作戦終了から一夜。
ジャンヌの壮絶な報酬戦争も終わって、まず最初に動いたセーラを見送るために羽田空港に来ていたオレとジャンヌは、坦々とした様子でチェックインを待つセーラと最後のお話。
「色々と世話になったな」
「それが仕事だから」
「そうだな……まさか一文も負けてくれんとはな……」
「それは約束通り」
次の仕事がもう入ってるらしく、傷も癒えきってないのに多忙な年下の女の子を見るとなんとも言えない自分の怠惰さが嫌になるが、サボってないし!
などと思いつつも、当初は報酬も半分でいいとさえ言っていたセーラが、すっかり消沈したジャンヌからびた一文も負けずに本来の報酬で通したのは笑えなかった。
理由については陽陰を逮捕できたら、という限定条件を達成できなかったとのことで、その辺はオレ達の作戦の不十分さが原因と判断し、自分の落ち度ではないと主張されてしまえばそうなのだから、ジャンヌもどうしようもない。
「まぁこんなジャンヌの様子からして、今後はセーラとも仲間として動けることはあまりないとは思うが、また機会があったら頼むよ」
「ちゃんと報酬を払えば仕事はする。それがプロ」
「それから最後に、ピョンピョン飛び跳ねる時はちゃんとスパッツか何かを履きなさい。これはお兄さんとしての忠告です」
「かえれ!」
そうこう話していたらセーラの乗る飛行機のアナウンスが鳴ったので、オレ達も撤収の流れで言葉を交わし、今回の作戦でもスパッツを履かなかったセーラには忠告してやったが、デリケートな問題だったから顔を真っ赤にして追い返されてしまう。
それでも本当に感謝はしてるので、退散しつつもチラッと振り返って手を振ると、まだ怒ってそうなセーラはプイッとそっぽを向いて返してくるのだった。ブレないなぁ。
「よし島。次は成田だ」
「了解ですのー!」
羽田空港をあとにしてオレ達が次に向かったのは、遅れて上海に戻る趙煬の見送りのために成田空港へ。
どうせなら空港くらい合わせてくれた方が楽なんだが、この辺が仲間意識がなくなった元チームの物悲しさを語っているな。協調性、大事。
その趙煬がなぜ成田空港から戻るのか理由について聞いていたので、この場合はセーラが協調性がないのだが、フライト時間で少しでも速い方とかそこまで変わらないだろうに。
「京夜ー!」
「ごぶっ!」
それで成田空港に足を運んでロビーの方に行ってみると、オレを見るや否や突撃をかましてきた猴が怪我した肋骨にダメージを与えてきて悶絶。や、やめてくれ……
「ほ、本当に日本に来てたんだな……オレも会えて嬉しいよ……」
「猴も孫になってた間に日本に来たのですが、趙煬が来ていて助かったです」
なんとかギリギリで猴を受け止めることはできて、嬉しそうに抱きつく猴の頭を撫でてやる。
猴が何故ここにいるのか。それは先の緋緋神の件でキンジ達と一緒にキノクニに行っていたらしく、その時に緋緋神に再び乗っ取られて孫となり、気づいた時にはキンジと一緒に青森の山中にいたんだとか。
それから星伽神社に向かったキンジを觔斗雲とかいう瞬間移動で近くまで送って、その直前に貰った駄賃でなんとか人里まで下りられたらしいのだが、その金で行けたのが成田空港までだった。
あとはギリギリの金で藍幇に連絡して、諸葛から劉蘭に連絡が行き、趙煬に迎えに行かせて今に至るということだが、作戦中は結構近くにいたという事実にちょっと驚きだ。
「おおー! お前達、見たことある。見送り大義!」
それともう1人。趙煬のそばでおにぎりを頬張っていた鬼のハビが、見送りに来たオレを見てなんかかなり友好的な言葉で接してくる。
このハビもまた緋緋神に体を乗っ取られて猴と同じ状況にされたとかで、キンジと和解? みたいな感じになったからオレ達とも敵対していないとからしい。
そのハビは藍幇がどうにかしてキノクニに帰すと劉蘭が決めたとかで、その辺は鬼に恩を売る形で何らかの繋がりを作る算段があったんだろう。抜かりがない。ますます藍幇とは敵対できないな。
「帰る前に京夜に会える聞いて、猴も嬉しかったです。今度はゆっくり観光で来るですから、案内を頼みたいです」
「来る時はちゃんと連絡をしてくれよ。オレにも予定とか色々あるから、突然来ても会えないかもしれない」
「はいです。その時は劉蘭も一緒に来るですよ。あ、でもそうなると趙煬も来るですから、京夜は気まずいですか?」
「いや、趙煬はなんだかんだで嫌いじゃないよ。日本語を話せるようになってくれると楽ではあるけど」
「じゃあ猴が教えておくです。劉蘭にも助けてもらうですよ」
オレと会えたのが何故か嬉しいらしい猴は、そうやって今度また日本に遊びに来ることを伝えて、日本語のわからない趙煬を見ながらそうした話で互いに笑い合う。
それには見られた趙煬がムッとしていたが、オレも猴も素知らぬ顔で明後日の方向を向いて誤魔化し、今度はジャンヌと話しに行った猴を横目に趙煬と言葉を交わしに近づく。
「世話になった。お前にはずいぶんと助けられた」
「敵の排除と対象の護衛はある意味で俺の専門だ。言うなとは言われたが、劉蘭には『お前を死なせるな』と泣きつかれたこともある。そうした意味ではお前もまぁ、よく生き延びた」
「完全に運だった気もするが、互いに死なずに済んで良かったよ」
趙煬と長話などできる自信はなかったので、言葉はそれだけで小さく笑っておしまい。
劉蘭に頼まれたからオレを助けたみたいなことを言ってはいたが、きっとこいつはあの時にそんなことは考えてなかったとなんとなく思う。
だからオレも直接は言わないが、少しだけ趙煬の夢の後押しをしてやることにして、ゆうべに劉蘭にメールをしておいた。
秘密にしていた趙煬の夢。アクション俳優になりたいという夢を。その辺は劉蘭ならかなり巧妙な手でバレずにどうにかしてくれそうだから頼りになる。
あとは趙煬がそのチャンスを掴めるかどうかだ。オレは応援してるぜ。
そして趙煬達もフライトの時間となって、子供2人の保護者みたいな出で立ちで行ってしまった趙煬の背中に、オレとジャンヌは静かに頭を下げたのだった。ありがとな、趙煬。
「さて、残るは羽鳥だけか」
「私は先に学園島に戻らせてもらうぞ。やつのところに行くならば1人で行ってくれ」
「押し付けるなよリーダー」
「私はもうやつに会う必要がないのだ。会いに行くと言ってる京夜の方がおかしい」
作戦の参加者2人の見送りを終えて、いよいよ残った羽鳥の方の顔出しかと鬱になってると、我関せずに急に方向転換したジャンヌは島の車へと戻っていき、結局は1人で会いに行くことになったオレは東京武偵庁の前で降ろされて、本当に学園島に戻っていったジャンヌにアッカンベーしてやってから、今も陽陰の件で忙しなく動いている羽鳥に会いに重い足を進める。
「なんだ来ていたのかい。君は暇なのかな。良いご身分だね」
「なら帰るわ。じゃあな」
それで会ってみての第一声がこれだからもうやだこいつ。
エージェントの1人を捕まえて羽鳥のところに案内してもらったはいいが、大量の書類と格闘中の羽鳥はオレをチラ見してからかなり適当な毒入りの挨拶だけで会話をしようという意思がないのがわかる。
「暇なオレとは違って忙しそうなお前のために手短に用件を伝えるぞ」
「右から左に流れるのを承知でよくやるね」
「ありがとよ。お前がいてくれてかなり助かった」
なので感謝だけは伝えてさっさと退散しようと、聞く耳持たない羽鳥にハッキリ伝わるなと意地悪なことを思いつつ言葉を送り立ち去ろうとする。
が、そのオレの手を引いて止めた羽鳥は、エージェントの1人にあれこれ指示を出してから休憩室に移動を促して、そこで2人きりになってからコーヒー片手に話をする。
「君はどうしてこうもタイミングが良いのか不思議だね。あのタイミングで丁度よく作業が一段落したから、うっかり君の声が耳に入ってしまった」
「そりゃ災難だったな。んで、オレを引き止めたってことはなんか話すことがあるんだろ」
「これも司法取引の範疇だし、後から聞くだろうから余計なことだが、これからの陽陰の対処について方針が固まったから、先に教えておくよ」
オレ達よりも活動時間が長いだろう羽鳥の疲労は外見的にはわからなかったが、こいつはそういうのを表情に出さないやつなので、少々だが心配する顔をすると「やめてくれる?」みたいな嫌な顔をされたのでイラッとしつつも、固まった方針とやらに耳を傾ける。
「まずは世界中にある陽陰の天地式神を全て破壊し、やつの機動力と情報力を奪う。この辺は1ヶ月以内に完了する予定だ」
「まぁそれはやっとかないとやられたい放題だろうしな」
「それが完了したのち、長期に渡る陽陰との探り合いが予想されるだろうけど、そうやって陽陰の注意を武偵庁や武偵局が引いている限りは、君達や陽陰にちょっかいを出した全員を守る役目も果たせるだろうね。武偵庁も忙しいから、各支部から2人程度が担当になるだろうけど、塵も積もればなんとやらだ」
「そうまでしても捕まえられるかわからないってのがまた怖い相手だよな」
「国すら滅ぼす相手だろうと、ビクビクして放置していたらダメな段階にまで私達が歩を進めたんだ。たとえ何十年かけてでも必ず捕まえるさ」
「お前はその中心に居続けるつもりか?」
「それは無理だよ。私はこれで優秀だからね。あれこれと任務が山積みだ。ロンドン武偵局をやめようかなと考えるくらいに」
どうやら今後はオレやメヌエットといった人物に陽陰の魔の手が伸びることは限りなく低くなることがわかり、少しだけ安心するが、あの陽陰がどんな隠し玉を持ってるかわかったもんじゃないから、武偵庁や武偵局にはマジで頑張ってもらいたい。天地式神さえなければ陽陰もかなり行動に制限がかかるはずだしな。
そして羽鳥は今は陽陰の案件で中心で動いてはいるが、ほとんどを引き継ぎでまた別の任務に邁進するようで今からちょっと鬱気味に苦笑い。
それには優秀な人間の贅沢な悩みだろといった表情で笑ってやってから、羽鳥に用がありそうなエージェントの姿を休憩室から見つけたので、話もこれくらいにしておく。
「なんにせよ、1つの仕事を終えて、またお互いに歩き出す。訃報を聞かないようにだけは注意しないとな」
「殺そうとしても殺せない君に言われると嫌味にも聞こえるよね。まぁ私も悪運は強い方だ。女の平均寿命も男より長いしね」
「それとこれとは関係ないだろ」
そうしてコーヒーを飲み干して立ち上がったオレ達は、よくわからない会話をしてから握手を交わして小さく笑い合うと、また各々の道を歩み始める。
きっとまたこいつとは同じ仕事をすることがあるだろう。
その時はもっと優秀になってる羽鳥に負けないように、オレも頑張らないとな。というか羽鳥より明らかに弱くなると暴走した羽鳥を止められる自信がないし……
「あとは……そういや声を聞いてなかったっけ」
武偵庁を出てすぐに学園島に戻ろうと進路をそちらに向けて、なんだかまだやらなきゃいけないことがあるような引っ掛かりがあったので思い返すと、そういえばまだメヌエットとちゃんと連絡を取ってなかったなと思い至り、時差を簡単に計算して起きてる時間なのを確認してから電話をしてみる。
『遅いですね。これは今度の再会でお仕置きが必要ですか』
「そんなに連絡を待ってたなら、そっちからかけてくれれば良かっただろ。メヌは変なところで頑固だよな」
『そんなことをして京夜が喜びでもしたら悔しいでしょう。それで昨日のメールが先ですからね。謝罪の1つも欲しいくらいです』
「悪かったよ。今度そっちに行ったらお土産を持っていくから、それで許してくれ」
『ではお姉様を所望します』
「こんにゃろうが」
家の固定電話からサシェかエンドラが出るかと思ったら、いきなりメヌエットが出てきて焦ったが、こんなところで推理力を発揮するなと思いつつ挨拶代わりのやり取りで独特な空気を作ると、元気そうなオレにちょっと安心してくれたのか調子良く言葉を紡ぐメヌエット。
『それで私の推理では土御門陽陰についてはすでに国際的な武偵組織に引き継ぎが終わった頃と予測していますが、私や他の方々の当面の安全は保証されたのですよね』
「それはほぼ大丈夫だと思うが、まだちょっとごたついてるから、メヌにはまだ護衛をつけててもらった方がオレとしても安心かな」
『そちらに関してはバチカンの品のない胸のシスターが話がしたいと待機していますから、話す許可を出します』
「品のない……ああ、メーヤさんか。品のない?」
さすがに連絡を待ってる間もぼけっとしてたわけじゃないメヌエットはこっちの動きも推理して話をぐいぐい進めてくれ、何やらメーヤさんから話があるらしくて向こうで少ないやり取りのあとにメーヤさんが電話に出るが、品のない胸って自分がまだ未発達だからって嫌いすぎだろ。
『ジャンヌさんからもご連絡はいただいておりましたが、改めてご無事で何よりです』
「メーヤさんもありがとうございます。ちゃんとメヌのことを守ってくれたみたいで」
『いえいえ。私の力など無力に等しかったです。猿飛さんがメヌエット女史にプレゼントした瑠瑠色金が我々を助けてくださいました』
「瑠瑠色金が? それはまた意外なところで役に立ってくれましたね」
『はい。瑠瑠色金が式神にリンクしていた陽陰を弾き出してくださり、窮地を脱することが出来ました。そうなれば我々もえいっ! とやっつけることが簡単でした』
「式神単体ならカツェの方でも撃破できてましたし、余裕でしょうね」
『ええ! あの魔女連隊にできて、我々にできないことなどありませんから!』
電話の向こうのメーヤさんはそれはそれは元気で、自分達が現地で体験したことを語ってくれて、オレも活用法など特に考えてなかった瑠瑠色金が役に立ったと聞いてちょっと驚く。
しかしその辺の話は挨拶程度のもので、本題はまた別のことなのはわかってるので、基本的にのんびりしてるメーヤさんに合わせると延々と長電話する羽目になって通話料が大変なことになる。
そうなる前にこっちから切り替えて本題の方を話してもらう。
「それでメーヤさん。メヌの護衛については大丈夫ですか?」
『あ、はい。きちんと許可をいただいて、2ヶ月ほどは配備が可能ですよ。私も1ヶ月ほどはお向かいの居住で身辺警護を担当しますので、ご入り用の時は連絡くださいね』
「メヌがわがまま言ったらそっちから連絡してきてください。オレが怒ります」
『フフッ。ではそのように』
メーヤさん達には今後も陽陰の襲撃を警戒してメヌエットの警護を継続してもらう予定だったのだが、その辺はまだ未定の段階だったので、今ので正式に継続が決定した旨がわかってオレもひと安心。
『それからメヌエット女史からお話を聞いたのですが、猿飛さんとは入れ違いになってしまうようで残念です』
「……ああ、そうなるんですね。オレも残念です」
そうしてメーヤさんとの会話も終わりかなと思っていたら、最後にメヌエットから何か余計なことを聞いたようで、そういえばな話をしてくる。
それにはまぁ特に思うこともないので社交辞令で返して、メーヤさんの笑い声を聞いてから再びメヌエットに替わり、なんだかご機嫌で話していたメーヤさんが気に食わなかったのか、ちょっとトゲのある声色のメヌエットは別の話題を振ってくる。
『それと京夜。私の推理ではあなた達の作戦の前後にお姉様達もまた問題の佳境にあったと思いますが、そちらの方は聞き及んでいますか?』
「おう。そっちも解決したみたいだな。今は……うーん、星伽神社にいる、のか? なんかアリアが色んなところに電話してたから、ちゃんと確認しないとわからんが、とにかくアリアはピンピンしてるよ」
『そうですか。少しくらい淑女として塩らしくなってもバチは当たらないと思うのですが、元気だけが取り柄のような人ですから、それを奪ってしまうのは忍びないのかもしれませんね』
「姉に対しても容赦ないな……」
こいつの推理は何に基づいてやってるのか不思議でならないが、推理通りオレ達とほぼ同じ頃に問題が解決したアリア達のことを正直に話すと、あれこれと言ってはいたが、内心ではアリアのことをかなり心配してたんだろうなと勝手に解釈して笑ってやると、どう取られたのか一層の不機嫌になってトゲが鋭くなる。
『それはそれとして、もうすぐ3月14日になるようですよ』
「3月14日? なんかあったか?」
『まあ。紳士たる者がこの日付でピンと来ないなんて駄犬にも劣る虫ですね。考える頭を持たない虫は早く進化して女性の喜ぶことを1つでも多く考えてください』
「よしわかったオレもこの際だから言わせてもらうが、メヌの毒を聞きながら理解したがよ、そもそもとして先月にメヌから『何一つ恵まれていない』オレからすれば今のはわがままにしか聞こえませんねぇ」
『あら、ギブアンドテイクだけでは関係は成り立ちませんよ。男は元来、女に何かを与えることでその価値を見出だす人種です』
「ほほう。なら14日にはメヌが見るのも嫌になるくらいの量のクッキーを送りつけてやるから、覚悟しておけよコラ」
『そんなことをしたら京夜のただでさえ寂しいお財布事情が大赤字になってしまうわ! そんなの友人として悲しいのですから、身の丈に合った贈り物をしなさいな』
ぐわぁぁああああ!! くっそ悔しいぃぃいいいいい!!
完全なるオレへの嫌がらせに対して抵抗はしてみたが、メヌエットの毒が強すぎて敗北。
オレのお財布事情までちゃっかり把握してやがるのがさらにムカつくが、バレンタインデーのお返しという意味のホワイトデーでメヌエットに贈り物をするのが確定させられたのが一番悔しい。
『あらあら、声を殺していても心が泣いているのがわかりますよ。元気を出しなさいな』
「…………もう切る。疲れた。またなメヌ」
そこにメヌエットの死体蹴りが来たので、これ以上のダメージは心を病むので、携帯の向こうでちょっと慌てたメヌエットの声を最後に通話を切って、しばらくその場で精神統一。心をリセットしよう。メヌエット消えろぉ。
……そうしてたっぷり3分ほどバカになってから、とりあえず学園島に戻ろうと思い至り、その足を学園島へと向ける。
なんか色々とあったが、ちゃんと生きて帰ってこれたな。
そんなことを考えながら男子寮まで辿り着き、自分の部屋の扉を開くと、ずっと待っていたのか、はたまた女の勘で直前でスタンバイしていたのか、玄関で仁王立ちする小鳥が腕を組んで入ってきたオレを睨む。何故に?
「勝負です京夜先輩! 私と本気の勝負、してください!」