花を護る騎士 ブレイドナイト   作:葵祈つばめ

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没集は執筆の途中で“これじゃないな”と思い執筆を止めたやつです。

なので急に終わります。


没話 スイート編アフター4

―ドンッ!!―

 

私こと御剣 明、またの名をブレイドナイトは休憩時間の今現在、ムーンライトに闘技場一階の人気(ひとけ)の無い通路に連れてこられ両腕を抑えられ、身体を壁に押しつけられ身動きを封じられていた。

 

まさかの壁ドン。

しかも男女逆転版。

てか、近い。

しかも見えてる。

 

「…こんな場所で、しかもまだ陽も明るいってのに随分と情熱的だなムーンライト。だが俺達はいつからそんな関係になったんだ?」

 

「………」

 

ムーンライトは動じる様子はなくただ黙って俺を睨んでいた。

 

「〜〜〜」

 

あ、顔が真っ赤になった。

 

「こんな所へ連れてきた理由はさっきの噛んだ事についてだろ?心配すんな。誰も言いふらさねぇからよ」

 

「…そう……」

 

間が空いたがムーンライトは分かってくれたようで俺を離してくれた。

 

解放されて清々する反面、もうちょいと堪能してたかったぜ。

ん?何を堪能してたかったって?

そりゃもちろん、役得をな。

 

「てか、何でこんなことをしたんだ?普通に黙ってほしいって頼めば良かったんじゃねぇか?」

 

まぁ俺的にはウェルカム、立場を逆にしてやるなら尚更ウェルウェル、カムカムだけどな。

 

「………………」

 

ムーンライトは答えず、顔を真っ赤に染めたまま自身のスカートの裾を弄ったり、人指し指同士を突き合わせてもじもじとしてた。

 

…ムーンライトってこんなキャラだったか?

 

「………かが………」

 

声ちっさ。

 

「…悪い、聞こえん」

 

「………すぅー……はぁー………」

 

何故に深呼吸?

 

「………」

 

「………」

 

気まずい。

 

「…明に……」

 

「俺に?」

 

「…明に何かを頼むならこうすれば良いって…」

 

「誰がそんな…事を吹き込んだんだよ」

 

あぶね、一瞬“嬉しい事”って言いそうになった…

 

「…ももか…」

 

「ももかかぁ…」

 

「…うん…」

 

こくん、と頷くムーンライト。

 

なんかムーンライトが小動物見えてきた。

 

「…ももかは今度とっちめるとして、それを真に受けて実行するムーンライトも悪いからな?」

 

「…うん…」

 

だが、しょうがないと言えばしょうがない。だってももかはあのえりかの姉だからな。

しかしそれがももかの魅力の一つでもあるから此方としては複雑だ。

 

―ピンポンパンポ〜ン♪―

 

ん?チャイム?

 

―業務連絡、業務連絡〜。もうすぐ時間だから出番の人達はそろそろ準備おねが〜い―

 

―砕け過ぎだよマリン……―

 

―ピンポンパンポ〜ン♪―

 

「………」

 

「………」

 

「…俺はぼちぼち行くけど、ムーンライトは?」

 

「…行く」

 

「んじゃ、行くか」

 

舞台へ向かおうとしたが、

 

「…待って明……」

 

直ぐにムーンライトに呼び止められた。

 

振り返るとまたもや顔を真っ赤に染めたムーンライトが胸を隠すように腕を組んでいた。

 

「…今度は何だ?」

 

「…さっき…見たでしょ……」

 

「…はい?」

 

「…だから…さっき私の胸…見たでしょ……」

 

oh、バレテーラー。

 

「……えっち」

 

「っぐ…」

 

確かに見たのは事実だから否定できない…

 

「……明のえっち」

 

「うっ…」

 

「……胸見た…谷間見た……」

 

「っぐ…」

 

「……あき、えっち……」

 

「がはっ…」

 

さっきからムーンライトのキャラが若干幼児退行してるせいか、ギャップによるダメージが……

 

―明さ〜ん、ゆりさ〜ん、どこ〜?そろそろはじめるよ〜?―

 

―遂に素になったね、マリン……―

 

…しかもそろそろ行かんと不味そうに。

 

「……ももかに言いつける」

 

「…まだ言うか。てか、それはやめろ。面倒くさいことになる」

 

「……あき、えっち……」

 

はぁー…仕方ねぇな。

こうなったら素直になるしか他に道はねぇな。

 

「…仕方ねぇだろ。俺だってその手のことに興味あんだからよ」

 

自分、男ですから。

 

「…やっぱり見たのね」

 

「うっせ。あんな体勢だったら誰でも見ちまうつーの。…にしても、ゆりって結構あるんだな」

 

「っ!」

 

「それに肌も白くて綺麗だったし」

 

「っ〜〜!!!!」

 

「後、いい匂いがしたな」

 

“ゆり”だけに“百合”の花の匂いが。

 

なんつって。

 

………

 

「?」

 

急にゆりが静かになった。

 

「…ゆり?」

 

見ればゆりは顔を伏せていた。

 

「……か……」

 

後、小声で何か言っていた。

 

「ん?」

 

心配になりゆりの肩に手を置くと、

 

「ひゃあ!?」

 

これまた滅多に聞かない悲鳴をあげ、素早い動きで俺から離れタクトを構えた。

 

「可愛い悲鳴だったと言う感想は置いといて、ムーンライトさんは何でタクトを構えているのですか?」

 

「………か」

 

「え?」

 

「……ばか」

 

そう言って顔をあげるゆり。

その顔は涙目で、そして今日一番で真っ赤に染まっていた。

 

「あきの…」

 

あ、タクトの光が満ちた。

 

「ばかあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

―ブォン!!―

 

ゆりの姿が見えないぐらいの大玉フォルテウェイブが俺目掛けて放たれた。

 

「それはさておき、何で俺はここまで落ち着いてるんだ?」

 

声に出してしまうぐらい我ながら不思議だ。

 

てか、はよ逃げよ。

 

………

 

突然ですが、整いました。

攻撃を食らうと掛けまして、配管工事と解く、その心は?

 

せーの、

 

―ドッカーン!―

 

明っちです。

なんつって。

 

「しっかし、見事に飛んだな」

 

場所が狭い通路故に衝撃が全て同じ方向、この場合は俺の方へ逃げる。

その結果、俺は衝撃をモロに受け、あまりの勢いの強さで空中に。

 

まるでオールスターズ登場の瞬間だせ。

 

『おぉっとぉ!ナイト選手、爆発と登場するたぁ粋な演出だぁ〜!』

 

『…そうかな?なんか攻撃を食らって吹き飛んできた様に見えるんだけど…』

 

サンシャイン、正解。

 

『観客が盛り上がってるからそれで良いじゃない?』

 

―ワアァァァァ!!!―

 

『ほら?』

 

『…それもそうだね』

 

「納得すんなよ…」

 

てか、そろそろ勢いが落ちるか…せーのっ!

 

―ダンッ!―

 

「ふぃ〜」

 

無事着地に成功。

結構、鍛えてますから。

 

『では只今から二回戦目を開始します!』

 

『ちょっと待ってマリン。まだムーンライトが来てないよ?』

 

『その事についてなんだけどちょっと良いかな?』

 

『あ、コロン』

 

ん?何でコロンが司会席に?

 

『ムーンライトなんだけどね、今ちょっと人前には出てこれないんだ』

 

うっ…

 

『そうなの?』

 

『うん』

 

―ちらっちら―

 

『“ちょっと”あってね』

 

「…あんにゃろう……」

 

此方をちらっちら見ながら、“ちょっと”の部分を強調して言いやがった。

 

『そうなの。じゃあ代わりの審判は……メロディ、やってくれるかな?』

 

「いいとも!」

 

ノリ。

 

『それじゃあ僕は戻るから』

 

―ちらり―

 

また見やがった。

わーった、わーった。

この勝負が終わったら謝りに行くっつーの。

 

「…しかし、やり過ぎたか」

 

これはももかも同意する事なんだが、普段ふとした瞬間に見るゆりの照れた顔は結構可愛いもんで、ついつい苛めたくなっちまう。

 

「まぁ…度が過ぎるとゆりに成敗されるのがオチなんだけどな」

 

はぁ、

 

早く終わらして謝りに行こ。

 




この場合はムーンライトのキャラを崩し過ぎてしまったので止めました。

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