勇気が生まれる場所級にズガンと響く名曲と思って聴いてたらモフルンのあの台詞で一気に涙がうるっとしちゃいました。
そして聴いて気付いた。
(キュア)モフルンの声、こち亀のレモンじゃん( ̄□ ̄;)!!
―ワアァァァァ!!!―
『明選手がブレイドナイトに変身したことによって元々高かった観客のボルテージが更に高ましたね』
「キャー!格好いいー!!ナイトー!!!」
「ちょ!?落ち着いてリズム!!」
『おっと〜!ファンからナイト選手に熱烈な応援がぁ〜!』
「や、ファンて…」
「あ〜…遂に出ちゃったか〜…」
「仕方ないわね。今日会ってから今までずっと我慢してたもの」
『さぁ!ナイト選手!ファンからの熱烈な応援にたいしてどの様な対応をするのか!』
『この場合、紳士的な対応が望まれますね』
「…マリンにサンシャインめ、好き勝手に言ってくれるぜ」
しかしやらなきゃいかんのよな。
はぁ…やれやれ。
「紳士的…紳士的…」
………
「…よし」
閃いた。
正直、かーなーり不本意だが。
「はぁ…とっとと済ますか」
そして俺は振り返り、今尚もメロディに抑えられているリズムに向けて……
―パチン♪―
ウィンクした。
「さて、効果は…」
「ばきゅーん……」
―バタン!―
「リズムぅー!?」
「…あらま」
『おぉっと!ナイト選手のウィンク攻撃、効果は抜群だぁ!』
『リズムさん、顔を赤く染めて満面の笑みで気絶しましたね』
ん〜…
心配いらんと思うが一応、聞いとくか。
「メロディ、リズムは大丈夫か?」
「あ、大丈夫!だから先に進んで!」
「だとよマリン、サンシャイン」
『わかりました。それでは先に進みます』
「んで、最初の相手は誰だ?」
「じゃあ僕が!」
『親善戦の一戦目のカードは高音のファルセット対ブレイドナイト!』
『ではここで両選手がいったいどの様な戦士なのかをゲストの方々に訊いてみましょう。ゲストは先程に続いてメフィストさん、そしてアフロディテさんから変わってキュアブロッサムさんです』
『『よろしくお願いします』』
『ではまず最初はファルセット選手について、メフィストさんお願いします』
『うむ。ではまず最初に何故ゆえファルセット、バスドラ、バリトンの三人が“三銃士”と呼ばれているのか、そこから説明しよう。…そもそもメイジャーランドには我等王族や民を護る為に銃士隊と言う組織があり、その中でも優秀な三名を讃えて三銃士と言うのだ』
『つまり、ファルセット選手、バリトン選手、バスドラ選手はエリート戦士と言うことですね?』
『うむ。三銃士は主に王族の護衛、他には極秘の任務とかを任すからな』
『ではあの“高音の〜”については?』
『我等を含めメイジャーランドの民は皆音楽が好きでな、あの三人は各々の声音に合ったのを特に好んでおるのだ』
『成程だからなんですね』
『うむ』
『ありがとございました。…では次はブロッサムさん、ナイト選手について、お願いします』
『はい。ブレイドナイトは私達プリキュアと今まで共に戦ってきた伝説の戦士なんです。そして、私達プリキュアは各々の名前がありますけど、ブレイドナイトの名は選ばれた者へと受け継がれているんです』
『選ばれた者、ですか』
『はい。そもそもの始まりは初代プリキュア…キュアアンジェの時代です。かつて、大いなる敵に立ち向かっていたキュアアンジェ。彼女には最愛の人がいました。そして一人傷付きながらも戦い続けるアンジェを見てその最愛の人は思いました。“愛する彼女が戦っているのに私には何も出来ないのか…”そして彼は願いました。“私も彼女と共に戦いたい。愛する彼女と、この世界を護る為に!”…』
「なげぇ…」
『そして奇跡が起こり、彼はプリキュアと共に戦う戦士…ブレイドナイトになったのです』
『ボク達はもう知っている話だけど、何度聞いても素敵な話だよね』
『はい』
『あ〜…ブロッサム、サンシャイン?ほっこりしてるとこ悪いんだけど巻きでお願い』
「マリンに同意。はやくバトらせろ。体が疼いてしょうがない」
『あ、ゴメン。…つまりブレイドナイトは想いの奇跡が生んだ戦士と言うことなんですね?』
『はい。そしてその想いは時代を越え、護りし者に反応して新たなブレイドナイトを誕生させてきたのです』
プリキュアパレスの地下にある“ブレイドナイトの間”に行けばいつでも今の話を映像付きで御覧になれます。
…なんつって。
てか、想いの奇跡が生んだ戦士ってカテゴリーで考えるとならエコーと同じなわけか。
―誰かを想う、…それは無限の可能性を秘めた力なの!―
―そして同時にそれはまさしく愛!とても美しく素敵な力なのですわ!―
「ん?」
『じゃあ両選手の紹介も済んだ事だし勝負始めよっか』
『ムーンライト、開始の合図をお願いします』
「えぇ」
気のせいか、今さっきエコーとエースの声が聞こえたような…
「二人共準備は良いかしら?」
「勿論!」
「………」
「ナイト?」
「…ん?あ、あぁ…良いぜ!」
何故二人がいたのか気になるが考えるのは後。
今は勝負に集中だ。
「そう。…それじゃあ……」
右手を挙げて一拍溜めるムーンライト。
今この時、この会場の全ての音が消え、静寂している。
「………」
「………」
俺とファルセットさんは各々の得物を構えながらその瞬間を待った。
そして数秒後、その時が来た。
「はじゅめ!」
「なんてこった……」
ムーンライトが“始め”を“はじゅめ”と噛んだ。
チラッとムーンライトを見ると、自身が噛んだ事に気付き、そして俺に気付かれた事に気付き頬を微かに赤く染めそっぽ向いた。
普段滅多に御目にかかる事はないムーンライトの恥ずかしがる姿。
この姿、果たして他の奴は気付いているのか?
「チャンス!」
―ダッ!―
『おぉっと!先にしかけたのはファルセット選手!ナイト選手目掛け走り出したぁ!』
『対するナイト選手は動かず待ち構えていますね。これは後の先を狙うつもりでしょうか?』
いないのか。
滅多に御目にかかれない貴重な瞬間だったのにな。
いやはや、見れて眼福眼福。
―ギロリ!―
っと、ムーンライトから恐ろしい視線が。
「もらったよ!」
へいへい、
わかりましたよ、ムーンライトさん。
―フッ!―
「えっ!?」
『おぉっと!?ナイト選手がファルセット選手の目の前から消えたぁ!?』
『いや!後ろに!』
勝負に集中しますよっ、と。
「くっ!?」
ファルセットさんは急いで振り返ろうとするが遅い。
「ぶっ飛べ!」
―ドゴッ!―
「ぐふっ!」
『どわー!ナイト選手、自身の武器を叩きつけてファルセット選手をぶっ飛ばしたー!』
『相手の視界から素早く消えて背後からの攻撃、一連の流れに無駄のない鮮やかな動きでしたね』
「くっ!」
―ズァァァ!―
『ファルセット選手ダウン!』
『審判によるカウントが始まります!』
「カウント、1、2、3…」
「モロに食らったからな。さて、どうなるか」
「…ぐっ!……」
「6、7、8」
「ま…まだぁ!」
『ファルセット選手、立ち上がったぁ!』
「カウント8!続行!」
「今度は僕の番だぁ!」
「あ、それ無理」
「へ?」
「腹ぁ括れよ!」
―ブォン!ブォン!ブォン!ブォン!ブォン!ブォン!―
『どわー!ナイト選手凄まじい連撃だぁ!』
『剣先が辛うじて見える位の速さ。流石はナイト選手』
「はぁ!ぶっ飛べ!!」
―ザンッ!―
「ぐはぁ!」
『ファルセット選手、とどめの斬撃で場外へアウト!』
「勝者、ブレイドナイト!」
『親善戦第一回戦目の勝者はブレイドナイト選手!』
「悪かったなファルセットさん、ずっと俺のターンで」
『あのぅ、メフィストさん、大丈夫ですか?』
『なんと…三銃士の一人がこうもあっさり負けるとは…』
『元気出してください、メフィストさん』
『う、うむ…』
あらら。メフィストさん、落ち込んじまってるよ。
『解説のサンシャインさん、ファルセット選手の敗因は何だったんですかね?』
『敗因は勝負にたいして行き急いでしまった事ですね』
『行き急ぎですか?』
『はい。先程ファルセット選手は背後からの攻撃を受けた後反撃しようとしました。あの場合、反撃しないで相手から距離をとり次の動きを考えるべきでした』
流石武術っ娘。
解説が様になってるぜ。
『成程、解説ありがとうございました。ではこれで親善戦第一回戦目を終わります。司会はあたし、キュアマリン。そして』
『解説は私、キュアサンシャイン』
『ゲストは私、メフィスト。そして』
『私、キュアブロッサムでした』
『それでは皆さん』
『ありがとうございました!』
【続く】
バトルは分けて書きます。
今回はファルセット回。
そして出なかったけど、ファルセットの戦闘タイプテクニックタイプの設定で。