緋弾のアリア~影の武偵~   作:ダブルマジック

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Bullet131

 

「開いちまったな……」

 

「開いちゃったね……」

 

 エリア51の最深部と思われる場所にあったパスワード式の電子ロックの隔壁の前で足止めされていたオレと理子とヒルダだったが、朝方に何故かそのロックが自動で解除されてしまい、重々しい隔壁がいとも簡単に開いてオレ達に先に進める道を作る。

 

「罠かもだが?」

 

「かもねぇ。でもどのみち進むんでしょ」

 

「違いない」

 

 こちらの意図としない展開なので、当然ながら疑ってかかるわけだが、どうせ罠にかけるならこの前の隔壁を全て閉じてしまえばそれでオレ達はミイラになるしかないんだから、こっちを開ける意味はない。

 理子もそう思ったのか、寝起きで体が起き切ってないのか大きく伸びをしてからヒルダに水をもらって「さて!」と行くことを告げる。

 並んで隔壁の向こうへと踏み入り、大広間になっていたそこには、年期の入ってそうな稀少な戦車や戦闘機などがあったが、瑠瑠色金らしきものは見当たらない。

 

「そもそも瑠瑠色金はどのくらいの大きさのものなんだか……」

 

「ヒルダは知らないの?」

 

「色金について調べたりはしたけど、原石と呼べるものの大きさについてはわからなかったわ。でも色金なら超能力者である私に知覚できるはずよ」

 

「ならここからはヒルダの感覚が頼りだな……ん?」

 

 一応、大広間をぐるっと回りながら瑠瑠色金を探すが、そもそもの姿形すらわからないものを探せという無理難題。

 しかし超能力者には色金を知覚できるらしいので、本当に理子を連れてきて良かったと思いつつ半周ほどしたところで、この大広間にまた出入り口らしきものが現れた。

 不思議に思ってその前にまで移動して先を見れば、暗くて見えにくいがまだ先があり、階段のようになってるのがわかる。

 

「おいおい。マップにない隠しルートですか?」

 

「こりゃまだ下があるね。また隔壁もありそう……」

 

 ここにきてまさかのマップにない階層の登場で、オレと理子はちょっとゲンナリしてしまうが、下がある以上は行くしかないし、その間にぐるっと回ってきたヒルダもこの大広間に瑠瑠色金がないことをジェスチャーで知らせてくれた。

 そしてマップにない地下6階に到達すれば、やはりというか別の隔壁が道を阻んでいてガックリくるが、少し調べた理子が驚きの声を上げるので何事かと思うと、この隔壁のロックもすでに解除されているというのだ。

 

「怖っ!」

 

「これもう開くから開けるけど、何なんだろうこれ……」

 

 もはやちょっとしたホラーなのだが、手間が省けてるのは事実なので、理子のように不思議に思うくらいで留めておくのがいいのかもしれないと思考を止めて、抵抗なく開いた隔壁の先へと進む。

 隔壁の先はまた別のものが保管された大広間になっていて、見てはいけないようなものもあるようなないようなだが、今は特に興味がないのでスルーしつつ、ヒルダの反応をうかがうが、この大広間にも瑠瑠色金はないようだった。

 

「…………次も開いてるに1ドル」

 

「じゃあ理子は100ドル」

 

「賭けにならん。行くぞ」

 

 そうなるとまた見えていた階下への通路を見ながらに理子とちょっとした賭けをしようとするが、理子も開く方に賭けちゃ敗者がいなくなるので破綻で終わり、とうとう地下7階という深部に到達。

 この地下7階にも隔壁が存在していたが、オレと理子はその変化にすぐ気づく。

 隔壁にはこれまでなかった前置きとして『警告 制限区域 立入禁止』の文字が英語で記されていて、ここから先がこれまでとは違うエリアなのを否が応でも知らせてきていた。

 

「やっぱ開いてるか」

 

「まっ、ここでたぶん終わりでしょ。ここになかったら諦めるしかないねぇ」

 

「外はもう昼か。のんびりしすぎたかもな」

 

 そんな特別な区域のくせにまたも電子ロックは解除されていて、何の苦もなく入ることができたわけだが、ここまで割としっかりと中を見てきたので時間もそれなりに経過してるのを時計で確認しつつ、謎の手助けについてもなんとなく見当がついて警戒心も薄くなっていた。

 そしていざ制限区域に突入してみると、これまでとそう変わらない大広間で、正直ここまで来るのに見てきた物の方が価値があるとさえ思える保管物にオレと理子とヒルダはちょっと拍子抜けを食らう。

 大広間にあったのは黒塗りの同型クラシックカーが20台ほど並べられているだけ。

 

「T型フォードかぁ。超が付くくらいの量産車だけど、何でここに?」

 

「先に通路は……なさそうだな」

 

 一応は確認のために理子の言うT型フォードの1台に近寄って触ってみるが、何の変哲もない車だし、入ってきた以外の扉や出入り口もないことから、正真正銘ここが最深部なのは疑いようがない。

 

「これに意味があるなら……ヒルダ。もしかしてこの車が……」

 

 予想では瑠瑠色金は理子のロザリオのような青色をしていると思って、その先入観で無意識で青色のものを探していたが、こいつは『金属を加工』して作られているし、色だってわざわざ黒に塗装されている。

 そうした予想を交えつつ色金センサー持ちのヒルダに確認してもらおうとすると、そのヒルダはその目を今まで見たことがないくらい見開いて驚く表情でT型フォードを見ていた。

 

「…………嘘でしょ……これ『全部が瑠瑠色金』だわ……」

 

「うえっ!? これ全部が!? うっそでしょ!?」

 

「これを全部まとめると……ちょっとした巨岩サイズの瑠瑠色金になるな……」

 

 そのヒルダが言うには、ここにある車の全てが瑠瑠色金で出来ているらしく、元は1つだったのだろうその総質量を考えると相当な大きさなのがわかる。

 そこから考えたら理子の持つロザリオの瑠瑠色金がどれほど少量かわかるが、まさかこれほどの大質量とは思ってもみなかった……

 

「うおうっ!?」

 

 とんでもない事実に驚愕していたら、何やら別のことで驚く声を上げた理子に目を向けると、首から下げていたロザリオが取り出されて、そのロザリオが淡い光を放っていた。共鳴、か?

 理子のロザリオは光を点滅させながら徐々にその光を弱めていき、すぐに元に戻ってしまったが、それが何かの確認作業だったかのように次は車となった瑠瑠色金が淡く光ると、オレ達の前に立体映像のように青く光る女が姿を現す。

 が、この女がよく見るとオレ達がよく知る人物である真田幸音その人で、しかも一糸纏わぬ裸体なのでちょっと目のやり場に困り、理子とヒルダに白い目で見られてしまう。オ、オレが悪いんじゃないやい!

 

「あなた達がここを目指し近づいてきているのは、そのロザリオから見ていました」

 

 真面目な場面なのに微妙に男女で温度差があるオレ達のことなど大して気にすることもなく、視覚化された瑠瑠神とおぼしき存在はここまで来たオレ達の接近を知っていたようなことを言う。

 

「あんたは緋緋神と同じ存在。瑠瑠神って認識でいいんだよな」

 

「あなた達が緋緋神と呼ぶ存在がヒヒ……私の姉であるという共通認識であるならばそうなります。この姿はあなた方が最も共有できる存在の姿をお借りしていますが、私自身に決まった実体はありません」

 

「……すまないんだが、生物学的にメスとされる方々の視線がオスを攻撃してくるので、何か被服を纏うことはできないでしょうか」

 

 ずいぶんと難しい言葉ではあるが、自分が瑠瑠神であることを認めたので、言葉を瑠瑠神の方に寄せて、とりあえず全裸の幸姉と正面から対話は困るのでどうにかならないかと進言すると、オレの……人間の羞恥心というのに疎そうな瑠瑠神は理解はしてなさそうだが、ワンピースのような被服を纏って直視できるようにはなってくれた。

 

「それじゃあ瑠瑠神。オレ達の前に出てきたってことは、何か伝えたいことがあるってことだよな」

 

「猿飛京夜と言いましたか。あなたも私に聞きたいことがあってここまで来ましたね。まずはそちらをうかがいましょう」

 

 かなりナチュラルに瑠瑠神と会話をするオレに理子とヒルダが面食らって固まってしまってるが、緋緋神とは違ってちゃんとこっちの話を聞いてくれる瑠瑠神の厚意で、まずはこちらの案件を片付けにかかる。

 

「いくつかあるが……まずはそうだな……ここにいる瑠瑠色金の力を使ってる理子を、緋緋神のように人格を乗っ取ることはできるのか?」

 

「可能か不可能かの話であれば、可能でしょう。その者が私との感応を高めればよりスムーズに。しかし私はヒヒとは違い、あるべき自然の形を崩すようなことはしません。なるべくならば人との関わりも持ちたくはないのです」

 

「それは今後、理子が色金の力を使おうが、どうこうしようとする意思はないって解釈でいいんだな?」

 

「そのように判断して構いません」

 

 そこでまずはこの場にいる理子の安全を確保したかったので、そうした質問をしてみる。

 それにはちょっと怖いことも言われてしまうが、緋緋神のように人格を乗っ取るような行為はしないと断言してくれたので、自分の話にキョトンとしていた理子を見て「良かったな」とアイコンタクトしつつ、まだ解決すべき案件はあるので話は続ける。

 

「その言葉は信じるしかないな。次は……単刀直入にいこうか。緋緋神が今、1人の人間の人格を乗っ取って世界に混乱を招こうとしてる。それを止める手立てを知ってる、もしくは持ってないか」

 

「その問いかけに対する回答を持ち合わせていますが、私は今、その決断に迷いがあるのです。それが私があなた方に干渉したことと関係しています」

 

「迷い?」

 

 人との関わりを嫌ってる節がある瑠瑠神が長々とオレ達との対話に応じてくれる保証もないので、回りくどいことはせずにズバリ答えに迫ると、その答えを持ってはいるがまだ話す気はないといった返しをしてきて、それがどういうことかを考える。

 

「……それは璃璃色金……璃璃神とも関係してる?」

 

「あなたはずいぶんと核心に迫る情報を持っているようですね。そうです。私の迷いを払拭するためには、妹であるリリと会う必要があります」

 

「なるほど。つまり瑠瑠神、あんたの接触してきた理由は、ここから連れ出して璃璃神に接触させてほしいって言うためか」

 

「その通りです」

 

 そうした考えに至るための情報は、不自然に合流してきたレキの言葉を思い出すことで予測できたが、突然に瑠瑠神と会いたいと言い出した璃璃神と感覚的に何かを共有したということなのか。

 

「それはこっちの目的とも合致するからいいんだが、さすがにここにある瑠瑠色金を全部は無理だぞ」

 

「私の力は質量に比例しますから、人の力を借りずに今のように話すならば、1キロ程度を運んでいただければなんとかできるでしょう。そこの私の力を使う者の体を借りて話すことも可能でしょうが、それはしないと言ったばかりですので」

 

「1キロ程度ね。あからさまに剥ぎ取るとあれだし、理子、どこなら楽に取れる?」

 

「えっ? えっと……普通の車ならナンバープレートとか、かな」

 

「んじゃそれ取って撤収するぞ。どうやらこれ以上の話はレキがいなきゃ進まないらしいし、なんか嫌な予感もする」

 

 なんにしても、これ以上の突っ込んだ話がレキ。璃璃神抜きではしてくれない雰囲気だったので、場所が場所だけに時間を無駄にはできないと判断。

 車についてはそれほど詳しくもないのですぐに取り外せる物を理子に聞いてからは、まだ呆然としている2人を多少放置して作業に取りかかり、瑠瑠神もオレの理解が早かったからか、意外とまだ話してくれそうな雰囲気で実体化していた。

 

「瑠瑠神、ちなみに緋緋神を止める手段ってのは、実行するとなると具体的にどうやるんだ?」

 

「……今あなたが切り離している私の一部を運んで、世界各地の緋緋色金に接近してもらいます。そしてその都度、私の換価重力圏にヒヒを捕らえ、その重力子を集め、圧壊させていくのです」

 

「んー……ヒルダ。解説を頼む」

 

「……素粒子の分野の話になるから、サルトビにはどうしても難しくなるのだけど……要するに緋緋色金の力を瑠瑠色金の力で囲い込んで押し潰して消滅させるってところかしら」

 

「相殺とは違うのか」

 

「それでは運び出す瑠瑠色金の質量だけではどうしようもなくなるでしょう」

 

「なるほど。だがそれはつまり緋緋色金を……緋緋神を消滅させるってことだろ。話からしてお前ら色金は姉妹のような存在なのにそんなこと……って、だから迷ってるってことか」

 

 瑠瑠神の言い回しがよくわからなかったので、超能力担当のヒルダの解説でなんとなく言ってることは理解できたが、出てくる単語がいちいち不穏なのでさすがにオレでもその意味には辿り着く。

 さらにそうしたある種の『殺害』とも呼べる行為が、同類でしかも姉妹らしい瑠瑠神を踏み留まらせていることに気付き瑠瑠神を見る。

 

「私と妹のリリは、今の私達の在り方を変えるつもりはありません。ですがヒヒは数千年前に『情熱』という人間の感情に興味を持ち、いたずらに干渉を始めてしまいました。姉のしでかしたことの不始末は妹である私達がつける。人間の言葉にするならばそれは……」

 

「『尻拭いをする』とでも?」

 

「そうしたことをする責任が、私達にもあると考えています」

 

 迷いがある、ということはそれはつまり、色金にも同族を殺すことへの抵抗があるということに他ならないが、たとえ意思のある金属の話とはいえ生き死にの話をされるのは気分が良くない。

 

「他に緋緋神を止める手段はないのか? たとえばお前が説得するとかして」

 

「それができるのであれば、もう何千年も前にやっているとだけ」

 

 ある種の思考停止にも思える瑠瑠神の話ではあるが、今ここでオレが食い下がっても仕方ないので、もっとガッツリとした話はキンジ達を交えての方がいいだろうな。

 それを察したのか瑠瑠神もそれ以降は口を閉じて、幸姉の姿をした仮の実体もすぅっと消えてしまい、それと同時にオレもナンバープレートを取り外すことに成功し、それを単分子振動刀である程度だが分断して短冊状にし足に仕込むように差し込んで収納。取り付けていたネジも瑠瑠色金だろうから、それはミズチの収納に入れておく。

 

「さて、ここにもう用はないな。太陽も恋しいしさっさと……」

 

 ――ゴゴンッ。

 瑠瑠神との対話もとりあえず終えて、瑠瑠色金の回収も済んだので、長居は無用と情報の整理をしていた理子とヒルダに声をかけて撤収しようとしたが、そうした重々しい駆動音が響き周囲を見れば、オレ達が入ってきた扉が閉まり始めていた。

 

「やっばーい!」

 

「走れッ!」

 

 あまりに唐突なことで思考してる暇もなく走り出し、影になったヒルダが先行して扉をどうにかしようとしてくれたが、あの大きさの扉を食い止めたりは無理そう。

 本気の全速で扉を抜けようとしたが、あまりにも無情に扉は閉じ切ってしまい、一瞬だけ食い止めたヒルダも圧力に押されて中に押し戻されて、その体をオレが支えてやったが、閉じ込められたか。

 

「こういうのって緊急用に中からは開けられる装置があったり……」

 

「知ってるキョーやん? こういう場所って侵入者を逃がさない檻のように作られてるって」

 

「ですよねぇ……」

 

 とりあえず希望的観点から、一般的な大型冷蔵庫などには普通に付いてる機能がないかを考えてみるが、ちょっと見て回った理子がバッサリ。こっちもガックリだ。悪い予感って当たっちゃう。

 次に単分子振動刀で扉に傷をつけてみるが、やはり厚さも強度もあるので、一時的なチェーンソーみたいな単分子振動刀では火花を散らして浅い傷をつけるので精一杯。とてもじゃないが貫通は無理だ。最悪、単分子振動刀の方がスクラップになる。

 

「時間は……午後3時過ぎか。こりゃキンジ達が来るのを祈るしかないな」

 

「確率的にはどんくらい?」

 

「……10%くらい?」

 

「ひっく! でもそんくらいが妥当かぁ」

 

 諦めるのも癪だが、こればっかりはどうしようもないので固く閉ざされた扉の前で座り込んで気を紛らわす会話をしてみるが、溜め息が出るような結果になる。

 

「だが、だ。この状況を説明する2つの可能性はあるぞ」

 

「理子達が見つかった可能性が1つでしょ」

 

「単純にセキュリティーチェックで扉が開いてることに気づいた可能性よね」

 

「その2つはイコールだろ。もう1つあるとすれば『ここに誰かが辿り着く可能性』があって、セキュリティーを外部から操作したかだ」

 

「それってつまり、キーくん達がここに来る可能性があるってことだよね」

 

「あくまで希望的な可能性を考えるならな」

 

 溜め息は幸せが逃げるし、ネガティブな考えは発狂の元なので、物凄く冷静に、客観的に今のこの状況を見てポジティブな可能性を考えて口にすると、理子もヒルダもうっすらと笑ってから落ち着きは持ったようだった。

 それから2時間弱、冷静な頭で大広間を見て回ったりして打開策を各々で練ってみたり、気分転換で光屈折迷彩でかくれんぼなんてしてみたりで緊迫してるんだか諦めてるんだか判断が難しい落差の行動でヒルダが本気で心配してくる。

 別にふざけてるつもりはないが、理子みたいなやつは適度に遊んでやらないとそれこそ発狂して変なことを言い出す可能性があり、案外、こうやって遊んでるとポッと解決策を思い付いたりするから侮れない。

 

「瑠瑠神に頼んでみるか」

 

「無理そうじゃない? 自然と共になんちゃらー、とか言ってたし、理子達が閉じ込められたのもある意味で自然なことだし」

 

「こうなってオレ達が死ぬのもまた自然なことってことか」

 

 まぁそれでも打開策は思い付かないので、ここに存在する瑠瑠神に土下座でもして何とかしてもらおうかと思ったが、理子の言うようにこの状況も自然なことで、人間への干渉も嫌ってる瑠瑠神は聞こえてるはずだが無反応なので無理そう。

 いよいよポジティブ思考もネガティブ思考に切り替わるかといったタイミングで、扉の前にいたヒルダが向こう側から音がすると言い出し、慌ててオレと理子は光屈折迷彩を着てヒルダも理子の下に隠れて様子をうかがう。

 すると固く閉ざされていた扉がまたゆっくりと開き始めて、その奥からはなんかもう懐かしいとさえ思えるやつらの姿が見えてちょっと泣きそうになった。

 キンジ、レキ、ジーサード、かなめにロカ等ジーサードの部下数人に、何故かマッシュまでいたが、好戦的な雰囲気もなく揃って中へと入ってきたので、完全にその後ろを取ったオレが挨拶しようとしたら、先に理子がキンジの背中に飛び付いて光屈折迷彩を脱ぎ「キーくんやっほー!」とかやったので、オレも一同が驚く中で光屈折迷彩を脱いで存在を主張。

 

「ずいぶん遅かったじゃないか、諸君」

 

「いや、何でそんな偉そうなんだよ……」

 

 だがただ出ていくのが嫌だったので、ちょっとカッコ良く口を開いてみたが、逆に冷静になったジーサードがすかさずツッコミを入れてくるのだった。


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