第9十刃に転生したが最強だった   作:飛翔するシカバネ

39 / 52
運命の始まり
合成、そして開始


原作主人公である黒崎一護に干渉しない事を条件に、藍染から許可を貰った俺は現世に来ている。

 

何故俺が現世に来ているかというと破面編まで長いので見に来ることにした。

 

いや、鍛えてはいるんだけどさ、長くてさ。

少し休憩というか原作が見たいから…ね。

 

 

夜空を眺めている藍染からルキアが現世に来るのを聞いたのだ。

 

そりゃ眺めるしか無いでしょう。

 

俺の能力の一つである霊圧0のおかげで誰も俺の存在を感じることは出来ないだろう。

それが浦原喜助だろうと黒崎一心だろうと石田竜弦だろうと俺を発見できないはず。

目視では発見されるが俺の姿は極小サイズの破面の姿になっている。

前回のような実験で出来た合成破面を食いその姿になっている。

 

大きさとしては蚊ぐらい…というか蚊の破面だ。

 

形だけ形成できた合成破面だ。

 

それでは使えないが精神が自立してないだけで体や能力は出来ている。

その状態では使えないが俺には喰虚がある。

その姿と能力が俺は自由に使える。

本当に原作のアーロニーロが弱いのは使う脳が無かったんだろう。

 

 

 

原作を見ようと思って来たのだが、少し開始から遅れてしまったようだ。まあいいだろう。

今回の目的は原作を見るのとは別にもう一つあるしな。

 

 

ドンっ!!!

 

 

オレンジ色の髪をした死神が飛ばされてくる。

 

あれが主人公くんか。

 

このシーンは虚が死んだ人の成れの果てだというのが分かったところだ。

 

 

それにしても口から酸を出したり鱗があったり尻尾があったりとどんな生物なんだろ。

 

虚は家に入っていく。

 

俺もそれにそって中に入っていく。

 

「は…放してよ…!放して…!黒崎くんが…」

 

「……織姫…本当に…俺を忘れてしまったのかい…?」

 

 

 

「俺だよ…!織姫…!!」

 

「…お……お兄ちゃん…!?」

 

 

始まりだ。

下らない茶番の。

 

「…ああ…そうだよ織姫。やっぱり忘れてなんかいなかっ…「どうして…?」」

 

「どうして…?決まってるだろう。あの二人は俺とお前の間を裂こうとしたからだよ!」

 

そこから虚の独白が始まる。

 

こころの寂しさから自分勝手に勘違いして納得して…

なんて馬鹿な話だ。

善なる魂ならこんな事はなく理解出来たのだ。

それが簡単に欲に負けて死に怖がって下らない茶番だ。

一番自分が知っている筈なのに、有り得ないと分かっているのに否定する。

元々人間だった自分が言うのも何だが愚かな生物だ。

 

遂には激上して井上を殺しにかかる。

 

自分の目的が心の寂しさなのにその目的も忘れ、いっときの感情で殺そうとする。

愚者?道化師?

なんでもいいが馬鹿な行為なのは変わりない。

 

主人公に簡単に腕が切り落とされる。

攻撃手段が歯だけになったがそれでも主人公に食いかかる。

が、簡単に斬魄刀で遮られる。

殺せないと分かると今度は織姫を殺そうとする。

 

「やめろ!!」

 

肩や腹部に歯が刺さる。

 

しかし、井上は虚に抱きつく。

 

「……織………姫……?」

 

「…ごめんね……お兄ちゃん……」

 

困惑する虚を更に強く抱く。

 

 

「最初の頃は毎日祈ってばかりだった……でもそれじゃいけないって思ったの。あたしが悲しんでる所ばっかりお兄ちゃんに見せちゃいけないって…それじゃお兄ちゃんが心配しちゃうって…」

 

 

「だから、見せたかったの!あたしは幸せです!だから心配しないでって!!」

 

 

 

「けど…それがお兄ちゃんを寂しくさせてたなんて…あたし全然…気づかなかった…お兄ちゃん…

 

 

 

 

寂しくさせてごめんなさい…だいすきだよ……」

 

 

井上が倒れ込む。

二人が心配する。

 

 

「狼狽えるな!そいつはまだ助かる!!」

 

忘れられていたルキアが登場する。

壁を何とか登ってきたのだろう。

ご苦労なことだ。

 

 

気づいているなら止めればよかった。

それを拒絶したのは自分の筈なのに。

本当に愚かだ。

 

「ーー同じなんだよ。死んだやつも残されたやつも……ーーどっちも同じだけ寂しいんだ……自分ひとりだけ寂しがってるなんて…そんな勝手なこと思ってんじゃねえよ…!」

 

ヘアピン…あれがあんなものになるなんて思わないだろうな。

この時点では井上も一般人的な扱いでこの後の戦いに巻き込まれるとは思ってないだろう。

 

…っと準備しなくちゃな。

えっと…こいつの解号はどんなんだっけ…?

 

確か…吸い上げろ『蚊盗保(モスキト)

 

俺の口先がダイソンみたいになる。

吸引力の変わらないただ一つの蚊盗保。

 

主人公が肩に担ぎ上げている斬魄刀を、自分の仮面の部分にあてて自害する。

 

虚の体が崩れていく。

 

「…それじゃ…さよならだ…織姫…」

 

 

「…お兄ちゃん………いってらっしゃい……」

 

 

虚の体は全て崩れさり、尸魂界に送られるように空に登っていくように見えた。

 

 

さて、帰るか。

 

全く、愚かで寂しがりで馬鹿な味だ。

だが、

 

「おもしろかった」

 

俺は空いた穴から外に出てから帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

井上の目の前で小規模な爆発を起こす。

これで記憶置換できた。

 

「キオクチカン…?」

 

「そうだ。まぁ入れ替わる記憶がランダムなのがたまにキズだが…」

 

「……?」

 

井上の記憶はこれで大丈夫だ。あと、名前は分からんがコイツにも一応くらわせておかなければ。

 

「わからなければ明日まで待て。そうすれば自ずと……!?」

 

「なっ…なんだよ?」

 

部屋に空いた穴の方を振り返る。

そこには何もなく空いた穴からは先ほど見た時と同じように夜空が見えていた。

一護は不思議な顔をしている。

 

「一護…そこに今誰かいたか…?」

 

「いや、この場には俺達しかいねえよ」

 

今、この場には私達しかいない。

一護もいったが私達以外にも霊圧は感じなかった。

しかし、さっき確かに…

 

「おもしろかった」

 

と聞こえた。

 

「気のせいだ。井上を直すからちょっと待っていろ!」

 

「お…おう…」

 

一護には気のせいだと言ったが何かいたはずだ。

しかし今の私では調べる事は出来ない。

ここは諦めるか。

 

夜空には小さな羽虫が飛んでいた。

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。