花を護る騎士 ブレイドナイト   作:葵祈つばめ

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明:木曜のアメトーク、やっぱりと言うべきかピースは大人ウケするんだな

ゆり:そうね

ピース:えへへへ、イェイ♪


〜手紙〜

とある日の朝、登校してから下駄箱でゆり達と話していると……

 

「あれ?」

 

「あら?」

 

「なんてこった……」

 

各々の下駄箱の中に複数の手紙が入っていた。

 

「………」

 

「………」

 

「………」

 

「これって……」

 

「まさか……」

 

「不幸の手紙か?」

 

「「………」」

 

「おーおー何だ、その“何で頭良いのにラブレターよりも不幸の手紙が先に浮かぶのかしら”的な目は?」

 

「…凄い、全部当たってる」

 

「…相変わらずデタラメね」

 

「止せやい。褒めてもクッキーしか出ねぇぞ?」

 

そう言って鞄から出したのは昨夜弁当作りのオマケで作った手作りクッキー。

 

なんとなく持ってきたが、まさかこうも早くに出番が来るとはな。

 

「わーい!明君の手作りクッキーだ!」

 

「昼休みになったらみんなで食べようぜ」

 

「うん!」

 

ほんと、ももかは無邪気で可愛いぜ。

 

「…話を戻しても良いかしら?」

 

「オーケー」

 

「うん!」

 

「それじゃあ聞くけど、どうして明はラブレターじゃなくて不幸の手紙だと思うのかしら?」

 

「少女漫画じゃあるめぇし、今時ラブレターを下駄箱に入れる奴がいると思うか?」

 

「はぁー、わかっていなぁ〜明君は」

 

「あぁ?」

 

「あのね明君、女の子にとってラブレターは永遠の憧れでもあり夢なのよ?」

 

「へぇー」

 

永遠の憧れとはまた随分と大きく出たな。

 

そんなにラブレターが……

 

ん?

ちょっと待った。

 

「まだ中身を見てねぇのに何でラブレターって決めつけてんだ?」

 

「女の子の勘よ!」

 

「…さいですか」

 

なんともまぁえらくざっくりとした根拠だこと。

 

「…それにしてもラブレターなんて生まれて此の方一度も貰った事がなかったな」

 

「そう言えばそうだったわね」

 

「えっ、明君貰った事ないの!?」

 

「あぁ」

 

「中等部の頃……私も知ってるから、小学生の頃は!?」

 

「無いな」

 

寧ろ俺の周りの奴等が貰ってた記憶があるな。

 

「ほぇー、私てっきりラブレターを貰った事あると思ってた」

 

「やー、ももかも知ってる通り俺って昔は結構ヤンチャだったろ?」

 

「今でこそファンクラブが出来る程人気があるけど中等部や小学生の頃はね?」

 

「あぁ、散々だったぜ」

 

特に中等部の頃が。

 

何せ阿呆な理由で突っ掛かって来る中等部や高等部奴等がウジャウジャいたからな。

 

懐かしいぜ。

あの“お話”の日々が。

 

「そう考えると今は随分と丸くなったよな」

 

「そうね」

 

「…私はそうでもないと思うんだけどなー」 (ぼそっ

 

「何か言ったか?」

 

「うえ!?」

 

 

“キーンコーンカーンコーン”

 

 

「さ、さぁ!早く教室へ行きましょ!?」

 

そう言ってももかは手紙を持ってすたこらさっさと教室へ走ってった。

 

「運良く逃げたな」

 

「ふふふ、ももかったら本当に可愛いわね」

 

「だな。…んじゃま、俺等も急ぐとすっか」

 

「えぇ」

 

 

………

……

 

 

そして数時間後の昼休み、菖達と遊んでいると今朝の下駄箱での一件が話題になった。

 

「それで手紙の内容はなんだったの?」

 

「全部ファンレターだった……」

 

「私もよ」

 

「俺は一枚だけ不幸の手紙で残りはファンレターだったぜ」

 

『不幸の手紙……』

 

「あぁ、しかもバリバリ古典的なタイプのな」

 

自分で言っておいてなんだが、まさか本当に来ると思ってもみなかったぜ。

 

てか、

 

「なーにが“女の子の勘”だ。見事に外してんじゃねぇか」

 

「う〜!こうなったらやけ食いよ!明君!例のクッキー頂戴!」

 

「えっ!明君の手作りクッキーがあるの!?」

 

「あぁ、みんなで食べようぜ」

 

「「わーい!」」

 

「ふむ」

 

「ありがとう明君」

 

「…相変わらず万能だね」

 

「…同感だわ」

 

「まぁまぁ菖君もゆりもそんな事言わずに食べましょ!」

 

「ももっちの言うとーり!」

 

流石はマイペース組。

 

些細な事なんてどこ吹く風でらっしゃる。

 

「…あははは」

 

「…わかったわよ。それじゃあ、」

 

『いただきまーす!』

 

「あ、言い忘れたがそのクッキーの中には一枚だけデビルメイクライ(10話目〜眼鏡〜)入りの滅茶苦茶苦いクッキーがあるからな」

 

『何で!?』

 

「ケッケッケ♪ちょっとしたサプライズだ」

 

『………』

 

「で、誰が当たったんだ?」

 

「…私はセーフ」

 

「私もだ」

 

「…僕も」

 

「私も!」

 

「そうなると残りは菖とゆりか」

 

いつものパターンで考えると菖が当たりそうだが……

 

「………」

 

「………」

 

「…俺はセーフ」

 

「………」

 

ゆりのこの反応……

成程、当たったのは……

 

「ゆりね……」

 

「ゆりだな」

 

「ゆりさんだね……」

 

「ゆりっぺだね」

 

「ゆりさんなんだね……」

 

「…えぇ。……明?何か言いたい事はあるかしら?」

 

「Jack Pot!おめっとさんゆり」

 

「…そう。……明?今晩時間あるかしら?」

 

「あるよ」

 

「…マスター」 (ぼそっ

 

「瑠璃、静かにしろ」 (ぼそっ

 

「…あい」 (ぼそっ

 

「フフフ、それなら久し振りに明堂院の道場でやりましょ?」

 

「ゆりが誘ってくるなんて珍しいな。……良いぜ、とことん付き合ってやるよ」

 

「フフフ、たっぷり楽しませてあげるわ」

 

「上等。返り討ちにしてやるぜ」

 

『…似た者同士』

 

「フフ……」

 

「ハハ……」

 

「フフフフフ……!」

 

「ハハハハハ……!」

 

 

【終わり】

 




あんな簡単に入れ替わるんだ。
てか、ゆかりの順応力の高さ……(´-ω-`)

エレン:なんかわたしより猫っぽかった気がする……

響、奏、アコ:あー……

オマケ1

〜行方〜

ももか:「ところで明君、その不幸の手紙をどうすの?」

明:「あぁ?そんなの捨てるに決まってんだろ」

菖:「意外……でもないね」

月音:「だね」

明:「不幸の連鎖なんてくだらねぇ事はこの俺が断ち切る」

瑠璃:「おぉー!明君格好良いー!」

萌香:「それにしてもこのご時世にまだ不幸の手紙があったとはな」

ゆり:「えぇ、本当に驚きだわ」


オマケ2

〜もしも……・女子組〜

瑠璃:「因みに手紙がラブレターだったらももっちもゆりっぺはどうしてたの?」

ももか:「とりあえず明君に見せつけるわ!」

ゆり:「それで告白はスパッと断るわ」

萌香:「流石だな。……なら明の手紙がラブレターだったらどうしてたんだ?」

ももか:「覗き見する!」

ゆり:「奪って読むわ」

瑠璃:「わぁお……」


オマケ3

〜もしも……・男子組〜

菖:「例えばの話なんだけど、もしもももかさんとゆりさんの貰った手紙がラブレターだったらどうしてた?」

明:「どーもしねぇよ。オーケーするもしないも最終的に決めるのは本人だからな」

月音:「なら明君の貰った手紙がラブレターだったら?」

明:「一応読むが告白は断る。第一、今まで録に会った事も話した事ねぇ奴に告白されてもちぃっとも心動かされねぇよ」

菖:「あははは、言葉はキツいけど明君らしいね」

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