは『必要な情報』だったのだ。

 決して私に対する情けとかではなく、明確に『誰を捜索するのか』を提示してくれていた。

 対して今回のかくれんぼは私があまりにも単純に『京夜先輩を探そう』としたから、京夜先輩がわざわざその条件に合わせてくれた。

 それを私は勝手に手抜きだとか思って殴って……恥ずかしいんですけど!

 

「……殴ってごめんなさい」

 

「いや、それだけ小鳥も真剣だったってことだろうし、ちょっと楽しんでたのも事実なんだよな。それに本当はここでの買い物を終えてから見つかるはずだったのに、ここまで来られて焦ったのはあるよ。その辺ではオレの予想を良い意味で裏切ってくれたんじゃないか?」

 

 京夜先輩はこのかくれんぼ自体に有意義なものを本来なら持たせたかったんだろうことを悟ると、そこまで考えずに勝負を持ちかけた私の落ち度が酷すぎて謝るしかない。

 それでも優しい京夜先輩は私を怒ることもせずに、さっきのチョップでチャラにしたようなことを言いつつ、私のこともちゃんと評価してくれて、お釈迦様にすら見えてきた。

 しかしこんな話をスーパーでやってたもんだから、他の買い物客の迷惑になりそうな雰囲気を察して京夜先輩が先に動き出し、私もそれに続いてレジの方に移動しカゴの中のものをチェック。

 

「食材的にすき焼きっぽいですけど、高いお肉まで買って大丈夫なんですか?」

 

「特別報酬が入ったからな。いやぁ、太っ腹な組織もあったもんだ」

 

「どこからのお金なんでしょうか……」

 

 カゴの中の食材からすき焼きなのはすぐにわかったのですが、最近はお財布事情が厳しかったので贅沢はしてなかったから、突然の贅沢に何事かと尋ねると、直前の仕事が相当な儲かり具合だったみたいですね。

 そして買い物を終えて男子寮の方に戻ってみると、何故か部屋の方に明かりが点いていて、リビングに移動するとせっせと鍋の準備をするリサ先輩とテレビゲームをしてる理子先輩が。

 

「お帰りなさいませ、猿飛様、小鳥様」

 

「食材はこんなもんだが、締めとかは武藤達に頼んであるからよろしく頼む」

 

「承りました。これだけのものがあれば、かなり上等なすき焼きができますよ」

 

 これもどうやら折り込み済みで驚く様子すらない京夜先輩は、買ってきた食材をリサ先輩に渡して自分もくつろぎ始め、理子先輩のゲームにのそのそと参加。

 このあとには武藤先輩と他数人も来るみたいなことを言ってたので、私も順応するようにリサ先輩のお手伝いに加わる。

 というか理子先輩の言ってた「楽しみにしてる」発言はこれだったんだなぁ。

 

「邪魔するぜ!」

 

「お邪魔しまーす!」

 

「もう賑やかだね」

 

「お邪魔いたします」

 

 私との勝負の間に決めたのだろう突然のすき焼きパーティーの参加者が続々と部屋に来訪し、武藤兄妹に不知火先輩、幸帆さんまで来てのちょっとした大所帯で一気に賑やかに。

 呼ばれた人達が揃ったからか、ゲームをしていた京夜先輩と理子先輩もすぐにゲームをやめて今度は席決めのジャンケン大会がスタート。

 とはいっても京夜先輩などの男子組はさっさと座ってしまい、女子組が京夜先輩の両隣を争う様相で……って、それなら私もー!

 と、滑り込みで参加したジャンケンは見事に撃沈し、勝った幸帆さんと貴希さんが意気揚々と京夜先輩の隣に座るのを理子先輩と一緒に恨めしい目で見てから、私達も適当に座ってすき焼きパーティーが開始される。

 

「それじゃあキョーやん生還パーティーを開始しまーす!」

 

「そんなパーティーじゃねぇ」

 

 理子先輩の謎の音頭で始まったすき焼きパーティーはいつも通りのどんちゃん騒ぎで、それにはもうすっかり耐性が付いた私も自然に混ざってお肉の取り合いにまで参加する。この肉は私のだぁああ!!

 まぁこういう争いでは理子先輩が強すぎて前半は負け越しに終わって、後半からは京夜先輩に説教とセットの4の字固めを極められた理子先輩の脱落で私もお肉にありつけましたが、締めのうどんはきっちり食べに来る辺りはさすがですね。

 すき焼きパーティーが終わってからは後片付けを私とリサ先輩、幸帆さんでやって、京夜先輩達は罰ゲームありのゲーム大会を開催してさらにヒートアップしていき、後片付けを終えた私達が合流した頃には武藤先輩と不知火先輩が罰ゲームの餌食となってパシリにされてました。

 人数が増えたことでチーム戦になったりとありながら夜10時くらいまで騒いだ私達でしたが、京夜先輩の撤収の合図で今夜は珍しく誰も泊まってはいかずに解散となり、普段は粘る理子先輩も今夜はあっさりと退散していったのはちょっと気になりますが、撤収の際に片付けも卒なくこなして帰ったリサ先輩のおかげで私も京夜先輩もさっさと入浴を済ませて就寝とすることができました。リサ先輩ありがとう!

 そうして久々に京夜先輩と同じ時間に寝室に入ったわけですが、ここで珍しく京夜先輩が寝る様子を見せずにベッドに座って私を隣に招くので、ちょっとだけドキドキしながら壁を背にベッドに体育座り。

 こうなったからには京夜先輩からお話があるんでしょうが、下半身にだけ布団を被せてくれた京夜先輩は、一緒にそれに入って一拍。

 

「……あー、改まって話すようなことでもないんだろうが、話すことに意味はあると思うし言っておく」

 

「な、何でしょうか」

 

「その、なんだ……小鳥との徒友契約もあと半月くらいになったし、さっきの勝負もそれに関係してるんだろうから、その辺を話そう」

 

 あんまり重苦しい空気とか真面目な空気が苦手な京夜先輩がそうならないように前置きしてくれたのは、さっきの勝負を持ち出した私の心情も察した今後の話で、それを騒ぎ疲れたこのタイミングでしてくれたのは余計な熱を入れさせないためだったのだろう。

 つまりすき焼きパーティーも単なる贅沢をしたわけではなく、私のためにしてくれたもの、かもしれない。

 

「小鳥を徒友にした時から、オレは小鳥とは違ったタイプの武偵で、目指す武偵の道も違うだろうってのはわかってた。だから小鳥の描く武偵に必要かどうかはともかく、役には立つ技術をずっと教えてきたつもりだ。まぁ、相変わらず無音移動法はぎこちないし、ミス・ディレクションも下手くそだけど」

 

「ぬぐっ……」

 

「それでも小鳥なりに成長してるっていうのは目に見えてた。今日のかくれんぼだってオレの予想を上回って追いかけてきたしな。それは1年前の小鳥にはできなかったことだと思う」

 

 そんなことを考えながら京夜先輩の話を聞いていると、ずいぶんな下げ方にぐうの音も出ない感じになったものの、そのあとにちゃんと上げてくれる辺りは嬉しい。けど、恥ずかしい。

 

「私……ちゃんと見せたかったんです。京夜先輩から学んで成長したんだってところを。でも結局、バカなことをしたみたいでカッコ悪いですね……」

 

 そんなことしなくても、京夜先輩は私のことをちゃんと見てくれていたんだ。

 それが今の話だけでわかって、意気込んで成長を見せようとした自分の行動がバカみたいに思えてうずくまってしまう。

 顔を伏せてしまった私はそこでちょっと嬉しさ半分、悲しさ半分で泣きそうになってしまいましたが、そんな私の頭に手を乗せてちょっとわしゃっと撫でてから、京夜先輩は話を続ける。

 

「オレは人を褒めるのが苦手だから、小鳥をちゃんと褒めたことが数えるくらいしかなかったな。それが今日のかくれんぼに繋がったなら、オレにも悪いところはあったさ。だから今はちゃんと言うよ」

 

 話しながらに私の頭を少し自分へと寄せて、それに逆らわずに京夜先輩に体重を預けてしまったけど、それを気にせずにそのままで今まで1度としてちゃんと言ってくれたことのないことを私に言ってくれた。

 

「小鳥は武偵として立派になってきてるよ。一人前はオレもまだまだだから評価してやれないが、くすぶってた頃のオレよりは立派な武偵になったさ」

 

「…………ふぇ……」

 

「小鳥の目標はたぶん、英理さんと吉鷹さんなんだろうから、進級前には探偵科に戻ると思うが、あの人達を目指すなら武偵としての技術だけじゃなくて、外国語から逃げるのもやめ……」

 

 こんなにはっきりと京夜先輩に褒められたことがなかった私は、話の途中で涙が溢れ出してしまい、今後のことも話してくれていた京夜先輩も私のぐずる声に言葉を切ってしまい、少しのあいだ私の鳴き声だけが寝室に聞こえて、そんな私を落ち着かせるように京夜先輩は頭を優しく撫でてくれた。

 

「すみませんでした。大事なお話の最中に」

 

「女に泣かれるとどうしていいのかわからんオレもダメダメだな」

 

 気持ちも落ち着いて京夜先輩から離れて顔を上げ座り直した私は、そんなことを言って空気を和らげた京夜先輩にちょっと笑ってから、話を再開する。

 

「私も今の自分に足りないものが色々と見えてきました。前まではどうすればお母さんやお父さんみたいな探偵になれるかなって考えても、足りないものだらけでどうしていいかわからなくなってましたけど、京夜先輩の戦妹になって学んで、色んな依頼を解決して、何をどうすればいいかを考えられるようになりました」

 

「そうか」

 

「だから京夜先輩との徒友契約が切れても、私は大丈夫です。昴もいてくれますしね」

 

 直前に色々と課題も言われていたので、それもちゃんとわかってると言うと、京夜先輩も改めて何かを言うこともなく、ただ一言「そうだな」と言ってくれる。

 決して京夜先輩から離れることに不安がないわけではない。

 それでも私は武偵の卵で、いつかはその殻を自らの力で破らなければいけない。

 それを京夜先輩に手伝ってもらうなんてカッコ悪すぎる。

 

「でも私はちょっと心配なんですよ? 私がいなくなって、京夜先輩は今後の家事をどうするんだろうって」

 

「アホが。お前が来る前は全部1人でやってたっつうの。それでなくても海外生活の経験も積んだから、小鳥より優れた家事スキルを習得したことになる」

 

「ムムッ。確かに英語とか中国語とかよくわからないですけど、私だって2年生になったら修学旅行Ⅱまでに英語くらいちょちょいと習得してみせますし」

 

「この1年で英語の成績が平行線だった人間がよく言う」

 

「な、何で京夜先輩が私の成績表のことを知ってるんですか!」

 

「部屋には鍵をかけるべし」

 

「ムムー!!」

 

 しんみりとした感じを嫌って私から空気を変えにいったのは確かですが、こういう空気ではやっぱり京夜先輩の方が一枚上手で、流れを完全に持っていかれてしまった。

 でもすぐに互いに小さく笑って話が区切られて、また和やかながらも真面目な空気が流れて私から口を開く。

 

「私、明日にはここを出ます」

 

「また急だな」

 

「急ではないですよ。京夜先輩に勝負を持ちかけるって決めてから、勝っても負けてもそうするって決めてたんです。お部屋の荷物はもうまとめてありますし、小物は少しずつ移動させてたので、両手に抱えるくらいの量しかこのお部屋には私物はありません」

 

 結構な唐突な話だったと思うのですが、私が部屋を出ていくと聞いても大した反応がなかった京夜先輩は、言葉を待つ私に少し考えてから言葉を返す。

 

「……正直な話、最初にここに同居するって言ってきた時は迷惑に近い感情があったんだよなぁ」

 

「うえっ!? そうだったんですか?」

 

「オレにも男の生活ってやつがあるしな。幸姉や幸帆とも離れて、こっちに来てから自分の時間ってやつをじっくり使うことを覚えた矢先のことだったから、女のいる時の配慮ってやつをまたやるのかって感じ」

 

「そんなの始めに言ってくれれば住み込みなんてやめてたかもなのに……」

 

「いや、あの勢いは絶対にやめなかったね。断言する。ほぼゴリ押しだったし」

 

 そ、そんなことないやい!

 と言いたいところでしたが、なんか昔の自分はかなり勢いで押しかけたような気がしなくもないので、そう言われるとぐぬぬとするしかない。

 でもそれを今さら言う京夜先輩も京夜先輩です!

 

「でも今は小鳥がこの部屋にいるのはオレにとっての当たり前になってたんだよな。時間の流れって怖いわ」

 

「……私も、ここに帰ってくるのが当たり前になって、いつもフラフラとどこかへ行く京夜先輩の帰りを待つのが日常でした」

 

「フラフラはしてない」

 

「じゃあブラブラですね」

 

 それでも今は私がこの部屋にいるのを当たり前と思ってくれてる京夜先輩の優しさは感じつつ、ちょっと仕返しで留守が多かったことを突くと、それもまた事実なので反論は1回で終わる。勝った。

 

「……京夜先輩」

 

「なんだよ」

 

「私、京夜先輩の戦妹になれて良かったって思ってます。あんまり多くは身に付かなかったかもしれませんけど、京夜先輩の戦妹だった時間は、私にとっての誇りです」

 

「まだ半月あるんだがね」

 

「そうですけど、その時になってしんみりするのは私も嫌ですし」

 

「オレも、後輩をみっちり指導するって経験は初めてだったから、教える側に立ってみてわかったことがたくさんあったよ。その後輩が小鳥で良かった。素直すぎるのは困りものではあったがな」

 

 話したいことはまだある気がするけど、ここで全てを吐き出す必要もないかなと思うと、これが最後というように感謝を述べ、京夜先輩もこんな私に感謝をしてくれて、それで心地よくなった私は意識が途切れ途切れになってきて、いつの間にか京夜先輩の隣で寝始めてしまった。

 ――大好きです、京夜先輩。

 

「うわっ!」

 

 翌朝。

 寝る直前のことを思い出すように飛び起きた私は、京夜先輩のベッドで1人で寝ていたことを確認し、次に時間を確認すると、7時を回っている。

 普段なら完全に寝過ごしたレベルの寝坊ですが、私も京夜先輩も進級は確定させてるので登校は最悪しなくてもいいから、私も特に焦るようなこともなく寝室を出る。

 

「珍しく寝坊助だったな」

 

 まずは顔を洗おうと洗面室に向かったら、キッチンから京夜先輩が声をかけてきて、これも珍しく朝食を作ってくれていた。

 

「怒ったり笑ったり泣いたりで疲れてたみたいです」

 

「もうできるからさっさと顔を洗ってこい」

 

 いつもとは逆の立場になってのやり取りにちょっとだけ違和感を感じながらも、ゆっくり2人で食べる朝食は本当に久しぶりでなんだか嬉しい。

 そしてこんな風に京夜先輩が朝食を作ってくれたのは、きっと私がいなくなっても問題ないと示す1つの手段で、それに少しの寂しさを覚えながらも、食べ終わってから2人で後片付けをして、着替えも済ませて荷物をまとめる。

 

「それでは京夜先輩。今までお世話になりました」

 

「1人で使うには広すぎるんだよなぁ、この部屋」

 

「フフッ。1年前までは普通に使ってたじゃないですか」

 

「慣れって怖い」

 

「それ、昨日も聞きましたよ?」

 

 最後に私物の未回収がないかを確認してから、両手に抱える程度の物を持って玄関で京夜先輩と挨拶。

 別にこれでこの部屋に一切合切来なくなるわけではないけど、私もなんだかこの部屋を出るのがこの上なく名残惜しく感じてしまい、持っていた荷物を置きたい衝動に駆られてしまう。

 しかしそんな私の心境を察したのか、京夜先輩は自分の名残惜しさを顔からなくして、私の頭に乗る昴を触ってから私に小さく笑って口を開く。

 

「今年は小鳥が戦姉になるかもと思うと、不安でいっぱいだわ」

 

「ムッ。私だって京夜先輩みたいにちゃんと指導してみせますし! というか京夜先輩みたいにほったらかしにもしませんから」

 

「その前に戦妹ができるのか疑問はあるが」

 

「できない根拠もないですし!」

 

 そうして出てきた言葉はやっぱり私をからかうようなことで、それにはつい対抗心を燃やした私も売り言葉に買い言葉で返してしまう。

 でも対抗する私とは裏腹に頭の上の昴は「できる根拠もないよね」とか追撃してくる。あとで喧嘩ですね。

 それで結果的にしんみりとした空気は払拭されて、私もなんとなく京夜先輩の側から離れたい気持ちになったので、その足は玄関から外へと自然に進む。

 

「……それから、進級が決まったからって専門科の授業には出てくださいよ。私はまだ京夜先輩の戦妹なんですから、教えられる権利があります」

 

「はいはい、わかってますよ。せいぜい最後までオレの指導に四苦八苦してくれ」

 

 本当に最後まで私を煽るんだから!

 そうは思っても京夜先輩から何かを教えてもらうことに、最初から最後まで嬉しさを忘れなかった私は、徒友契約が切れる最後の日までみっちりと指導してもらおうと決意し、1年間、お世話になった男子寮をあとにするのでした。


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