花を護る騎士 ブレイドナイト   作:葵祈つばめ

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あれ…出来が短い?


プリンセス編アフター 2

カオルさんからフリーパスを貰ってから数日後、俺達はフェアに参加する為に夢ヶ浜の商店街を訪れていた。

 

―…ワイワイ!……ガヤガヤ!……―

 

「商店街の皆さん、とても楽しそうですね」

 

「夢ヶ浜を代表するマーブルドーナツと期間限定開店にも拘らずかなりの売り上げを出したパンプキンカフェのコラボフェアだからな。商店街もこのフェアに乗じて張り切ってんだと」

 

「「「へぇー……」」」

 

「フェア以外にも商店街やノーブル学園の生徒達がちょこちょこ出店を出してるらしいぞ」

 

「「「へぇー……」」」

 

「随分詳しいけど、…わざわざ調べたの?」

 

「いんや?コレ書いてあっぞ」

 

ほれ、さっき商店街の入口で貰ったパンフレット。

 

「「「えぇー……」」」

 

「…何だかガッカリだわ」

 

「知るか。俺は悪くねぇ」

 

―♪〜♪〜♪〜♪〜―

 

ん?

ももかからメール?

 

 

 

“お土産絶対忘れないでね(>_<)!

 

忘れたら明日教室で「明君に意地悪された!」って言って泣いてやるo(><)o!”

 

 

 

さらっと恐ろしい脅しすんなっつーの……。

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

会場に着き、役員の人に特別フリーパスを見せて案内されたテラスに行くと予想通りと言うべきか、はるか達がいた。

 

「ごきげんよう!つぼみちゃん!」

 

「お久し振りですはるかさん!」

 

「やぁ、元気だったかい」

 

「お久し振りですカナタさん」

 

再会した俺達は全員で大きめの丸テーブルに座り各々積もる話を消化していた。

 

「やっぱお前達もパスを持ってたか」

 

カオルさんから貰った時に何となく予想はしてたんだよな。

何せ主催が“マーブルドーナツ”だからな。

 

「まぁね。あたしはマーブルドーナツのお得意様みたいなもんだし、みなみんは学生有志の責任者だからね」

 

成程。

それなら貰う可能性は充分にあるな。

 

「寧ろ明さんの方こそよくパスを貰えたじゃん」

 

「この間の件のお礼に新作ドーナツと一緒にカオルさんから貰った」

 

「新作ドーナツ?」

 

「そ。ピーチ、ベリー、パイン、パッションの四種類のフルーツを使ったフルーツドーナツだ」

 

「…大丈夫なのソレ?」

 

「聞いた時に笑ってたから大丈夫だろ」

 

さて、なーに食おっかなー。

 

「すいませーん!注文お願いしまーす!」

 

えりかテメェ……

 

―はーい!―

 

「あれ?」

 

「今の声って…」

 

「ひょっとして…」

 

「まさか…」

 

「お待たせしました!ご注文は……え!?」

 

『パンプルル姫!?』

 

「はるか!それにみんなも!」

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

「だれ?」

 

「はるか達の知り合い。見た感じ、どっかの国のお姫様ってとこだな。それよりえりか、」

 

「なんじゃらほい?」

 

「勝手に注文し始めんなっつーの」

 

久々の老若男女無差別チョップ。

 

「あだっ!?」

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

はるか達から紹介してもらった女の子……パンプルルはやはりトワと同様、別世界にある“パンプキン王国”と言う国のお姫様だった。

 

「なんでお姫様がここでウエイトレスしてんの?」

 

「此方へは社会見学として参りました。パンプキン王国は他の国とは勿論、外の世界とも貿易をしているので。……最も、ホープキングダムとはつい最近し始めたのですけど…」

 

「へぇ〜お姫様も大変だね〜。あ、あたしのことはえりかで構わないから!それとかたっくるしい話し方も無しで!」

 

「は、…うん!よろしくえりか!」

 

正直言ってこう言う時、えりかの性格が羨ましいと

 

「で、注文なんだけど……」

 

…思わないなぁ……

 

だがしかし、注文には賛成だ。

 

「皆は決まってんのか?」

 

「はい!わたしはパンプキンプリンと紅茶!」

 

「わたしはマーブルドーナツ限定セットと紅茶をお願いするわ」

 

「あたしはマーブルドーナツ限定セットと珈琲♪」

 

「わたくしはパンプキンプリンと紅茶を」

 

「僕はマーブルドーナツ限定セットと紅茶を」

 

「わたしはマーブルドーナツ限定セットと紅茶をお願いします」

 

「あたしはパンプキンプリンと紅茶!」

 

「ボクはマーブルドーナツ限定セットと紅茶を」

 

「私はマーブルドーナツ限定セットと珈琲を」

 

俺以外全員決まってんのかい……

 

「んー…、俺はスペシャルパンプキンプリンパフェと珈琲で」

 

「かしこまりました。明さんのパフェは作るのに時間がかかりますがよろしいでしょうか?」

 

「おう、構わないぜ」

 

「わかりました。それでは失礼します」

 

此方に一礼してパンプルルは店へと戻ってった。

 

そして俺達は注文の品が来るまで再び談笑し始めた。

 

「それにしても明」

 

「ん?」

 

「パンプルルがお姫様ってよくわかったわね」

 

「そーそー、人目見てわかってたじゃん」

 

あぁ、その事か。

 

「そりゃ、トワと同じ雰囲気だったからだ」

 

『あーー……』

 

まさに隠しきれない気品と優雅さってやつだな。

 

―なっはははは!そんなこと…あるけど!―

 

…何か頭ん中に出てきやがった。

 

引っ込め。

今回はお呼びじゃねぇんだよ。

 

―ぶ〜!―

 

ぶ〜!、じゃねぇよ。

 

―こらひめ!明さんに迷惑かけないの!―

 

―げっ!いおな!?―

 

…疲れてんのか?

今度はいおなまで出てきやがった。

 

―ほら帰るわよ!―

 

―あ〜〜〜!―

 

…消えてった。

結局何がしたかったんだ?

 

―明さん、ドーナツやパフェも良いですけど、大森ごはんもオススメですよ〜♪―

 

―美味しいものを食べて幸せハピネス!―

 

だから出てくんなっつーの。

 

―…いや、ほんと、すいません明さん……―

 

ブルータス(誠司)、お前もか……

 

―ウフフ、私もいるわよ?―

 

帰って下さい。

お願いですから。

 

―そう?それじゃあ皆、帰りましょ♪―

 

―はーい!―

 

…何か疲れた……

 

「明?…疲れてる様に見えるけど、大丈夫かしら?」

 

「大丈夫だ、問題ない」

 

 

―皆さん、お待たせしました!―

 

「ん?……わぁお」

 

注文の品が乗った給仕用のワゴンを押すパンプルルの後ろからウエイトレスさんが二人ががりで巨大なパフェを運んできた。

 

「中々食べ応えがありそうだぜ」

 

「…コレ頼んで完食した人なんているのかしら?」

 

「はるかが以前来た際に完食したらしいです」

 

「わぁお」

 

「あの時のはるはるの食いっぷりは凄かったよね〜」

 

「えぇ」

 

「まさに見ていて清々しい食べっぷりでしたわ」

 

「えへへ……」

 

「成程。なら俺もはるかに続いて完食者二人目になってやっか」

 

「ふふ、頑張ってね明。…それじゃあ戴きましょ」

 

「だな」

 

皆で手を合わせてさん、はい、

 

『戴きます!』

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

その後食べ終わった俺達は他のスタッフの厚意で上がらせてもらったパンプルルと一緒に商店街やノーブル学園の生徒達の出店を出しているエリアを訪れたんだが、

 

つぼみやはるか達がナンパされたり、

 

俺やカナタさんが逆ナンパされたり、

 

はるか達の先輩である一条らんこがきららに挑んだ勝負に何故かそれにえりかも加わったり、

 

パンプキンプリンの大手食い大会に参加とまぁ色々と大変だった。

 

何せ大食い大会は俺の意思じゃなくきららに頼まれて半ば仕方無く参加した。

 

何故きららが頼んできたのか不思議に思ったが、優勝商品を見て納得した。

何せ“マーブルドーナツ1ヶ月無料券”なんだからな。

 

ん?結果?

 

「にっひひひひ♪」

 

きららのこの反応で察してくれ。

 

「…ふ〜……」

 

「…大丈夫ですか明さん?」

 

「…好物だから大丈夫だと思ってたが、どうやらその認識はスイーツだけに甘かった様だ。当分の間は糖分取りたくねぇ…」

 

『プッ…、っく…くくくっ……』

 

「前々から思ったんだけど、この三人ってちょっと天然と言うか残念なとこがあるよね」

 

『あははは……』

 

 

 

 

【完】




補足

パンプルルは映画に出てきたパンプキンカフェのウエイトレスと同じ服装。

パンプキンプリンは映画のEDではるかが食べてたアレ。

スペシャルパンプキンプリンカフェは映画のOPではるかが食べてたアレ。

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