コロン:「そうのかい?」
つばめ:「うん。でも、途中で別の話を閃いたからそっちを記念すべき50話目にしたの」
コロン:「あはは!それじゃあ50話目は期待しても良いのかな?」
つばめ:「ベストは尽くすっしゅ!」
とある日の朝、俺はいつもより早く起きたんで自室でゆるゆりと身支度を整え、これまたゆるゆりと部屋着から制服へ着替えていたんだが……何やら家の中から何やら良い匂いがする事に気づいた。
「ん?この匂いは…ホットケーキか?」
だが、なんで俺の朝飯の匂いがするんだ?
てか、この家に俺以外の誰かがいるのか?
もしかして親父とお袋が帰ってきたのか?
等と次から次へと色々な事が気になったんで、素早く制服に着替え部屋を出て一階へ行く階段を降りていると何やら話し声が聞こえてきた。
―…ねぇ……は……の…?―
―ふふふ、……たら……よ―
何か作業をしながら話しているのか所々聞こえねぇ部分があるが、俺にはそれで充分声の主が誰かなのかは確りと判断できた。
「成程、いるのはももかとゆりか」
声の主が正体が親父とお袋じゃないとわかって残念な気持ちも多少はあるが、生憎今更寂しがる様な柄でもねぇんだよな。
「抜き足、差し足、忍び足っと……」
つーわけで親父とお袋の事はポイして気配と足跡を極力消しながら声の出所であるリビングへ行くと、何故か二人はホットケーキを主食とした朝飯を三人分作っていた。
「…百歩譲って俺の分は良いとして、なんで二人の分も作ってんだ?」
「あっ!おはよう明君!」
「ふふふ、おはよう明。随分と着替えるのが遅かったわね」
成程、今のゆりの言い方でだいたいわかった。
「俺が自室へ戻ろうと二階へ上がってった時に家に入ってきたな?」
しかも俺に気付かれない様にさっき俺がやった気配と足跡を極力消しながらな。
「おぉ〜!明君凄〜い!」
「ふふふ、見事に正解よ。明は探偵の素質がありそうね」
「よっ!現役高校生探偵!」
「バーロ、んな事言われても嬉しくねぇっつーの」
ぶっちゃけ、高校生探偵よりも
「ふふふ、朝から賑やかね」
ったく、心底楽しそうに笑ってくれやがるぜ。
「いったい誰のせいで賑やかになってんだか。てか、なんで朝から俺ん家にいんのかそろそろ話してくれても良いんじゃねぇか?」
まぁ、朝飯を三人前作った時点でなんとなくはわかったがな。
「そうね、実は今日“くぅ〜〜……”あら?」
おーおー、実に健康的な良い音だこと。
「今の音は明からかしら?」
「いんや、俺じゃねぇぞ?ゆりからなんじゃねぇのか?」
「いいえ、私でもないわ」
「となると、」
「音の出所は、」
ゆりと一緒にチラッと音の出所へ視線を向けると、そこにはお腹を押さえて顔を若干赤くしながらえへへと苦笑いをするももかの姿が……
「フッ」
「ふふふ」
「「可愛い(な、わね)」」
「うぅ〜…なんだか嬉しくない〜!」
そう言ってギャーギャー騒ぐ怪獣ことももかを見てるとどうにも気分がほっこりしてくるぜ。
「ねぇ〜!早く食べようよ〜!」
「そうだな。なんやかんやあるが、折角二人が作ってくれた朝飯だ。冷めない内に食わねぇと作り手に申し訳ねぇってもんだからな?」
「ふふふ、ありがとう明」
「どーいたしまして。んじゃま、そろそろ……」
「えぇ」
「うん!」
各々の決まった定位置に座り両手を合わせてさん、はい、
『いただきま(〜)す!』
【終わり】
オマケ1
〜その後〜
明:「いつもよりかなり早く目が覚めたから俺ん家へねぇ……」
ももか:「うん!そのまま家にいるとまた寝ちゃいそうだったから!」
ゆり:「ふふふ、ひょっとしたらと思ってももかにメールしたらももかも早く目が覚めていたなんてね」
ももか:「仲良しだね〜♪」
ゆり:「えぇ♪」
明:「……謎の疎外感」
オマケ2
〜お約束(?)〜
ゆり:「ふふふ、明ってばネクタイがズレているわよ?」
ももか:「それじゃあ私は髪を結び直してあげる〜♪」
明:「…泣けるぜ」