花を護る騎士 ブレイドナイト   作:葵祈つばめ

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ここ最近の作者のプリキュア事情。

・EDダンス中のモフルンがやたら愛くるしいなと感じだ。

・昨夜、レンタルしたスイートの最終巻のラスト二話を観て涙を流した。

・本日、録画しといたGoプリのラスト二話を観て涙を流した。

・本日、スイートの劇場版のDVDを購入し観て涙を流した。

・プリキュア作品のDVD所持数が12になった。


※更新遅れてすいませんでした。<(__)>


フレッシュ編

とりあえず外に出掛けよう、そう思ったんだが、

 

「ん?なんか届いてるな」

 

郵便受けに何かが投函されている事に気付いた。

 

「新聞…は時間的に無いよな」

 

現在AM11時50分。

 

「となると、チラシか郵便だよな…でもこんな時間に来た事あったか?」

 

疑問だが、まぁとりあえず確認するか。

 

俺は郵便受けを開け中身を取り出した。

 

「…やけにカラフルなチラシだな」

 

配色はピンク、青、黄、赤と。

インパクトは抜群だな。

 

「んで、何のチラシだ?…“本日ドーナツ全品半額キャンペーン中!今日のおやつはドーナツでどーなんす?グハッ”って…」

 

…これ完全にあの人だよな。グハッって書いてあるし。

 

「…何やってんだあの人は…」

 

思わず頭を抱える俺であった。

 

「…ん?でも待てよ?

“ドーナツ全品半額キャンペーン中”って書いてあるよな?」

 

これが事実なら行くしかないよな。

 

実際問題腹減ってるし。

 

確か此所からなら電車よりバスの方が早いな。

 

「よし、行くか」

 

その後俺は家を出てバス停でバスに乗り、四つ葉町へ行くのだった。

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

四つ葉町駅前に停まったバスから降りた俺は目的の場所へ行こうとしたのだが、

 

「な〜な〜、君、今暇?暇だよね?」

 

「俺らと遊ばない?良い所知ってるからよ」

 

「嫌よ」

 

ある意味ベタな光景が俺の視線の先で行われていた。

 

「…マジかよ」

 

野郎二人組が一人の女性をナンパしていた。

 

ナンパされている女性、…ここからだと野郎二人組の後ろ姿で隠れていて姿は見えないが、声を聞いた感じ女性ではなく、少女だな。

しかも、俺と歳が近い。

野郎二人組は同じかやや上だな。

 

「そんなこと言わずにさ〜」

 

「嫌よ。私用事があるから」

 

「用事ってそのやたら派手なチラシの所?」

 

ん?

…まさかな?

 

「ドーナツなんかよりもっと美味しい物奢るからさ〜」

 

…あらら、あの少女もドーナツ食いに行くのか。

 

「お断りよ」

 

「あぁもう、めんどくせぇ!とっとと来いや!」

 

「ちょっと!腕掴まないで!」

 

「へっへっへ〜、一緒に楽しもうぜ〜」

 

なにやら悪い展開へ進んだな。

 

「…こりゃ、見過ごせねぇな」

 

見過ごしたら夢見悪いどころか、人として終わっちまいそうだ。

そう思い、俺はナンパ野郎二人組に近付いてった。

 

「おい、そこのナンパ野郎二人組」

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

「ちっくしょ!」

 

「覚えてやがれ!」

 

少しお話した後、随分とベタな事を言いながらナンパ野郎二人組は逃げてった。

 

「エスコート仕方を学んでから出直しな」

 

逃げてくナンパ野郎二人組にそう言ってると、

 

「あ、ありがとうございます!」

 

振り向くと助けた少女が頭を下げながら礼を言っていたが、

 

この少女、

 

「ナンパされてたの美希だったのか」

 

俺の友人だった。

 

美希は自身の名を呼ばれ顔を上げた。

 

「あ、明さん!?」

 

「おう、明さんだぞ」

 

「どうして此所に?」

 

「ん、美希と同じ目的の為に」

 

美希の持っているチラシを指差しながら俺はそう言った。

 

「明さんの所にもこのチラシが配られていたんですね」

 

「あぁ。…そういえば美希は何で一人で駅に?ラブ達はどうした?」

 

「ラブ達には、今日は午前中次の仕事で着る服の確認をする為に隣町に行ってるから、合流は午後からになるわと、伝えてあるので」

 

成程。

 

「確認ってデザインのか?」

 

「はい。デザインは元より、生地の肌触り、動きやすいか否か、全体のバランス、…等々ですね」

おぉ。

 

「徹底的だが、美希らしいな」

 

各言う俺も徹底的派だがな。

 

それこそ…な?

フッフッフ。

 

「あ、明さんが物騒な事考えてる」

 

「失礼だな。自分の信条を再確認しただけだぞ?」

 

「何て信条です?」

 

“何て”かって?

そりゃもちろん、

 

「やる(戦う)時は、徹底的にやる(戦う)」

 

「…“やる”の意味が違いますよね?」

 

Oh、バレテーラ。

 

「やっぱバレるか?」

 

「過去にあんな事してて、気づかないと思います?」

 

と、美希に言われてしまった。

 

“あんな事”ね。

 

えっと何したっけ?

 

…斬って斬って斬って斬って……

 

………。

 

「思い出しましたか?」

 

「斬ってばっかだな、俺」

 

けど、武器が刀だから仕方ないよな。

 

「とゆうか、思い出話はここまでにして…」

 

そろそろ行かねぇか?と美希に聞こうとしたら、

 

―くぅ〜〜―

 

「あ?」

 

「あら?」

 

俺の腹の虫が鳴いた。

 

「…そういえば俺、腹減ってるんだった」

 

すっかり忘れてた。

 

「そろそろ行きます?」

 

「あぁ」

 

そして歩き出そうとしたが、

 

「さっきあの二人組にあんなことを言ったんですから明さんは出来ますよね?」

 

振り返ると笑いながら美希がそんなことを言ってきた。

 

確かに言ったが、

まさか俺がやるとは…

 

まぁ別に構わないが。

 

「ほら」

 

そう言って開けた右腕に美希はくっついてきた。

 

「これで満足か?」

 

「えぇ。明さん、完璧!」

 

「へーへー、じゃ行くか」

 

その後も会話を弾ませながら俺と美希は公園を目指して歩いていた。

 

―やっぱりゆりさんと明さん背が高いですよね。体格もスッキリしていて足も長くて髪の毛もサラサラしてますし。……羨ましいわ―

 

―…顔が恐いんだが―

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

数分後、俺達は公園に着きドーナツ屋の近くまで来たのだが、ここから見たところ、客はイスに座っているラブ達しかいないようだ。

 

「ドーナツ、残ってんのか?」

 

「大丈夫です。ラブ達には、私の分も買っておいてと頼んでありますから」

 

「美希の分は、な」

 

俺が買う分はどうなるのやら。

 

俺はそんな事を気にしながら美希と共にラブ達と合流する為に近付いて行った。

 

ラブ達は俺達が近付いてる事に気付いておらず、何やら会話が弾んでおり盛り上がっていた。

 

わぁお、

テーブルに沢山のドーナツが。

買いすぎだろ。

 

「ラブ、ブッキー、せつな、御待たせ」

 

「あ、ミキたん…」

 

美希に呼ばれてラブ達は俺達を見た。

 

そして、

 

『えぇー!?』

 

声を揃えて叫んだ。

 

「どうしたの、三人共?」

 

「何でミキたん、明さんと腕組んでんの!?」

 

「何で明さんと一緒なの!?」

 

「…ラブ、ブッキー、驚きすぎよ」

 

せつなは二人と違って落ち着いていた。

 

「せつなの言う通り、説明するから二人共落ち着きなさい」

 

美希も二人に言った。

 

『…は、はい』

 

その後二人は深呼吸をし落ち着いた。

 

その後、俺達もイスに座り、美希が説明を始めた。

 

因みに席順はこんな感じだ。

 

    ラブ

 

せつな    祈里

 

   俺  美希

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

美希が説明を聞いた三人は納得の顔をしていた。

 

…にしても、改めるとかなり恥ずかしい事を言ってたな俺。

 

「流石明さん!格好いい!」

 

「…言うな」

 

「あ、明さん照れてる!」

 

「…見んな」

 

「恥ずかしがってます?」

 

「…聞くな」

 

チームプレーで俺を弄るんじゃねぇ。

 

「ところでラブ、私の分のドーナツは?」

 

「あ、勿論確保済みだよ」

 

あ、そうだ、

 

「俺もドーナツを確保っと。まだ残ってるか?」

 

「大丈夫だよ〜、青年」

 

ん?後ろから声が。

 

振り返るとカオルさんがいた。

 

「あ、カオルさんお久し振りです」

 

「久し振り〜。青年チラシを見て態々来たんだろう?」

 

「はい。まだドーナツ残ってますか?」

 

最悪、一個でも構わない。

 

「おう、た〜っぷり残ってるよ」

 

「え?」

 

チラシに全品半額って書いてあったのにか?

 

「いや〜、全品半額って書いたからお客さん沢山来ると思ってドーナツ沢山作ったんだけどね」

 

「カオルちゃん、あちこちに配ったのに肝心な此所の場所をチラシに書き忘れたんです」

 

と、ラブが教えてくれた。

 

「えぇー」

 

「いや〜、ラブちゃん達や他の常連さんしか此所の場所知らないから結局、ドーナツ余っちゃったんだよね〜。グハッ」

 

「…なにやってんすかカオルさん」

 

だが、ありがたい。

 

「じゃあドーナツ詰め合わせを二箱。後、コーヒーを」

 

「あいよ〜、ちょっと待っててね」

 

「分かりました」

 

そしてカオルさんは準備し始めた。

 

来るまでラブ達と話でもするかな。

あ、今更ながらだが…

 

「シフォンとタルトはどうした?」

 

変に静かだと思ったんだよな。

 

「シフォンは私の膝の上で寝てます」

 

と、ラブが教えてくれた。

 

さっきラブと祈里が叫んだのによく起きなかったな。

 

「ほら」

 

と、ラブが寝ているシフォンを持ち上げた。

 

「や、持ち上げんで良いから寝かしとけよ」

 

「因みにタルトは…」

 

「ワイなら此所におるで」

 

声が聞こえ振り返ると足下にタルトがいた。

 

「久し振りやな、ナイトはん」

 

「おぅ。てか、今まで何処に?」

 

「兄弟の店ん中でドーナツバイキングしてたんやけど、兄弟がナイトはんが来たゆうたから出てきたんや」

 

「態々悪かったな。そして食べ過ぎんなよ?」

 

「大丈夫やて。ドーナツに関してならワイの胃袋は宇宙や!」

 

ポン!と腹を叩いてタルトはそう言った。

 

「へーへー。頼もしい限りで」

 

その後タルトを加えてラブ達とお喋りしてたらカオルさんがドーナツを持ってきてくれた。

 

んで、食べようとしたらシフォンが起きて、力を使って俺のドーナツを奪いやがった。

 

「プリプー♪」

 

「オイコラ、シフォン、俺のドーナツ奪ってんじゃねぇよ」

 

「キュアキュア〜」

 

「…上等」

 

その後も何個かドーナツをシフォンと争奪戦をしたり、ラブ達とお喋りしたりして賑やかで楽しい時間を過ごした俺だった。

 

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

翌日の放課後、植物園でお土産として持ち帰ったドーナツ詰め合わせ五箱をつぼみ達と食ったが、今度はえりかとドーナツ争奪戦をする俺だった。

 

 

【完】

 




次回はスイート編

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