花を護る騎士 ブレイドナイト   作:葵祈つばめ

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つばめ:「ようやくでけた……」

明:「お疲れさん。此方はなぜなにみたいに直ぐには出来上がらねぇから中々大変だよな」

ゆり:「それでも一週間以内に出せるのだから良い方だと思うわ」

つばめ:「うへ〜い( ´△`)」


〜写真〜

とある日の昼休み、教室でゆり達とわいわい盛り上がっていたら……

 

「あっ!!」

 

突然瑠璃が大声を出しやがった。

 

「およ?どうしたのルリルリ?」

 

「今日はこれをみんなに見せようと思ってたの!」

 

そう言って瑠璃は鞄から黒色の高そうなカメラを取り出した。

 

「ポラロイドカメラ?」

 

「そう!この間物置を掃除してたら見つけたの!」

 

「なんともまぁベタな展開だな」

 

そう考えると物置ってある意味宝箱みたいだな。

 

「ルリルリ、そのカメラって動くの?」

 

「昨日修理から戻って来たばっかだからバッチリ動くよー!と言うわけで♪」

 

っ!嫌な……

 

カシャ!

 

「なんてこった……」

 

「やられたわね……」

 

「やった〜!不意討ち写真ゲットだぜ!」

 

「あはは、油断しちゃってたね」

 

「だね」

 

「瑠璃め、中々やるな……」

 

「さ〜て、どんな面白写真が撮れたっかな〜♪」

 

俺達を華麗にスルーした瑠璃は……

 

「なんとぉ!?」

 

「ん?どうした?」

 

「これ!」

 

瑠璃から渡された写真を見ると、そこには驚いた顔をしている俺達を尻目にカメラ目線でバッチリとキメているももかが写っていた。

 

「なんてこった……」

 

「ふっふっふ〜♪これでも人気モデルだからね〜♪カメラには敏感なのよ♪」

 

「そのわりにはこのポーズ(両手を胸の前でクロスさせてビシッとキメ顔)…いや、なんでもない」

 

「え〜!言うなら最後まで言ってよ〜!」

 

「断る。てか、なんでくっつくんだよ」

 

「明君が話してくれないから〜!だから話してくれるまで離さないも〜ん!」

 

「なんてこった……」

 

「ほれほれ〜♪言っちゃいなよ〜♪楽になっちゃいなよ〜♪」

 

「お〜♪これは絶好のシャッターチャンス!は〜い!ももっち〜、明く〜ん!此方に視線ちょうだ〜い!」

 

「いぇ〜い♪」

 

「…泣けるぜ」

 

カシャ!

 

「オッケ〜!あ、写真は勿論あげるからね〜!」

 

「やった〜♪じゃあ次はゆりの番よ♪」

 

「フフフ、その言葉を待っていたわ」

 

「ゆり(ブルータス)、お前もか……」

 

「えぇ、折角の機会ですもの。楽しまないとバチが当たるわ」

 

「…バチねぇ」

 

いったい誰がバチを当てるんだか。

 

てか、ももかー?

 

俺が言うまで離さないって言ってくせにもう忘れたのか?

まぁ、俺としてはそのまま忘れていてほしいから言わんけどな。

 

「それじゃあ撮るよ〜!」

 

「フフフ♪」

 

「はぁー……」

 

カシャ!

 

「オッケ〜!」

 

「フフフ♪楽しいわね」

 

「…どーだかな」

 

「むむむ?明君は楽しくないの〜?」

 

「それなら嫌でも楽しくしてあげるわ。ももか、両側から明を挟んで撮りましょう」

 

「オッケ〜♪」

 

「…まだ続くのかよ」

 

「「「勿論♪」」」

 

「なんてこった……」

 

勘弁してくれ、俺のライフはもう0に近いっつーの。

 

「…博士、いい加減助けてくれ」

 

巻き込まれるのが嫌だからって大分前から黙り決め込んでた様だが残念だったな確り巻き込んでやるよ。

 

けどその前に……

 

「瑠璃、先にあの二人を撮っといてやれ」

 

「アイアイサ〜♪」

 

月音と萌香は俺がももかとのツーショットの件から自分達の世界に入り込んでるから放っておきたかったんだが、仲間外れは可哀想だからな。

 

 

―月音……―

 

―萌香さん……―

 

パシャ!

 

―月音……―

 

―萌香さん……―

 

 

「相変わらず熱々な二人ですな〜♪」

 

「ヒューヒュー♪」

 

「…あの二人、撮られた事に気づかずに続けているわね」

 

「そんだけ互いの事しか見えてねぇんだろ。んじゃま次は博士の番だな」

 

 

―…あはは!そうそう、その調子だよ!―

 

 

「おっと、お話中だったか」

 

直に見るのが久し振りだったから忘れてたが、博士は視える体質の持ち主だったな。

 

 

―大丈夫。困った時はいつでも俺が力になるよ―

 

 

「ふふふ、まるで生徒の相談に乗っている先生みたいね」

 

「だな。…それにしても視える体質の先生ねぇ」

 

まるで小さい頃にやってたアニメみたいだな。

 

確か、主人公は左手が鬼の手のバリバリの霊能力者だったっけ?

 

 

―え?…あ、ホントだ、みんなが待ってる―

 

 

なんてこった、まさか霊さんに気遣われる日が来るとはな。

 

「随分と親切な霊さんなのね」

 

「そうね」

 

「だね」

 

 

―うん。それじゃあ続きは放課後にね?―

 

 

…相談事はまさかの後半戦に持ち越しなのな。

 

「ごめんごめん、ちょっと相談されてね」

 

「だろうな。雰囲気的にそんな感じがしたぜ」

 

「あはは。で、明君達の話はどこまで進んでたっけ?」

 

「博士と瑠璃の写真を撮ろうって所だ」

 

「お、良いですな〜♪博士とのツーショット♪」

 

「当然だが博士には拒否権はねぇからな。大人しく撮られろ」

 

「あはは、やっぱりね。でもたまには良いかな」

 

「そーそー、そのノリだ。それじゃあ瑠璃、カメラを貸してくれ」

 

「はーい!」

 

「よろしくね瑠璃さん」

 

「それじゃあ撮るぞー。3、2、1」

 

カシャ!

 

「OKだ」

 

「ありがとー♪」

 

「ありがとう明君」

 

「ういうい。…さてっとそろそろ時間だしこれで終わりにすっか」

 

「ちょーっと待ったー!」

 

「誤魔化しても私達には通用しないわよ?」

 

ちぃ、まだ覚えてやがったか。

 

「さーさー明君!お待ちかねのスリーショットの時間よ!」

 

「…なにがお待ちかねだっつーの」

 

「まぁまぁ、そう言わずに〜。ほら、時間があまりないから早く撮ろうよ〜!」

 

「ももかの言う通り。ほら、大人しく此方に来なさい」

 

「うーい」

 

いい加減、変な意地を張るのも疲れたからな。

いつも通り、お気楽にいくとしますかな。

 

「うふふ♪制服越しでもわかるぐらい明君の身体って引き締まってるよね〜♪」

 

「えぇ、伊達に何年も鍛えてないわね」

 

「そりゃどーも」

 

「…あれだけ二人に密着されてるのに全く動じてないのが明君の凄い所だよね」 (ぼそっ

 

「だね〜」 (ぼそっ

 

「なんか言ったか?」

 

「「なんでもありませーん」」

 

「そうかい」

 

「それじゃあ撮るよ〜!」

 

「ほう、中々絵になる光景だな」

 

「あはは!そうだね」

 

「なんだ、二人は終わってたのか」

 

「あぁ、いくらやってても明達が止めに来なかったからな」

 

なんてこった、アレはまさかの止め待ちだったのかよ。

 

「そりゃ悪かったな。お詫びに二人が真っ只中のを撮った写真をやるから水に流してくれや」

 

「うむ、なら許す」

 

「あ、撮ってたんだね」

 

「あぁ、それで俺達が普段どんな思いで見てんのかを理解してくれ」

 

「うむ、わかった」

 

「これからは気をつけるよ」

 

「是非ともそうしてくれ。んじゃま、そろそろ撮ってもらうとするかな」

 

「まっかせて!それじゃあ撮るよ〜!」

 

「ほら、笑って笑って!」

 

「いぇ〜い!」

 

「ふふふ♪」

 

「ははっ」

 

カシャ!

 

「オッケ〜♪」

 

「ふぃ〜、お疲れさんだ」

 

キーンコーンカーンコーン♪

 

「あら、丁度予鈴が鳴ったわね」

 

「だな。んじゃま、このテンションのまま午後からも頑張っていきますか」

 

『おー!』

 

 

【終わり】




オマケ1

〜愛すべき菖弄り〜

明:「この世には目には見えない闇の住人達がいる」

ゆり:「奴らは時として牙をむき、君達を襲ってくる」

ももか:「彼は、そんな奴らから君達を守るため」

月音:「地獄の底からやって来た」

萌香:「正義の使者……」

瑠璃:「なのかもしれない……」

六人:『しょ〜べ〜!』

菖:「…泣けるよ」


オマケ2

〜その日の夜・ももかの場合〜

ももか:「えへへ〜♪明君とツーショット撮っちゃった〜♪」 (バタバタバタ……!

えりか:「もも姉ー、ご飯だよー」

ももか:「は〜い♪それじゃあまた後でね明君♪」


オマケ3

〜その日の夜・ゆりの場合〜

ゆり:「…あきのばか、折角のツーショットなんだからもっと嬉しそうな顔してくれたっていいじゃない……」

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