緋弾のアリア~影の武偵~   作:ダブルマジック

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Bullet123

 

 依頼ではあるがバレンタイン商戦を戦い抜いて、明日にはそのバレンタインデーという13日の今日この頃。

 依頼も終わったし、さっさと帰ろうと思っていたオレの腕を引いてジャンヌが連れてきたのは、秋葉原にある見るのも嫌な苦笑さえ出てくる思い出が詰め込まれたメイド喫茶。

 ここは何故か理子がオーナー並みの権力で牛耳る、萌え萌えキュンで仕事熱心なメイドさん達が働く魔境。かつては大泥棒大作戦とかやっちゃってるアキバの拠点の1つだ。

 

「…………あっ。そういや理子となんか約束してた気が……」

 

「なんだ。サプライズと聞いていたが、すでに話は聞いていたのか。それなら呆けていないで行くぞ。皆が待っている」

 

「みんな?」

 

 ここまで来ればオレも青森に出発する前に理子に言われたことを思い出し、まだ14日じゃないがあの性格からして日付け変更のタイミングで即、というのは容易に想像できるので今日お呼ばれすることにも納得だ。

 みんなというジャンヌの言い方が引っかかるが、あの例のメイドさん達かなとあんまり深く考えずに萎えておく。接待としては時々おかしなことするんだよな、あの子達……

 しかしその予想は見事に裏切られ、理子によって貸し切り状態にされていた店内ではパーティーでもおっ始めるつもりなのか割と豪勢な料理が並んでいて、その準備をしていたのが小鳥、幸帆、貴希の3人。しかも何故かこの店のメイド服を着てるし。

 

「おー! キョーやんのご到着ですな! 乙っ!」

 

「またずいぶんと豪快にやるな」

 

「イベントは楽しまなきゃねぇ。武偵高で抑圧されてるから尚更だよぉ」

 

 その光景に呆然としていたら、いち早く気づいた理子が同じようにメイド服を身に纏って近寄ってきたが、その口の回りにはつまみ食いした形跡があるので、準備を手伝ってすらいないだろうな。

 まぁ、場の提供ってことでVIP待遇とか強制してるんだろうが、できない訳じゃないくせに手を抜くその手腕は別のところに良く発揮してほしいものだ。

 そのあと小鳥達とも軽く挨拶をして、メイド服への感想を求められるままにしてから理子の仕切りでバレンタイン前夜のパーティーが開始され、来るなりどこかに消えていたジャンヌまでが本気で着込んだメイド服で現れてドヤ顔を披露。

 直前に似たような姿を見てたので改めて感想を求められることもなかったが、プライベートでも隠す気がなくなってきたのか。

 

「ヒルダは?」

 

「まだ寝てるみたい。もう少ししたら起きてくるっしょ」

 

「いきなり出てきたら小鳥達が驚くだろ」

 

「まぁその辺はなんとかなるって。チョコ作りの時に顔合わせもしたし、出てきて誰こいつってことにはならないから」

 

 なんかパーティーが始まってから『キョーやんシフト』なるローテーションがあるらしく、時間ごとに1人と話をするルールによって、まずは理子と適当な話をしたが、姿が見えないと思ってたヒルダはまだ理子の影で寝ているっぽい。

 ヒルダもいつものゴスロリじゃなくメイド服を着てそうなのをちょっと予想しつつ、依頼の前からのそわそわ感が理子から伝わっていたのでオレから話を切り出しておく。

 

「……お前さ、聞きたいのか。オレがどういう選択をしたか」

 

「何の話?」

 

「とぼけんな。入りましたよって部屋に証拠まで残しておいて」

 

「……やっぱバレてたかぁ。っていうかもう決めてたの?」

 

「まぁな」

 

 最初こそとぼけた理子だったが、オレが気づいてたことに安堵したのかなんなのか正直になると、ちょっと長めに唸り声を出してお悩み中になる。

 

「うーん…………キョーやんさ、理子が知ったら『理子も行くー!』的なこと言い出すと思ったでしょ」

 

「そりゃな。お前のことはそれなりにわかってきたつもりだし」

 

「あははっ。まぁ否定はしないし、そうやって理解しようとして気遣ってくれてるのもわかるんだけどね。本当にそうなってみたら、ちょっと違う感じになってきたの」

 

「違う感じ?」

 

「うん。そりゃキョーやんと一緒にいられるなら嬉しいし、その方が理子のラブラブ光線も出しやすいから不安とかも少なくて済むよ。でもさ、会えない時間があるからこそ、会えた時の喜びとかも増したりとかってあると思うし、キョーやんにも理子と会えない時間を寂しいって思ってもらえたらいいかなとかなんとか……」

 

 ちょっとモジモジしながらにそんなことを話した理子は、確かにオレの知る理子の思考とはちょっと変化があったようだ。

 理子は自分の欲求に素直に生きてるし、それは今もあまり変わらないと思うが……恥ずかしい話だが……オレに対する真剣な気持ちにだけは自分の欲求だけを通そうとしていない思いやりが見える。

 いや、そういう恋愛とか人間関係の微妙な距離感に敏感だった理子だからこそ、どうしたら自分を意識してもらえるか考えているんだろう。

 

「だから、いいよ。その時になってキョーやんがどこで何をしようと、理子はそれを受け入れる。これからのことはその時に考える」

 

「……気持ち悪い」

 

「もー! そういうとこがキョーやんの悪いとこだよねぇ。はい、理子の時間は終了でーす! 次はことりんだからちゃんと話してあげるんだよ」

 

 そんな理子の思考には正直、ホッとしてるのだが、それでもオレが理子に影響を与えてしまってる事実は変わらない気がする。

 だが理子が自分で考えてそうすると決めたのなら、オレが、というのはただの自意識過剰でしかないとも思う。

 何故なら理子はオレなんかよりもずっと前から『自由』ということの意味を知っていたし、その自由を掴み取った理子がまた誰かに縛られた生き方なんてしない。

 

「理子。子供が大人になる瞬間っていつだと思う?」

 

「そんなの個人個人で違うっしょ。まっ、理子から見たらキョーやんもまだまだお子ちゃまですなぁ。なっはっはっ」

 

「おう。オレから見た理子もまだまだ子供だから安心しろよ」

 

「じゃあ、子供のうちにできること、たくさんやっておかないとね。今日のこれもその1つだ!」

 

 だから理子の思考を少しだけ大人に感じたオレの突いて出た言葉に対して、当たり前な答えを即答してくれた理子は、そのままジャンヌに絡んでいってしまい、交代するようにやって来た小鳥といつもと変わらない雰囲気で話を始めていった。

 

「はい、ちゅーもーくっ!」

 

 謎のキョーやんシフトとやらをとりあえず一巡して、最後の相手のようやく起きてきたヒルダとの会話の最中に、気が散るレベルで後輩をいじり倒していた理子がそれをやめて声をあげたので、特に盛り上がる会話も……というかまともな会話すらしていなかったヒルダとはこれで強制終了となるが、ヒルダも不満はなさそう。あっ。ホッ、とか安堵しやがったぞ。

 

「現在時刻がもうすぐ0時となりますが、ここでキョーやんにはゲームに参加してもらいまーす」

 

「嫌だ」

 

「そんな嫌がんなくても罰ゲームとかないしぃ」

 

 かれこれ3時間近くはやってるパーティーなのだが、こういうことに疲れ知らずな理子が時計を指しながらにオレへのゲーム強制参加をするので拒否。

 しかし罰ゲームがないとか聞くとまぁ。とかなってしまうのは普段の理子のせいだな。決してオレが甘いわけではない。

 それでオレの了承を聞いた理子は奥に引っ込んでいたジャンヌを呼び込み、カートを押してやってきたジャンヌのその上には、綺麗に皿に盛られた様々なチョコが置かれていた。キワモノは外見からでは全くないが……

 

「……利きチョコか?」

 

「惜しいっ! ていうかそんな芸当がキョーやんごときにできるとでも?」

 

「いや、言って悪いができん。だとするとどんなゲームだよ」

 

 おそらくではあるのだが、ここに並べられたチョコは理子達が個別に作ったチョコ、ということになるはずなのだが、チョコの種類とここにいる人数が合わないのは何故なのか。1種類だけだが多い。

 

「簡単簡単っ。このチョコの中からキョーやんが最初に食べたチョコを作った人が『ベストキョーやん賞』を受賞できるシステムでーすっ!」

 

「ああ。だからどれが誰のチョコかわからなくなってるのか」

 

 そんなチョコを見て理子の言うゲームの主旨を理解したオレは、本当に罰ゲームとかなさそうなことに安堵しつつも、すぐに事の重大さに気づく。というか気づかされた。

 なんかオレを見る理子達の目が怖いくらいに真剣なのだ。それはもうゴウッ! と目に炎が燃え盛ってる錯覚さえ覚えるほどに。

 

「あっ。ちなみにこの中には蘭ちんから渡してほしいって言われたチョコも入ってるからよろしくっ! おっと、あと1分で日付け変わるから14日ジャストでパクッといってね」

 

「1分!? この野郎が!」

 

 気圧されるようなプレッシャーを浴びつつのオレに何故か重要なことを流すように言ってくれた理子にはゲンコツを1発お見舞いして撃沈させてから、どうやらこの場でそのルールを破ると色々と空気読めないやつに認定されそうなので、50秒は切っただろう制限時間でチョコの観察を開始した。くそっ、何でチョコを食うだけでこんな緊張するんだ……

 だが、ここでまさかの直前でのバレンタイン商戦が活きてきて、並べられたチョコの種類が全部わかるというミラクル。チョコなんてそんなに詳しくなかったんだがな。

 右から順に見ると、まずクオリティーの高いトリュフチョコ。パウダーも振ってあって熟練度が高い。店に置かれてても違和感ないかもしれん。

 次がボンボン。広義ではあるがトリュフチョコと大差ないものの、チョコの中身は食べてみるまでわからないサプライズ感がある。

 次はザッハトルテ。ざっくりでスポンジケーキをチョコでコーティングしたやつだが、ひと口サイズなのは好感が持てる。

 ちょうど真ん中に陣取るのはガトーショコラ。ビターな色合いで匂いを嗅がなくても甘さ控えめなのがわかる。

 その隣に鎮座するチョコレートタルトもなかなか存在感がある。小さめだからタルトレットとか言うんだったか。こちらは生地に流し込んだミルクチョコレートでガッツリといった感じ。

 最後から2番目のチョコは一見すると普通の板チョコだろうが、わかりやすく半分に切り分けられた断面に練った苺らしきものが挟まってるので、シェルチョコレートだ。

 そして最後はチョコレートクリームを使ったエクレア。コーティングのチョコが良い感じに固まってパリッ、フワッ、な食感が想像できる。

 

「残り20秒っ!」

 

 ふぎゃっ!

 どれも凝った作りで市販ではないのがわかったので最初の消去法――手作りじゃないやつを除外しようとした――が使えないまま、理子の焦らせる声が聞こえてジワリと汗が滲む。

 いい加減に選んで選定理由を問われた時にバッシングを受けるのは御免被りたいから真面目に選ぶのだが、だからこそ20秒とか酷い。帰ってゆっくり食べたいですホント!

 

「残り10秒っ!」

 

「こうなりゃ……腹に聞くか」

 

 残り10秒を切っても決断には至れなかったので、各チョコを見られる位置に後退して自分の欲求に素直になる最終手段を敢行。

 その手が伸びるままにチョコを手に取り、理子の「どうぞっ!」を聞いて口に運んだのは、ガトーショコラ。

 

「うん。美味い」

 

 普通に美味いガトーショコラはやはり甘さを抑えたビター味で、夜遅くということも加味して甘さを残さない後味は素晴らしい。

 そのオレの選択でガックリと崩れ落ちたのは5人。残ったのはやはりというかなんとなくわかってた小鳥。

 

「や、やりましたぁ!」

 

「……ふぅ」

 

 その結果に安堵したオレは、この場で最も荒れないだろう選択ができてソファーに座り込むが、実はどのチョコを誰が作ったかを2人までは特定できたのだ。

 単に付き合いの長さとかもあるのだが、その人の考えを読めるチョコが2個あって、それを性格と当てはめるとわかっちゃったわけだが、ガトーショコラは幸帆と小鳥の2択だったから本当に安心した。あと1個が幸帆寄りだったのが幸いだった。

 

「へいキョーやん! 次いってみよ! 順位は大事!」

 

「なん……だと……」

 

 それなのに精神的に疲れたオレに追い討ちをかけるように復活した理子が余計なことを言うので、便乗した幸帆達の勢いにも圧されて仕方なく残ったチョコを順番に選んで食べていった。

 その後、幸帆のトリュフを食べ、貴希のシェルチョコレートを食べ、劉蘭のザッハトルテを食べ、ジャンヌのボンボンを食べ、ヒルダのエクレア――よく考えたらエクレアは稲妻の意味だった――を食べると、最後になってしまった理子のタルトレットを食べてで終了。

 結果を気にしてるのは消化試合だったこともあって理子以外は割とケロッとしてたのだが、部屋の隅で体育座りしてしまった理子は手に負えない。

 本来なら優劣などつけたくないものを無理矢理に順位をつけたから、そう気にすることもないと思うのだが、理子にとってはショッキングな出来事だったんだろうなと思って慰めようかと近づいた瞬間、突然に頭を上げて「そうだっ!」と立ち上がったためにオレの下顎を直撃して2人して床に沈んでから、涙目で頭を擦りながら理子が口を開いた。

 

「めんごめんごっ! さっきお仕事の依頼が入ったから後輩組はこれでお開きね。タクシーは手配しておいたからそれで学園島に帰って。ジャンヌとキョーやんは居残りでよろしくっ」

 

 そうしてパンパンっと手を叩いて撤収の流れを作った理子に促されるまま、小鳥達は着替えて理子の呼んだタクシーに乗って学園島に戻っていってしまい、残されたオレとジャンヌとヒルダはその依頼とやらを聞く権利があるのだと悟り、落ち着いたメイド喫茶で理子の話に耳を傾けた。

 

「もうすぐ来ると思うけど、依頼はキーくんからで、なんかアリアが病院を抜け出したっぽい」

 

「捜索依頼か?」

 

「ううん。そうじゃなくて、キーくんとアリアはこのあと色々と動きたくて、でも捜索の目を掻い潜りながらは動きにくいから影武者を病院に置きたいって話。変装は理子の得意分野だしね」

 

 そうした話がいつ来たのかと問えば「1時間くらい前」とか言うのでついさっきの出来事なのは理解する。

 詳しく聞けば、オレ達が呑気にパーティーをやってる間にキンジとアリアが近くまで来ていた鬼と交戦したようで、なんとか撤退はさせたものの、残り1つの殻金を持つ鬼を追うために動くということだ。

 だがそれは物別れになったとはいえ眷属になる鬼との戦いを意味し、停戦協定を破る行為になるため、バレれば面倒臭いことになるかもしれない。

 

「んで、オレ達の役割は?」

 

「あれですよ。囚われた理子を助け出そうとする仲間役。理子が戻っただけじゃあれだし、ダメ押しで実力行使する人がいれば信憑性も増すってこと」

 

「情報操作の方はどうするのだ。理子が病院に入るのはいいが、それでも外でアリアが見つかれば面倒なことになるぞ」

 

「そこはあれですよ。アリアに変装した理子が外で撹乱してるってことで、そのわずかな混乱を利用してキョーやんが特攻して理子を助けてください」

 

「絶対に助けられないと確信してるんだが、失敗して捕まればいいんだな」

 

「えー、そこは助け出してよぉ」

 

 無茶なこと言うな。

 病院に行ったからわかるが、あの物々しい雰囲気はオレが小細工でどうこうできるレベルじゃない。突撃したって捕まるのは目に見えてる。

 まぁそれも計算ずくの動きにはなるだろうが、オレの生死が五分五分なのはどうだろう。最悪は理子と一緒に病院に行くだろうヒルダに助けてもらおう。

 とにかく話はわかったので、これからこっちに来ると言うキンジとアリアを待つ間に理子は剥がれないアリアの特殊メイクをしにヒルダと引っ込んでしまい、オレとジャンヌは実際に理子が病院に隔離されてからの動きを綿密に計画して時間を使う。

 

「おっ。来たな」

 

 それから約1時間後にやって来たキンジとアリアは、この店の雰囲気に慣れてないからか警戒した感じで入ってきたが、オレとジャンヌの姿を見て安心して近寄ってくる。

 

「京夜を見るの久しぶりな気がするわ」

 

「実際に1ヶ月近くは会ってないしな。そっちも倒れたって割には元気そうで何より」

 

「猿飛、理子はどうした? 連絡したのはあいつになんだが……」

 

 アリアに挨拶がてらに言われて気づいたが、こうして顔を合わせるのが久しぶりなアリアの元気そうな姿を見てちょっと安心。

 そうした会話が向こうにも聞こえたのか、奥に引っ込んでいた変装を完了させた理子がピューンと飛んできてオレの膝の上に飛び乗って抱きついてきて、見た目はオレにアリアが抱きついてるそれはアリア本人が恥ずかしいのか、壮絶なドロップキックをお見舞いして引き剥がしてくれる。

 

「ぐほぉ……酷いよアリア……」

 

「あんたが変なことするのが悪いの!」

 

「バカは放っておいてだ。キンジ、お前らが好きに動けるようにオレ達が動いてやる。だから鬼との決着はちゃんとつけてこい」

 

「だが情報操作に時間はかかる。その完了までは2人ともどこかで大人しくしていろ」

 

「猿飛、ジャンヌ。感謝するよ」

 

「話は全然聞いてないんだけど、流れ的に理解したわ。まっ、京夜が言うなら心配はいらないわよね。よろしく」

 

 理子がふざけ気味なので仕方なくオレが話を進めて依頼に関してはそういう方向で了解。

 流れるように報酬の話になったが、ここでプライドの高いアリアは言い値でいいと言うが、同じくプライドの高い理子がヒルダの一件での恩を返すとかで報酬はいらないと言い喧嘩腰に。

 仲裁が必要かなと思ったのだが、互いに性格はわかってるからか理子が今回のパーティーにかかった費用を全額アリアに払わせることで収める。それでチャラにしてやるといったところだろうが、こっちはそうはいかないぞ。

 

「それで京夜とジャンヌはどうするの?」

 

「割と死ぬかもしれないからこのくらいで」

 

「死なれては困るから策を練ってやったのに、これはぼったくりだろう」

 

「ジャンヌは黙ってて。うちの家計は火の車なのよ」

 

 そうした視線を向けていたら、支払いをブラックカードで済ませたアリアがついでとばかりに言い値を聞いてきたので、本当に遠慮なしに0を後ろに6つくらいつけたのだが、ジャンヌに言われてさすがにオレもあれだったかと思って半額にしておくと、クスリと笑ったアリアは「その額でも良かったのに」と言ってから報酬の交渉を終わらせてしまった。ほらぁ、リアル貴族様に優しくしたって仕方ないんだよ……

 そんな甘い自分を後悔しつつも、停戦協定破りの行動はバレンタインデーの今日から開始となった。


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