花を護る騎士 ブレイドナイト   作:葵祈つばめ

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つばめ:「今回の話、夜中にコーヒーを飲んでいたら閃いた話っしゅ……」

明:「ケッケッケ、てことは深夜テンションとカフェインハイテンションの影響でぐだぐだかもな」


〜月下〜

とある平日の夜、俺は珍しく夜のパレスにいた。

 

「なんてこった」

 

いんや、夜のパレスにいたってのは若干ちげぇな。

 

実は、今日パレスに来たのは5時過ぎだったんだがいつもの場所で裏俺や他のミラージュ達と賑やかにドンパチしてな?

 

んで、気付いたらこんな時間帯になっちまってたって訳だ。

 

「てか、今何時だ?」

 

たとえ夜でもここは所謂不思議空間。

 

方角も電波もねぇから正確な時間はわからねぇんだよな。

 

「まぁでも、明日は休日だしダークにはパレスに行ってくるって伝えてあるからモーマンタイってな」

 

それに起きてたら何かと賑やかな裏俺達も今は呑気にスヤスヤスヤァ〜と就寝中となれば起こすのも可哀想だし俺もまだ帰る気はねぇ。

 

それなら折角の機会、って事でこのまま夜のパレスで日光浴ならぬ月光浴とでも洒落込みますかな。

 

「んじゃま、早速外のバルコニーへっと……」

 

今回はのんびりするだけだが次からはテントを持ってきてパレスで一泊してくのもアリだよな。ケッケッケ

 

 

………

……

 

 

「Zzz……はっ!寝てねぇ、寝てねぇぞ。寝て……」

 

 

………

……

 

 

「……寝てた!」

 

なんてこった、いつの間にか寝落ちるとはおのれ、流石はプリキュアパレス。

 

光の戦士(プリキュア)の為の宮殿なだけあってその神聖さが俺の心を浄化しちまいやがるぜ。

 

「てか、どれぐらい寝てたんだ?」

 

さっき?ちょいと前?にも言ったが、たとえ夜でもここは所謂不思議空間その2

 

んで、またまただが方角も電波もねぇから正確な時間はわからねぇんだよなって……ん?

 

「この気配は……」

 

パレスの中から何やら気配が。

 

はて?

俺以外にも客人か?

 

「とりあえず、行ってみるとしますかな」

 

んじゃま、よっこいしょういちっと。

 

 

………

……

 

 

パレスの入口から場所は代わってお次はパレスの内部。

 

歴代プリキュア達の石像が鎮座している場に気配の主であるムーンライトがいた。

 

てか、面倒だから呼び方はゆりでいいか。

 

「………」

 

アンジェ像を見上げているから俺から見えるのは後ろ姿だが、天窓から射し込む月光に照らされてるゆりはスゲェ神秘的な感じがしました まる

 

「よぉ、こんな場所とはいえ月夜に年頃の女の子が一人ってのはよろしくねぇんじゃねぇか?」

 

「あら、心配は無用よ。だって、私は強いから」

 

そう言って振り返り、ゆったりとした足取りで此方に来るゆり。

 

さっきも言った天窓からの月光効果も相まって、後ろ姿の時以上に神秘的に見えるぜ。

 

「こんばんは明。今夜は素敵な夜ね」

 

「おう、こんばんはゆり。数時間ぶりだな」

 

「ふふふ、そういえばそうね。明はずっとテラスで寝ていたの?」

 

「いんや、植物園…パレスに来たのは5時過ぎで寝てたのは修練の場でドンパチし終えたからだ。外に出たらいつの間にか外が暗くなってたからそれなりに驚いたぜ」

 

あ、そだ。

 

「ゆりは何時頃植物園に来たんだ?」

 

「だいたい8時頃ね。それから薫子さんに頼まれてパ明を呼びにここへ来たのだけど、明はぐっすりと眠っていたから一度アンジェ像を拝んでから起こすつもりだったわ」

 

成程。

結構寝てたつもりだったが、案外そーでもねぇみてぇだな。

 

「そーかい。なら俺は丁度良いタイミングで起きたって事か」

 

「えぇ、折角どうやって起こすかアレコレ考えていたのに残念だわ」

 

「ケッケッケ、そりゃ悪かったな。詫びと言っちゃなんだが……ほれ、月光がいい感じに場を照らしてる事だし、植物園に戻るまでエスコートさせてくれねぇか?」

 

ん?

若干展開早くないかって?

 

バーロ、外の世界の時間が時間だから是非もないネ!

 

「あら、嬉しいお誘いね。それならお言葉に甘えてお願いするから確りとエスコートしてもらえるかしら?」

 

「おう、任せとけ」

 

恭しく一礼してから手を取りそのまま出口へ向かう俺とゆり。

 

ふと思ったんだが、ナイトとムーンライトの姿でプリキュアパレスで最も神聖な場でのエスコート。

 

自分で言うのもアレだが今の俺達は中々な絵になってるじゃねぇか?

 

「うふふ、なんだか素敵ね♪」

 

お、どうやらゆりもそう思ってたみてぇだな。

 

「んじゃま、それならもっと素敵な事を言ってやるよ」

 

「えぇ、聞かせて明♪」

 

ケッケッケ、こんなサービス滅多にしねぇからな?

 

「月が綺麗だな」

 

「……明と見る月だからよ♪」

 

 

【終わり】




オマケ

〜同時刻・ムーンライト影の心象世界にて〜

ナイト影:「おーおー、表の俺達はまーた甘い事をしてやがるな」

ムーンライト影:「うふふ、そうね。……ねぇ、ナイト♪」

ナイト影:「ん?」

ムーンライト影:「“夜の組み手”って言えばわかるわよね♪」

ナイト影:「なんてこった、ムーンライト影さんってば中々のリビドーの持ち主だな」

ムーンライト影:「うふふ♪それはナイトもでしょ?」

ナイト影:「ケッケッケ、ちげぇねぇ。んじゃま、早速」 (ガバッ

ムーンライト影:「キャ♪」

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