ここは玉座の間。
周りには30の破面。
原作では20なのに俺のせいで10も増えてしまった。
そして目の前にはこの破面の王で玉座に座る藍染惣右介。
「…さあ見せてくれ、ウルキオラ。君が現世で見たもの、感じたことの全てを」
「…はい」
ウルは自分の眼球を取り出し、握りつぶした。
握りつぶした破片は空気中を漂い破面達と藍染の元へ行き、映像がまぶたの裏に映る。
「ーーー成程。それで彼を『この程度では殺す価値なし』と判断したという訳か」
「はい、“我らの妨げになるようなら殺せ”とのご命令でしたので。それにー「
ウルの話にリムが割って入ってきた。
「こんな奴等俺なら最初の一撃で殺してるぜ。理屈がどうだろうが『殺せ』って命令に入ってんなら殺した方がいいに決まってんだろうが!あ!?」
「…同感だな。いずれにしろ敵だ。殺す価値は無くとも生かす価値など更に無い」
リムの右後ろにいる破面も話に入る。
確かリムを王として認めて家臣になった奴だったと記憶しているが名前は全く覚えてない。
もうすぐ死ぬし。
「大体、アーロニーロはともかくヤミー!テメーはボコボコにやられてんじゃねえか!!それで『殺す価値なし 』とかいっても『殺せませんでした』にしか聞こえねーよ!」
「…てめえグリムジョー、今の視てなかったのかよ。俺がやられたのは下駄の男だ。このガキじゃねえ」
「わかんねえ奴だな。俺ならそいつも一撃で殺すっつってんだよ!」
相変わらず仲悪いなこの2人は。
まあ、仲良くても気持ち悪いけどね。
リムもヤミーも誰かの下につく柄じゃないしな。
この後はどうなるんだっけか。
忘れる訳は無いけどこういう人間っぽい仕草が懐かしくてやってしまうんだよな。
人間には戻れないしなる気は無いけど。
「…それが
「その時は俺が始末するさ。それで文句は無いだろう」
リムの言葉が詰まる。
「……そうだな、それで構わないよ。君の好きにするといいウルキオラ」
「……有難うございます」
あーあこれで主人公についてはウルに全権を渡した事になるな。
リムの気に食わなさそうな顔。
話はこれで終わった。
しかし俺はここから本題のようなものだ。
他の破面には知られたくないしね。
「藍染様、一ついいですかね」
「アーロニーロ、君がまた何かおねだりしようとしてるのは分かってるよ。前置きはいいから話しなさい」
「はい、では…この後多分グリムジョー等が現世行くと思いますのでその時に同行して少し仕込みをしてきてよろしいでしょうか」
「仕込みというとあの実験か。今度は成功しそうかい?」
「ええ、少し見ただけでもなかなかの素材がいましたので」
「いいだろう、許可しよう」
「有難うございます」
空座町
「揃ったか……誰にも見られてねえだろうな」
「無論だ「それが見られてました!俺に!!」!?」
リムが話している間にオレがいきなり登場する。
目の前に全身を隠した少年が現れたのだ。
全員が焦る。
「アーロニーロ、てめえ何しにきやがった!」
「そりゃ見物だよ。今俺らの中でちょっとしたトトカルチョをしているんだよ、君たちの戦績でね。大丈夫安心して藍染様には言ってないから」
「………誰がこれのことを知っている?」
「5と8と10とうちの従属官。ヤミーはリムが死ぬにかけてたよ」
「あのヤロー。まあいい、せいぜい大損くらえ」
「あ!そういえば
「なにっ!お前ら、
「…チッ。ディ・ロイ、シャウロン、エドラド、イールフォルト、ナキーム、行くぜ。遠慮も区別も必要ねえ。少しでも霊圧のある奴は…一匹残らず皆殺しだ」
探査神経で霊圧を補足している。
その間にやっとくか。
「さあ、始まりました!藍染様に秘密で襲撃大作戦!!!中継と実況と解説はこのアーロニーロがお送りいたします。トトカルチョ状態は全員生存、全員死亡、グリムジョー以外死亡、全員勝利、大穴でグリムジョーだけ死亡になっています。さて結果はどうなるのでしょうか。選手のひとりであるグリさんに聞いて見ましょう、グリさんどうです…痛いっ!」
「てめえ何やってんだ。あとグリって呼ぶんじゃねえって前言ったろうが」
「そこに虫が飛んでるだろ。それの目をとおして映像が虚圏に送信しているんだ。現在生中継中だよ」
「……はぁ、もういい。お前ら補足は出来たか?お前ら、一匹たりとも逃がすんじゃねえぞ!!!」
その言葉とともに破面達が散っていく。
隠していた霊圧も開放される。
その霊圧に死神達は反応し警戒する。
さて、バトルが始まれば死神達の目も破面の目もそちらに向くだろう。
その間に俺も実験の仕込みを終わらせなければな。
虫達は破面一体に3つ虫をつける。
これで三つのアングルで撮影できる。
俺は
「まず、一つ目はあっちか…」